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Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD"

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ツバサ ★kxhnMwovI2_kl8

Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD"

この世には無限の世界がある。

世界が生まれる時、世界は消失する。
世界が消失する時、世界は生まれる。

世界は管理者によって成り立つ。
世界は管理者によって消される。

世界は常に変わりゆく。例外はない。
世界は常に変わらない。例外はない。

管理者が覚えている限り世界は存在する。
管理者が忘れている限り世界は消失する。

世界の記憶を保つには管理者の存在が必要である。
管理者の存在を保つには世界の記憶が必要である。

管理者は一人ではない。生きるものすべてが管理者である。
死するものすべてが管理者である。管理者は一人ではない。

複数の管理者が揃うとき、新たな世界が生まれる。
複数の管理者が離れると、新たな世界は消失する。

新たな世界が生まれる時、それまでの世界は崩壊する。
それまでの世界が崩壊する時、新たな世界が生まれる。

新たな世界とは管理者の所有する世界が融合した時、生まれる世界。
新たな世界の融合が解除された時、管理者の所有する世界ができる。


今、新たな世界が再び開演する。



【開始するまで、書き込まないで下さい】

2年前 No.0
メモ2014/11/15 18:49 : ツバサ★x6oODnGVv0_Kvj

Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD" 本編

http://mb2.jp/_ni2/18595.html


Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD" 設定や相談など

http://mb2.jp/_nrs/4018.html

ページ: 1 2 3 4 5 6


 
 
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なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【フレア/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 いや、言ったさ。
 言ったよ? ぶっちゃけ。
「身体、動かさねェか」とはよ。

 でさ、現実問題。
 強敵(コイツ)相手にストレッチのお誘いで済むかって話なんだわ。
 群雄割拠のカロス貴族、元を正せば『賢者』と呼ばれた原初の――――あァ、その話はまた今度だ。兎にも角にも、血も出生もなく「そこ」に登り詰めた頂点こそがコイツなのだ。

 欲を言えばなァ。
 見せて欲しいよなァ。



 "その総て"



 披露(みせ)てェわな。



 "俺の総て"



「リュウトさぁ。そういや、土産もあんのよ」

 ざッ、とプリズムタワー前の芝生にあぐらを掻き、古めかしい酒瓶の底を置くフレア。少し離れた場所では、親子連れがメェークルと共に遊びに興じているという不自然な対比。手品のようにワイングラスを『ウルトラスペース』より取り出した彼は、上品とは言い難い手付きでそれを注いだ後、ガイへと差し出す。

「昔リナリアに教えて貰った銘柄だ。カロス原産のピノノワール、玄人好みな "英雄の血" 」

「アイツ曰く、言う程高級じゃねェが悪酔いしない名酒らしい」

「あのヤブの事だから胡散臭ェがな」

 乾いた笑いの後、グラスの中身を揺らし、そこはかとなく。

「テイスティングの類なんざ判らねェが、上質な血の色? ではある」

「はは」

「誂えだよな。まるでこれから飛沫くお前の鮮血のようじゃねェの。ん? オーサマ」

 慣れていない挑発と共に、光が一閃。
 ばしッ、と乾いた音。鎮まりかえる場の緊張感に、タワー前広場の市民達が一斉にこちらを向く。

「おお、痛ってて」

「不意討ちだったんだけどな、難なく受けるとはよ」

 びりびりと痺れる右拳を痛そうに揺らしつつ、左手でグラスを傾けるフレア。ああ、だよな、そうだとも。座したまま、酒を酌み交わす席。しかしながら、そうだったか。

「さっきの詫びだ。そっちもどうぞ」



 "もう――――開始(はじ)まってやがる!!"



【戦闘区間/世界を巻き込まない場所が望ましい】

【百人隊長、智将、もしくは民を統べし統率者。古代カロスの英雄王ガイ】

VS

【なんかブラブラしてるデザイナーみてえな炎とか出す格闘のやべーやつ フレア】



 "されど王は炎と踊る"



 ――――これは、歴史には残らない戦い。

>>ガイ




【ウィンチェスター兄妹/カントー地方 マサラタウン/イエローの自宅】

 もっちゃもっちゃと幸福極まりない様子でベーコンエッグを咀嚼するルカ。美食に慣れているウィンチェスター貴族たる彼も、温かな家庭の味には舌鼓を打たざるを得ない。この世の何処かでは安酒を囲うオッサン二人も居るものではあるが、それは我々同様に露知らず。

 "しかし、本当に美味いな・・・これは"

「むぐむぐ。な、それよそれ」

 語彙も奪ってしまう程に美味というのも考えものである。イエローの姉さん、もといシスター・ソニア作のアイントプフとやらを流し込むルカであるが、リュウトを挟んだ隣側。そこでは自らの妹が、親友へと仲睦まじくも絡んでいる姿が。

「はいリュウト。あーん」

 フォークに刺さった半切りのボイルドエッグとサニーレタスを、リュウトへと差し出すその姿。親友ラヴたるルカのはらわたが一瞬にして煮え繰り返ったのも必然である。アコヤが「あーん」しつつソニアのバケットを心待ちにしていた所、突如それをルカに引ったくられてびえええと泣き喚く。

