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【ALL】Justice Fighter【戦闘】

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スレ主 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

巨大未来都市『ゾディアック』。
一見すると揺らぐことなど無い大都市に思えるがこの都市は常に悪しき者達の手に脅かされている。

『クロスショッカー』。
この世界の征服を企む悪の秘密結社である。
多数の資源、企業を内包するゾディアックをクロスショッカーは狙い、日々暗躍しているがそれを阻む者達がいた。

それが『ホワイトファング』。
ゾディアックにおける防衛組織であり彼らのおかげでゾディアックの平和は保たれている。

これはホワイトファングとクロスショッカーの戦いの物語である。

【クリックありがとうございます。当スレはALLキャラによる戦闘スレとなっております。
募集開始までレス禁止です。興味ある方はサブ記事へどうぞ】

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青葉 @recruit ★0fKR6AbOdF_M0e

【ホワイトファング本部前→/青葉】


>>ロクロウ、(ギル、十香)



(御役目ですか──)

 だからこそなんですけどね。

 だってほら、青葉はまだ取材させて貰ってないんですから。
 王様に大事あったら、それこそ目的が果たせなくなってしまうではありませんか。

「お話聞こうとしたら遅かった、なんて、青葉はイヤですからね」

 ロクロウさんとの約束を守り、要望通りの御酒を置いていくと彼は今度こそ此の場を去っていった。
 律儀な方です。

「──ええ、行きましょう。此処でのんびりしている時ではありませんし」

 ロクロウさんの言葉に一つ頷くと、本部へと歩みを進める。
 今頃は本部もてんてこまいの大騒ぎだろう。
 諸々終わった後には、人手が足りていない場所への協力に向うべきか。

 と、そこで青葉が一度振り返り、じ──と。

 そうそう、御酒も忘れないようにしないとですね。

2ヶ月前 No.505

入社3年目顔 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★SKGC1pYrJC_w96

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2ヶ月前 No.506

清姫 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★SKGC1pYrJC_w96


【市街地/清姫】

 蒼炎が空より降り注ぎ、市街地を再び焼き払う。
 聞こえてきた声に関しては、彼女は然程意識を傾けなかった。
 元より広範囲のそれではあったが、徐に巻き込むつもりで撃ったものではない。であれば援護という名目でやって来た以上間合いの把握程度はしておけと、つまるところそういう話だ。
 尤も、真っ向から抗議すれば彼女は多少困った顔をしながら謝罪程度はするだろうが、そんなことに意識を裂いて隙を晒してしまえばどうなるかは想像に難くない。
 何よりも彼女の位置は空であり、早速隙を晒してはならぬ魔獣が地上から飛んで迫って来ている。焔を防ぎつつ、その翼を広げ、気勢に対する想像を掲げて全速力で昇って来る青年の姿が目に入っていた。
 陰陽の五行が一つ、水克火の概念以て焔を塞き止めるその様子は、五行の相生相剋に疎い清姫にも対処のし難い相手として映った。少なくとも全速力で迫って来るそれは、今の清姫が空中にいることも相まって態勢の自由を利かせにくい状態と合わせて考えれば、その速度を乗せた突撃の一閃は尚のこと厄介だ。

「………本当に、困る御方ですわね―――!」

 何度でも繰り返すが、彼女は戦いを愉しむ性質ではない。
 なるべくならば命は奪わない方針を取りたいし、荒事は苦手と言って憚らない女だ。
 にも関わらずこうした殺戮じみた被害を広げているのは明確な矛盾点でもあるが、彼女としてはただミリアルド・ピースクラフトの首が欲しいだけで、その引き寄せのためにこうしたことをやっている程度に過ぎない。
 戦いを望むというよりは、主と主に向ける愛のためだ。
 だからこそ、戦闘の長期化など望むところではないと心底から口にしつつ、空中の態勢から突き抜けに掛かって来る一条の槍を受け止めるべく薙刀を振るう―――正しくは、青焔を纏わせた薙刀で、その槍の一撃を弾くように叩き付け、一条の攻撃が自分の急所に直撃しないように脇腹へ掠めさせる程度に留めた。

 僅かに裂かれた着物の一部分に血が滲む。
 そして、突き抜けて行こうとする彼とすれ違うように地面へと落下し―――同じ土俵に来た男を逃がさない。
 やられた分をやり返す、その程度の原始的な発想ならばどんな人間だってする。
 言い換えれば戦闘の素人である清姫にも、その程度の反射的な行動を行う程度はするのだ。
 着地する前に、その焔気を以て作り出した炎弾が無数に現れ、追尾をするかのような挙動で同じように空中で攻撃を行った直後の一条へと襲い掛かる。その間に彼女は多少ふらつきつつも地面へと着地し、再度戦況を仕切り直した。
 そうして、改めて戦局を俯瞰できる状況を作ってみれば分かることがある。

 ―――弱りました、どうやら状況は良くありませんね。

 他の戦場らしき場所から音が聞こえてこない。
 ここらが潮時か、あるいはもう少し戦闘状況を維持するべきか―――いずれにせよ、此処は相手の出方待ちだ。

 仮に逃げのびてくれるならばやりやすい。清姫としては、狙いはこの二人でもなんでもないのだから。
 だがもしも、もしも、彼女としては極僅かに感じている可能性として、戦闘を継続して来るのであれば―――。

>一条晴彦、ジョセフ・ジョースター、アームズ、アイスエイジ

2ヶ月前 No.507

スレ主 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【ホワイトファング本部前広場/ミリアルド・ピースクラフト(ガンダムエピオン)】

「そうか…さて、次の問題だな」

今したがたミリアルドには二つの報告が入った。
一つはアタランテと十香を無事奪還、救出出来たこと。そしてもう一つは郊外にて謎の高エネルギー反応が検出されたかと思えば黒き巨竜としか形容の出来ない何かが出現したということ。

「郊外の今の映像、出せるか?」

構成員に今現在の様子をモニターに映してもらい、それを見たミリアルドは息を飲んだ。

なんだ、なんなのだこれは。既にホワイトファングの精鋭達が何人も戦っているが彼らが虫にしか見えないほどにそれは巨大すぎた。
こんなものが今この瞬間にもこのゾディアック市街へと侵攻しているなど悪夢そのものだ。
自分自身もこの怪物を倒しに出向きたいのは山々だが自分はホワイトファング総司令である身、むざむざ前に出て死ぬわけにはいかないのだ。

「お前達と…肩を並べて戦えん私を許してくれ…!!」

ミリアルドが出るとしたらそれはゾディアック市街の目と鼻の先にまでこの巨竜が迫った時である。
今はまだ、自分は戦えない。ミリアルドは指示を出しつつも可能な限り今黒き巨竜と戦う者達が生きて戻ってくることを願った。

>対象無し

2ヶ月前 No.508

ルイ @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★nc6OuVRr3T_w96

【ホワイトファング本部前広場/ルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクランツ】

「聊かばかり遅きに失したといったところか。あの様子、あの騒ぎ……あれが報告に逢った災厄の一。成程確かに、滅びはそう遠くないやもしれんな」

 それは、闇が具現化したような幽(しず)かな声だった。まったくの気配を感じさせず、まるで闇がその場で実態化したかのような錯覚さえ思わせる隠形を成した男が、唐突にその場に姿を現す。
 ホワイトファング首魁、ミリアルド・ピースクラフトの傍へ現れた男は奇妙なとりなりをしていた。見事な金の長髪を流し、白を基調とする精練な戎衣を纏う、理性的な印象のミリアルドとは正反対。赤い髪に煤切れた外套。重く、暗く、ねばつく暗黒が実態化したかのような、あまりに暗澹たる印象。闇……陳腐ながらも、男はそうした概念を思わせるような人間だった。
 男は相手の反応を見るまでもなく、淡々とミリアルドへ告げる。

「おまえがミリアルド・ピースクラフト元二級特佐。――防衛組織ホワイトファングの指導者で相違ないな」

 言葉にするや否や、即座に周囲を取り囲むミリアルドの護衛の兵士は銃を向けた。当然である。唐突に、誰にも悟られぬまま登場した不審人物だ。何よりこの混乱した状況は敵側にとって好都合の筈、刺客を警戒するのは基本だろう。
 しかし彼は無数の銃口を前にしても態度を変えることなく、何処か他人事のように気だるげな素振りで双手を上げ、一枚の紙切れ(スクロール)を手から滑り落とした。
 特殊な材質で出来た羊皮紙の書状、その送り主はバチカン……西洋社会の宗教を牛耳る組織のひとつの名が記載されていた。普遍宗教の総元締めにして、裏の世界においても魔術界と関わりの深い世界であり、度々政治的な衝突を起こしている組織でもある。
 即ち、厄介な政での事情を除けば基本的に味方である、ということに他ならない。

「バチカン教皇庁所属、特殊工作員ルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクランツ。既に行政組織からアポイントメントは取ってある筈だが……これがホワイトファング流の持て成し方か? 相も変わらず野蛮なことだ」

 笑いもせず疲れ切った眼をただ細め、落ち着いた声で名乗りを上げた。

「遽しいところを邪魔するが、こちらもこちらで急を要することだ。おまえたちには知らせておかねばならぬことがあると、教皇庁本部直々に達しがある。今迫っている災厄とも関係のあることだ。
 ――よもや、話を聞くことすら出来ぬ、とは言うまい?」

 男の眼からは覇気はないが、語気からは強い命令の意が込められている。面倒だから、大人しく言うことを訊け、とばかりの投槍じみた態度。不真面目な役人のような態度だが、それに反して彼が優秀な軍人であることは明らかだ。
 危機の察知に際し、すかさずその土地の管理者の元に駆けつけ、協力を要請する手際の良さは、只の戦闘員には真似のできない器用さである。英雄、超人の集う中で、こうした重要な役割を果たせている点で、『強い』訳ではないものの、一際優秀な人材ということは疑うらくもない。
 だが兵士たちは、その登場に一様に当惑している。この男の言葉を信用していいのか。せめて本局へ電報を送り、身元と情報を確認した方がよいのでは。
 いや仮に本当だとして、バチカンが急に特使を仕向けてくることも勿論だが、何のために接触を図るのか。災厄とは何のことか、何故それについて知っているのか……聊か解し得ないというところもある。疑問は尽きることはない。

『……隊長、如何致しましょう』

 護衛の一人が抑揚を抑えた声でミリアルドへ指示を仰ぐ。今は如何せん一刻を争う事態である、いつもの教会の説教を聞いている暇などないのだが……彼ら兵たちがどう対処するかはミリアルドの意向次第である。
>ミリアルド

2ヶ月前 No.509

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_Hej

【 郊外 / メア、ネメシス 】


 メアの放った閃光はいとも簡単に避けられた。周囲には他にも何人かこの場に集結し、互いに敵同士でありながら一個体の脅威に対し攻撃を繰り返しているが竜はものともしない。次いで竜は反撃を開始した。放たれる数十の光の弾丸。此方の砲撃より遙かに威力の高い事は迫り来るソレを見ただけで判断出来る。しかしその性質が光であるのならば、ネメシスにとっては問題は何も無い。ネメシスはトランスにより変身している闇の霧の姿を一気に展開させてメアを包む。大気を焼き焦がしながら爆進する光の弾丸は、その闇の衣に触れた瞬間、まるでブラックホールに呑まれたかの様に消え失せた。寸分違わず全ての光が注ぎ込まれ、一頻り脅威を呑み込むと闇の霧は晴れ、再び不定形のままメアに纏わり付く。竜の攻撃に驚きを隠せないメアとは裏腹に冷静に状況を分析するネメシス。先の攻防で見た回避行動。正面から撃てば勿論予測出来る範疇だが、不可解な事は竜の判断基準だ。

( メアの攻撃は避けて、ミサイルの類いは弾いたか。フム……そして生意気な事に私たちは眼中にないらしいな。 )

 先程のミサイルを弾く芸当をメアの閃光で発揮する事が適わなかったと言う事だろうか。機械による効率的な判断なのか人為的操作が介入しているのかは定かではないが、一定の威力さえあれば直撃は向こうも避ける判断を下すのならばそれはそれで分かりやすい。今以上の威力の砲撃及び直接攻撃を繰り返せばその体力を削り取る事は出来るだろう。けれどそれでも相応の脅威となり得ないと判断されたらしく、侵攻を再開する機械竜。その行動は、例え砲撃がメアの物だったとしても生体兵器としてのプライドに障る。

「 まあ、あれだけ大きい相手なら仕方ないよね〜。どうしようマスター、いっそアレと繋がって支配権を奪ってみる? 」

 そんな中でメアが提案。トランスによる一時的な融合を果たし肉体支配≪ボディジャック≫する事が出来るメアは、その応用で機械と直接繋がりパスワードを解除するなどと言った芸当が出来る。だがそれはあくまで生物の肉体の支配権を奪う技であり、機械に通用するかどうかは定かでは無い。さらには未知の存在を相手にして、逆に呑み込まれる等と言う結果になる事は避けるべきである。答えはNO。安易に彼女を失う事は、メアを宿主としている今のネメシスにとってデメリットでしかない。闇の霧は一カ所に集まり、そして次第に人の形へと姿を変えていく。

「 ――私が行こう。これなら久々に私も楽しめそうだ。お前は他の連中と連絡を取れ、アレをどうして欲しいか一応聞いておく。 」

 闇は転じて、少女となる。長い黒髪に褐色の肌。金色の瞳。黒を基調としたミニ浴衣の様な装束を纏った幼い少女の姿。だがその表情に幼子のそれは無い。不敵な浮かべながらメアと同じく翼を生やして宙を舞いメアに指示を出すも、ちゃんと聞いてやるかどうかは私が決めるがな、と捨て台詞を吐いて機械竜に向けて飛び出す。

 避けられる可能性があるのならば、確実な一打を。身体の下半身を全て闇の粒子へと転換し、大気中に散らす。標的の全体へ行き渡らせる事は出来ずとも、四方八方に撒く事は出来る。脅威ではないと判断された程度の存在が纏わり付いたとて些末な事だろう?なんて悪態をほくそ笑みながら呟いた。瞬間、粒子は突如として鋭い刃へと変わる。自身の身体を自在に変身させる事の出来るトランス能力。そして全身がダークマターで構成されたネメシスだからこそ出来る芸当。刃は竜の周りの空間の居たる所から突如として突き出し、無数の刃として竜を貫かんと繰り出されて。



「 もしもーし、今あのでっかいやつの近くまで来てるんだけど、どうしたらいい? 」

 一方、メアはネメシスに言われた通り、一度その場から離れてスマホ型の通信機で連絡を入れる。誰に繋がるのかは知らないけれど、今アジトにいる者であればきっとアレをどうしたいかと言う判断を知っている筈。故に誰かは確認しない。誰が出ようとも、答えさえ分かれば良いのだから。そしてこの状況に置けるどうしたらいいと言う問いに期待されている答えは、破壊と入手の二択。最低でも状況が状況だがホワイトファングの戦力を影ながら削ぐ程度。撤退などと言う判断は、恐らくネメシスが言う事を聞かない。誰の声が返って来るかも分からぬ通信機を見詰めながら、その声を待って。

>> 黒曜、周辺ALL、(メアのみクロスショッカーアジトALL)

2ヶ月前 No.510

絶望王 @cube☆PjfbxfTdjqg ★8jCPFrgLSZ_ZFe

【交差点/絶望王】

 稲光を纏った拳が少女の肉体に減り込む。
骨身を軋ませ、五臓六腑を揺るがす一撃を見舞った。その手応えと実感はあった。
この拳を放った後は、あの衝撃のまま宙を舞い、後方に展開した青き猛炎へと飛ばされる少女の最期を、ただ眺めるだけのこと。
だが、奴の行動は、人非ざる身であるが故に悉く、俺の思惑の外へと及ぶ。

 「……」

 あの成りでまぁ、よくあの大きな得物を自在に扱えるもんだと興味深く見ていたが、それもまぁ人外ゆえに成せる業なのだろう。
全身を焼き尽くされ、焼身となりて滅するが最期とみていたが――結果、右腕だけに押し止めやがったわけだ。
だが、満身創痍であるのは間違いないだろう。後一撃でも浴びせたらくたばりそうなほどに弱りきった相手。

 だが、なんだ――?
どれだけボロ雑巾の如く痛めつけられようとも、臓物をズタボロにされようとも、片腕を焼け焦がそうとも。
奴のその双眸に宿る戦意は未だ衰えを見せない。――たとえ幾千の挫折と痛みを与えようとも、あの意志は決して折れないだろう。
そして、そんな絶望の翳りを見せない敵にーー――俺(ぜつぼう)は静かに歩みを進ませる。

 「――――どうしたもんか。幾ら攻撃しようが、決して諦めぇし、退きもしねぇ。それなら一層の事、楽にしてやろうか」

 両手を両手を突っ込み、アスファルトの地面を踏みしめ、前進する。
興味が失せた、と早々に割り切ってしまえば、どれだけ手間が省けただろうか。
ああは言っても、結局のところ俺もまたどうにも“諦めきれねぇもの”を抱えちまっている。

 間合いに入り、ピタリと歩みを止める。
それとほぼ同時に、念動力で交差点の一角に佇むビルの上層部だけを砕き、その残骸を傍らまで引き寄せる。
残骸といっても、これは5mに及ぶアスファルトの塊だ。人並みの大きさの奴なら押し潰して終いだ。

 「フィナーレだ。楽しかったぜ? お前とのダンス」

 そう言い告げるが最後。
ポケットに突っ込んでいた片腕を突き出すと共に、トドメと言わんばかりにビルの残骸を少女へと放つ。
もはや、奴に成す術がなければこれにて閉幕。――だが、見せてくれよ。この絶望を打ち払ってくれるような奥の手を。

>>メドゥーサ(ランサー)

2ヶ月前 No.511

アルハザード @kyouzin ★XC6leNwSoH_Q1n

【クロスショッカーアジト/実験場/アルハザード+バスティス×3+エスペランザ×3】

クロスショッカーアジト内、ほとんどの照明が消え、微かな照明だけが大量に存在する鉄格子や拷問器具の類を照らす不気味な空間。
培養路が時折水泡が割れる音を響かせる、静かな空間、その巨大な空間の隅に"それ"は居た。

どういう原理でそうなっているのか全く分からないが、常に浮遊している、白いローブを着た不気味な仮面の……男とどうかすら判別が付き難い存在、アルハザードである。

さて、この実験場と言う場所は、普段は目が痛くなりそうなぐらい照明が明るく、何人もの、アルハザードの部下であったり、或いはその実験を見に来る人物達の姿が見受けられる場所であるのだが、今に限っては不気味な程、ここは静寂に包まれていた、当然、現在は作戦行動中なのと、黒い竜の出現により、ほとんどの者は、研究機材を避難させたり、或いは迎撃に出たりしたのも無関係ではない。
しかし、最も大きな理由としては、やはりこの主……と言っても過言ではない程、よくここに出入りして、不気味な改造生物を製作するアルハザードが手を止めているからだ。

彼もまた、研究資料を持って、念のために別の場所に避難するのかと思えばそうでもなく、ただ、そこに居るのみであった。
……そして、その静寂が、扉を開ける音によって消えた時、アルハザードはゆっくりと顔をそちらに向けて、話しかけた。

「竜の話ですかな? 私にはアレに対する有効打がございません、出撃は控えさせて頂きましょう。 そもそも私は裏方と言う理由もございます。 あぁ、メアリさんにも声を掛けなくて結構、彼女は人間に対する殺戮性能に秀でており、精神的にもそちらに適正がありますので、あぁいう手合いに引っ張り出すのは無意味極まり無い……世話役として、優秀な者を無駄死にさせるべきではない、とお伝えしておきましょう」

ただの伝令か、そうアルハザードが確認すると、竜の話か? と問いかけ、相手が驚いたような表情を見せれば、すぐに理由付きで、自分は出撃するつもりは無いと語り始める。
確かに、彼は戦闘員と言うよりは研究者の類であり、前線に出て行かない事に誰も文句は言わないだろう、二度に渡る出撃も、バスティスとエスペランザの調整兼恩を売っておく事と、カラミティ・メアリの出来を記録するために付いて行っただけに過ぎない。

そして、アルハザードは追加でメアリに対しても声を掛けなくて良いと告げる、あくまで彼女の能力とモチベーションや精神面の都合を考えて、黒陽の相手をさせるのは不適切とした上で、話を切り上げた。
本来ならそこで会話は終了となるが、アルハザードは余興として、おそらく伝令役が疑問に思っている事を説明する事にした。

「私の役割は改造生物製作ですので、そう大掛かりな設備などは避難させる必要は無いのですよ、あれば良いと言う話であって、無くても作れますから。 そして、静かなのは、既に完成品の幾つか……"種"を投入した後だからです、手続きが上手く行っていれば、その種を植え付けたホワイトファング隊員と共に、敵地に到着する頃合でしょう」

種、彼は心底愛おしそうにその言葉を呟いた、馬鹿であっても「種」こそが彼が作った作品なのだと理解できる内容だ。
そして、気味悪く笑う、種を「ホワイトファングの隊員」に植え付け、敵地に到着する頃合だと。

「私とて、あの洗脳していた者が裏切る前に、"種"を完成させ、あのような事態になった時に処分出来るようにしておきたかったのですが、完成を早める事が出来ませんでしたからね、予定通りと言えば聞こえはよろしいですが……故に、また別の機会で、あの種たちには役立って貰いますよ、クカカカカカカカ……」

微かな明かりの中で、アルハザードは笑う、彼が笑い終わり、話が終わる頃合には、伝令役はその場から姿を消していた。
ONとOFFの切り替えがスムーズで何より、しかし、多少語らいを聞く程度の度量は持ち合わせて欲しい物だと呟きながら、アルハザードはその場に佇んでいた。

>アジトALL


【撤退させまくったりしたせいでやる事はありませんし、モニタールームで煽り合いが起きていますがアルハザードは趣味にひと段落着いて元気です。 と言うだけの文、スルーされても問題ない感じのレスです】

2ヶ月前 No.512

バンノ @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【クロスショッカーアジト/モニタールーム/蛮野天十郎】

「なにぃ?」

作戦を失敗し、尚且つこちらにとって都合の良い展開に持ち込んだバラゴを笑っていれば、そこに横槍が入る。
今来た鳥や蛇はどうでもいい、所詮は我が野望の末に始末される有象無象だ。
だがしかし、この緑髪は何と言った?