「リュウト、あーんこっち! はい、あーん!」

「ちょっと兄さん。それ流石に引くんだけど」

「はぁ!? エマ、リュウトがこっち来たからって調子乗ってんじゃねーよ!」

「は、はぁ!? ナニソレ!?」

「お前、リュウトにベッタベタしすぎじゃねえの!? 色目使ってんのかよ、引くわ引くわあああ!!」

 自分を棚に上げて、なんたる言い草か。
 ぐぬぬと眉間に皺を寄せるエマだが、ぐいっと兄の顔面を手で押し、更に差し出す。差し出しますエマ選手。

「リュウト、兄さんは無視していいから」

「無視だぁテメェ!? それでも妹かよコラ!」

 更に妹を押し退け、ルカ選手、同性もとい同棲の親友へと迫る。

「リュウト、あーん! あーんしろオラァ!!」

「バカ兄!! 何、その言い方!?」

「黙ってろ!! リュウトにベタベタすんな!!」

「びええええ!! アタシのパン!! アタシのパンとられたああああ」

 ―――― "少年は思う、願わくばこんな平穏な日々がいつまでも続けばいいと。"

 先のリュウトの腹の内を借りた言葉だが、コイツらはこうもその真意をめちゃくちゃにしてくれるとは。バケットを詰め込まれ、目を白黒させていたイエローであるが、ソラから受け取ったオレンの実100%ジュースでなんとか一命は繋いだらしい。必死に呼吸を繰り返すその後ろを、何喰わぬ顔で通り過ぎるレツトことレッド少年。

「このシチュー美味ェな。おかわりしよ」

 立て込む兄妹とリュウト、泣き叫ぶアコヤ、さらっと傍若無人なレッド、ついでに呼吸しているイエローと同じく呼吸しているだけのソラ。どうやら家主の姉を騙るこの女は、「見た目程には」穏やかでないらしい。

「お前ら……」

 貼り付けたような笑顔を陰らせ、顔中に青筋を浮かべるサンダーソニア。あーあ、知らないとばかりに白々しい表情のマリアが、彼女の肩へと乗る。

「これアイントなんちゃらったっけ? 全部食っちまってい」

 瞬間、レッドが見たのは、光に満ち溢れた――――そう、まるでおとぎの国の天国を感じさせるような、

 まるで――――



「朝メシの時ぐらい静かに喰えッ、この野郎共……!!」

「 "荷炎粒子砲" ぉぉッッ!!」



 ぼがーん。
 吹き飛ぶ屋根、快晴の青天井。
 嗚呼、素性について詳しく聞いてはいないが、判った。

 コイツ、怖ェわ。
 "アイツ" とおんなじ感じで……。

「此処にいる皆さ、この後に呼ばれてるんだよね? 後々の件でオーキド博士から話がある、って」

「ならさ、きちんと朝食は摂らないとダメだよ」

「何せ朝食は一日の要。シスターさんとのお約束だっ」

 ぴしっ、とマリアと共に両掌を頬に付けた愛らしいポーズ。にっこり笑顔。それを見るなり「ひぃッ」と上擦った声で後退するレッドとアコヤ。リュウトを挟んで互いに抱き合う兄妹、白目を剥いて色々と放心状態のイエロー。平和と何か、平穏とは如何なるものか。我々には哲学的な思考の尽きない中……。

『これから大変なのは、マサラを護るあなた達なのよ』

『ねっ、ソラ。カメックス』

 ぱく、とソラの口にポケモンフーズを押し込み、くすくすと笑うマリア。『オーキド博士からのお呼び出し』……そうである。昨日、急な連絡が入ったとの事で、此処にいる我々全員が招集を受けているのだ。忘れた訳ではあるまい。

『人間関係は大変ねぇ』

『ウチらの主人がおかしいだけぷら』

『まい』

 アコヤのグレイシアが冷えた溜め息を吐く姿に、フォローにならないフォローを入れる兄妹のパートナー達であった。

>>ソラ、リュウト




【グリーン/カントー地方 マサラタウン/浜辺】

 高位の同調により、理解し得たマニューラ達の恨み言。

 ――――フリーザー様、か。
 今やオーラの解け、いつもの茶の尖った髪型へと戻ったグリーンが胸中で呟く。記憶に新しいトキワの凍結事件、尋常ではない使い手ではあると踏んでいたが……何やら、奴は想像以上らしい。びりびりと響くように感じた、ふたご島方面よりの悪意、そして圧倒的な力。

 "おい、グリーン!こいつがどんなポケモンか分かるか? "

 暫し物思いに耽る中、ヴァドックが指す先。本来ならばマサラに生息する筈のないその存在を目にし、グリーンが目を丸くする。

「こいつぁ……ポッチャマ、か? シンオウの」

 全く、何たる事か。
 氷を操りし巨悪の襲撃、それも、アイツだけではない。
 しかし、武者震いの類。
 嗚呼、まだ強え奴が。
 不謹慎ながら、ユウスイの心根は確かに熱く打ち震え。

「ヴァドック。俺やレイジ、トーガさんも爺ちゃんに呼ばれてんだ」

「都合が良い。……乗れよ」

 ばしゅ、と目にも留まらぬ速さで繰り出されるウインディ。既にこの短短期間に関わらず、グリーンの修行の成果は日常レベルにまで及んでいる。一抹の胸騒ぎと大いなる高鳴り。嗚呼、やはり俺はトレーナーか。先の戦いの高揚以上に――――ヤバいのが待ち受けている!