>ぽんこつな科学者<

血管があれば間違いなくキレるであろう一言から始まり

>出てくるだけで面白い男<

前回での博物館での墜落事故を想起させ

>小判鮫のような精神<

遂には精神面にすら口出しする始末。
これには遂に本体であるベルトもショート寸前、今すぐ殴りたい。
だがそれ以上に蛮野の精神を逆なでする一言が飛び出してきた。

「な、ふざけるなキサマァァァァァァァァ!!!!」

大人の目線?クソくらえ、何が悲しくて死に物狂いで手に入れた賢者の石をどこの馬の骨とも知らない奴に使われなければならないのか。
言いたい放題言って闇に消えていく緑髪を見ながら、蛮野は怒りに打ち震える。

「何が言いたい!!!」

バラゴの真意を悟る余裕など今の蛮野には無い。
確かに今現在、何か起きているのは察している。
だがしかし、蛮野の頭の中にはあの緑髪を如何にして苦しめるかしか頭にないのだから。
なのでメアから送られてきている通信に気付くはずもなく―――――――また現地にいる息子にも気づかない。

>バラゴ、エルキドゥ、アンク、ロア、(メア)

2ヶ月前 No.513

Charlotte ★j0TDgmbRwv_M0e

【郊外/シグレ・ランゲツ、ムルジム】

ホワイトファングとクロスショッカーの勢力が黒き竜と熾烈な攻防戦を繰り広げている光景を一人の男が遠くから見物していた。

「すげぇな!あんなでっけぇ龍を見るの初めてだぜ!態々、修行をほっぽり出してきた甲斐があったもんだ」

肩に大太刀を背負った和服の男は数百メートルの黒き竜の巨体に慄くどころか始めて見る光景にむしろ興奮した様子であった。

「随分と暢気ね......組織の連中があんたをしつこく呼び出すなんて相当な事よ......」

興奮した面持ちでいる男を若干呆れた様に足元に入る白い麻呂眉の猫は顔を洗いながら男と一緒に黒き竜を見つめていた。
この男の名はシグレ・ランゲツ、独特の剣術を伝承するランゲツ家の今代当主にして流派最強の剣客でクロスショッカーの幹部だ。

「分かってるってムルジム、組織の連中が俺をご志望するって事はあの龍にそれ程の価値があるってこった」

シグレは凄腕の剣豪であるものの本人の気ままで自由奔放な性格から書中、仕事を放り出してはふらりとどこかへ行ってしまう流浪人な態度に他の構成員からは反感を買っている。
今回も組織を離れ単独で修行の旅に出ていたが組織のあまりにもしつこい召集命令に渋々、現地へと赴いたのだ。
しかし組織がシグレを呼び出すなど単に戦力不足を補う為に召集にも思えるが見方を変えればあの黒龍の捕縛にそれ程、躍起になっているという事だ。

「まあ俺、自身あの龍と斬り合えばそれでいいんだけどな........それとホワイトファングの連中が入るって事はもしかしたら弟とばったりと出くわすかもしれないな........」

そう口元に笑みを浮かべながら彼もまた黒き竜が猛威を振るう戦場へと歩みを進めていった。


>>郊外ALL

2ヶ月前 No.514

ウィザード @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【郊外/操真晴人】

「―――――っ!」

魔法による灼熱の竜巻を、相手のブースターで生み出された爆風によって掻き消される。
つまりこれでこちらの出力さえも上回られてしまったことを意味していた。
真正面からでは武装でも弾かれ、魔法では出力負け。
相手の力に対抗するために開帳した力でさえ、相手の足元に及ばない。
だがまだ一縷の望みが晴人には見えていた。
1人のライダーが黒龍に対して打撃を加えることに成功していた。
つまりそこに活路がある。

「はぁっ!」

爆風によって吹き飛ばされる反動を利用し、一気に急降下。
黒龍は進路を依然変えずに、こちらを気に留めずに市街地に向けて進路を取っている。
幾らか小型の同型機を展開しているようだが、とてもうるさい偉そうな男が放つ生物が放たれ襲い掛かっている。
更にはライダーの攻撃が当たった箇所にロボットが集中攻撃せんとビームを放つ。
そして周囲に謎の刃が出現、黒龍へと斬りかかっていく。
何処の誰かはわからないが、こうして皆が戦ってくれている。
そして、あれほどの攻撃にさらされればこちらへの対処は先ほどのライダーのように間に合わないはず。

「これ以上先にはいかせない………!」

地面に着地する寸前、巨大な赤の魔法陣を展開しそこへ降り立つ。
更に赤、青、緑、黄の魔法陣を個別に展開、それらを引き連れて再び跳躍。
空中で身体を回転させ、キックの準備は整った。
魔力で出来た各属性のドラゴンが各色の魔法陣から顕現、ウィザードに追従。
不死者すら太陽へと追放した最大の必殺キック「ストライクドラゴン」だ。
相手のサイズ故に蹴り飛ばすことは不可能、だが貫通するとなれば話は別。
4匹の龍を引き連れ、紅き龍が一直線へと黒龍の胴体目掛けて昇っていく。

>対黒陽ALL(オジマンディアス、チトセ&諸葛孔明、詩島剛、セイバー、ネメシス、イゼッタ、リディ)

2ヶ月前 No.515

マッハ @arts ★iPhone=VWb3NiiNM3

【郊外/仮面ライダーマッハ】

 >黒陽(、参戦者all)

 ライダーキック、直撃。
 快音と共に機竜の頭部フレームが歪み、丁度こうべを垂れるような姿勢になる。

「はっはー! さぁて、お楽しみは俺……うおぉっ!?」

 意気揚々と決め台詞を発するも、黒陽が頭を戻しただけで彼の身体はあっけなく空中に放り出された。物理法則に従って落下するマッハを出迎えるのは、砲門から放たれた漆黒の光弾だ。
 シグナル交換は間に合わない。再度キックで近づこうにも体勢を整える必要がある。
 万事休す。上に逃れられないのなら、あとは少しでも下に落ちて全被弾の事態を避けるほかない。だが届かない、猶予がない。落下速度は変わらず、マッハの白いボディは黒い光弾に穿たれるだろう。
 何故ならそれが世界の法則。物は落ちる。人は飛べない。それだけの話で、いくら彼が下へ下へと意識を伸ばしたところで何も変わりはしないのだ。ここがまっとうな摂理の支配下にあったならば。

「なんだぁっ!?」

 夜天に響く声の色は、苦悶ではなく驚嘆。それは同時にマッハの無事を示していた。――無事。そう、無事なのである。
 上空では黒陽の砲撃が花火の如く炸裂しているが、マッハはその遥か下方で自由落下のさなかにあった。直撃の寸前、急激に落下スピードが加速したのだけをマッハはどうにか身体で感じていた。
 ご都合的な不可解。
 非現実的な不可思議。
 非常事態における異常事態であり、脳細胞一つ一つがクエスチョンマークに変形しそうな不条理である。
 この空域で戦う仲間の援護によるものではない。そんな時間的猶予などなかったし、当のマッハにできたことと言えばお祈りじみた思考くらいで……。
 ――刹那、脳の奥で光が弾けた。その光の名は閃き。どうしようもないほど根拠がなく、そのくせ確固たる自信に裏付けされた発想の光だ。
 そんな命を預けるに足らない仮説を、しかし彼は信じた。自分自身を、既に強い℃酷剛を信じた。

「(下、下、下――!)」

 目視するは遥か上空、もはや空より地面に近い中空でなお落下を続けながらマッハは機竜のいる場所が下≠セと念じた。現実の位置関係など無視した、あべこべでナンセンスな冗句。まるで死に際して気が触れたかのような奇行、その末路は――

「お、おお、おおお――!?」

 ――閃きの勝利だった。ぐんと跳ね上がるマッハの身体。彼が常識も原理も思考の外に蹴り飛ばして『下である』と思った座標にマッハは飛行/落下する。
 ソラに落ちるユメ。なんて諧謔、いまどき子供だってそんなもの信じない。
だが、事実としてマッハはそれを体験したのだ。他の誰でもない自らの身体と知覚で。
 どうにか黒い巨体に追いつき、鋼鉄にしがみつきながらマッハは毒づいた。黒陽が移動を再開したのだ。全身にかかるGはもし生身だったら耐えられなかっただろう。

「っ――くそ……! 足止めにもなんねえのかよ!」

 だが、希望はまだある。黒陽は無抵抗ではない。攻撃を受ければ回避行動を行い、反撃もする。つまりはまったくの無傷ではないのだ。実際、先程キックと共に着地した地点は歪んでいる。
 一撃ではまだ止められない。ならば十、百、千、何なら万でも億でも構わない。
 試行回数が全てだというのなら、無心で回転(くりかえ)せばいいだけのこと……!

《シグナルバイク、シフトカー! ライダー! デッドヒート!》

 シフトデッドヒートをバックルに装填、電子音声が流れると共にマッハはデッドヒートマッハへと変身を遂げた。白いメタリックボディに真紅が加わり、右肩の小型タイヤにバロメーターが表示される。

「これ以上は進ませねえ……!」

 手にするは彼の専用銃、ゼンリンシューター。通常形態のマッハと似たカラーリングを施され、下部にタイヤを模したパーツを有する近中距離武器である。
マッハは黒陽の砲門の一つに狙いを定め、マッハドライバーのスイッチを押した。

《ヒッサツ、バースト! フルスロットル! デッドヒート!》

 銃口に白熱したエネルギーが集束、トリガーを引くと同時に一条の閃光が迸った。
 圧縮されたエネルギー弾にデッドヒートの力を上乗せした一撃だ。並の敵であればひとたまりもないが、かの生きた鋼鉄は並を千束ても遠く及ばぬ世界規模の脅威。立ち向かう彼の一撃は、果たして――。

2ヶ月前 No.516

諸葛孔明 @faketanisi☆8cfl5/j3VDw ★kTiMs9Flj7_Q1n

【黒陽戦滅茶苦茶過密しているので、状況整理の為にもチトセは撤退させますね。
 余りにも格好つかないのでサイレント撤退にしていますが、お許し下さいませ……m(_ _)m】


【郊外/諸葛孔明】

 攻撃行動に出た機龍――その猛威たるや、想像通りに圧倒的な物であった。
 数千、数万と言う途方もない数の黒い雨。一発一発が超近代兵器級の破壊力を秘めるそれは、人体が直撃したならまず間違いなく原型も残らないレベルで消し炭にされること請け合いのそれだ。

「怯むな!」

 自分の下へ飛んできた瓦礫の残骸を、指を鳴らすと共に生じさせた爆炎で掻き消しながら、キャスターはその絶望的の一言に過ぎる戦況を分析、立ち向かう者達に檄を飛ばす。
 だがそれは、根性論で戦線を持ち堪え、継戦して勝利を勝ち取れという意味合いではない。
 もっと絶望的で、目を逸らしたくなるような事実を、諸葛孔明と言う英霊の頭脳が彼に伝えているからだ。

「……アレは"様子見"だ。恐らく全霊の数パーセントにも満つまい」

 アレをこの地に投じたのは、果たして誰の悪行だと言うのか。
 或いはアレは天変地異、地震や洪水のようなものであり、避けようのない災禍であるとでも言うのだろうか。
 ……どちらでも納得出来るのが忌まわしいと、キャスターは心の底から戦慄した。されど、それは彼を臆させる要因とはなり得ない。諸葛孔明と結び付いたエルメロイU世と言う人間は、嘗て一つの大きな戦いを乗り越えている。絶望も悲観も飽きるほどしたあの戦争――当時はあれほど煩わしかった日々が、今の彼を何より強い芯となって支えていた。

 更に重ねられる攻撃。――苛烈、強烈、絶望的の一言に尽きる戦況。
 されど戦意は見失わず、誰もが己の武器を掲げて吼えている。

「崩折れず、奴に一つでも多くの損耗を齎すのだ。アレの猛威がもう幾らか弱まれば、戦況を楽にする手段は有る」

 現状では、暴れ狂う黒陽龍を拘束する事は不可能。台風を囲って封じ込めようとするようなものだ。土台からして現実味があまりにも欠けている。
 諸葛孔明の大宝具、究極の陣地――それに追い込むことこそ、キャスターの考える"理想の展開"であった。

 そして、丁度その時。
 リディ・マーセナス――クロスショッカーの機人遣いが、頭部を狙うと豪語した。
 頭部。古今東西、あらゆる存在に対しての特攻部位。
 だが、只それを狙うだけでは駄目だ。火力を一点に集中させることはすなわち、相手にとっては厄介な羽虫が一箇所に集まってくれるようなもの。殲滅を容易にするだけ、である。

「己の火力に自信がある者は数を絞って頭部へ! そうでない者、サポートに特化していると自負する者はそれ以外の部位を突き回すか、頭部特攻組の援護に回れ!!
 捨て身の特攻などとは考えるなよ、敵は未だ健在だ! 優先破壊部位は頭部、そして仮面ライダー・マッハが狙っているように奴の砲門!!
 ゲームのレイドボスと同じだ。砲門を破壊すればするだけ、奴の火力は相対的に低下する。我々の命を助ける以上に、ゾディアックの破壊を防ぐ最有効手段だ。欲を掻くな、どうせ勲章などは降りてこない。己に出来る最善を尽くし、全体利益を追及しなければあのデカブツは倒せん。
 それと――」

 そう、重要なのはこれからだ。

「奴に必ずや弩級の痛手を与えられる自信がある――そういう大火力を持つ者は、"まだ撃つな"。理由は追々解る。信じ難いかもしれんが、今は我が指揮を信じろ」

 何故なら、そういう力は"確実に"当ててこそ意味がある。
 この発言こそ、キャスターにはそれを可能にする手段があるという事の証左であった。


>黒陽戦ALL

2ヶ月前 No.517

諸葛孔明 @faketanisi☆8cfl5/j3VDw ★kTiMs9Flj7_Q1n

【教会/ヴィルヘルム・エーレンブルグ】

 吶喊。どちらが先に敵を抉るかに全てが懸かった、至高の刹那が展開される。
 吸い殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す――常に覇道を歩み続ける最新式の神秘であると己を奉じているが故に、この存在にだけは負けられないと、ヴィルヘルムは心の芯から猛り狂う。
 この男を喰らい殺し、その光り輝く英雄譚を己の腹に収めたならば、己は更なる存在に上り詰められる筈。
 柄ではないが、これはそういう意味で、傲岸にも自分の道を立ち塞ぐ一つの試練であるとヴィルヘルムは認識していた。大英雄ジークフリートが一人の正義としてヴィルヘルムに挑むように。ヴィルヘルムもまた、先人に対する後継として、眼前の過去を喰らい尽くさんと吼えていた。
 望んだ獲物を取り逃すなどと言う、忌まわしい呪いを知ったことかと踏み越えて。
 僅か一間の距離にまで肉薄し、いざやその霊基、魂魄の一片に至るまで余さず吸収せんとした、まさにその瞬間。

 ――振り上げられる、

「――」

 ――幻想、

「オォォォ――」

 ――大剣。

「ォォォラアアアアアアァァァァ――ッ!!!」

 こうなれば最早、小癪な策を弄することに意味はない。零距離で解き放たれた膨大な魔力は、真実夜を支配する吸血鬼を分子の一粒も残さず消滅させる為の煌めきに他ならぬ。
 黄昏の光が身を焦がし、霊的装甲を貫通。それは強化され、魔人を通り越して魔物の領域に身を浸からせているヴィルヘルムの総体を凄まじい勢いで破壊していく。
 吸っては使うの循環原理。相手が先に朽ちるか、ヴィルヘルム・エーレンブルグがこの世から消滅するかのどちらか以外に幕引きは有り得ず、未来は二つに一つに絞られた。
 この期に及んで長期戦もまた有り得ない。永遠にも思える刹那の拮抗。その最果ては、何を惜しむでもなく訪れた。

「――――――――」

 黄昏の光が。
 少しずつ、吸血鬼を圧していく。
 そう、何故なら光は闇を喰らう者。
 永遠の夜は黄昏の光に照らされて、悪夢の世界は喰われていく。
 やがて、それは闇に愛された魔人の体を少しずつ、少しずつ灰の如き粒子へと変えていき。


 ――黄昏が過ぎ去った時には。
 ヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイ、百年を生きる吸血鬼の姿は、塵も残さず消滅していた。
 破れた天蓋から、夜空が見えている。そこに瞬く月は……英雄の勝利を証明するように、白銀の光を湛えていた――


【ヴィルヘルム・エーレンブルグ@Dies irae――英雄ジークフリートとの戦いに敗れ、死亡】


>ジークフリート
【お相手ありがとうございました!】


【メドゥーサのレスですが、もう少々お待ち下さい。今日中には投下します】
>絶望王本体様

2ヶ月前 No.518

スレ主 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【ホワイトファング本部前広場/ミリアルド・ピースクラフト(ガンダムエピオン)】

唐突にかけられた声と現れた気配にミリアルドは振り返る。
そこにいたのは身なりもボロボロな男性。およそその男性からは光だとか明るいだとかそういった印象がまるで感じられない。
彼はまるで闇が人の形を持って顕現したような男だった。
男はミリアルドに対してお前がミリアルド・ピースクラフトで相違ないかと訊ねる。

「そうだが?」

ミリアルドは可能な限り敵意を含まない声で簡潔にそう回答し男の言葉に耳を傾ける。
話を聞けば男の名はルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクランツ。バチカン教皇庁所属、特殊工作員であるとのこと。
そういえばアポイントメントは届いていたのだが彼の到着がよりによって今とは、間が悪いと言うほかない。
ミリアルドは頭の中で情報を整理する。
バチカンが今この時何用なのか。このルートヴィヒという男が持ってきた情報とは何なのか。
ほんの僅かに頭を回転させミリアルドは結論を出した。

「皆、銃を下ろして持ち場に戻ってくれ。
緊急事態であるとはいえ彼の語気か無視出来ん何かが起こりつつあるのは私にも理解できた。
ルートヴィヒ、だったな?
緊急事態とはいえ今の非礼は私から詫びよう。
一先ずは、そちらが持ってきた達しというものを聞かせてもらいたい」

要約すればまずは話を聞かせてほしい、そういうことだ。
話を聞くまではわからないが今迫る災厄の事が何かわかるのであれば無視は出来ない。
ミリアルドはそう判断し、ルートヴィヒに対して聞きの姿勢に入った。

>ルートヴィヒ

2ヶ月前 No.519

スレ主 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【クロスショッカーアジト/作戦司令室/首領】

ホワイトファングもそうだがクロスショッカーのアジトも精鋭はともかく一般の戦闘員はてんやわんやだった。
その中で指令の席に座る首領は各地から入る報告を聞きながら落ち着いた様子でモニターを見ながら思案していた。
モニターには例により黒き巨竜とホワイトファングの精鋭達が激突している様子が映っているのだがよく見ればクロスショッカーの者達何人か攻撃参加しているのが確認出来た。
彼らを止めるつもりはない。下手にあーだこーだと指示を出すよりはやりたいようにやらせた方が思わぬ成果が期待できるかもしれないと首領は考える。

そんな中、各地からの報告を受けていた戦闘員が通信機を首領に渡した。
なんでも、メアかららしい。

「メア、私だ。首領だ」

首領が直々に通信に答えた事に彼女は驚くかもしれないため首領は前置きしてからメアに指示を出す。

「私が直接指示を出すことに驚くかもしれないがまずは落ち着いて私の指示を聞け。
確かお前の能力の肉体支配は、その応用で機械のジャックも可能だったな?
それを先ずは試みてその竜の移動を阻害しろ。
ソレが不可能ならば動力源を探せ。それが機械であるなら動力源、もしくは制御をしている装置があるはずだ。それを奪い取って持ち帰れ。
加えて、だ。もしその場に有能な指揮者がいるならそれがホワイトファングの者でも一先ずは指示に従っておけ。
ソレがホワイトファングに被害をもたらしてくれるのは大いに結構だがゾディアックまで破壊されるのはこちらとしても困るのでな。
ここまでで質問が無いなら、早速かかれ」

そうして首領は自ら直々にメアに対して指令を下した

>メア

【首領からは肉体支配の指示を出しましたが問題があれば言ってくださいませ】

>メア本体様、黒陽本体様

2ヶ月前 No.520

ルイ @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★nc6OuVRr3T_w96

【ホワイトファング本部前広場/ルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクランツ】


 一先ずは謝礼をし、話せと促す相手に対し、彼は変わらず枯れ果てたように億劫な態度でゆっくりと口を開く。

「――人類悪という言葉を識っているか」

 切り出した文句は、あまりになじみのない言葉であった。

「それは人類史が立たされる存続の危機に匹敵する災害にして、人間が続くための転換期となる事件である。此処に来たことも、それに警鐘を鳴らすためだ。
 おまえたちはクロスショッカーなどというテロ組織との紛争に終始していたが、外からそれを観察していた我々だからこそ知りうる事実もある。そう、人類悪顕現の兆候自体は様々なところで確認されていた。
 考えてもみるがいい。この時代に一体何人の人間が死者蘇生した? 何人もの神霊、悪魔、精霊、英霊が召喚されてきた?」

 最初にベリアル。次に夜刀神十香。狩人の英霊アタランテ。カラミティ・メアリといった、高位の霊格が続けざまに召喚されている。
 その後に至っては死体を別の魂を入れての蘇生などを繰り返しているようではないか。
 この事態、この風潮……正しく言えば『それが出来てしまう環境』に彼は警鐘を鳴らしている。

「奴らは……いやおまえたちも含めてか。己の技術の進歩の賜物などと考えていようが、思い上がりも甚だしい。単に世界が、それを認めた故に他ならん。要は人理の補強が強まっている。世界側が、それを許す程に危機が迫っている」

 本来妖精や精霊といった存在は召喚が極度に難しいもの。選ばれし超人にしか呼び出すことの許されない超常の理だ。組織だってそれを利用できる環境、それは世界を探してもこの街ぐらいしか有り得ない。
 それはつまり。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
「そう。世界がそれらの助けを要していることに他ならない。これを魔術の世界では抑止力という概念で定義づけている。
 逆説的に考えれば、その抑止力を用いるべき災厄が近いうちに訪れる。その危険性が大いにある」

 異なる世の記録においては、過去最大級に英霊召喚システムが成熟した時空においては七つもの人類悪が発現し、世を脅かすという言い伝えがあった。
 それは人類存続規模の災厄。人間が扱えぬ程の力。単独にて星に根付く、遍く生命を滅ぼしうる極大の悪。
 人間が継続する上で袋小路となりうる、人類全員の危機。

「具体的な時間、詳細は未だ判然とせんし、あくまで仮説に過ぎんがね。しかしはっきりとわかることが一つある。それはこの街がその事象の集束点だということに他ならん。
 今しがた起きている事態もその一環なのかもしれんぞ」

 言いつつ、ルートヴィヒは気だるげな視線を遥かな遠方に浮上した黒い機竜へ向けた。まったく唐突に降臨したこの正体について、ルートヴィヒは語り出す。

「あれは暗黒の機竜、『創世の破壊者(テスカトリポカ)』、新人類を滅相する暴走した防衛システム。その名を――黒陽、という」


「あれの正体は旧時代、人類が作り上げた人間を護る機構だ。既に滅びた文明が残した霊長の守護者……それがあの黒竜の正体に他ならん。尤も、かつて動作不良を起こして廃棄された欠陥品であったがな。
 いや、その前に少々ばかり昔話をせねばならんか」

「遥かな古、今や失われた古代文明の話だ。奴らは現代と比肩して尚高度に発達した技術を持ち、その力を以て争い続けていた。この土地は余程魅力的であったのだろう、外からの侵略者は絶えることなく、争いは次第に熾烈を極め、化学兵器の応酬が繰り返されたという。今でいう核のようなものか、或いは初めからそう作られた生物兵器(ウイルス)か……それらが頻りに発動し、土地や海が荒廃する程の大戦争が起きたのだという。
 そうした渦中でその機竜は作られた。その文明を擁護し、外敵を排斥する為の防衛機構としてな。
 しかし、ここで問題が発生した」


「ロボットのパラドックス。機械工学に精通する貴様等なら知っていよう、ロボット三大原則が外れたものの末路を。AIと人間の知能は同じ思考パターンを持っていない。常識や倫理観というものがない赤子といってもいい。そんなものが、『人を殺させないようにする』というコマンドを受理すればどうなるか、説明するまでもあるまい」
     ・・・・・・ ・・・・・・・・・・
 つまり『殺される前に、護衛対象を殺せば良い』。
 既に死んでしまったものは何物にも殺し得ない。完全に守り切ることが出来る。だからこそ、その機竜は人類を滅ぼすことで、少なくとも他の何物にも滅ぼされないようにしているのだ。とルートヴィヒは語る。
 ロボット三原則、人を害す莫れ、命を断る莫れ、己を損う莫れ。これらはコンフリクトを起こさぬよう、左から順に優先度の高い命令としてインプットされている。それらがエラーを起こす、ないし搭載されていない機体は今のようなパラドックスじみた行動をとるようになる。

「結果として他ならぬ自ら作り出した機竜によって文明は滅びた。皮肉にもその文明、その時代最大の兵器が、他ならぬその時代そのものを焼却してしまったわけだ。今や当時の文明は遺跡一つ残らぬよう跡形もなく消失している。その後に、自らの起こしたことの矛盾から暴走状態に入ったところを過去の文明の担い手から総攻撃を受け、集団の力を前に滅びていったのだ。
 だが、それは廃棄されたとしても処分することは当時の人々にはできず、地底の深くに埋蔵された訳だ」

 確かに痛打を与えはしたのだ。すべての技術の粋を集め、力と団結を以て確実に討伐した筈。……それでも、当時の科学力ではせいぜい動作を停止させることが精一杯だった。

「その機体がこの都市の近郊に埋まっていたことは、十年ほど以前から教皇庁も把握していた。調査をしようと試みたが、危険度の高さから第一、第二の調査団を放って以降決して近づかないことに決定した。
 ――この存在は、余りに危険すぎる。処分しようにも今の人類ですら手には負えぬし、間違って目覚めさせてしまえば取り返しがつかないことになる。よって、それらの記録を最高機密として文献に残し資料室の最奥に収め、以降最大規模の災厄として記録した」

 そう、それこそ人類すべてを抹消できる程には。
 巨大さ、規模の程で言えば恐らく地表を更地に出来るだけの出力があると推定される。
 一つの国を相手取って尚、有り余る膨大なエネルギー。
 一つの種を滅ぼして尚、有り余る莫大な火力。
 かつて滅んだ旧文明、その最高最大の遺産が彼である。触らぬ神に祟りなし、神秘を収蔵する教皇庁ですら恐れたのも無理からぬことだろう。

「今の今まで復旧していたエネルギーが、漸く充填できたというところであろうよ。あれは古代文明より今まで地底でエネルギーを貯め続けていた。今、星を滅ぼすだけのエネルギーが解き放たれようとしている。他ならぬ、この星の人間総てを根絶やしにするためにな。
 何故ならこの時代の人間は、正しき過去の時代の人間ではない。いわば新人類、かつてのそれとは異なっている。
 だからこそあれは止まらぬ。
 これからは我らが春、我らこそが星の支配者と意気込んで世を支配した侵略者である我々を、創り主から居場所を奪った外敵と認識し続ける」
        テ ス カ ト リ ポ カ
 それはまさに" 先住民族の神 "、古の民に崇められた神の行動心理とも言えた。
 我々は植民、先住民を蹴散らしてこの世に広がった種である。既に朽ちた古い存在など不要と、未開の蛮族と決めつけて滅ぼして、その土地へ侵入したものだ。さも平和を愛し、ラヴ&ピースなどと宣おうとも、彼らが享受する幸福はすべて先住民たちから奪い去り、貪った結果に得たものである。人類史とは元よりそうして繁栄してきたものだから、ある意味では当然の理だが
 そうであるが故に黒陽は容赦しない。
    、       、 ケツァルコアトル
 先住民たちから人々を奪った侵略者達を、一木一草根絶やしにする。
      、    、   ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・
 彼らが戻るための星を作る為、今の星を充たす侵略者を、片端から絶滅させる。

 やがてこの暴威は地球上総てに広がり、遍く人々を滅ぼし尽すまで止むことはないだろう。
 暴走した黒鉄の機竜、かつて人類を擁護するために産み落とされ、それ故に既存人類の絶対悪に反転した旧世界のシステム……それが、あの黒陽という存在なのだ。

「生憎とあれを止める方法は、未だ我々は掴んでいない。よって実戦を通じて把握していくしかないだろうな。
 故分かるだろう。あれを止めることは、人類の継続に関わりのあることだ。その為の力と意思をあれは有している。外部の人間が出張ることも当然だろう?
 ……只の一都邑を守るだけの自警団には、聊か責任が重すぎる事態であろうがな」

 言外に彼はこう言っているのだ。『厭うならば、やめても良い』と。
 これは既にこの都市だけの問題ではない、国家間の問題ですらない。人類、生存するすべての命が直面する問題だ。生憎と他の国や局はその事態の深刻さに気付いてすらいないが……
 そしてそれに伴う責任問題は比較にならない程大きい。単なる社会的制裁だけに留まらない。もし街を守れなかった時には、自責の念はこれまでと比べ物にならない程大きいだろう。だが今ならば指揮権の譲渡を行うこともできる。外部の人間に、何も知らない街の人間に、それを押し付けて債務から逃げられる。
 勿論、彼の思いやりなどではない。彼は基本的に組織の人間で、一切の私をなくした仕事人間である。教皇庁の意向に従って相手の意志を確認しているだけに過ぎない。だが同時に彼への返答はそのまま彼方側に伝わることとなる。
 一先ずそこで彼は話を区切り、相手の反応を待つ。

>ミリアルド

2ヶ月前 No.521

メドゥーサ(幼) @faketanisi☆8cfl5/j3VDw ★kTiMs9Flj7_Q1n

【交差点/メドゥーサ(ランサー)】

 体の内側をシェイクされたような不快感と鈍痛、焼け付くような熱が胴の内に籠もっている。
 火傷を負った片腕は今も冷めることない熱で己を責め苛んでおり、コンディションとしてはほぼ最悪に近い状態であった。撤退を選ぶのが一番利口なのだろうと、頭では解っている。だが――今のままでは余りに、敵へ与えられた損害が軽微過ぎる。後の為、全体利益の為。此処で退く訳には行かないと、メドゥーサは踏ん張っていた。
 見た目が幼くとも、メドゥーサは世界に召し上げられた英霊の一騎だ。
 彼我の実力差だがどれだけ圧倒的だろうと、それを理由に絶望して膝を屈するような無様は晒さない。ハルペーの柄を固く握り、紫瞳に敵意を灯して敵手を睥睨する。

 メドゥーサが決して絶望しない事を悟った王は、戦いを終わらせると言う選択肢を選び取った。
 発動されるのは念動力――交差点の一角に佇むビルの上層部だけを砕き、その残骸を己の傍らまで引き寄せる。重量など計測するまでもなく致死級のそれと分かる、巨大な石塊だ。
 あれに直撃したなら、打ち所の良し悪しなど関係ない。まさしく、絶望的な攻撃と言うべきだろう。如何に残骸程度のサイズとはいえ、余りにもスケールが違い過ぎている。
 打ち落とす事も、まず間違いなく不可能。
 よしんば表層のみを削り取れたとしても、それまでだ。巨大な物体の投擲に付随するエネルギーに呆気なく押し潰され、消滅の末路を遂げるのは間違いない。

 ならば――


 飛来する大質量に対し、メドゥーサの取った選択肢は……あろうことか"突撃"。
 迫る攻撃の脅威は、先程語った通りである。被弾すれば即死。メドゥーサが発揮できる火力では、あれを破壊して正面突破する事も到底不可能。
 となれば、残された選択肢は最早一つ。
 メドゥーサは迫る残骸の下部へとハルペーの切っ先を突き立て――

「ふっ――!」

 あろうことか、その場でハルペーの柄に軽やかに飛び乗り。梃子の原理をサーヴァントのスペックで最大限に利用し、自らを上空へと跳躍させた。流石に即興の奇策だ。左足を残骸が掠め、骨の砕ける厭な音が響いたが、その程度の痛みと障害に足を止めている暇はない。
 バネ代わりに使用したハルペーをそのまま回収、残骸を飛び越えて空へ。月光を背に大鎌を携えて舞う少女の姿は、さながら命を刈り取りに遣わされた死神のよう。
 最早、一秒たりとも戦いを引き伸ばす事は出来ない。腕と足を片方ずつ傷付けられ、敵には余力が有り余っている。この状況でどっしり構えて長期戦をする程、メドゥーサは阿呆ではなかった。
 自分の持てる限り全ての力、最大の技を以って、眼前の敵を押し返す。
 そしてそれを可能にするだけの"切り札"が、サーヴァントたる彼女には存在した。

「その指は鉄、その指は檻、その囁きは甘き毒――」

 ――少なくとも。"この時/姿"のメドゥーサには、かの魔王が所持していた魔眼は宿っていない。

 だがそれは、あくまで"本来は"の話だ。
 今の彼女はサーヴァント。幼き日のメドゥーサでありながら、自らが後に辿る顛末を知覚している。
 故にこれは、現在の状態のメドゥーサが、遠い未来に取得するモノ――正しい時代には持ち得なかった筈の力。

「――これがわたし」

 空より来たりて、王の眼前へと着地。
 不死殺しの刃を振り上げれば、それを曲芸が如き華麗さで振るう。
 然しこれだけでは、この王に痛手を与える事は出来まい。仮にその程度の男であったのなら、メドゥーサはこれほど無惨な姿には成り果てていないのだから。
 だからこそ、切り札を使うのだ。
 遠い未来。仇敵(ペルセウス)により滅ぼされる、大人の己(メドゥーサ)が保有する『眼』――


  カレス・オブ・メドゥーサ
「――女神の抱擁……!!」


 その紫瞳は、只美しいだけの硝子玉に非ず。
 人類史を神代の時代にまで遡っても、数ほどしか並ぶモノのない最高位魔眼。
 ……銘を、キュベレイ、と言う。

 不完全な現界により、石化ほど重大な効果を引き起こす事は出来ない。
 だが仮に、この光線化した『視線』を浴びたのであれば、どんなに毅き者であろうと十全には動けない。
 鉛を背負って歩くように、体が鉄と一体化したかのように、敏捷性に著しい下降効果(デバフ)を施す。
 そしてそれは――手数と技で敵を圧するメドゥーサを相手取るに辺り、間違いなく脅威的な影響を齎そう。

 メドゥーサは常に殺すつもりで戦っている。
 されど現実問題、この王を屠るのは難しいだろう。
 それでも。無傷では返さない――自分という英霊を相手取った、その意味を思い知らせる。
 魔眼より放たれる束縛の光、抱擁するように空を走るハルペーの刃。
 王への逆襲として、殺意の乱舞は放たれた。


>絶望王

2ヶ月前 No.522

Charlotte @kirieru ★Android=ryLO8WYMEG

【郊外/イゼッタ】

イゼッタの放った巡航ミサイルは不可視の壁に阻まれたように空中で爆散し機竜の装甲に傷ひとつもつけられなかった。
続いて反撃とばかりに数十の光の弾丸が機竜から放たれ真っ直ぐとイゼッタに迫ってきた。
すぐさま対戦車ライフルに魔力を込めると銃床から緑の光がジェットエンジンの如く放出する。
その勢いで高速で飛空すると華麗な空中旋回で光の弾丸を全弾、回避するとそのまま地上に向けて急降下した。

「ミサイルが迎撃されたなんて.....でもあの娘の攻撃だけは避けていた....という事は......」

先程のメアが放った光線だけはイゼッタとは違い防ぐのではなくそのまま回避していた。
つまり実弾兵器以外の攻撃なら機竜に攻撃が通るかも知れないとイゼッタは考えていた。
するとある一人の仮面の戦士が喰らわせたキックが機竜の頭部に直撃しそこの部分だけ装甲が損壊した。
つまり頭部の装甲だけ攻撃が通じたという証拠でありそこを集中的に狙えばいくら強大な機竜相手でも勝機があるかも知れない。
だが巡航ミサイルはさっきの攻撃で全て使い果たしてしまった。
イゼッタが股がっている対戦車ライフルでは火力不足だ。
これではあの巨大な機竜を仕留められないあれを確実に仕留められる強大な兵器が必要だ。

「アイツを絶対に仕留められるのは.....たぶんあれしかない!」

イゼッタが目を付けた物......それは飛行航路の前方に佇む大型兵器240mm榴弾砲だった。
ゾディアックの郊外に設置してあるそれは本来クロスショッカーが襲撃した際に都市を防衛する為に存在する兵器だ。
最も急な黒き機竜の襲撃で誰も砲座に立つこともなく未使用のままであったが今ある兵器であの機竜を討伐する兵器はこれしかない。
彼女は目の前の榴弾砲に急接近すると砲台の砲身部分に手を触れる。

「少しの間だけお借りします」

イゼッタはそう呟いた瞬間に榴弾砲はクレーンで吊るした様に地面から離れ宙に浮いた。
彼女の能力は主に二つある。
ひとつは触れた物体を自由自在に操作出来る事。
触れた物体に魔力を流し込む事で物体を念力の様に宙に浮かせたり動かしたり出来る。

「今いる場所はレイラインの中でも魔力が濃い所だけど....」

そしてもうひとつの能力は触れた物体の性能を最大限まで向上出来る事である。
つまり武器に魔力を流し込む事で本来の武器の性能を大幅に向上出来る事であり過去に普通の小銃で敵の装甲車をたった一発で大破させる事が出来たのだ。

「魔力の砲弾の生成なんてやった事なんて今までなかったけど.....でもゾディアックを守るにはこれしかない......!」

イゼッタの今、やろうとしている事。
それは榴弾砲の砲弾の代わりにレイラインの魔力で砲弾を形成しそれを黒き機竜に向けて撃ち放つ事だった。
確かに実弾兵器が奴に効かない今、魔力の砲弾の砲弾というネアと同じ様に攻撃が通じそうな今、機竜を仕留められる攻撃の手段はこれしかないのだ。
イゼッタは240mm榴弾砲にレイラインに魔力を供給する。
しかしいくら大型兵器とはいえレイラインから流れる膨大な魔力に砲台が魔力の負荷に耐きれるかイゼッタ本人も知らない。
だがあの機竜を倒す為には兵器の耐久力の限界まで魔力を込めるかない。
彼女は対物ライフルから240mm榴弾砲から乗り移り魔力を供給する。
そして自信を考えた魔力の限界点まで魔力を榴弾砲に込めると砲身を機竜の頭部に向けて標準を合わせた。

「いっけぇえええええっ!!」

イゼッタの叫びを合図に魔力を榴弾砲の限界まで込めた後に、砲身から撃ち放たれた緑の光線は黒き機竜の頭部に向けてマッハの光線と共に撃ち放ったのだった。


>>All郊外周辺

2ヶ月前 No.523

守護者 @vtyjf ★A4upMHBbLt_qxX

【郊外/黒陽】

>>参戦者ALL(オジマンディアス、バンシィ、ネメシス、ウィザード、マッハ、イゼッタ)

二体の幻想巨獣が、降り落ちる黄金の太陽光が、『黒陽』の上部装甲を削り取っていく。鉄が爆ぜ、打撃音が連続し、砕き割る音が連なり続ける。先程つけられた頭部の傷へと優先的に自己保存機能を回し修復していく。上部砲門群による迎撃が、二体の幻獣を足止めし、防護フィールドの極地展開により黄金の光によるダメージは軽微である。

行ける。己にはこの場所で戦うよりも重要な使命がある。優先順位は変更されたまま、視覚素子が捉える都市へと、身を前へ振ろうとした時だ。

「――――!!」

あ、とも、お、ともつかぬ咆哮が『黒陽』の苦痛と怒りを示している。頭部、弾き飛ばされ、傷を大きくした損傷部に二つの傷跡がある。上部からの攻撃に防御を割いていたが故の傷、光学兵器により装甲は融解し、剥き出しになった内部基盤へと放たれた蹴りによるもの。トドメとばかりに打ち込まれた魔力弾により、幾つかの視覚素子が吹き飛び、自己診断プログラムが大量の警告とバグを吐き出す。そのまま何かに躓くように、高度を落とす『黒陽』に、漆黒の刃と一条の閃光が全身の砲門と装甲を削り、破壊していく。


 ●


『黒陽』は夢を見ていた。
己へと与えられたダメージにより、自己保存機能がフルに活性化されていた。それは自分の知識と経験を引きずり出す夢であり、かつてを想起させる切掛になった。

写ったのはかつて己を作った男だった。彼の背後には工場と思われる場所が写っている。広大な、果ての見えないような工場では幾つもの機械が動いていた。巨大な骨格に見えるフレームをアームが運び、駆動輪を機械が溶接を行っている。それらの機械を背景に、男は油で汚れた黒い顔を青い服で拭い、

『定時の手紙を――、済まない。――と、っていてね』

音は飛び、映像にもノイズが奔る。乱れる映像は部分的なブラックアウトが走り、光景が切り替わる。工場の一角だが、背景が違う。運搬パレットの前で、そこに乗っているのは『黒陽』に似た、しかし白い色の機竜だ。

『試作の――、分離が上手くいかない。操縦者と機竜が融合するんだが、その身体も記憶も――――、復帰不能でね。他の機体も同様に――、だが、これが完成すればお前が好きな『黒陽』の手助けを――、私達と、『黒陽』でこの国を守っているから安心を――』