>>ヴァドック

1ヶ月前 No.403

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ゼロ/カロス地方/プリズムタワー内】

「え?ガイが?」

「どうします?ゼロ」

「うーん。ガイが動くなんてよっぽどの事だ。知り合いにあったか、強大な奴がいたかどっちかだろう。個人的には前者であってほしいけど…気になるな」

ゼロは少し考える。少し彼と行動を共にしているが。彼の全てを理解しているわけではない。彼が何のために動いたのか。ゼロはそこに興味が湧いた。

「そうだな…気になるし万が一のこともある。行ってみるか。ツカサも来るか?」

「ええ、問題ないですよ。私が1日欲しかったのは貴方方と話すためでしたから。万が一はお任せください。貴方方をお守りいたしますね」

「あぁ、頼りにしてるぜ。んでハヤト。ガイはどこに行ったか分かるか?」

>>ハヤト、ミライ



【明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します】

1ヶ月前 No.404

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/マサラタウン→オーキド研究所】

「このポケモンはポッチャマっていうのか……」

グリーンの言葉から今初めて『ポッチャマ』の名を知ったヴァドックがそう呟く。
『シンオウ』という地名は彼にとっては聞き慣れないものだったが、それゆえにこの『ポッチャマ』がここではないどこか遠くの場所から来たポケモンであることは理解できた。
その小さな身体でポッチャマを担ぐとオーキド研究所まで歩いて行こうとするヴァドックだったが、ふとグリーンに声を掛けられる。
彼が言うには爺ちゃん――オーキド博士からの呼び出しがあったらしく、あのレイジやトーガにまで声が掛かっているなど、ただの野暮用ではないことが察せられる。

「ああ、分かった。……乗るぜ」

呼び出しの理由は分からないが、もとよりオーキド研究所に向かう予定だったため、好都合だとポッチャマを抱えたまま、グリーンの呼び出したウインディの背に飛び乗るのだった。

――場所は変わり、オーキド研究所では……。

「……」

呼び出しに応じたトーガは応接室にて足を組みながらイスに座りつつ、朝のブラックコーヒーを嗜んでいた。

「よう、師匠」

優雅な一時の中、応接室の扉がガチャリと開かれ、顔を出したレイジがトーガに声を掛ける。

「レイジか……」

「あんたも呼び出されたのか?」

「そんなところだ」

レイジのほうに目をくれたトーガはぶっきらぼうな態度で彼の問いかけを肯定した。

「あんたまで呼ばれてるとはただごとじゃなさそうだな。ついにパールの野郎が攻めてくるってのか?」

「さあな……。いずれにしろ、みんなが揃えば分かることだ」

オーキド博士が彼らを呼び出した理由は分からないが、トーガは「すぐに分かる」と落ち着いた様子でコーヒーを飲み干す。
そんな彼の言葉にレイジは「たとえ誰が相手だろうと負けるつもりはない」と言わんばかりに自らの掌にパシッと拳を打ちつけた。

「邪魔するぜ。……なんだ、もう誰か来てるじゃねえか」

一方、扉が開かれるとともにヴァドックたちが部屋に入ってくる。
ちなみにポッチャマは彼らの計らいにより、事前に研究員たちの元へと預けられたようだ。

「……ヴァドックにグリーンか」

「よう、おまえらも呼ばれたのか」

現れた彼らに先客たちが声を掛ける。

「おまえらもかなり腕を上げたみてえだな、特にグリーン。分かるぜ、レベルそのものが上がったのがよ」

「ふん……、もしかすると今のおまえより強いかもしれんな」

「へっ、そいつはどうかな?」

百戦錬磨の武道家である彼らにはグリーンたちのレベルアップも一目瞭然であり、その強さを肌で感じとったレイジはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
無論、こちらも負けず劣らずであり、トーガに鍛えられた後も独自に修行を続けていたレイジに加え、すでに超次元の実力をもつトーガも宿敵イアースとの再戦に向け、飛躍的なパワーアップを遂げていた。

>>グリーン

1ヶ月前 No.405

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★01cCGwnLil_mgE



【ソラ/カントー地方 トキワシティ/黄花の自宅】


 ――派手にやるなぁ。

 懐かしさを覚える青年がわちゃわちゃと仲の良い兄妹に挟まれて「あーん」を挟み撃ちにされているのを見つつ、朝食を続けていた。
 パール似の女性がパンを奪われてたり、黄花が窒息しかけていたりとカオスな状況になりつつ騒ぎながらも平和だなぁと思っていた矢先に、屋根が吹っ飛ばされるという状況となる。
 屋根を吹っ飛ばした人物は「朝メシの時ぐらい静かに喰えッ、この野郎共……!!」と吹っ飛ばす少し前に供述をしており――とまぁ、ソニアが怒った様子だった。

 ――――「此処にいる皆さ、この後に呼ばれてるんだよね? 後々の件でオーキド博士から話がある、って」 「ならさ、きちんと朝食は摂らないとダメだよ」 「何せ朝食は一日の要。シスターさんとのお約束だっ」

 ピカチュウのマリアと共に可愛いポーズをしながらそう言っているが、むしろ怖さが増しているのではないだろうか。
 そう思い、周りを見てみれば黄花が放心状態になっていたり、兄妹達は抱き合っていたり、後退している者達が居たりと混沌とした状況となっていた。

「むしろきちんと朝食取りながら、こんなに元気なんだから良いんじゃないかな、ソニア。
あんまり騒がしいと行儀悪いかもしれないけど、な」

 青空な天井になっているにも関わらず、冷静にシスターソニアに言う事が出来ていることがソラ自身不思議でならない。
 ……もしかして、過去の自分は同じような場面に出くわしたことがあるのだろうか?