画が飛んだ。男も、周りの人々も皆一様に疲れ切っており、服は汚れきっていた。しかし皆、笑顔を浮かべ肩を叩き合っている。その背後は先程と同じ場所で、起動実験を行っている白い機竜の姿があった。

しかし映像が不意に変わる。
それは崩壊する工場の映像だった。床は剥がれ、天井が崩れ落ち、あちこちから火花が散っている。そんな中己の製作者の眼鏡の男が緊迫した表情で、未だ奇跡的に動いている通信機に向かい合っていた。

『――――か?化学系の――、生体兵――、そっちにも向かっている』

警報の音が鳴り響く。男は目を伏せ、懺悔するように、

『すまない――。全てをメンテナンス中の黒陽に頼んだ。――もし、君たちが苦しみ、そして私達が間に合わないようならば、国を――』

そのまま、男は目を開いて真っ直ぐ通信機を見つめながら何事かを告げ。しかし、その言葉が定かになる前に『黒陽』の意識が浮上する。

 ●


一瞬、一を百分割したうちの一つにも満たない時間、己は夢に浸っていたのだと『黒陽』は理解した。しかし何故、と『黒陽』は思う。何故、記憶に無いのに、映像として記憶に残っているのか、と。
解らない。
だが、思い出したこともある。

「――――!」

彼らに頼まれていた、約束があると。彼らを護り、そして、

……人々を幸いに導くこと。

己の中で確固たる形として、かつての命令を、願いを思い出す。
ここで、『黒陽』は初めて明確な攻撃意思をを持った。これまでの迎撃や観察ではなく、自らに傷を負わせた者達を打ち倒すための意思を。
その意思に意識が首肯し、全身が応えた。全砲門、全副砲、全準副砲までが装甲板を開き、そして駆動系は潤滑剤を流し抜いて放熱器をフルで回した。

最後、出力系がその力を上げていく。己が過去の世界から唯一確実に持ってきたもの。己の中心にある概念核の半分が、だ。
これがある限り正義の半分は自分にある。
その力を『黒陽』は全身に巡らせた。

「全砲門、全出力、超過駆動状態開始――」

『黒陽』は動き出す、敵を倒すために。

手始めに、と。加速器が光を吹いた。黒陽の前方の空気が圧縮し、爆風を生む。己に纏わり付く何もかもを振り払う、圧倒的な加速。音速超過のはるか先、紙風船を割るような音ともに生まれた白い水蒸気爆発を抜け、何者よりも前へと出た。そのまま上部背面を下に、腹部下部を上に、ロールする形で雲を割り天頂を取る。
その背に湛えるのは夜目にも分かる黒い光、それが放たれた。

一瞬にして黒陽と大地を繋ぐ黒い光の柱が林立し、何千もの柱が建ち並ぶ神殿のようになった。
全砲門の超持続射撃。
柱の正体は『黒陽』の絶大な出力に支えられた砲撃だ。光砲の全てに放熱を考えぬまま射撃を行わせて作る長大な剣、それが全ての種明かしだ。

この場にいる全ての者に降り注ぎ、しかし剣ではなく攻撃とい言葉になり襲いかかる。

先程の威力偵察とは格が違う、文字通り『全力』の攻撃。指方向性を持った災厄が全ての者へと襲いかかる――

2ヶ月前 No.524

マッハ @arts ★iPhone=VWb3NiiNM3

【郊外/仮面ライダーマッハ】

 >黒陽、参戦者all

 音をも置き去りにする速さを叩き出し、宙返りする機竜。その背に乗っていたマッハがどうなるかは想像に難くない。が、上書きされた摂理すなわち空への落下に気付いた今、慌てることはない、はず、だった、が――

「な」

 驚嘆の声はしかし、驚きのあまり断絶した。黒陽の背部。滔々と満たされた夜においてなお深く、影と同じ色にありながら影ならざるもの――既に幾度となく脅威として牙を剥いてきたあの光=B
 同質のものだろう。だが密度が違う。天を穿つものと、界を滅すもの。
 同類のものだろう。だが意図が違う。敵を試すものと、敵を討つもの。
 全砲門を開放して放たれる、破壊の雨。間断なく続く射撃はもはや一続きの柱となって、かの災厄に立ち向かう全ての者たちへ襲いかかる。

「くそぉっ!」
《シグナルコウカーン! シグナルバイク、トマーレ! イマスグトマーレ!》

 遮二無二、とにかく人影が目視できる全方向へマッハはゼンリンシューターに装填したシグナルバイクの能力を発動させた。すると場違いなほどコミカルな電子音声が鳴り、仲間たちのいる彼方此方でSTOPと書かれた標識のようなエネルギー障壁が展開され、彼らの盾となった。
 無論、有効打ではない。焼け石に雀の涙を垂らした程度のものでも無いよりはマシだと信じるほかない。
 だが、ただでさえ零に近い猶予はそれで潰えた。自らを省みなかった愚か者は、夜を蹂躙する黒柱に呑み込まれた。

「ぐぁ、あ、あああああ――――!」

 ソラを鳴動させる絶叫。断末魔にも似たオト。
 必然である。必定である。
 仮面ライダーマッハでは、詩島剛では、アレに競えない。
 歴史の積量も、力の総量も、存在の質量も、何もかもが届かない。

「……かはっ、はッ――ぁ……」

 故に必至なのだ――彼が直撃を免れ、生き繋いでいることは。
 喘鳴じみた声は崩落寸前のビルから。勢い余ってクレーターが出来上がるほど激突したのか、陥没した屋上に白い仮面ライダーは仰向けで転がっていた。
 ……言葉にしてみれば、別段どうということはない。防げず、耐えられないのなら躱してしまえば良い。彼の行動は本当に、そんな当たり前のことだったのだから。
 あの黒い柱に穿たれる瞬間。シグナルトマーレによる防護の後、念じた方向へ落ちる*@則を利用して黒陽から、超持続掃射の檻から距離を取る――当然、書き連ねるほど楽なことではない。マッハの名を冠する彼が、己の持てる速度の全てを賭して危険域からの離脱を行ってなお、それは完全ではなかった。
 ばちばちと紫電が奔る/ぶすぶすと異臭がする/ずきずきと激痛が苛む。
 変身解除の一歩手前、むしろ良く持ち堪えたものだと褒めてもいいほどの満身創痍。外見こそ正常な左腕は感覚が失せ、使い物になりそうにない。残った手足もじきガタが来るだろう。
 ……それでも。
 ……それでも!

「人間を脅かすものは、すべて叩く……それが俺の、仮面ライダーマッハの使命だ……!」

 まだ立ち上がる意思がある。
 まだ立ち止まれない理由がある。
 まだ断ち切らなければならない未練がある!
 マッハの右手が、屋上のコンクリートを掻いた。ぐぐ、と身体を起き上がらせる。

「にしても、無茶言ってくれるね軍師さんもさ……いいぜ、今はあんたを信じるよ」

 ふと、黒陽の超過駆動直前に聞いた言葉を思い出してか、マッハ……剛はバイザーの奥で苦笑した。
 勝算を問うことはしない。あの妙に偉そうでひどく頼もしい声を信じると剛が決めたのだから、それでいい。それで十分だ。
 ついでに言えば命の恩人なわけで、命懸けで応えたってバチは当たらないはずだ。……開戦と同時に施されたダメージカットと防御の術式。あれがなければマッハは今この瞬間、生きてはいなかっただろう。

《シグナルバイク! ライダー! マッハ!》

 軽快な電子音声と共に、デッドヒートマッハから通常形態へ切り替わった。地力ならデッドヒートのほうが格段に上だが、この姿は速度で勝る。
 白を基調としたカラーリングへ戻ったマッハは、もはや数分と保ちそうにないビルの端へと足を掛けた。

「でも悔しいけど火力役は俺じゃ力不足だ。つーわけで、撹乱は任された。……もう一人の仮面ライダー、あんたの活路を俺が開く」

 呟き、跳ぶ。跳躍に伴う落下は、この空域において飛行と同義だ。空飛ぶ自由落下を経て、マッハは機竜の頭上に位置取る。
 手にはシグナルバイクの一つ、シグナルキケーン。着地と同時にマッハドライバーに装填され、その能力を発揮した。

《シグナルバイク、キケーン! シューター! キケーン!》

 空中に黄色い標識状の光が表示される。そこから四つの小さな影が落ち、蠢くそれは一秒とかからずに真の姿へと変貌を遂げた。弾丸と顎を合成したような巨大な魔獣はその牙を目一杯に主張させながら、それぞれ異なる砲門へ向かって飛びかかっていった。

「まだまだぁ――!」

 シューター下部の特殊硬質タイヤパーツが高速回転。マッハ自身も加速しながら、足場としている黒陽の頭部フレーム目掛けてゼンリンシューターを振るった。己の足を軸に、円を描くような軌道で。

2ヶ月前 No.525

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_Hej

【 郊外 / メア、ネメシス 】


 流石に組織もゴタついているのか、中々返答らしい返答は返って来ない。夜刀神十香とアタランテの喪失と機竜出現が同時に起れば、むしろそうなる事は目に見えている。諦めて通信を切ろうかと通信機を耳から離しかけようとしたが、明確にこちら側に語りかける声がした。聞き覚えのあるその声の主は、己の名を告げる事でメアにそれが誰であるかを思い出させる。まさか首領自ら通信に出てくれるとは思っていなかった為に思わず「わっ!」と声を漏らしそうになるも口元に手を添えて耐える。
 首領の命令は肉体支配による機竜の侵攻妨害。そして原動力の奪取。どちらにせよ完全破壊は首領の望む所では――メアに対してそこまで期待をしていないとも取れるが――ないらしい。彼の命令に終始口を挟む事なく聞き入れる。

「 ――素敵。やっぱりそうこなくっちゃね……りょーかい!上手くやってみますね〜! 」

 唇を舌で湿らせ笑みを浮かべる。ぽつりと呟く声には何処か艶があり、兵器としての本能とでも言うべき昂揚が乗っていた。直ぐに普段通りの声色に戻って目上の者であっても物怖じしない明るさを以て連絡を切ると、翼を羽ばたかせてメアはネメシスの元へと飛ぶ。


 トランス・フュージョンにより一部を融合させているネメシスもまた首領の命令には耳を傾けていた。彼女へ及ぶ危険性を考慮しないまさに兵器として最適な扱いである。その判断基準に文句は無い。けれどそれでも己の下僕でもあるメアをこの場で失う可能性があるのは、ネメシスがメアを己の所有物であると認識しているが故に何とも気に食わない。近付いて来るメアを見据えて軽い溜息を吐く。やる気に満ちているメアの表情を横目に、ネメシスも不敵な笑みを浮かべて口を開く。

「 フン。その様子だとやるつもりのようだな……まあ良い、ならば……ッ!? 」

 こちらもそれなりのダメージを与えた所。このまま叩き壊し削り取って動きを止め、原動力とやらを奪取する事も視野に入れていたが、状況は一転する。巨躯から溢れ出る爆風によりダークマターは霧散してしまい、その一部はネメシスの元へと戻る。凄まじい速度により上昇した機竜に追い付く手立てなどなく、そしてその移動で生まれる衝撃波に巻き込まれて二人ともその場から大きく吹き飛ぶものの、翼を大きく展開させて何とか空中で姿勢を保つ。何をするつもりかと上方を見上げるが、ネメシスはそれを見据えた瞬間その姿の八割を闇の霧へと姿を変えてメアを包む。先程とは違う。生物としての生存本能とでも言うべきか、背筋に走る感覚が真面に受けてはいけないと知らせてくれていた。

 放たれた黒い光は、例えるならば巨大な柱の雨だ。圧倒的な物量として吐き出された光。それこそ全てを呑み込まんとするが如く周囲に降り注ぐ災厄は、この場に置いてそれから逃れる術などないと物語る。ネメシスは咄嗟に展開した闇で先程の様に光を呑んでダメージの無効化を計る。しかし彼女に訪れたのはキャパシティオーバー。処理が済むよりも早く次が迫り来る光、次第に闇は削り取られて行く。そしてついに威力に耐えきれず二人して勢い良く大地に叩きつけられ、それでもメアに及ぶ被害を最小限に抑えるネメシス。だが本人は光の柱のダメージにより身体の維持が難しくなり、彼女の腹部より下は夜風程度の風でさらさらと宙に溶け始めた。

( くっ……!よもやこれほどまでとはな……メア、私は一度力を貯める。それまでの間、意地でも何とかしておけ。 )

 あまりの衝撃に空中から叩き落とされたものの、通常の人間よりも遙かに頑丈に造られているメアはある程度の軽傷で済んでいた。そのメアにネメシスの残骸は近付き、言葉を残すだけ残してメアと一度完全に融合して姿を消す。これによって暫くの間、ネメシスはメアの中で指示をしたり一瞬闇を展開したりこそ可能だが、人型で外に出て攻撃を加える事は出来なくなる。
 メアは突如傷付き衰弱してしまったマスターを心配するが、それよりも優先すべき事は機竜。ネメシスはメアの中にさえいれば、メアが命を落とさない限り命に別状は無い。だがこの状況で命の危機がないとはどれほど傲慢であろうとも零せない。周囲の状況を観る。災厄に巻き込まれて傷付きながらも立ち上がる者も残っているが、果たしてその状態で機竜を打開する策があるだろうか。肉体支配と言う方法を持つメアでも、先程の推進力と破壊力のあるアレに近付き接続を計るのは流石に骨が折れるどころの話しではない。どうすれば良いか、何をすれば良いか。そんなまとまらない思考をぐるぐると掻き混ぜている内に、誰かの言葉を思い出す。そしてメアは周囲を見回して、ある人物を探した。


「 こんばんは〜、さっき指示出してた人でしょ?少しの間、アレに近付く隙を作って欲しいんだよね。いくらか動きを制御する事が出来るかも知れない。……大丈夫だった? 」

 近付いたのは、先程この烏合の衆に明確な指示を出した彼。恐らくホワイトファングの者ではあるのだろうけれど、首領は言ったのだ。――有能な指揮者がいれば従っておけ、と。人選など関係は無い。この場に置いては的確な指示と、結果を出す事が最優先事項なのだ。翼を背に生やして彼に近付きつつ、視線は機竜の行動に遅れを取らぬ様にと警戒している。破壊力だけではなく機動力も併せ持つアレは、メアにとっては目を離す事さえ憚られる。しかし、彼は先程の攻撃で無事であるのだろうかと、この時始めて彼に対してしっかり意識を向けてみて。


>> 黒陽、諸葛孔明、周辺ALL

2ヶ月前 No.526

Charlotte @kirieru ★Android=ryLO8WYMEG

【市街地/アイスエイジ、アームズ】

清姫の焼き討ちに巻き込まれたアイスエイジは冷却ガスを自身の体に振り撒き高温の熱を帯びた体を冷やす。
一通り冷却が済むと攻撃の対象を晴彦からジョセフに切り替え掌から氷柱を複数、撃ち放ちジョセフが投げたナイフを撃ち落とす。
そして残りの氷柱は全てジョセフに向かっていった。
一方のアームズは後方からガトリングを乱射し清姫の支援に回っていたがアームズの耳に装着していた小型の通信機から無線が入る。

「こちらアームズだ.....何?!ゾディアックの郊外に巨大な機竜が出現しただと!.....だが今は戦闘中だ此方は手を出せない....そうか....」

通信機から入ってきた通信はゾディアックに出現したあの巨大機竜の事であり急な襲撃で情報網が混乱し通信がアームズ達に行き渡っていなかったのだ。

「清姫様、緊急事態です....ゾディアック郊外にて正体不明の巨大機竜が出現したという通信が本部からありました.....現在の状況は都心部に向けてゆっくりと進撃しており我がクロスショッカーは機竜捕縛の為に実働部隊を派遣しておりますが戦況は著しく無いようで.....どうなさられますか?」

ゾディアックに出現した巨大機竜の捕縛の為に戦力が不足しておりこのまま戦闘を続行するか中断して現地に赴くか決断を清姫に委ねる。
アームズ達はただの戦闘員だこの場にいる決定権は清姫しかない。
彼女がいかなる判断を下そうともアームズ達は命じるままに行動するだけだ。

>>一条晴彦、ジョセフ・ジョースター、清姫

2ヶ月前 No.527

極彩色の輝き @aries ★3eJHjw2uDw_Hej

【市街地/一条晴彦】

突貫する中、チラリとジョセフの方を見やる。
どうやら無事のようだ、それどころか機転を利かして反撃にも出ている。戦闘力は無いと言っていたが、あの身のこなし、早々真似は出来ないだろう。
此方は後を考えず、ただ真っ直ぐに速度を出すことだけを意識して少女へと飛翔する。
炎だけでは止められないのを悟ったか、薙刀で無理やり軌道を変更される。威力を真正面から受け止めるより遥かに負担の小さい選択だ。機を突き、傷こそつけたものの致命傷ではない。
痛めつけるのが趣味…なんて危ない思考は持ち合わせてないが少しづつダメージを蓄積させていけばあちらにもガタがくるときが来る、そう考え次の一手を画策しようとするものの――

そう楽に事を運ばせてくれる訳がなく、すれ違いざまに炎弾が小型のミサイルよろしく迫ってくる。
炎弾には背を向けた状態、そこから振り向いて槍を振るうにはあまりにも炎弾との距離が近すぎて間に合わない。
あの炎は人狼の状態でも触れただけで火傷を負う代物、まともに受ければ此方が致命傷をうけることになりかねない。
ならばと晴彦は速度を維持したまま槍を手放す。そのまま何もしなければ有効打になる武器を捨てたただの戦闘放棄でしか無い。だが、彼はここで諦めるほど落ちぶれるような性格もしていない。

「粉塵氷烈――ッ!」

自分と炎弾の間で氷槍を炸裂させ、炎弾を全て消し去る。至近距離で炸裂させた分此方にもダメージはあるわけだが、あの炎弾を喰らうよりは遥かにマシというもの。
しかしINVOKEしなおしたとは言えダメージの蓄積具合は未だに此方に不利がある為か、少し息が荒くなる。
それでも弱音は吐いてられないと、再び槍を形成し直すが、ここで通信が入ってくる。
何でも大型の黒い機竜が都市に迫りつつあること、それに伴い合同で鎮圧にかかっていること……。
向かいたい、皆が必死に食い止めていると思うと今すぐにでも。だが彼女はどうするか?このまま黙って放置すればそれは侵攻を許すことになる。
仇敵の首を獲る。その方針に揺れが無いのなら、このまま見逃すわけにはいかない。
と、どうやら彼方にも連絡はいったようで、怪人の内一体が少女に耳打ちしていた。彼女が退けば彼らも退くのだろう。

「……キミはどうするんだ。"キミにとっての安珍"だってこのままじゃ無事じゃ済まないだろう。それなら一度本陣に戻ることを考えても良い筈だ。だがまだ進むと言うなら――」

未だ空で見下ろしながら槍を向け、そう告げる。言葉に偽りはない。このまま件の機竜が暴れればクロスショッカーの被害とて馬鹿にならないだろう。
それでも侵攻を進めるのなら、自分は機竜に向かった仲間を信じ、ここで少女を食い止めるだけだ。

>清姫、ジョセフ・ジョースター、アームズ、アイスエイジ

2ヶ月前 No.528

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★UhUozvq756_Hej

【 ホワイトファング本部 / 待機室 / 鈴屋什造、スティーブン・A・スターフェイズ 】


「 うーん……スティーブンさん、本当に僕も行かなくていいですか? 」

 ハーフパンツにサンダルと言うラフなスタイルから着替え、防護服を着用した什造は待機室のモニターで郊外に出現した黒陽の様子をまじまじと見詰める。衣服の下には機動されていないアラタも着込み、ジェイソンもサソリも用意して万全の状態が出来上がっていた。それでも、傍らにいるスティーブンはGOを出さない。什造が行って状況が一変するとも思えないが、此処で指を咥えて見ているだけと言うこの状況は流石に什造も思うところがあるのだろう。傷付きながらも立ち向かう同胞は、彼の心をざわつかせている。勿論それはスティーブンも承知の上。

「 状況が変わった。アレは最早世界の理、災厄存在を相手にするようなものだ……お前は本部防衛に備えろ。それより、ヴァルバトーゼを見なかったか? 」

 だがしかし、それでも感情に左右された不合理と不適切な判断を正すのが己の仕事。隊員を無駄死にさせるワケにもいかないし、什造とて彼の心境は何となく理解っている。だからこそ、彼の言葉を素直に聞き入れこうして待機しているのだ。一体何故あのような反則級の存在が出現したのかは定かではないが、今回ばかりはクロスショッカーの差し金ではない。報告にあった黒咲芽亜と思しき人物も戦線にいる――その情報が何かの救いになるわけでもないけれど――故にこれは完全なるイレギュラーだった。そして、これを機に敵が攻め込んでこないとも限らない。いっそクロスショッカーとアレが同士討ちで潰し合ってくれたら儲け物だが、安易な期待は身を滅ぼすばかりだ。妙な雑念は振り払い、最近何かの手違いで喚び出してしまった"彼"の行方を什造に尋ねる。

「 ……さあ、見てないですけど。探してるですか? 」

 一瞬ソレ誰ですかと言わんばかりの表情を浮かべたような気もしたが、まあ少し考えれば流石に思い出すだろう。この状況でのその問いは、アレを相手に出来る人物を探していると言う意味に繋がるのだから。少しの沈黙の後、思い出した様に眼を開くと首を横に振った什造。本部内をくまなく探したがいないと言う事は、外にいる筈と踏んでいたスティーブンは大きく溜息を吐いた。

「 はあ、こんな時こそ奴の出番なんだが……通信機の類いを持ってないからなアイツ。 」

 髪を掻き上げ落胆するスティーブン。伝説の悪魔、かつて暴君と呼ばれた存在を召喚してしまったと聞いた時はどうなるかと思っていたが、彼はそこそこ変わり者だった。吸血は絶対にしない上に契約は絶対に破らないと豪語して協力してくれる事になったのはデカいが、手綱を引く事に一苦労させられるのは中々の心労だ。何せ彼はいくら過去に比べ弱体化していると言っても、スティーブンの宿敵とも言うべき存在――吸血鬼なのだから。


>> 周辺ALL




【 ゾディアック港 / ヴァルバトーゼ 】


 ―この滴る鮮血。
 ――柔肌に突き刺さる牙の感触。


 ―――何と甘美な味わいだ。
 ――――溢れ出る生命のエキスが我が肉体に染み渡る。


 ――――全身にチカラが漲ってくる。嗚呼、押し寄せる快楽の波……最高だ――


「 このイワシという小魚はッ!!! 」

 彼こそが暴君と呼ばれかつては魔界中を畏怖に染め上げた吸血鬼。だったのだが、今では人間界に喚び出されイワシごときに酔いしれている。
 だがしかし、イワシと言って侮るべからず。イワシにはDHAやIPA、EPAにペプチドまで含まれている安価で理想的な食材。それはつまり血液サラサラや高血圧動脈硬化と言った生活習慣病の予防にのみならず、悪玉コレステロールや中性脂肪の燃焼や脳の活性化、視神経の働きの助けなど様々な効果を期待出来ると言う事。その脂の多さから生臭さが難点であり嫌煙されていると言う実態もあるが、その香りは古来より魔除けアイテムとして重宝される上に、イワシ七度洗えばタイの味と言う言葉もあるその身に秘めた味わい深さと凄まじい栄養素は、まさに筆舌に尽くしがたいと言うものだ。陸に上げるとすぐに弱ってしまうと言う由来から鰯などと書かれるが、これほどの力を秘めているイワシが弱い筈がない。

 片手に握り締めたイワシを再び口に運びつつ、誰に語るでもない賛美の言葉を内心で紡ぎながらその味わいを存分に堪能していたが、そんな彼も街の方が気になるのか思った程食事が喉を通らない。

「 それにしても、この妙な胸騒ぎはなんだ……そういえば少し前に街の方が騒がしかった様な気がしたが……ッ!? 」

 そんな穏やかではない心中を吐露していた最中、突然眼を見開くヴァルバトーゼ。何か異変に気付いたのか、胸元に片手を当てて藻掻く様に苦しみ出した。それは最早その存在そのものを憎むが如き修羅の形相。激しい動悸と荒い息切れが彼を包み、ゆらりと片足を半歩下げて狼狽える。しかし身体を動かした瞬間、苦しさは相応の形として襲いかかったのかさらに苦しそうにするヴァルバトーゼ。必死な思いで何かを求めるかのように片手を前に伸ばした。

「 こ、小骨が喉に……ッ!! 」


 稀代の吸血鬼。魔界の英雄譚にも登場する伝説の悪魔。そんな彼はたった今より、イワシの小骨との壮絶な闘いに巻き込まれるのであった。


>> 対象無し



【 過密した場に登場させるわけにもいかなかったので一人遊びさせておきますね! 】

2ヶ月前 No.529

ウィザード @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【郊外/操真晴人】

放たれた必殺のキックは相手に見事命中。
むき出しの機構をぶち抜きながら、貫通するとは言わないまでも大打撃を与えることに成功した。
後は推進力を足して駄目押しの一撃、しかしそれは果たされなかった。

「まだ動けるのか…!?」

突き刺さった状態の足を強制的に引き抜かざるおえないほどの加速。
空中で投げ出される形でウィザードは放り出される。
だが相手は止まらない。
こちらに、その力を見せつけてくる。

「やばい………!!!」

それは砲撃、しかも先ほどのなど比べ物にならない。
最早奔流というべき数のそれらが全域へと襲い掛かる。
先のように線を縫うなどという生易しいものでは凌ぎきれるものではない。
翼、爪、尻尾を使って身を竦ませ耐えるほかない。
一瞬、標識のようなものが盾になるが、それすらかまわずウィザードを光が飲み込んだ。

「ぐあぁぁぁぁぁ!?」

地面へと巨大なクレーターを伴いウィザードが撃沈する。
強化変身であるオールドラゴンは解けこそしなかったものの、見るも無残にボロボロだ。
このダメージは近距離で攻撃を放ったからこその痛手。
だが接近戦でしか相手には並び立てないことは明白、つまり必然だった。
遅れながら軍師からの司令を受け取るが、どうやらその命令を果たせるかどうか。

「まだだ、まだ終わってない………!俺は諦めない………!」

だがそれでも折れない、なにせこちらは希望の魔法使い。
皆に希望を見せずして終われない。
くじける暇は無い。
何度でも立ち上がろう、その足で。
それに傷ついた体で空へと飛んでいく同胞(ライダー)を見てしまったからには諦めきれない。
痛む身体に鞭を打ち、再び戦場へと戻っていく。
降り注ぐ光の中を魔法陣、そして軍師から与えられた防御を以て無理矢理突破していく。

「あいにくと魔法もそこまで万能じゃないんでね!フィナーレは任せる!」

見知ってのとおり、先ほどのキックで倒しきれなかったとなると弩級の火力を出すのは不可能だ。
だとすれば、軍師の司令に従うとなれば頭部への攻撃。
砲門への攻撃へと移るライダーを見ながら、軌道を修正し相手の頭上へと飛翔する。

「せっかく作ってくれた道だ、ありがたく使わせてもらう」
『インフィニティ!プリーズ!ヒースイフードーボーザバビュードゴーン!』

砲門への攻撃で出来た隙、その合間を縫って辿り着いた経路。
そこで強化変身を解除、されど更に限界を超えて最強の形態へ。
自由落下+時間干渉による高速化で相手の頭部付近へと着地。
すぐさま煌輝斧剣アックスカリバーを召喚し、相手の頭部へ狙いを定める。

「はぁ―――――――!!!」
『ハイターッチ!!!シャイニングストライク!!!』

必殺のドラゴンシャイニングを発動。
巨大化させた斧が煌めき振り回されていく。
目掛けるはダメージが色濃く残る頭部、斬り伏せんとばかりに白銀の龍の咢による連打を叩きこむ。

>黒陽、参加者ALL

2ヶ月前 No.530

すまないさん @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★nc6OuVRr3T_w96

【教会/ジークフリート】

「おおォォォォォォォォ――――!」

 黄昏の剣気を放つ、放つ。最後の踏ん張りどころとばかりに凄まじい速度で吸精され、意識を手放しそうになるが、それでも剣柄を握る手を緩めることはなかった。吸い、押し、鬩ぎ合う夜と黄昏。至近距離で混沌の光と闇が天地で鬩ぐ。
 瞬きのような永遠。刹那のような久遠。そんなあまりに長く感じられる一瞬も、終わりを告げる。
 推し負けていく夜。夜明けの黄昏を前にして灰となる吸血鬼のように、黄昏の輝きを浴びて確実に消し飛んでいく。
 そうして黄金色の光が過ぎた暁に……、吸血鬼の姿は影も形もなく消え失せていた。

「――」

 勝利した。確かに彼は勝利した。
 だがそれは、己のすべてを燃やし尽くした戦であった。自らのすべてを使い果たしての勝利だった。胸元に空いた空洞は既に致命傷であり、今から手を施しても間に合わない。彼は確かに勝利したが、その代償は自らの命のすべてだったのだ。
 新生するとはそういうこと。過去の己を清算し、新たな己を創り出すこと。だから、彼がこうして消えゆくのも道理であった。彼にとって生きることが勝利ではない。生きるために闘うということがなかったから、勝つことは生き残ることに繋がるわけでは決してなかった。
 おとこ
 " 雄 "の夢とは、そういうもの。無鉄砲で、我儘で、時として自滅的だが、希うのをやめられない。

 だが、その果てに得られたものは確かにあった。人からは無意味な死と感じられても、己は確かに新生したという実感があったのだ。
 それはなんと恵まれた死であろうか。人が一勝で掴める夢は限られている。きっと大半の人間は、それを持ったとしても何一つつかめず路傍に朽ちていくのだろう。そんな過酷な夢を、遂に彼は叶えることが出来たのだ。この上なく上等で、真っ当な一生だった。

「――無念はない。ありがとう……」

 それは誰に向けられた礼か。
 黄昏の剣気の残光が残る中、彼の身体が輝く黄昏の粒子となって解れ出す。英霊としての魂が昇天し、座に還ろうとしているのだ。つまりは、此度は此処までということ。
 だが言葉にしたように無念はなかった。ただ一人の正義の味方として新生できた。そのことがただ誇らしい。
 元より一人の英雄の武勇などこの程度のものだろう。一人の魔物を葬り、その偉業で名を伝えられていくだけのこと。その中で在り様を発揮できたなら、それだけで価値がある。
 彼は教会の跡地に、その聖剣を突き刺した。喪われた教会の十字架の代わりに、まるで墓標のように立ち続ける。此処に築かれし討滅の神話……いや、騎士と騎士の決闘の跡。

 彼方に見えるのは顕現した黒い竜。ただ一つ心残りは、あの悪竜との戦に馳せ参じることができないことだが……
 武運を祈るしかあるまい。己は元より古の遺物。遅れた神秘というヤツだ。ならば早々に立ち去った方が良い。
 風が吹いている。月夜の熱気を醒ますような涼風が。
 さび付くような血の熱帯夜は過ぎた。彼はそっと満足げに目を伏せる。
 ――嗚呼。
 ――今宵の、夢も。

 一陣の風が浚う。一際強く、髪が靡くほどの風が吹き抜けた後、騎士の姿は欠片も痕跡を残さず立ち消えていた。
 黄昏色の剣気に溶け込んで、彼方へ去っていくかのように、彼の黄昏の粒子は吹き抜けていった。

 突き刺した聖剣……今や誰も使うことのできない呪いの聖剣だけが、勝利の勲章として残り続けた。


【ジークフリート@Fate/Apocrypha――騎士ヴィルヘルム・エーレンブルグとの決闘の後、消滅】


【こちらこそお相手ありがとうございました】
>ヴィルヘルム

2ヶ月前 No.531

守護者 @vtyjf ★A4upMHBbLt_qxX

【郊外/黒陽】

>>戦域ALL(マッハ、晴人)

『黒陽』は赤と白と輝く二人の人型の動きを見ていた。これまでのような、漫然とした観察ではない。警戒すべき相手として、注視していた。己に致命とも言える傷を与えた者達、小さく、しかしこちらを穿つ力を持つ者。

危険だ、と、『黒陽』は判断する。しかし、彼らが狙う場所もまた予測できている。ならば、
……迎え撃つ
白い人型が放つ弾丸の牙がこちらの上部砲門群を破壊し、しかしそちらへ対応するための出力は回さない。回すのは主砲と竜砲、双胴の八連大砲だ。敵は撃ち落とされ、しかし再び立ち上がりこちらへと、己の急所へとやってくる。即ち頭部、双胴の間へと。
それを『黒陽』は待っていた。敵がこちらの射線上に来ることを。発射準備は出来ている。双胴の間には既に八本の柱が力を溜めており、『黒陽』の下部に用意された主砲も熱を持っている。

敵は頭部へと至り、既に攻撃モーションに入っている。白と輝きの人型の出力状況は既にスキャン済みだ。攻撃モーションも、一動作の速さも、これまでの戦闘で計測済みで、更には姿を変え性能が変化していたことも計算のうちだ。
万全だった。
二人は攻撃を放つが、それよりも早くこちらが迎撃として放つ光が二人を呑み込むという予測結果が出ている。故に、『黒陽』は双胴の八連大砲の光を開放した。己で己の頭部装甲を削り取る、自傷とも言える攻撃は、取捨選択を強いるものだ。回避、迎撃にに移らなければ二人の人型はゼロ距離から八本の大口径砲からの砲撃に呑まれてしまうだろう。

そして、未だ30%ほどの充填状況ではあるが、この規模の都市であれば己の主砲で吹き飛ばすことが可能だという予測演算が出ている。もしも、想定外で二つの人型に頭部を砕かれても、主砲の発射は既に最後の調整段階に入っている。主砲を放つ瞬間、わずかだが出力逆流を遮断するために他の全ての機能を停止させなければいけない瞬間がある。だが、それでも、『黒陽』はこの一撃が都市を破壊可能であるという高確率判断に従った。
六百メートル近くある双胴の間、幅三十メートルほどの空間に双胴を結ぶ黒の雷光が生まれた。それも網目のように、幾本も、だ。当然、双道の間、頭上装甲状に立っていれば、主砲加速光によって焼かれているだろう。

双胴の間に生まれた黒色雷光は一気に膨張する。ツインタワーの双胴を結ぶように、夜空に黒の極光を浮かび上がらせる。
そして黒の光は追加される。
最奥、己の身体の核に最も近い場所。そこに長砲がある。
身体の下側を覆う装甲から、真っ直ぐ伸びる砲塔が。伸縮する砲塔は追加兵装に匹敵するほどの長さで、刃物のような形状をしていた。
身体を下に展開するようにして、その砲身をそのまま都市へと向ける。

刹那の後、『黒陽』は主砲を発射した。
轟、という音が響き、空を黒の光が焼き尽くす。

「――――!」

そして、この場にいる全ての者は聞くことになった。『黒陽』の勝利を確信した、歓喜の叫びを。

2ヶ月前 No.532

諸葛孔明 @faketanisi☆8cfl5/j3VDw ★kTiMs9Flj7_Q1n

【郊外/諸葛孔明】

 自分を信じる、と口にした仮面ライダー――マッハ。その後姿を見送り、キャスターは戦いの最中には不似合いな郷愁を抱いた。あの手の男には見覚えがある。時計塔で自らが担当した生徒に、よく似ていた。
 故にこそ、口には出さずとも、死ぬなよ、と強くそう思う。
 いつの時代も、災厄とは人の手で乗り越えられる為に存在するのだ。それはこの現代に出現した、あの破壊の化身・黒陽であろうと一切変わりはない。

「クロスショッカーか」

 こんばんは、と挨拶を掛けてきた少女を見るキャスターの瞳に、疑心の色はない。無論警戒を怠り、前後不覚を晒す無様は冒していないが、彼女が自分に危害を加えてくるとは思っていない様子だった。
 当然だろう。この状況で尚組織としての大義名分を優先する者があるとしたら、笑い物にもならない阿呆である。

「無事だ。正直何度かは死を覚悟したが、軍師とはいえ全く戦闘能力が無い訳でもないのでな。
 ――隙、か。その言い分からするに、何か考えがあるようだな……良いだろう。だが、少し待て」

 あの巨体、超高速移動と広域破壊を繰り返す大機竜の動きを封じる手段を、確かに諸葛孔明と言う英霊は持ち合わせている。にも関わらず、彼は未だにその鬼札を切ってはいなかった。
 理由は明快。あの災厄は、見掛けに反して頭が良い。
 有効札になり得るからと言って早々に切り札を切ってしまえば、必然、その後に待つのは約束された破滅だ。龍は学習する。アレは学び、分析し、敵を知る。ヒトが講じる策を理解した上で踏み越えてくる、最悪級の大災害。
 だが、相性の善し悪しで言えば、自分とあの龍は決して悪くはない。キャスターはそう思っていた。
 知性が存在せず、只闇雲に大地を踏み荒らし、狂気と共に世界を焼く。その類の狂乱者(バーサーカー)だったなら、成程確かに諸葛孔明と言う英霊との相性は最悪に近かったろう。
 されど、黒陽はそうではない。あれは知性を持つ。それだけでなく、記憶――『思い出』も持つ存在だ。
 彼は戦いを戦いと認識している。人間並みか、或いはそれ以上の聡明さで。ホワイトファング・クロスショッカー連合軍の猛攻に侭ならぬ物を感じ、それを殲滅する為に知慧を案じてくる。
 であれば当然、あの龍も"その思考"から逃れられない。同じだ、何も変わらない。

 頭部への損傷、巨大。
 如何に黒陽が巨大であろうと、ダメージが通っていないとは思えない。
 然し、その傷は黒陽を斃す決定打とはなり得ず。
 それどころか、――更なる悪夢を生み出し、立ち向かう人類を蹂躙せんとする。

「……そうか。ならば私は、こう言うべきなのであろうな」

 主砲、発射。
 あれが街へ墜ちたなら、最早滅亡は避けられない。
 人がそう危惧するように、黒陽もまた、勝利を確信していた。
 故に吼える。歓喜の叫びを。
 そして。

 その一瞬を――大軍師・諸葛孔明は見逃さない。

「"罠だ"」

 刹那、生じた現象は全く現代文明にそぐわない物だった。
 巨龍・黒陽を中心に、彼へ合わせたかのような天を衝く巨岩が大量に出現する。
 それが陣だと見抜ける者が、果たしてどれだけ居ただろう。だがそれは確かに陣形だった。黒陽を囲むように出現した閉鎖空間。進軍と撤退を同時に阻み、思考と心理の分析に誰よりも秀でているからこそ発動の瞬間を見誤らない。
 黒陽を囲んだ陣は、惑いの陣である。
 どんな名将・怪物ですら容易には脱出できない不帰の陣。そこに存在するだけで生命力を削り取る呪いを満たした、彼の軍略の究極形。とはいえ、そう長い幽閉は不可能だろう。黒陽は巨大で、尚且つ強力な兵器を星の数ほど内蔵している。
 長くても、彼が陣の破壊に要する時間は三分。逆に最低でも、二分間は奴の歩みを止められる筈だと、キャスターは踏んでいた。更に、黒陽の放った主砲が巨岩の一つに衝突。僅かに威力を落とすも、光は完全には止め切れず、ゾディアックの都市の方へと抜けていく。
 それでも――先程までに比べれば、対処のしようは"まだ"ある。

「戦場では勝利を確信した時ほど、最も近い位置で敗北が睦言を囁いている」

 扇子を振り上げ、合図を放つ。
 ――二手に分かれよ。片方は主砲の迎撃、それが不可能と思う者は黒陽への突撃。
 進軍は僅かなれど止めてやった。後は、おまえ達の仕事である。

「これぞ大軍師の究極陣地――『石兵八陣』。破ってみせるがいい」

 されど双方、火力は惜しむな。
 今こそが、最大の好機だ。


>黒陽戦ALL(マッハ、メア、ネメシス)

2ヶ月前 No.533

エルキドゥ @mbd☆h7z1Ofs9qvc ★N2m24CgFWL_Q1n

【ホワイトファング本部前広場/エルキドゥ】

>ミルアルド、ルートヴィヒ

 人類悪。
 黒陽。
 災厄。
 抑止力。
 ――いくつもの聞きなれぬ単語が飛ぶ場に、一人の青年が現れた。
 緑色の髪が印象的な、男とも女とも取れる人物。名をエルキドゥ、という。
 もしかすれば、その姿もまた、伝承に残っているやもしれない。ホワイトファングの協力者にして傍若無人なる暴風のような男、英雄王ギルガメッシュの唯一無二の友だ。
 彼はそのまま、今後の対策に付いて練っている最中であろう両者の間に割って入り、柔和な笑みで語りかける。

「やあ、話している間にすまないね。僕はエルキドゥ。
 ――このチームにギル……彼がいると聞いて来たんだけど、合っているかな」

 ギル、とは間違いなく、ギルガメッシュの愛称だろう。
 そしてあのような性格をした彼に、そんな不遜な呼び方ができるのは、やはり一人だけだ。
 しばらくエルキドゥは二人を眺めて、首を傾げる。本当に……ごく、自然にだ。

「もしよければ、ここのチームの首領に会わせてもらえないかな。僕も彼と一緒に、久しぶりに闘いたいからね」

 物静かな声音。
 そして、理知的な印象を受ける物言い。

 だが……この場にもし、“魔力”の扱いに長けている者か。
 もしくはサーヴァントやその他霊に近しい存在がいるのならば、気付くかもしれない。
 エルキドゥはギルガメッシュとは違い、確かに“肉体”を持っているし、決して霊体ではない。魔力で体が編まれていないのである。
 そしてクロスショッカーには、死者を一切能力を損なわせずに蘇生する技術があるという。
 この場にいれば、“彼の正体”を暴くことは容易いはずだ。――もっとも、この場にそれがいれば、の話ではあるが。

2ヶ月前 No.534

マッハ @arts ★iPhone=VWb3NiiNM3

【郊外/仮面ライダーマッハ】

 >黒陽、参戦者all

 ヒトの身の丈では遠く及ばぬ口径の八連大砲が、二人の仮面ライダーを狙う。肉を切らせて骨を断つというやつか。だが生憎とその気概に付き合ってなどやれない。
 これは決闘ではない。仲間たちと力を合わせて、各々が自分にできることに心血を注ぐ討伐戦である。
 軍師の策を信じ、同輩の力を信じ、己の速さを信じて撹乱を担った身で、捨て身の突貫など許されない。他の誰でもないマッハが認めはしない。

《ズーット、マッハ!》

 深追いせず、シューターによる打撃を放棄してマッハはすぐさま退避行動に移った。急加速し、鋼鉄の道を一目散に駆ける。……間一髪。靡くマフラーがジュッと音を立てて末端を失ったものの、マッハ自身は五体満足のまま。
 次の一手を打つべくUターン、加速の勢いをそのままに駆けた刹那――状況は一変した。
 機竜の上空と周囲に展開される、具現化された軍略の牢。それ自体が呪いを帯びた超弩級の陣。歴史に並ぶ者の少ない大軍師の究極陣地はここに顕現し、機竜の進行を阻んだ。
 二度はないと断言できるほどの間隙。ようやく垣間見えた希望に、マッハは奮起した。

「これがあんたの策ってわけか! なら俺たち仮面ライダーも応えなくっちゃな! 行くぜ……これが俺の、仮面ライダーマッハの全力だ!」
《シグナルバイク、シフトカー! ライダー! デッドヒート!》

 シフトデッドヒートを再びマッハドライバーに装填、一瞬にして超高熱を纏った赤白(せきはく)の姿へ再変身を遂げる。
 だが足りない。まだ届かない。石兵八陣によって齎された最大にして最後の勝機には、余力すべて、否、限界を超えた力で臨まなければ釣り合わない……!