 ――覚えてないけど、きっと同じように怒られたことがあったかもしれない、なぁ。

 だから、他の者達みたいに怖がらずに、彼女に真っ直ぐに言葉を放つことができたのかもしれない。


「ああでも、人が食べようとしてるものを奪ったりするのは良くないんじゃないかな?」

 ちらり、と先ほどバケットを奪ってた者に対し視線を向けつつ、ちょっとした注意もしてみる。
 おいしい朝食だからいっぱいいっぱい食べたくなるのは無理もない。
 相手の気を引こうと色々やりたくなる気持ちも分からなくはない。
 でも、おかわりをするならしっかり言えば用意して貰えるだろうし、奪い合いは争いの元にしかならないよな、と内心で思いながら黄花の介抱をしようと席を移動させかけた所で――――

 ――――『これから大変なのは、マサラを護るあなた達なのよ』

 ぱくっ、とマリアの手によって口の中に押し込まれるポケモンフーズ。
 それをもぐもぐと咀嚼すれば舌で感じることができる美味しさがあった。

『そうだな。何時頃襲われるかとか分からないけど、俺は黄花に頼まれたしな。――あ、このポケモンフーズ、きのみが隠し味に入ってたりするかな?』

 黄花をどうにか介抱するために、彼女を横抱きにして運び、とりあえずソファに横にさせながら。
 うっかり『ポケモンにしか分からない言葉』でマリアに対して話しかけてしまうソラであった。

 人間にとってはちょっと不思議な“声”が聞こえたように思えるだろうが――ポケモン達にはがっつりと、その言葉が分かってしまうだろう。

>>ソニア(黄花達)、リュウト

1ヶ月前 No.406

aki @asynchro73 ★iPhone=Zyy1RgwaC2

【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

プリズムタワーの一室から降り立ち、対峙せし2人の男。巨大な剣と化したヒトツキはガイの隣にて突き刺さり、相手の出方を伺っている。
この2人の共通点を挙げるとならば、どちらも"余裕"を感じさせることにある。

――――「リュウトさぁ。そういや、土産もあんのよ」

そう言いながら男は酒瓶を目の前において見せると、更に何の変哲もない空間からグラスを取り出す。
恐らく『ウルトラスペース』を介す事で可能にしたであろう物質の転移は、ガイにも心当たりのある芸当である。

「"英雄の血"……カロスにおいて名の知れた名酒だな。尤も、私は知っての立場故に安物の酒を飲む機会はそうそう無いのだが…ありがたく頂くとしよう」

グラスに注がれた酒を差し出しされ、それを受け取るとゆっくりと淵に口を付け、その味を口内に広げる。

「適度な渋味が心地よい…極上とは行かぬまでもいい酒だ。リナリアがこれを好いているのは何も度し難いことではない」

 ふっと一息吐くことができた時間にして数分にも満たない短い酒宴。
 元よりこの男と長話を興じようと思っていなかったのは、あちらも同じであろう。

――――「誂えだよな。まるでこれから飛沫くお前の鮮血のようじゃねェの。ん? オーサマ」

 ほんの一瞬、それも常人であれば即座に首を切られていたであろう程の一閃が、フレアの挑発と共に飛ぶ。
 僅かな挙動のブレを感じ取ったその瞬間にガイは隣に突き刺さるヒトツキを手に取り、その一閃を打ち弾く。

「・・・甘く見られた物だな。この程度の不意打ちを許す程、私の身体は衰えてはいない」

 タワー前の広場に集まる人々があまりにも異様な光景に目を丸くし2人を見つめる。
 かつては共に戦いを繰り広げた盟友。だが、そんな事情は知らない人々にこの光景はどのように映っているのであろうか?

「いいだろう・・・誇りも身分も何もかもを全て捨て、全力で貴様と相対そう。それがカロス王ガイとしてではなく・・・貴様の知る"リュウト"としての務めなのだからな」

 再び2人の間を静かに吹く風。その上空にピシピシと何かが割れる音が響く。
 割れているのは物ではない。フレアの真上を取り囲むかのように空間そのものがいくつもの亀裂を作り出し、無数の裂け目を生み出したのだ。

 それは丸で、先程フレアがグラスを取り出したときに起きた現象に酷似していた。

「『ウルトラビースト』の力を借り賜った力。その真髄、御覧に入れよう」



「"超獣護式(ビーストスキル)"―――― 」




「――――"英雄の武具庫(アーマリオン・カロス)"」




 空間の裂け目より風を巻き降り注ぐ剣や槍の雨あられ。その1つ1つが『ウルトラホール』にて強大な力を蓄積し、射出されていく。
 轟音と吹き荒れる砂塵と共に地に突き刺さっていく鋭利な刃物の数々。