「はあああ――!」
《バースト! キュウニ、デッドヒート!》

 裂帛の声と共にベルトのブーストイグナイターを連打、意図的にバーストを引き起こす。暴走と紙一重の状態。しかしマッハは深手を負った身ながらも、危うげなく制御してみせた。何故なら――
 この手は勝利を掴むもの。
 この足は勝利に至るもの。
 この心は勝利を叫ぶもの。
 勝たなければならない……否、勝つのだ。人々の安寧を守り、明日の希望を導き、絶対の正義を行うために。

《ヒッサツ、バースト! フルスロットル! デッドヒート!》

 電子音声が告げる。渾身、全霊による一撃の発動を。
 天高く跳躍し、煌光を纏いながら前方回転・収束、急降下。超高熱を纏った飛び蹴りは黒陽の頭部に狙いを定め、そして――――

「――――堕ちろおおおおおォォッ!」

2ヶ月前 No.535

白露・時雨 @hananomi☆Mwp.W.uiBT6 ★5tuXai74if_w96

【 ホワイトファング本部 / 工廠(→本部内移動中) / 白露・時雨 】
 十香及びアタランテが確保されたという情報がホワイトファング本部に伝わったのとほとんど時を同じくして、白露と時雨がそれぞれ大規模改装を終えた。
 白露は無事に仲間たちが戻ってくるという安堵を、時雨は改装が間に合わなかったという後悔をそれぞれ感じたものの、それもほんの一瞬の事だった。
 機龍なる敵が出現し、この街に進撃している。進撃途中に存在していた町は既に壊滅しているとか。文字通りの緊急事態らしい。

「――――司令、白露だよ!
 白露型駆逐艦一番艦『白露』、同二番艦『時雨』改装完了したよ!」

 『工廠』と彼女たちが呼んでいる整備区画から艤装を背負い何時でも戦闘に突入できるような状態で飛び出し、白露は彼女たちの司令官、ミリアルド・ピースクラフトへと無線を飛ばした。
 司令、という呼び名は、海軍における艦隊の指揮官を指す単語の一つだ。白露や時雨といった艦娘の前世たる艦が体験した『戦争』における司令官の呼び方の一つだったため、それが艦娘となってからも習慣として残ったらしい。特に駆逐艦に座乗する指揮官は『司令』と呼ばれる立場だったために呼びやすかったこともあって、白露は司令官に向けてそう呼んでいるのであった。

「お取込み中だったらごめんね、司令。僕達はいつでも出れるけど、このまま郊外に出て機龍を迎撃したほうがいいかな?」

 白露の言葉を、後から追いついてきた時雨が引き継ぐ。
 郊外で現在も展開されている対『黒陽』戦は少しでも味方側の手数が多いほうがいいだろう。しかし、だからといってそこにだけ行くわけにもいかない。手薄になったところをクロスショッカーに強襲される可能性も、無いとは言い切れない。
 故に、白露も時雨も己のみの判断では動かず、司令官の判断を仰ぐこととしたのである。

>>ミリアルド・ピースクラフト(、ホワイトファング本部近辺ALL)

2ヶ月前 No.536

アンク @antinomie☆yzl4MFL1dRLB ★qq8yQfVxb6_nHx

【 クロスショッカーアジト/モニタールーム/アンク 】

「……あぁ?」

錆び付いた頭、などと言われた時に少し頭にきたが、生憎とアンクはそこでことを起こすほど単細胞ではない。
仮にこれが別の王……例えば、“緑”であった場合は既に手を出していることだろう。グリードの中でもアレは特筆してバカだ。
グリード故の狡猾さや欲望は持ち合わせてはいるが、単純だから扱いやすい。この場に居たなら速攻で玩具にされていたことだろう。
それはそれで面白そうだとは思うが、今は無駄なことを考えている場合ではない。
エルキドゥ、と名乗った何者かは好きに言って任務のために出て行き、先んじて現れた蛮野は怒り狂っている。
唯一煽られることの無かったロアと、精神が強いのか周りに人が居る手前当たり散らせないのか、平静を保っているバラゴを交互に見る。

「ハッ、あんなのでいちいち叫んでんじゃねえ。熱暴走でぶっ壊れるぞ?」

冷ややかに蛮野へと言葉を投げかけた後にバラゴの言葉に軽く頷く。
まあ、それはそうだ。実際、功績が目立つロアはともかく。確実に素行にも問題がある、もとい、今の発破で確実に火がついているであろう連中が槍玉に挙げられるのは分かる。
はぁ、と軽く息を吐き、机の上から飛び降りる。

「で、何だよ。タダで働いてやる気はないぞ」

蛮野ほど過剰に反応はしなかったが、アンク自身も賢者の石という興味のあるモノを奪われて気が立っている。
その状態で言い渡される依頼が何であれ、今度こそ確実な報酬が必要だ。
当然だ。クロスショッカーは一つの組織だが、その内情はバラバラ。利害一致だけではどうにも成り立たない。

>バラゴ、蛮野、ロア、(エルキドゥ)

2ヶ月前 No.537

ロア @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★nc6OuVRr3T_w96

【クロスショッカーアジト/モニタールーム/ミハイル・ロア・バルダムヨォン】

 ひとしきり罵声を浴びせてやったものの、バラゴは対した反応も示さない。それを忌々し気に、あるいはつまらなげに見遣ると、一方で緑髪の青年は一同に嘲りの念たっぷりに煽り始めた。
 例外は己一人。確かに、優れた芸術と褒めたたえはしたし、相手の価値を認めてもいた。際立った失策もなく、罵倒される謂れはないのだが……その態度は逆に気にかかる。
 彼が一通り嘲りの文句を告げた後、気分よくモニタールームから退出するのを見送ると、彼は途端に呵々と嗤い出した。

「やれやれ、手厳しくやられたなぁ御仁たち。随分と気が立っているようで、"石を狙う奴は全員敵"ときたか」

 一同煽られる様をケラケラと嗤いながらも、ロアの頭は冷静だった。確かに優れた希少種を前にすれば興奮を禁じ得ないのが学者という生き物だが、分析する眼だけはどれだけ昂っても質が落ちることはない。
 先は実に笑える茶番であったが、石に目を付けた者に対してのみこの態度とは、余りに露骨なまでの執着ぶりだ。確かに伝承に於いてエルキドゥの性質は穏やかなものであるが、例外もある。英霊の性質は説によって異なる、例えば女神イシュタルなどの怨敵と呼べる相手に対してエルキドゥは徹底して辛辣であったし、態度の太々しさで言えば先のやり取りと大差ない。英霊が一つの側面を顕すものである以上、そうした性質が呼び出される可能性も無い訳ではないのだが……

「……しかし、それにしては妙に攻撃的なきらいがある、か。召喚の際に若干歪みが生じたか? 或いは別の……いいや、あの式にそんな余地はなかったはず」

 小声でそうぼやきながら相手の態度を回顧する。召喚した式か、後天的なものか。少なくとも、不具合がある恐れがある、とはロアも薄々感じていた。というより、この種類の魔術に関して造詣が深いのはバラゴと己の二人しかこの場にいなかったため是非もないというべきか。

「まあ別にオレは面に泥ぉ塗られた訳でもねえけどな。しかしその様子だと、おたくもあのバグがよくわかってねえとみた」

 一同へ声をかけるバラゴに対して、ロアは成程然りと頷いて見せる。
 エルキドゥは敵陣営に召喚されたギルガメッシュに対抗するための兵器として運用されるという、いわば決戦兵器だ。そしてギルガメッシュは恐らく己にとっても大きな弊害となりうる。
 かの英雄王ギルガメッシュ。その力の多寡は兎も角、その究極千里眼『全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム)』……それを英霊となって尚有しているかは分からないが、もし持っているのであればこれ以上の脅威はない。
 伝承に於いて『すべてをみたもの』と呼ばれた王は、最高位千里眼の持ち主であると言われている。彼の王は基本的に己が気の向くまま治める暴君であったが、逆に言えば気のままに民へ施す善王でもあった。超常の力を持っているから、何もしない……そういった性質なら無視してもよかったが、あれは要するに『何となく気が向いたから、常識の埒外の力を奮う』という天災じみたものなのだ。わけてもロアの転生術式のような、どこぞの不死を掠め取った蛇の行いを彷彿とさせる術が相手に露見すれば、どんな妨害を受けるかわかったものではない。
 そんな英雄王の対抗馬となり、十分に倒しうる力を持つエルキドゥは文句なしに切り札と呼べる存在だった。だからこそ、その決戦兵器にバグが一つでもあってはならない。性能面のみならず性格面においても、十全に力を奮い、確実に命を奪えるだけの力を発揮できるよう調整(チューニング)せねばならない。

「不安要素は徹底して潰しておいた方が良い……ああ、その意見には賛成だぜ? おたくは前の反省も兼ねて、ってところだろうがな。
 で、そもそも何をどうさせたいんだ」

 揶揄を挟みながらも、ロアとしてその方針には賛成だった。当然、わざわざ策を練っていたというなら話ぐらいは聞いてやらないことも無い。
 それで結局何を企んでいるのか。一先ずは聞いてやるから話せと促すことにした。
>バラゴ、蛮野、アンク、(エルキドゥ)

2ヶ月前 No.538

受け身全覚 @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★SKGC1pYrJC_w96

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2ヶ月前 No.539

ウィザード @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【郊外/操真晴人】

斧を振るうモーションの最中、意識の中でスローモーションになる。
そして今までの思い出が一気に脳裏の中で蘇る。
それが走馬灯だと理解するまでに時間は掛からなかった。

「うぁぁぁぁぁぁ!?」

ゼロ距離の砲撃、直撃。
堅牢な強化変身といえどその身からは炎が噴き出し、遂には膝から崩れ落ちる。
これまでの戦い、先にくらったダメージによりウィザードには攻撃を躱す体力が残されていなかったのだ。
今までは飛行魔法によりそれを誤魔化していたが、黒龍に足を着けた瞬間それを理解した。
それでも回避行動に移れば二度とこの巨大化した斧を振るう力がないことを知っていた。
その為の決死のシャイニングドラゴンだったが、しかしそれは空しく空を切り、ウィザードの身体が黒龍から放り出される。



落ちていく身体、薄れゆく意識の中で晴人は見た。
白く赤く輝く仮面ライダーが砲撃を躱し、頭部へと流星が如く目掛けて跳んでいく。
黒龍には主砲を撃つも、唐突に現れた巨岩により阻まれている。
これが好機なのだろう。
されど間が悪いかな、こういったタイミングには疎かったようだ。
だから目を瞑ろう、戦えない軟弱者にこれ以上は望めない――――――

〈俺たち仮面ライダーも応えなくっちゃな!〉

薄れた意識の中で聞こえてきたその言葉、仮面ライダー。
それは子供たちの夢を守り、希望の光を照らし続ける者。
その名を冠したのであれば、ここで終わっていいはずがない。
先人達、後輩達が繋いでいくそのバトンを絶やしていいはずがない。
沈みかけた意識を、無理矢理にでも繋ぎとめる。

「ぐ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!!」
『チョーイイネ! フィニッシュストライク! サイコー!』

瀕死の身体で魔法を使えるか、そんなことは関係ない。
死に物狂いで指輪とベルトを操作し魔力を張り巡らせる。
インフィニティースタイル、そしてオールドラゴンその両方の力を携えた最強の形態。
インフィニティードラゴンと化したウィザードは飛翔する。
なぜならあの激しく光る流星、仮面ライダーマッハと共に勝利するために。

「フィナーレだ………!」

それは相手への、そして自分への最後の言葉。
魔法陣を潜り抜け、相手の頭部目掛けてウィザードが加速していく。
右足にドラゴンスカルを具現化し、ドリルキックのように回転した飛び蹴り。
ウィザードのインフィニティーエンド、マッハのヒートキックマッハーがWライダーキック。
黒龍の頭部を挟み込むように放たれた――――――――

>黒陽、戦域ALL

2ヶ月前 No.540

スレ主 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【郊外→光輝の大複合神殿/オジマンディアス】

オジマンディアスの攻撃を含めた勇士達の攻撃は着実に黒き巨竜にダメージを与えていく。
だが巨竜とて黙って撃たれるままではない。

巨竜の攻撃は激しさを増し、巨竜と戦う者達の傷は増していく。

オジマンディアスは太陽船の砲撃、更に熱砂の獅身獣もフル活用して攻撃のダメージを最低限に抑える。

そんな中でもオジマンディアスは焦りこそしていないが次第に余裕は失われつつあった。

「(やはりコレは災厄そのよ…
余の最大の宝具の開帳も考えねばならんか…)」

人の力で台風や津波、地震を治めるのはほぼ不可能である。この巨竜はそれらと同列に考えても良い天災の化身だ。
だがこの巨竜がそれらと違うのは攻撃すれば傷を負うという事だ。ならば倒せる可能性は天文学的確立であるが有ると言える。
その確立を力で引き上げるのが自分たちの役目だ。

ホワイトファングの軍師が叫ぶ。
頭と、武装を狙えと。
そして弩級の痛手を与えられる自信がある、そういう大火力を持つ者はまだ打つときではないと。
その言葉にオジマンディアスは口の端を吊り上げて笑う。まさしく自分の事ではないかと。
よかろう軍師、今はこの太陽王がお前の指示に従って戦ってやる。

オジマンディアスは軍師の指示通り太陽船とスフィンクスで攻め続ける。
やがて、巨竜は本気でその牙を剥く。

巨竜の身体の下より伸びる砲口。それはオジマンディアスの眼に狂いが無ければ巨竜と戦う戦士達ではなく都市へと向けられている。

「奴め、我々より先に都市を破壊する腹積もりか!!」

まずい――――アレがその気になったということは都市部を破壊する事が出来るということだろう。
それほどの攻撃を防ぐとなるとオジマンディアスといえども最大の宝具を使わねばなるまい。

「やむを得まい…!?」

そうして放たれる巨竜の全力の砲撃。オジマンディアスが宝具を使おうとした時、オジマンディアスは見た。
まず、巨竜を阻むように多数の岩が落ちてきた。
オジマンディアスは周囲を確認して察する。それが軍師の技――否、『宝具』であることを。
そして黒き機体から放たれる金色の光が巨竜の砲撃を受け止めている。
オジマンディアスは『勇者達』の姿をその眼に見た。

「よかろう…褒美をやろう、災厄の竜よ!!」

そしてオジマンディアスもまた最大の宝具を開帳する。

「災厄の竜よ、我が業を見よ!そして平伏せよ。我が無限の光輝、太陽は此処に降臨せり!」

大地よりせり上がる異形なる超大型複合神殿体。
それは生前に「過去現在未来、全ての神殿は自分のためにある」と宣言したことにより、生前自身が建築した神殿のみならず、自分が関わっていない神殿まで複合されている。デンデラ神殿、カルナック大神殿等の複合神殿体をさらに複数組み合わせ、アブ・シンベル大神殿、ラムセウム等の巨大神殿や霊廟までも複合された、現実には存在しない異形の大神殿体。
これがオジマンディアスのの有する最大にして最強の宝具。彼の心象と生前の威を具現化させた固有結界。
その名は――――

「《光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)》!!」

オジマンディアスの最大の宝具が今発動した。
オジマンディアスの神殿は対粛正防御を展開、黒き機体と共に巨竜の砲撃を押しとどめる。
無論、防御のみで留まるオジマンディアスではない。
オジマンディアスは神殿最奥に存在する『デンデラの大電球』を起動させ、その矛先を巨竜に定める。

「「まさしく世界を救う戦いである!
 余は、余が統べるためにこそあらゆる敵を灼き尽くし、遍くすべてを救おうぞ!
大電球アモン・ラー、開眼!見るがいい―――アメンの愛よ(メェリィアメン)!!」

そしてデンデラの大電球より放たれる大神罰、神々の神威とさえ思わせる超絶の雷撃を交えた大灼熱の太陽光、それが続々と巨竜に殺到する勇者達に追従するように巨竜へと襲い掛かった。

>黒陽、(孔明、リディ、、晴人、剛、メア、イゼッタ)

2ヶ月前 No.541

ギルガメッシュ @mbd☆h7z1Ofs9qvc ★N2m24CgFWL_Q1n

【上空→光輝の大複合神殿】

>黒陽、参戦者all

「……ほう」

 ギルガメッシュの総身をいつしか、黄金の鎧が覆っていた。
 雑種の闘い。勇者のそれではなく、もはや統率も取れておれず、勝利は望み薄かと思われた。
 だが――いるではないか。
 この王が手を貸すに相応しい、もののふどもが。
 それは奇しくも、まったく違う場所でロアが彼に下していた評価とまったく同じであった。
 彼は思うがままに奪う暴君であり、思うがままに施す善王でもある――そしてその“善き王”にとって、ようやく自らが腰をあげるに相応しい展開が整ったというわけだ。
 キャスターの擬似サーヴァントによる呪詛。
 鎧に覆われた戦士の健闘。
 侵食を行わんとする者の策。
 そして太陽王を基点として魔力が集うのを見た時、自然とギルガメッシュはヴィマーナを近づけていたのだ。

 ――そして、だ。
 ギルガメッシュは見た。巨大なロボットに乗って、自らを盾として、民を救おうとする“大馬鹿者”を。

 眼を細め、加えてキャスター――孔明の思惑を知る。
 火力をここぞとばかりに叩き込む。
 なるほど己の得意分野だ。なればこそ、彼はついぞ出陣の意志を示す。
 その、とうとう現れた“固有結界”を目の当たりにし、ギルガメッシュは天にも届くほどの――しかし物静かな声音で告げる。

「民を守る、か。ゆえに長期戦は不可能と見た貴様らの判断は褒めてやろう。
 ――ならば一息で決着をつけるのみ。それとも火力に不安があるのか? であれば、仕方あるまい。この我が手を貸そう」

 同時、砲撃を放たれている景色が完全に神殿に変わると見るや否や、黒陽の全身を黄金と白銀が入り乱れた鎖が覆わんとする。
 狙いは巨大ロボで攻撃を受け止めていた彼の方向から、砲頭をこの神殿の天井目掛けて逸らすこと。
 さらに固有結界の“果て”にまで届かれてしまっては、この空間から脱出されかねない。ならばと彼は、黒陽の後部のみを鎖で縛ることで、砲頭を逸らし、そして縛りつけるといった魂胆をたった一手で試みる。

「サーヴァント・アーチャー、ギルガメッシュ。貴様らへの褒美だ、来てやったわ」

 彼はそのまま黒陽へと視線を移し、淡々と告げる。

「我より後の、しかしこの者どもからすれば確かに太古である者どもの置き土産か。
 ……黒き竜よ。己が望みを自覚した事で、とうとうその気になったようだな。――我は貴様に向ける憎しみはない、この者どもも民を虐げ、そして己が目的を阻害されたという点で怒りこそあれど、憎しみは持つことはあるまい」

 目を閉じ、言い聞かせるように。
 鎖でできたであろう猶予の中、はたしてどのような言葉を投げるつもりか。
 しばし彼は、言葉を紡ぎ続けるのみ。

「貴様は護り、そして“奴ら”に害あるモノどもを断つもの。
 我らは“奴ら”も含め育ち、旅立つもの。そう……我らと貴様は、ただ分かり合えぬ摂理の中にあるだけだ。
 貴様の愛したものどもは疾うに失せ、この場にいるものどもを討ち滅ぼせば“還る”のだ――と。見当違いである貴様の愚かさは笑うまい、しかし」

 黄金の門が開く。
 いくつも、いくつも、いくつも。
 埒外にして常識外、法外にして人の外。もはや数えるほども阿呆らしい、そんな宝剣の群れ群れが黒き暴竜へと向けられる。

   ・・・
「……その理を、ここで示してやろう! ――安心しろ、貴様を辱めようなどとは思わぬ。
 もはや我らの世界に“旧きものども”のみを護る守護者は不要なり! この神殿にて、今度こそ眠るがよい!」

 無限にも思われる刃が殺到する。
 たった一手で黒陽の砲撃を逸らしにかかり、その時間を稼いだ者を間接的に護りにかかり。
 そこからさらに、やはり常識の範疇から外れた火力を展開する。
 そのどれもがAランク――神秘の度合いが最上級のものばかりを選別し、目にも留まらぬ勢いで叩きつけていく。

「さて――この世界の兵(つわもの)どもよ、臆するなよ。
 此度の災厄は“これ”で終わりではないぞ? せいぜい足掻け、滅びの時はまだ続く。この程度の事態で滅ぼされるならば、貴様らはそれだけということだ」

 しかし――と。
 ギルガメッシュはいくつもの宝具の群れを放ち続けながら、周囲を見渡す。
 固有結界。
 これもまた、見た覚えはないが――何やら不愉快な単語だ。

2ヶ月前 No.542

Charlotte @kirieru ★Android=ryLO8WYMEG

【郊外/イゼッタ】

膨大な魔力を込めたイゼッタの渾身の砲撃でも機竜を完全に沈黙させるにはいたならなかった。
それどころか機竜は主砲を展開し極太の黒雷をゾディアックの都心部に向けて発射した。
機竜の放った幾多の黒柱を回避するのに必死だったイゼッタがそれに気づいた時には黒雷は既に発射された後だった。

「私.....守れなかった......」

もう終わりだと全てを諦めていたその時に孔明が召喚した巨岩に黒雷に阻まれ完全に防ぐ事は出来なかったが黒雷の出力を削ぎ落とした。
それでも黒雷はゾディアックに穿とう向かっていくがリディが身を挺し黒雷の進行を止める。
ゾディアックに生きる大勢の人間の命を守る為、自らの命を賭けるホワイトファングの戦士達の勇姿に諦めかけていたイゼッタの心を奮い起たせた。

「私はまだ諦めない!!みんなが希望を捨てない限り!!」

闘志を再び燃やしたイゼッタは再び240mm砲にレイラインから魔力を充填を開始する。
さっきまでは砲台の耐久力を考えて充填する魔力の量を抑え込んでいた。
しかし実弾を発射する為に本来は設計され魔力の充填という規格外の運用に砲身のあちらこちらに亀裂が入り機関部も魔力の供給によって既にガタが来ている。
魔力弾の発射おろか充填した瞬間に魔力の負荷に耐きれるず暴発してもおかしくない状態だ。
もしその時の爆発にイゼッタが巻き込まれたら彼女の命の保証は何処にもない。
だがホワイトファングの同胞達は命を賭けてまでもゾディアックを守ろうとしている。
自身の身を危険に晒すリスクを背負わなければゾディアックを守る事は出来ない。
そのリスクを承知の上で240mm砲に更に膨大な魔力を注ぎ込む。

「お願い間に合って!」

膨大な魔力の供給に砲台が軋む音や割れる音があちらこちら響く。
それでもイゼッタが魔力の供給を止める事はない。
ゾディアックに生きる多くの生命がイゼッタに掛かっているもう後戻りは出来ない。
そして暴発寸前まで充填した240mm砲から極太の光線が穿たれた。
その極光は災厄を具現化した機竜の頭部に向かっていく。
揺るがなき信念を込めた砲撃は果たして機竜を打ち倒す事は出来るのだろうか......。


>>郊外周辺All

2ヶ月前 No.543

守護者 @vtyjf ★A4upMHBbLt_qxX

【郊外/黒陽】

>>戦域ALL

『黒陽』は空の残光を見ていた。視覚素子では既に熱源や重力検知で都市に向かう砲撃を見ている。だが、決着の一撃をつけたことに対し、『黒陽』は全ての視覚素子に情報を残すことにした。だからこそ、主砲の残光が晴れるのを待つ光学視覚が、最も長い記録を必要とした。
光が晴れていく。そして、数瞬もしないうちに起こりうる光の奔流を捉えるため、光学素子を暗視モードから切り替えようとした。
だが、『黒陽』は疑問を覚える。光学素子が、未だ光を捉えていることに。それは己とは違う黄金の光であることに。

「……!」

黄金に輝く機体が主砲の一撃を受け止め、鎖が砲塔を逸し、更にせり上がる巨大な光り輝く建造物が主砲の一撃を弾く。いつの間に射線上に現れていた大岩を合わせて四重の護り、威力を削ぎ、押し留め、逸らされ、弾かれる。遥か彼方虚空へと消えていった自らの砲撃を見守る暇もなく、二つの光が頭部へと堕ちてくる。
狙いは分かっている。軌道予測演算をするまでもない、こちらの頭部だ。だからこそ、『黒陽』は主砲と共に放たなかったもう一つの光を開放する。
それは口腔内、『黒陽』の口の中に溜まっていた黒の光。竜砲、機竜の持つ主武装の一つであり、

……頭部への攻撃の対策だ。

放つ。黒の極光を、二つの光へと。
だが、そこで『黒陽』は気づいた。己の出力が低下していることに。放たれた竜砲は、しかし不完全なもので、二つの光と一瞬拮抗して砕かれる。突き刺さる、二つの光が。
否、二つではない。光り輝く建造物から放たれる光が、己を縛ろうとする黄金の鎖が、空を翔ける幾十もの弾丸が、彼方から放たれた極光が。
駆動系、反応経路、感覚素子さえも、通常時の54%まで性能が落ちている。防げない、そして回避も不十分にしか行えない。

殺到する数多の攻撃が『黒陽』へと命中した。


 ●


黄金の言葉を聞いた。既に彼らは帰ることはないのだと。落ちていく、堕ちていく。自己診断による結果は、そのどれもが致命的であると教えている。だからこそ、自己保存機能はこれまでで最大となった。それは失われた過去を引きずり出す走馬灯であり、もはや救からぬということを知らせると同時に、

……思い出した。

『黒陽』は意識を明確にする。自分の記憶を明らかにすることで、だ。

自分の記憶領域の中に、先程見た、しかし不完全だった映像がある。その最後、自分の作成者の男は目を開き。告げていた。

『すまない。――メンテ中の『黒陽』に全てを頼んだ。もし、君たちが苦しみ、そして私達が間に合わないようならば――、国を――』

先程はそこで途切れた音声記録は、しかしノイズ混じりに最後まで引きずり出される。

『――きっと『黒陽』は悩み苦しむだろう。だから――頑張ってくれ。最後の時間まで。――そして『黒陽』に告げてくれ。幸せになれと。』

それは、きっと、
……自分に託された最後の命令(ねがい)だったのだ。


 ●

そして、自分は国を滅ぼし、
……最後に残ったほんの少しの『彼ら』は、機竜と融合し、人としての記憶と人の形を失い、後の世の人々の幸いの為に自分と戦い、そして互いに落ちたのだ。

全てを知り得た『黒陽』は、致命傷を得た身体で空を昇っていくことを選んだ。進化の過程で得た全てを砕かれ、しかしその御蔭で鎖からは逃れることが出来た。

もはや『黒陽』の飛行に敵意はなく、ただ確認のための上昇だった。
夜の中、空の中、天の中、『黒陽』はこの世界を見渡すために空へ。この世界は自分のものにならないと、自分の知る人々のものにならないと、そんな事実を確認するために天へと。

もう、褒めてくれる人はいないのだと、ただそれを知るために。

黒の大機竜は昇っていく。
翼を動かし、砕ける身体を這い上がらせるように『黒陽』は上を望む。進化を重ね、強力な武装と装甲を持ち、高い速度を手に入れたのに、今では見を上らせることでさえやっとだった。

終わる、と『黒陽』は判断した。いや、終わっていたのだ、と。
自分が人々を滅ぼした。
人々を苦しませぬ為、命令とはいえ、自分が国を砕いたのだ。
己は暴走という殻に閉じこもり、自分のなしたことの正当性を信じた。
それは人がいなくなったことを認めないために、国が砕かれたことを認めないために。
自らが、任務完了の成果を褒めてくれる存在を消したことを認めないために。
もはや戦い始めた時に自分は負けていたのだ、と。

唯一己に残されていた、戦いとは関係のない機能を行使する。それはかつて、報告のために用いられ、
……彼らに褒めてもらうために、残しておいた機能だ。
それを、今度は謝罪の為に使う。

クロスショッカーの、ホワイトファングの、通信機が震え、『黒陽』の声を伝える。

『――すまない』

『黒陽』は己の過ちを認める。取り返しの付かないことをした、と。
償おうにも、もはや身は崩れ、砕けていく。
自壊を止め、償うことすら出来ない。ならば後はただ、人々に安心感を伝えるため、自らの敗北をこの世界に伝えるだけだった。
もう自分はいなくなるのだと。
そして、せめて敗者の記録を残してもらうため、この戦いの責任の押しつけ場所を教えるために、『黒陽』は勝者へと名乗る。

『――黒陽という』


自分は失敗作ではなく、失敗を選んだのだと『黒陽』は思う。自らの生まれた意味を、情けから失い、自ら失敗する未知を選んだのだと。

だが、『黒陽』は見た。眼下の光を。かつて自分が見た、護っていた光がそこにはあった。
人々の幸いの光が、そこにはあった。彼らは『彼ら』ではなく、しかし偽物ではない本物だった。

ああ。と『黒陽』は思う。壊さなくてよかった、と。

一番最初に己に与えられた、人々を幸いに導くという任務。多くの命を奪った自分にはもはや出来ぬことだった。
だが、それなのに眼下には結果がある。生き残り、自分を砕いた答えが。
もはや出会うことのない人々の、しかし再会出来た答えが。
解らない。
任務を果たせなかった自分が、しかし最後の任務を果たせた理由が。
解らない。
機械にとっての幸せは、与えられた任務を忠実にこなすことであるはずなの、何故自分は幸いを得ているのか。
解らない。
何故、自分は砕かれたことでその答えを得たのか。
解りはしない。

だが、『黒陽』は自分の終わりを認めた。己の身の終わりと、任務の終わりを。

もう自らによる他者の破壊はない。それを証明するものを与えるため『黒陽』は胸部装甲を開いて概念核の半分を取り出した。重力制御で取り出すそれは、直径三十センチほどの青白い光い珠で、直接触れても大丈夫なように重力的な殻で封じてある。
『黒陽』は、それを大地へと下ろした。上昇する自らとは逆に、護るべき光のある大地へと。

『黒陽』は天の中心を見上げた。
星がある。地上から見上げる時に確認した、孤高の星が。
それを喰らうように『黒陽』は上昇した。もはやこの世界を離れ、何も護ることなく、しかし傷つけることのない場所へと。自分が失わせてきたもの全てを見届けられる位置へと。

『――己の護るべきだった世界、その幸いを受け継ぐ人々よ。貴方とこの世界の全てに幸いあれ』

「――――!」

『黒陽』は吠えた。長い、最後の、歓喜の叫びを。
そして『黒陽』は自壊の上昇を続けた。自分の為したことを後悔する一方で、自分に与えられた最初の任務を全うしたことを思う。
それこそが、己が全ての人々から与えられた唯一にして最大の幸いだと判断しながら。

時刻、午前一時二二分。
ゾディアック、その周辺にいた者たちは北極星の空に一つの光が生まれたのを確認した。
『黒陽』という名にしては小さく、しかし鋭く強い光を。
それが、任務完了を告げる『黒陽』の合図だった。
そして光は消えていく。ゆっくりと、静かに。
あとにはただ、北からの風が吹いている。夜を吹きすさぶ、透明な風だけが。

【黒陽@終わりのクロニクル、任務完了】

【黒陽の動力炉である概念核は、親方ぁ、空から概念核が!状態なのでご自由にどうぞ>>戦線の皆様】

2ヶ月前 No.544

戦闘潮流 @jojo3daime☆UIZ8nct3yGTf ★iPhone=PvTjW8pAQ9

【市街地/ジョセフ・ジョースター】

なんってこったい!ナイフはあっさり撃ち落とされるのはまあいい。氷の柱が飛んできたのもいい。氷の柱に関してはすぐに身を翻すように躱すが、連絡。ここで連絡が入って何かが現れた…らしいのだが……

こちらに集中すべきか…もの凄く、迷う。どうしたものだろうか……うーむむ。

おれらでないところで、なんとかしてくれる気もするし大丈夫…か?

ここで、一条が語りかける。なるほど、一旦ここで切って…まあ、それもいいだろう。確かに悪くないとは思うのだが…

自分が不利ならこういうのはおれもやるし、この場合としてはベストな選択であろうか。
……うん、いいと思う。乗っておこう。

「そーそー、無事じゃあないかもな…知ったことでもないが」

少し不機嫌そうにそう続ける。もうこういう流れに乗った以上は、そのまま行くしかないのだが……

>>清姫 一条晴彦 アームズ アイスエイジ


【本当にすみません、体調を崩してしまって連絡も入れられずに返信が遅れてしまいました。非常に申し訳ない…】

2ヶ月前 No.545

マッハ @arts ★iPhone=VWb3NiiNM3

【郊外/仮面ライダーマッハ→詩島剛】

 >黒陽、参戦者all

 身体に纏ったあらゆる進化の結果を破砕されたことで、機竜は縛鎖を逃れ、天へ昇っていく。
 全身を擲ち、全霊を尽くしたはずだ。それでも届かないのかと歯噛みした直後、その行動に敵意がないことをマッハは感じ取った。……何故と聞かれたらきっと説明できない。それは彼自身にさえ分からないような確信だったから。
 機竜は天へ昇り、マッハは地へ沈む。鈍重に空を這う竜を見上げながら、対照的な速度で落ちていく。落ちる*@則で落下の勢いを削ぎ、津波が過ぎ去ったあとのような瓦礫の街にマッハはゆっくりと身体を横たえた。
 ……声が聞こえた。通信機をジャックしたのか、不自然なノイズ混じりの音声はまず謝罪から始まった。次いで、黒陽という名乗り。ゾディアックを脅かしていた者は最後に幸あれと告げて、咆吼ひとつ残し、今度こそ雲の向こうへ旅立った。

《オツカーレ!》

 まるで見送るようなタイミング。軽快な電子音声がして、限界を迎えたマッハの変身が強制的に解除される。

「……馬鹿野郎、好き勝手言いやがって……」

 吐き捨てる声はけれど苦笑混じりに、剛はどこか晴れやかな表情で空を仰いだ。
 疵と痣だらけで見るも無残、痛ましいったらない。けれど勝利の誇らしさと全力を尽くしたあとの清々しさから成る、満ち足りた表情。

「お前の事情なんて知ったこっちゃない。機械の化物に同情なんてしない。だけど……最期の言葉はまあ、悪くないんじゃない?」

 もう動かすことさえ億劫な両腕を、それでも伸ばして指でフレームを作る。四角に切り取られた空、遥かな天に光が瞬いた。
 ……ふいに訪れる、さざなみのような静寂。静穏な風が頬を撫で、張り詰めていた剛の全身から急速に力が失われていく。

「やべっ、――くそ、まだ一仕事残ってるのに……でも駄目無理もう限界だっての! わるい……あと、まかせ……」

 た、の一文字を言い切る前にばたりと腕が地面に落ちる。次いで聞こえる「ぐぅ」という寝息。もはや気力も体力も尽きたと見え、詩島剛――仮面ライダーマッハは眠りに落ちた。

【一足お先におつかれさまでした。剛は特に何事もなければモブ隊員に回収されて療養コースです】

2ヶ月前 No.546

Charlotte @kirieru ★Android=ryLO8WYMEG

【郊外/イゼッタ】

ホワイトファングの戦士達が放った信念の一撃、各々の攻撃が機竜の頭部に直撃する。
一斉攻撃の後、噴煙の晴れていく中、機竜はまだその巨体で上空へと上昇していく。

「そんな.....」

イゼッタ達の文字通り全身全霊をかけた一撃が機竜に通じなかった絶望的な結果にイゼッタは打ちのめされそうになった。
しかし空高くへと飛び上がる機竜には何故かさっきまでの敵意を感じる事はなかったのだ。
ただ呆然とその姿を見上げているとイゼッタが着けている通信機から無線が入る。
スピーカーから流れ来たのは『――すまない』という謝罪の言葉と『――黒陽という』自身の名らしき言葉、そして『――己の護るべきだった世界、その幸いを受け継ぐ人々よ。貴方とこの世界の全てに幸いあれ』のホワイトファングを称賛する言葉だった。
その通信を最後に巨大機竜は夜空に向けて飛び去っていく周囲を震撼させる程の咆哮を上げながら。
不思議と機竜が発した咆哮に畏れを抱く者は誰もいなかった。
機竜の巨体が星空の彼方へと消えていく光景を見てイゼッタは確信する。

「良かった.....私、みんなの街を守れた.....」

あの機竜の進撃からゾディアックの人々を守れた事にイゼッタは心から安堵し全身の力が抜けていくのを感じた。
だが次の瞬間、イゼッタの乗っていた240mm砲が自壊し始める。
膨大な魔力の供給による負荷に遂に耐きれなくなったからだ。
むしろここまで保ち続けていたのが幸運だったかもしれない。
崩壊する240mm砲はイゼッタを乗せたまま爆発し破片
が辺りに四散する。
イゼッタは咄嗟に自壊する砲台の破片で身を守ったが爆発による爆炎と爆風に巻き込まれ無垢の少女の身体は重力に従って地面へと落下していくのだった。


>>郊外周辺All
【お疲れ様でした どなたかイゼッタの救出をお願いします】

2ヶ月前 No.547

スレ主 @evil☆wlNTvj.bQ62 ★Android=c1E0DIQTEq

【ホワイトファング本部前広場/ミリアルド・ピースクラフト】

ルートヴィヒは語る。
まず、人類悪という言葉を識っているかという言葉を皮切りに彼は語る。

彼の言葉を聞いてミリアルドは改めて考える。
考えてみればそもそもがおかしな話だったのだ。
悪魔、精霊、神霊、英霊の顕現に加えて死者の蘇生。
このゾディアックではそれらが当たり前のことのように起こるのは何故なのか。
それは世界がそれらの助けを要していることに他ならないとルートヴィヒは語る。
そしてあの黒き巨竜、名を『黒陽』は起こりうる災厄、その一つという予測が出ているという。
あれは新人類を滅相する暴走した防衛システムであり。我々を創り主から居場所を奪った外敵と認識し続け牙を剥く大災厄として襲い掛かっているという。

そして最後にルートヴィヒが締め括った言葉には言外にこういう含みがあった。
『厭うならば、やめても良い』と。
だがミリアルドは首を縦には降らなかった。

「我々はホワイトファングとして、市民を守る義務がある。
火事から逃げる消防団や暴漢から逃げる警察官などいはしまい?
それと同じだよ。無茶は承知の上だ」

ミリアルドの選択肢に、逃げるという選択肢はなかった。
その時だ。

ミリアルドはかけられた声に振り向く。
そこにいたのは緑色の長髪に中性的な顔立ちの青年、であろうか。声色も男性とも女性とも聞き取れる。
彼の言葉に、ミリアルドは内心驚愕する。

「(エルキドゥだと…?)」

彼がエルキドゥだとするなら彼の言う、ギルとは十中八九『ギルガメッシュ』のことであろう。
ギルガメッシュと戦いたいと彼は語るが今ここにギルガメッシュはいない。

「このチーム…ホワイトファングのリーダーは私だ。
ギルガメッシュは今はここにはいない」

ミリアルドは事実を簡潔に伝える。
そんな中でミリアルドの元に通信が入る。通信相手は白露と時雨だ。

「お前達は今は待機していてくれ。
もしかしたら、またよからぬ事がおこるかもしれん」

ミリアルドはそれだけ彼女達に指示し、エルキドゥの反応を伺う。

>ルートヴィヒ、エルキドゥ、(白露、時雨)

2ヶ月前 No.548

黒ここあ @milky2☆ggNFEl0Udhk ★iPhone=L4KW15I17O

【 郊外 / メア、ネメシス 】

一瞬でクロスショッカーと看破されてしまうメア。この状況で街を守る為に動くホワイトファングと判断されるなら解る。だが彼はそんな素振りさえ見せずに言うもので、別段隠す必要もなかったがあまりにも早い指摘に思わず眼をぱちくりと瞬かせて首を横に傾ける。

「 あれー?バレちゃってる?あー、それもそっか。 」

しかし、すぐに以前素顔を晒してホワイトファングの者と交戦していた事を思い出した。その時の情報が出回っているのだとすれば、記憶力の良い者であればメアをクロスショッカーの者と判別出来るだろう。状況的推測よりもよほど確実な理由に心当たりがあったメアはすぐに納得してフッと笑みを浮かべた。

孔明は動き出した。彼の展開した陣形は黒陽の動きを奪い、そしてそれに反応しすぐさま他の者たちも最大出力の攻勢に出る。次第にその形を失って行く黒陽。結果的に肉体支配を使用する必要が無くなったメアはそのままその光景を只々眺めて感嘆の声を上げた。
メアの持つ通信機から、声が漏れる。通信機を眼前に持ち上げてそれが誰からの言葉なのか分からず訝しげな表情を浮かべるメアと、その言葉の意味を理解して小さくため息を吐くネメシス。

( ……哀れなものだ、兵器とは破壊こそがその本懐だと言うのに。そして、アレが奴の動力源か……メア! )

破壊こそが兵器としての本来あるべき姿。かの黒陽と言う存在の行動に知性があるとして、だがしかしこの一連の騒動の何処に謝罪する必要があるのか。人を傷付けない為の兵器などありはしない。そんな物は玩具と何の変わりもない。メアは同化しているネメシスのそんな言葉に内心で耳を傾け、しかしそれでもその真意を測れないままでいた。