 慈悲も容赦も何もないガイのその一撃が、フレアへと襲い掛かる。そう、この2人は一切加減する事などを知らぬのだ――――

>>フレア


【リュウト/カントー地方 マサラタウン/イエローの自宅】

――――「はいリュウト。あーん」

「エ、エマ!?流石にそういうのはみんなの目が…ってルカお前もかよ!?」

朝食を貪り食べていたリュウトに差し出されたフォーク。
ウィンチェスター兄妹の妹の方であるエマに俗に言う「あーん」をされているわけだが、それを見かねたルカもアコヤから半ば強引に料理を奪い取り便乗「あーん」を繰り出す。
横では泣きじゃくるアコヤ。阿鼻叫喚とは正にこの事、先程リュウトが密かに願った思いは早々に砕け散ることになる。

「お、お前ら頼むから落ち着いてくれ!どっちも食うから…!!いや、駄目だルカはちゃんとそれアコヤさんに返してあげてって……あー!もう!!」

わいわいガヤガヤ、わいわいガヤガヤ。

賑やかなのは良いことだが、賑やかすぎるというのも考えものである――――

……そんなことがありソニアの怒りが頂点に達し、家の屋根が亡き者になったわけだが流石にその気迫に押されてか先程まで騒いでいた連中も急に黙り込んだという始末である。
明らかに無罪の人達まで巻き込まれている気もするが。

――――「此処にいる皆さ、この後に呼ばれてるんだよね? 後々の件でオーキド博士から話がある、って ならさ、きちんと朝食は摂らないとダメだよ」

――――「むしろきちんと朝食取りながら、こんなに元気なんだから良いんじゃないかな、ソニア。
あんまり騒がしいと行儀悪いかもしれないけど、な」

「うっ…2人の言うことがどっちもド正論ですげえ心にくる…気を付けます…」

元を辿ればあーん戦争をおっ始めたウィンチェスター兄妹が元凶ではあるのだが、それを理由に自身の身の潔白を主張するのは余りにも情けない気がした。
と言うよりも、リュウト自身も結局それに乗って騒いでいたのだから反論する余地は尚更ないが。

一喝を入れられ、リュウトは黙々と朝食を平らげて行くことにしたのだった――――

――――『これから大変なのは、マサラを護るあなた達なのよ』

『全く、呑気にも程がある連中だな…先が思いやられる』

やれやれ、と主人達の食事を見守るポケモン達。
そんな中、マリアとソラのやり取りを聞いたカメックスはやはり自分の考えが正しかったことに気づく。

彼女の話していたのは明らかに"ポケモンの言葉"で相違なかったのだ――――

>>イエロー宅一同


【ハヤト/カロス地方/プリズムタワー内→移動】

――――「あぁ、頼りにしてるぜ。んでハヤト。ガイはどこに行ったか分かるか?」

「正直、検討が付かねえ…そう遠くには行ってはいないと思うんだが」

急いでゼロ達の元に知らせに行った為か、一部始終は目撃した物のどこにいるかまでの確認は出来ていなかったのだ。
ハヤトにとってもガイと言う男のその一切が謎に包まれている。雇われの身ではあった物の、異界のカロスの王という肩書きのみは唯一知ることが出来ていたが、こうして感情的な動きをしたと言うのは予想外である。


――――直後、外から響く轟音がその答えを示してくれた。


「タワー前の広場の方からか!?」

窓から外を眺める、灯台下暗しとはよく言った物だ。土煙が立ち込める中に、2人の人影を確認できた。
どうやらこの様子だと戦闘にまで発展していたらしい。
一体、相手は誰なのか?敵か?いや、それとも別の……

「………行ってみよう」

ミライはそう言うと、ドアに手を掛ける。彼女には何故か、その2人の戦いを見届けなければいけないという強迫観念にも近い感情に突き動かされていた。

それはまるで、自身の失われた記憶のピースに引き寄せられかの様な感覚であった―――

>>ゼロ、ツカサ

1ヶ月前 No.407

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ハヤト/カロス地方/プリズムタワー内→移動】

ハヤトの返答を聞くにどうやら何処にいるかまでは分からなかったようだ。

「となると…何処にいるかだよな。此処は広いから探すのも大変…って何だ今の音!?」

突如響く轟音に驚くゼロ。ツカサもハヤトと共に窓を見て冷静に対応する。

「ハヤトさんの言う通りどうやら下のようですね。どうやら既に戦闘が始まっているようです」

「何がどうなってんだ…あ、待てミライ!俺たちも行く!」

「ケンタさん達は!?」

「言わずとも来るさ!多分な!」

ゼロはケンタ達も来る事を信じ、急ぎプリズムタワー前の広場へと移動するのであった

>>ハヤト、ミライ

1ヶ月前 No.408

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【レッド/カントー地方 トキワシティ/屋根のないイエローの自宅 → 移動】

 えー……。



 ……………………………………………。



 書き始めに迷うが……行ってみよう。



 "むしろきちんと朝食取りながら、こんなに元気なんだから良いんじゃないかな、ソニア。
あんまり騒がしいと行儀悪いかもしれないけど、な"

 女傑……こう書けば、かの「あおいとり」は慌てて否定するだろうが、レッドからすればこう思わざるを得ない。

「(オイオイオイ! ソラ! お前何言ってやがんだよ! コイツ! やべぇ! 下手に手を出すなって――――)」

 件のシスターさんの「ヤバさ」を感じ取ったのか、ソラへと慌てて耳打ちするレッド。女の二面性とは恐ろしく、全く以って度し難い。俺も何度イエローやブルー、モモカの悪意に泣かされた事やら。しかしながら本人も何処か戸惑っているらしく……しかし、しかしソラ、なんともそれが日常のようにソニアへと語りかけり。

 驚いたのは件のシスターも同様であった。

「え、ウソ。ソラ、さん?」

「記憶が、戻って――――って、なわけないよ、ね? あの人とも関わってないし、……」

「えー、おほん! あ、あのね。元気なのもいいけど、僕はマジメなの! ソラも文句言うならこうだよっ」

 ぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
 ソラのこめかみに対して必殺の「ぐりぐり」を見舞うシスター・ソニア。理不尽の極みである。マリアと仲良く「判る者には判る言葉」にて語っていた両者であるが、主人の横暴にも彼女はクスクス笑うのみである。

『くすくす。ソニア、ちょっと無理してるみたいだけど付き合ってあげてね』

『あ、よく気付いたわね。これ、クラボの実がアクセントに入ってて……』

 はぁ。はい、成る程。
 一体何に付き合えと言うのやら。

『……さ、最近のポケモンフーズは人間にもイケる程ハイカラなのね』

 対するアコヤのグレイシアは、主人同様に天然が入っているらしい。目を白黒させる中、肝心の主人はレッドに差し出されたベーコンエッグを咀嚼している最中、ふと核心を突くのであった。

「もむもむ。あんさ、アタシのアナザーとやらが問題起こしてるってヒメから聞いてるけど」

「マサラタウンにこんだけヒトが集まってんのも、その理由だべ?」

 彼女のアナザーこと、『黒き氷の羅刹』が示唆せし惨劇の様相。そこに自然の掟はなく、強者が愉悦のままに振るう歪んだ暴虐の災。奴が自身の求むがまま、「引き出そうと」するのならば。奴がその唯一の為、この町を危機に陥れようとするのならば。

「アタシもな、ソラの修行に関してヒメから頼まれてんだわ。本来だったら自分の尻拭いはテメーでやるのが道理なんだけどよ」



「……オメェら、黙って守られてるだなんてタマでもねえだろ?」



 ――――嗚呼、そうとも。
 飽くなき渇望が望むは、より強きを制する悦び。



「あァ。そのパールって奴をブッ倒してェ」

 真面目な顔で即答しつつ、アコヤにバケットを差し出すレッド。うん、と判っていたように頷きつつそれを咀嚼するアコヤ。やる気満々な二人の様子に、いよいよイエローは憔悴の極みとばかりに眉間を押さえる。

「赤髪のボウズはやる気らしいけど、どうよ。そこのお二方は」

 透き通った赤の双眸が交互に映すのは、リュウトとソラの姿である。留学生としてこの地を訪れし少年、そして欠落のままに此処へと行き着いた少女。果たしてこの場に居合わせたのは、酷い因果か縁が故か。



【グリーン/カントー地方 マサラタウン/オーキド研究所】

 "……ヴァドックにグリーンか"

 "よう、おまえらも呼ばれたのか "

 どうやら、既に先客が訪れていたようだ。
 片や、マサラタウンにて巻き起こった次元の歪み、その超決戦の当事者たるトーガ。片や、かのレッドと激戦を繰り広げ、何やら後輩のモモカとよろしくやっていた青年であるレイジ。

「ああ。まぁ、何の用件かは二人も判っているだろうが……」

 応接室の棚にバッグを置き、ソファに件の「ふたご島より帰還せし」ポッチャマを寝かせるグリーン。ヴァドックに対し、「お前も聞いておいた方がいい野暮話だ」と軽く状況説明しつつ、祖父の部下である研究員にポッチャマの介抱を頼む。研究員自身も、シンオウの珍しいポケモンの姿に驚くばかりである。命に関わる大事には至っていない様子ではあるが、その身に宿す「こおりタイプ」。そして今現在戒厳令が敷かれており、何人たりとも近寄れぬ魔境と化したふたご島、何者かによるトキワの森の凍結事件。限りなく曖昧ではあるが、拭い切れぬ悪寒、そして共通項がグリーンへと不安を過させるが――――

 "おまえらもかなり腕を上げたみてえだな、特にグリーン。分かるぜ、レベルそのものが上がったのがよ"

 レイジのその一言により、寡黙な男の胸中に火が灯る。

「そういうお前もだ……レイジ。マサラファームで初めて逢った時とはまるで次元が違う」

 沸々、沸々と湧き上がる戦闘欲求。
 嗚呼、抑えねば。いやしかし。

「どうだ。全員揃うまでに、互いに一撃だけ――――」

「おっっはーーーー!! おォ、レイジにトーガ、ヴァドックまでいるじゃねェか! おはよー」

 ぼがん、と応接室の扉が開き、しっかりと朝飯を食ったレッドのお出ましである。ぞろぞろと集う面々、リュウト、ソラ、ウィンチェスター兄妹、そしてアコヤにサンダーソニア、最後に低血圧そうな様子のDr.ヒメ。あと何故かイエローまで。肝心のグリーンは、好敵手との遣り取りに挟まれてむっとした様子である。

「よォグリーン。おっはー」

「朝っぱらからうるせぇんだよ、テメェは」

「何か勝手に怒ってやがる。ほんとああいうカタブツって困るよな」

 背を向けたままのグリーンに対し、ぷぷぷと嘲笑しつつレイジへと同意を求めるレッド。その背中をつんつんつつくマサラタウンの某であるが、ユウスイ君は完全に無視しているらしく、ソラやリュウトへと仲睦まじく挨拶している始末である。挨拶は一日の要、大切にしていきたい。