「 …….うん、マスター! 」

だが、マスターが間違える筈はない。今までだってメアを導き、そしてメアが今日まで生きて来られたのは他でもないネメシスのお陰だ。故に、彼女の言葉に対し疑いと言う曇りは一切ない。ネメシスこそが正であり、ネメシスこそが全てなのだ。少なくとも、メアにとっては。
ネメシスの一声で疲弊の殆どないメアは翼を羽ばたかせて飛び出すと、上から落ちてきた動力源と思わしき物を素手ではなくおさげをトランスにより変化させた巨大な手のひらで受け止めた。

「 よっと!ふう……それじゃ、手伝ってくれてありがと〜!ばいばーい! 」

無事にキャッチ出来た事に安堵しつつ、墜ちて行く者たちを見送りながら朗らかな笑みを浮かべたメア。特にこの黒陽の動きを止めた孔明に対して視線を送りつつ片手を振り、メアの周りにネメシスによる闇の霧が浮かび上がる。まるでその身が暗闇に溶けて行くような光景を演出しながら、メアは空の彼方へと飛んで行き。


>> 周辺ALL



【 掠め取って撤退のような流れにしましたが、もしまだ続くなら何方か追撃して下さっても構いませんので! 】

2ヶ月前 No.549

ファンメッセージ @aroundight☆SdjaOljKHtOm ★SKGC1pYrJC_w96

【郊外/リディ・マーセナス(バンシィ・ノルン/デストロイモード)】

 金色の光が、ソラを覆う。
 球状に展開されたそれは、可視化出来るとはいえ無形の護りだ。
 本来ならば―――サイズの決定的格差がある中において、黒陽の砲撃を受け止められるほどのものではない。如何にこの黒き獅子が怪物じみた機動兵器であるとしても、黒陽という古き機械仕掛けの兵器に対抗できるほどの出鱈目さがあるわけではないのだ。つまるところこれはバンシィが一般の吹けば散らせるジャンクであったというよりは、黒陽という存在の規格外振りを語るべきものだった。
 ………それが分かっていないリディ・マーセナスではない。如何に、諸葛孔明の十全な計略によって完全に地の利を掌握し、対黒陽の戦線によって圧倒的に優位な土俵に立とうが、此処に至って黒陽とバンシィ・ノルンの性能差は戦力の決定的差と化す。最大出力の砲撃はそもそも都市を焼き払うことを念頭に置いて放たれたものであり、元々の攻撃対象が違い過ぎるが故に結末は見えていた。

 それが、分かっていないリディではない。
 挑めば死ぬ。それが理解出来ていないほどリディは愚鈍ではない。
 故に極論、リディは死を覚悟した。正確には覚悟の段階で躊躇うと理解したから、そんなことを頭の中で過らせる前に突撃した。結果として後悔も反省もすることはない。何故ならする前に、目の前の事態だけに意識を集中させ切ったから。バンシィに搭載されているIフィールドのみ、極めてちっぽけな防御であるとはいえ軌道を逸らすための手っ取り早い手段がそれだけだと信じていたから、躊躇いもなく突撃した。
 元より、あの金色の光をリディは知覚していない。
 そんなものを発現させる怪物になった覚えはないのだ、故に彼は細かなものを全て無視していた。
 この瞬間において彼はクロスショッカーの一員であることを忘れていて、その間にあるべき“任務”というものすらも頭の外側に追いやっていた。概念核なぞ、そもそも知ったものではない。

 ………軍人は民を護るもので、おれは軍人だ。それだけは自分が忘れてはならない理屈だった。
 汚職塗れの世界の裏側を見た。自分だけの手で世界を切り開きたいと思った。
 そうして軍人になったのだ。あらゆる膿から、あらゆる悪から、民を護る軍人になったのだ。
 それこそがリディ・マーセナスにとって唯一誇るべき矜持、担うべき責務。例えどれだけ秩序が不完全になろうと、そこに生きるものを護るというただ一つの誓い………今、リディを動かしていたものはそれだけだ。この時点で、少なくとも彼の内側に燻る炎は勢いよく燃え広がっていて、それをバンシィというマシーンに乗せて光としていただけ。更に言うなれば、この場の人間の意思を汲み取るのが、可能性の獣のあるべき姿であるが故。

 そのためだけに、彼はいま全てを賭した。
 機体が軋む。内側が激しい振動に見舞われる。ヘルメットが、割れる。
 その中でも意識だけを其方に向ける。ただひたすらに、リディなりの“戦争”を続ける。

 ………そして。彼は時間が突然スローになったような錯覚の中で最後を感じていた。

 ―――悔いは、ある。だが、おれは初めておれの手でなにかを成し遂げたのだ。
    そう断じたが故に、無念を違う感情が覆い、そして………。

「―――………光………?」

 光を、見た。

 光―――光。メインカメラを突き抜けて網膜を焼き尽くすような、まばゆい黄金の輝き。
 それは絢爛で、一度視界に捉えれば自力では中心から外せない光だった。

 光は、ふたつあった。
 地上のどんなものも上回る熱量を携えて、地上のどんなものも照覧する威光があった。
 天上のどんなものも律する戒めを解き放って、天上のどんなものより不遜な輝きがあった。

 あれこそは光。統べるための太陽だ。
 高きところから低きところを照らすもの。すべてのものに在り方を示すもの。
 背負った重さを苦にしない―――それをこそ、王と呼ぶ。その光のかたちを、リディは確かに見た。

「なんだ、あの光は………」

 だが。だが、それよりも。リディ・マーセナスの視界を捉えて離さないものがあった。
 網膜に焼き付くと錯覚するその輝きの中で………ふたつ、まったく違う輝きが墜落していくのを捉えた。

 ちっぽけな光だ。
 二つの光を織り込んだところで、輝く無二の金色には及ばない。
 二つの光を燃やしたところで、天に浮かぶ太陽には叶わない。
 そう………ちっぽけな光なのだ。生きていれば、誰だって生み出せるものでしかない。
 今日より良い明日を思い、生きる為に地に足を付ける人間であれば、必ず産めるものでしかない。それが今回は、たまたまヒーローというヤツのものだったというだけ。
 だからこそ、リディはそれを感じ取った。自分の領域を広げて、その思いを汲み取った。

 ………そうして。この連中も人間なのだと、思い知った。

 その時に、彼が何を懐いたのかは語らない。
 少なくとも光を弾き、民の安寧を護った時点で、リディ・マーセナスの矜持は完了した。
 失墜していくその光が黒き災厄を倒し。黒き災厄が祝福/断末魔の言葉を紡いだ時点で、バンシィの放つ輝きは収まり始めていた。儚く、しかし確かにそこにあった輝きは薄れて消えていった。
 後には変形したまま、武装の幾つかを喪失した“黒獅子”が、空に輝く最後の光を見届けていた。

 ………そう。すべてを見届けた。ならば―――

   、   、 ・・・・・
「―――そうだな、此処までだ」


 業腹ながら、任務を果たすだけだ。

 すぐさま行動を起こしたメア―――クロスショッカーの“同僚”に追従するようにして、黒き獅子は黄金の軌跡を残す。バンシィは空からメアが離脱する前衛を務めるようにして、すぐさま合流を果たした。
 圧倒的速度での加速を続けながら、彼は誰が迎撃に動くよりも早くまるで置き土産とでも言わんばかりに彼はマグナムの銃口を向ける。放っておくこと自体が剣呑な二つの光すら差し置いて、ただ一人の厄介な相手を狙った。

 諸葛亮孔明。この戦線の中で、誰よりも鋭く、素早く計略を打ち出した男。
 リディ・マーセナスが民を護る軍人ではなく、クロスショッカーの人間として断じた危険人物こそがこの男。
 その男に、まるで反撃の策を与えないかのように―――ビームマグナムの銃口が向けられる。

 全カートリッジを費やした、撤退しつつの五連射。
 次々と赤黒い膨大な閃光が、石兵八陣とそれを築き上げた孔明目掛けて雨のように降り注ぐ。
 そのままワンテンポ遅れて、黄金の王と太陽の王にも、同じように牽制目当てで一発それが発射される。
 直撃すれば要塞の装甲を貫き、掠めただけで人間ならば容易に溶解させるビームの火砲だが―――もちろん、防がれることは承知の上だ。だがしかし、要するに防ぐことに時間を掛けさせればいい。

 それでメアと自機の離脱は果たせる。
 めでたく任務終了と、そういうわけだ。

 ………この概念核を持ち帰ることに、
 果たして秩序と何の関連性を導き出せるか分かったものではないが―――軍人に、賢しい考えは必要ない。

>黒陽、対黒陽ALL(操真晴人、オジマンディアス、諸葛孔明、詩島剛、メア、ギルガメッシュ、イゼッタ)

2ヶ月前 No.550

ウィザード @carisu☆t8OIH682mSg ★412JbkxTX6_M0e

【郊外/操真晴人】

「ふぃ〜………」

決着、それは壮大な巨体には似つかわしくない儚げな最期だった。
だがこれで街は、そしてそこに住む人々は救われたのだ。
もう何も恐れることは無い。

「あぁ………そんな終わり方も悪くないな、黒陽」

空へと昇り、そして光として消えていった龍を見届けた。
そしてその終わり方は見習わなければならないだろう。
ハッピーエンドの中で、わざわざ屍を晒す必要など無い。
ウィザードの変身が解け、晴人がビルの合間に降り立つ。

「あぁ、本当、疲れた………」

壁にもたれ掛かるように、背中を預け崩れ落ちる。
晴人は変身し、仮面ライダーになれ、魔法を使えると言えど人間だ。
不安や恐怖も感じるし、痛みも感じる。
普段飄々とした態度を取っていようと、内では常に人々をクロスショッカーからどう守っていけばいいのかと苦悩するほどに。
そんな彼が無茶を通して戦えば、常にその身は危険と隣り合わせだ。
その結果、黒陽戦における被弾数は誰よりも多かった。
戦い下手であろうと、愚直に挑み続けた末に致命的な一撃を、その身で受け止めていた。
それを表すかのように下地のシャツが血に染まる。

「やり残したことはあるけど、大丈夫だろ………」

家族を奪われ、その復讐のついでに重ねてきた人助けだったが、こうして街一つ救えたなら何も言うことは無い。
そしてこの街にはホワイトファングが、共に戦った戦友が、そして期待の後輩がいる。
ならもう何も危惧することは無い。
晴人の希望は繋がっていくのだから。

「なんたってこの街には仮面ライダーがいるんだからな―――――――――」

笑みを浮かべながら晴人は静かに目を閉じるのだった。

【操真晴人 死亡】

>黒陽、戦域ALL

【おつかれさまでしたー】

2ヶ月前 No.551

ルイ @wakame3☆FYUOhnBVGmk ★nc6OuVRr3T_w96

【ホワイトファング本部前広場/ルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクランツ】

 相手の反応は、ある意味では予想通り。己のみは己で護る。街の平穏を守ることこそ己が使命。大勢に屈して自治権を手放すような、どうしようもない軟弱者ではあり得ないと、そういうわけだ。

「成程。
 そして口にするだけはあって、満更無能というわけでもないようだな」

 上空に浮かび上がり、爆散する機竜の最期を見届けて、尚も彼は億劫な口調で彼らの奮闘を認めた。
 外部の人間がかかわるまでもなく、あれは戦果を成し遂げる。それが証明されたというわけだ。

「何、先のは単なるかまかけに過ぎん。おまえが拒む、拒まざるを問わず、元より教皇庁はこの都市を人類規模の災害の発生地点として、水際の対策を打つこととした。私はその特使として、此処に参列したまでのこと。此方が指揮権を総攬することが目標だったが、それが叶わぬとなればおまえたちに我々が支援を送るという形になる。
 ああつまり、これ以降は私はおまえの部下ということだ。無論、後々に本部からも順次補給が届くことだろう」

 だが彼の口調はおかしい。確かに今、災厄は葬り去った筈。その核たる概念核の争奪が今から始まるとしても、相手も核のみであのレベルの技術を運用するなどという真似はおよそ不可能に等しいだろう。自分たちの自滅の可能性すらある。
 そうした甘い見通しを断ずるように、彼は無気力な口調で続ける。

「何しろ、これは単なる始まりに過ぎん。人類悪という災厄との戦争の、ほんの序曲だ。よく聴け、通常それらはいくつかの時間を置いて連鎖的に発動するという。その総数は未だ知れんが、我々が確認したところでは、少なくとも……」

 ゆらり、と幽鬼のような手が動く。煤切れた外套と、手袋が、指し示す数字は。

     ・・  ・・・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・
「そう……三つだ。この時代に、その規模の災厄が三度、顕現すると推測している」

 それは、そう。
 この規模の、このレヴェルの天災が、あと三回……この土地に発生するということに他ならない。
 ある意味では絶望的な、その数字。

「勘違いするなよ、あくまで我々がそれだけの数の怪異が近いうちに起こるのではないかと推測した、ただそれだけのこと。恐らく総数でいえばそれから更に膨れ上がるだろう。前途多難だな」

 目を伏せ、他人事のように語る彼からは徹底して諦観の念に満ちていた。
 だが或いは、彼のこの諦めきったような態度の一端はこれなのかもしれない。
 既に人類は滅ぶ、そう遠くないうちに世界は崩壊する。そう知り、諦めかけているが故に、このような投槍じみた態度に終始するのではないか。そうとさえ推測できる程に、余りに絶望的な報せであった。

「私はあくまで教皇庁とのパイプ役だ。恐らく事態の中心となるであろうこの都市を存続させるために、物資や戦力の手配を行う為の回路に過ぎん。ゆえ、私個人の戦力は期待するなよ。人間の範疇では一通り極めたが、人外と丁々発止行える程やめてはいない。
 ――以上だ。手間を取らせたな。私も私で仕事がある。
 知らぬ街の知らぬ民だが、街に根付いた信徒も多い」

 そうやって踵を返し、その場を去ろうとした最中、唐突に話へ割って入る男が現れる。エルキドゥと名乗る緑髪の青年を、ルートヴィヒはちらりと虚ろな目で視た。

「ほう……」

 あまりに無関心、あまりに無頓着な男の目線。それは、神代の芸術にして人類史最古の人形に対しても変わらず。
 一種、見下すような不遜な目でそれを見遣ると、興味が無いとばかりに視線を切った。

「また新たな英霊か。つくづく神秘も軽んじられたものだな。この件についても改めて本庁で審議させて貰う」

 まるで厄介事が一つ増えたように、如何にも気だるげな口ぶりでミリアルドに言い残すと、ルートヴィヒは踵を返し、その場を立ち去った。
 その正体に気付いた様子はない。そもそもにおいて彼が一般人であることは様子を見る限り疑う余地はない。彼はまるで、いやまさしく道具を扱うように、エルキドゥの存在を無視した。元より奴隷(サーヴァント)、目にかけてやる必要なし、とばかりに。
 見境なく、触れ合ったものすべてを見下し、俯瞰するような態度。空虚さも相まって、それはまるで捨て鉢の自殺志願者とさえ見えるだろう。
>ミリアルド、エルキドゥ

2ヶ月前 No.552

諸葛孔明 @faketanisi☆8cfl5/j3VDw ★kTiMs9Flj7_Q1n

【郊外/諸葛孔明】

 ――龍は、末期の瞬間まで決して墜ちはしなかった。

 逃げ場を塞がれ、会心の一撃を防がれ、都市を護る戦士達の乾坤一擲をその頭蓋へ打ち込まれ。
 災厄と形容されたモノですら逃れることの出来ない破滅を突き付けられ、自らの過ちと敗北を自覚して、それでも尚、黒い太陽は沈みはしなかった。
 どこまでも。どこまでも、浮上していく。
 空へ。記憶の中の間違っていない景色を回想しながら、歓喜の叫びをあげながら、ヒトの文明を焼き尽くさんとした狂乱の龍は、自滅の飛翔を果てなく続け、そして。
 ……当たり前のように、消えた。北極星の空に、星の終末を思わせる極光を煌めかせて。
 愛し、想うが故に狂った巨龍は、最後の最後に己に与えられた任務を完遂したことを思いながら、人界を去った。
 その末路を見届け、キャスターは小さく鼻を鳴らした。見知らぬ土地に一人取り残された餓鬼の癇癪のようなものだ。それで世界を滅ぼされては堪ったものではない。現に犠牲は少なからず出ており、それで満足したような面で消えられても困る。せめて壊した物の補修代くらいは払っていけと、そう言いたい気分だった。
 だが――

「ふん」

 あれは最後に、救われたのだろう。
 人界を恨むことなく、満たされて、消えたのだろう。
 ならば己が、皆が奮戦した甲斐はきっとあったのだ。
 些か不服だが、キャスターはそう思ってやることにした。
 記憶の中に一瞬過る、懐かしい朋友の背に何とも言い難い感傷を懐きながら。
 軍師孔明はその場に片膝を突いた。――攻撃は被弾していない。だが、消耗が無い訳ではなかった。何しろ、あれだけの巨大存在を拘束できるレベルの規模で宝具を展開したのだ。とてもじゃないが、余力は全く残っていない。帰投したなら一週間は休みを貰わねば割に合わんぞとぼやく彼の視界の片隅で。
 ……キャスターは信じられないものを見た。

「…………、………………」

 は? キャスターは控えめに言って、キレそうだった。
 自分に接触してきたクロスショッカーの少女が、絵に描いたような漁夫の利の形で、黒陽が落とした動力源と思わしき物体を掻っ攫っていったのだ。

「……あの女狐が!!」

 腕を軽く振るい、諸葛孔明の力を発揮。光の奔流を逃げ去る彼女を目掛け放つが、その程度のことを予期できないクロスショッカーではない。
 間に入ったのは、此方も先程まで共闘していた男。機人に騎乗した戦士が、恐らく最も警戒に値すると踏んだのだろう。キャスターを目掛けて、ビームマグナムの火砲を雨のように降り注がせていたのだ。
 このくらいなら当たっても構わないかだとか、そんな悠長な判断をすれば即死だ。先の戦いの中でこっそりと観察した所、あれの威力は人体程度であれば、真実ほんの掠めただけでも消し飛ばしてしまえるレベルのもの。文字通り格が違っており、無理をすることは到底出来ない。
 光を至近距離で、敵の攻撃ではなく目先の地面に向け放出。自分の火力では迎撃不能と判断し、光の反動で自らを後方へと吹き飛ばし、逃がすことを試みた。結果から言えば、退避には成功。然し落ちていた人間大のサイズが有る瓦礫に、背中から受け身も取れずに突っ込む羽目になった。
 やや霞む視界の中で、キャスター……もとい、ロード・エルメロイU世は思う。
 やはりクロスショッカーなんて連中は駄目だ。共闘も二度と御免である。今度こういう場面になったならあちらにだけバフを飛ばさないことを、彼は強く決意し、そして――

「ファックだ、死ね馬鹿共が!」

 いつもの"U世"の口癖を言い放ちながら、せめてもの迎撃に、メア・リディ両名の真上から大岩を投下してやるのだった。


>対黒陽ALL、メア、リディ

2ヶ月前 No.553

エルキドゥ @mbd☆h7z1Ofs9qvc ★N2m24CgFWL_Q1n

【ホワイトファング本部前広場/エルキドゥ】

>ルートヴィヒ、ミリアルド

 ルートヴィヒに対して、エルキドゥもまた特に反応をすることはなかった。
 ちらり、とだけ。
 視線を送り、そのまま首を左右に振る。
 ホワイトファングからすれば、この申し出はこの上ない“提案”だろう。クロスショッカーの試みを頓挫させた、強大極まる英雄王。
 そのサーヴァントと同格――いやそれ以上の力を持った英霊が。しかも伝承を信じるなら、ギルガメッシュ以上に“扱いやすい”性質まで有する彼が、自らの軍門に下ろうというのだ。

「そうか、君がこの組織のリーダーなんだね。……よければ施設の中へ案内してくれないかな、ほら、どうやらあっちの闘いも終わったようだし」

 静かな微笑を湛えて、エルキドゥは言う。
 悪意も。
 敵意も。
 今このときばかりは感じられない。

 ――もっとも。

 “それ”が肉体を持っているということに気づく者は、この場にはいないがゆえに、仮初の平穏ではあるが。



【郊外/ギルガメッシュ】

>all

 戦いはこれにて幕引きだ。漁夫の利とばかりに動力を得た者もいれば、墜落して死んだ者、気絶した者たちが視界に入る。
 だが、それらを見ても、英雄王は不動。
 知らんなとばかりの態度だ。
 彼が求めるのは、“雑種”ではない。そして元々あのような動力源は、英雄王の先見の明の中では、さして重要ではないという結論も出ている以上、あんなものはくれてやって構わない。
 ゆえに――死した者を冒涜することもなく、ただ“惜しいものだな”と胸中で断じ。
 気絶した者を“知るか”と見捨て。
 持っていかれた動力源を、“要らぬ”と放置することにしたのだ。

「……――、」

 鎖を回収し、放った財宝も蔵の中へと戻していく。
 そう、災厄は、闘いは、これで終わりではないのだ。
 ギルガメッシュはややあってから吐息を漏らして、そのままヴィマーナに乗り、戦場を後にする。

2ヶ月前 No.554
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