「イエロー、お前もこの件については判ってるよな」

「……うん」

「よお……ソラ。この前は一方的に絡んじまって悪かったな」

「おいグリーン! おはよー!」

「リュウト。お前の事も聞いてるぜ。強えんだってな……?」

「モーニーン!! ユウスイ、モーニーン!!」

「グリーン、おはよ。またトレーニングしてたの?」

「ああ、お早うございますヒメ先生。日課なもんで」

「ユウスイちゃん!! おっはーーーー!! イマクニだよ!!」

「テメェはさっきからうるせぇんだよ!! 消え失せろ!!」

 涙目になり、しゅんと隅っこで丸くなるレッド。全く、大事を控えている割には呑気なものだが、これが彼の長所でもあると前向きなフォローでも適当に入れておく。

「おお、皆もう揃っとったか。えー、はじめましての方ははじめましてじゃな。オーキド……ユキナリという者じゃ」

 最中、どたどたと慌ただしい様子で現れたオーキド博士ことユキナリ氏。目の下の隈を見るに、どうやらあの一件以来まともな睡眠をとれていないらしい。親の心子知らずとはよくいったものである。

「さて……それでは状況説明からさせて貰うかのう」



「このマサラタウンが、如何なる危機を迎えているかについて……」



>>研究所一同




【フレア/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 "いいだろう・・・誇りも身分も何もかもを全て捨て、全力で貴様と相対そう"



 "それがカロス王ガイとしてではなく・・・貴様の知る"リュウト"としての務めなのだからな"



 真摯にも、サンキュー。いや有り難い。
 英雄にまつわる富、名声、そして栄光がまま。その全てを捨ててでも、目の前の好敵手は自身と相対する事を選んでくれているのだ。ならばこちらは? こちらはどうか。



 如何にすれば、この傑物の期待へと応えられるか?



「有り難ェ限りだ」

「礼変わりだけどよ、リュウト」

「 "お前に勝つ" 」

 嗚呼、やはりの傲慢。やはりの自賛。
 否、違う――――この宣言の意味するところ。それは。



 ――――"英雄の武具庫(アーマリオン・カロス)"



 ―――― "全身全霊にて、俺の存在すら懸けて"



「よォ。ちょっとこれ、預かっててくれるか」

 騒動の渦中、遅れて現れた一行。羽織を脱ぐや否や、ハヤトに対しそれを飛ばし――――ハットと眼鏡を彼へと飛ばし、気付けばハヤト少年の装いは着流しにハット、そして眼鏡と先程までのフレア自身の装いである。

「戦闘で脱ぐなんざトーガん時以来だ」

「嗚呼――――割と最近か」

 この短期間に、これ程に育まれた強者との連戦。血は沸き肉は踊り、魂はそれに呼応して高鳴りを増すばかり。

 其処に居たのは、戦闘時特有の鋭い目付きに膨大な熱を宿した一人の男。かつてのリュウト少年のよく知る――――『マサラタウンのレッド』であった。

「―――― "臨界突破(オーバーフロウ)" 」

 どひゅッ、と草木と大地が慄き、その白き髪色が残光を描く。未知なる力、『超獣護式(ビーストスキル)』の本領がままに、この場を覆い尽くす程の幾千、幾万の武具の鋭利なる数々。その悉くを避け、破壊し、或いは足場にし――――フレアが、友が、ガイへと空中にて肉薄する。

「受け取っとけ」

「―――― "荷炎粒子砲" ッッ!!」

 極光の主へと放たれたのは、幾億の武器すらも灰芥に還す白き熱線。空の色が変わり、次いで叩きつける稲妻が如き轟音。嗚呼、世界が震えるがまま――――漢二人、ブレーキはなく!

>>タワー前一同

1ヶ月前 No.409

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ/カントー地方 マサラタウン/オーキド研究所】

“ああ。まぁ、何の用件かは二人も判っているだろうが……”

「まあ、なんとなく察しはついてるぜ」

抱えていたポッチャマをソファに降ろし、居合わせた研究員に介抱を任せるグリーンに対し、レイジが返事を返す。

「しかし、ポッチャマか。実際に見るのは初めてだが、カントー地方にもいたんだな」

「そいつがどうもこのポッチャマってヤツはカントー地方には生息しないポケモンらしい」

「じゃあ、別の地方から流されてきたってのか?」

「さあな……。だが、オレの故郷を滅ぼした白いフリーザーと何らかの繋がりがあるのは確かだろう」

「どういうことだ?」

レイジがソファの上で眠るポッチャマを物珍し気に眺める中、彼の問いかけにヴァドックがこれまでの経緯を説明し始める。

 “そういうお前もだ……レイジ。マサラファームで初めて逢った時とはまるで次元が違う”

 “どうだ。全員揃うまでに、互いに一撃だけ――――”

そんな中、グリーンから発せられた言葉にニヤリと笑みを浮かべるレイジ。

 へっ……、上等だ。

彼の答えは言葉を発するまでもなく、「構え」という行動で示される。
グリーンの闘いは以前、マサラファームにて目撃したことはあるものの、実際に拳を交わしたことはなく、レイジにとって相手の実力は未知数と言える。
それゆえの好奇心――強者を求める武人(トレーナー)としてお互いを欲する両者。
レイジは『おさきにどうぞ』と言わんばかりに相手を見据えながら、彼の一撃を迎え入れようとするが――――

 ぼがんっ!

その瞬間、間が悪いことに応接室の扉が勢いよく開かれる。
ちょうど扉の正面に立っていたレイジは跳ね飛ばされ、そのまま顔面から床にダイブした。

 “何か勝手に怒ってやがる。ほんとああいうカタブツって困るよな”

「怒ってんのはグリーンだけじゃねーぜ」

「……てめえが頭フカフカすぎんだよ!!」

 げ ん こ つ

グリーンを嘲笑しつつ、うつ伏せで伸びているレイジに同意を求めるレッドだったが、当のレイジは闘いの邪魔をされた挙句、跳ね飛ばされたのが気に障ったらしく、ビキッと青筋を立てる。
怒りのオーラを燃やしつつ、片手で赤く腫れた鼻っ柱を押さえながら、ゆらりと立ち上がったレイジは朝からバカ騒ぎするレッドの脳天に「げんこつ」を振り下ろすのだった。

「朝っぱらから騒々しいヤツらだ……」

一方、そんな彼らの様子を見やり、トーガは呆れたように溜息をつくのだった。

 “さて……それでは状況説明からさせて貰うかのう”

 “このマサラタウンが、如何なる危機を迎えているかについて……”

「ああ、話してもらおうか……。おまえらも異存はないな?」

そんな中、オーキド博士の話が始まり、それを促すようにトーガが口を開く。
それにより、レッドとともに騒いでいたレイジや彼らの様子に呆れていたヴァドックもオーキド博士のほうを向き、彼の話に耳を傾けるのだった。

>>オーキド博士

1ヶ月前 No.410

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 ――――「 "お前に勝つ" 」

 男のその一言に、全身の血が滾る。ガイの内に眠っていた強者と剣(拳)を交えたいという感情が、吹き上がるかのように。

「―――それはこちらの台詞だ」

 ふっ、と微笑みながらそう返す。
 異界へと繋がる裂け目から放たれるその剣戟の数々、フレアは難なくと避けては壊し・・・その雨を掻い潜っていった。

 正直なところ、ガイにとってこうして避けられることすらも歓喜していた。
自 身の出せる全力を、これでもかというほどに浴びせられる存在を・・・どれほど待ちわびていたか。

「ゼロ達もここに来ていたか」

 激闘の最中、タワー前に駆けつけてきたゼロやミライ達の姿に気付く。
 彼らは2人の周りを見守るようにこちらを観ていた。

「危なくなったら逃げても構わない。・・・・だが願わくばこの戦いを最後まで見守っていてほしい」

 再び、戦友と向かい合う。
 武具の雨を避けながらこちらに差し迫るフレア。

「さあ、見せてみろ・・・・その全身全霊を・・・・!!」

 ――――「受け取っとけ」

 ――――「"荷炎粒子砲" ッッ!!」

 あの男の事だ、何か"隠し玉"を持っているであろうということは想像に容易かったが、どうにも予想以上の一撃であった。

追加で放たれた剣達をも巻き込み、辺り一面をも灰に変えてしまう程の炎をあろうことかフレアは体現したのである。

「ぬぅっ・・・・・!」

 巨大な剣と化したヒトツキを纏うオーロラ状の輝き、その光を盾の様な形へと変化させその一撃を受け止める。

 その盾は炎を飲み込むようにその力を抑えつけていくが、あまりにも強大すぎる力に押され崩壊してしまう、しかし――――

「――――この程度で終わると思うか!!」

 炎と土煙の立ち込める中から姿を現し、そのまま一気に空中にいるフレアとの距離を詰める。
 爆発音と共に地に着弾した"荷炎粒子砲"だが、その威力は極光の盾によって多少軽減はされていたものの、それでもガイにダメージを与えるには充分すぎるほどであった。

 フレアの懐へと詰め寄り振るわれる剣技の数々、避けられ、また弾かれ・・・その戦いは見る者すべてを魅了する程に激しい物であった。

「変わらないのだな、あの頃と」

 激しい打ち合いの中で安堵する。この男は・・・フレアは、あの頃から変わっていない。
 目の前の敵に全力を持って向き合い、死闘を繰り広げる。その姿勢は正にガイが・・・いや、『リュウト』がよく知る『マサラタウンのレッド』そのものであると。

「フレア・・・そんな貴様だからこそ、この力を使うに値する・・・!!」


「この世界の理を根底から覆す・・・」





「――――"破界護式"を」



 ヒトツキへと集束されていく虹色の煌めき・・・その全てを友へと捧げるべく――――


――――――――

 そんな2人の戦いを見つめるハヤトとミライは、1つの感情を抱く。
 余りにも次元が違いすぎる、と。

「いや、そもそもあの相手の男は何者なんだよ・・・!?」

 ガイもガイでとんでもない機動力を持って適を追い詰めていっているが、それに対応できるあの男の素性こそ一体どういうことなんだというものだ。
 皮肉にも衣類を預けられたせいで装いに関してはそんな彼と同じなのであるが。

「・・・・あの光・・・見覚えが・・・あるような・・・・」

そんな中、ガイのヒトツキの放つ輝きを目にしたミライはその忘れ去られし記憶の1つを呼び覚まさんとしていた――――

>>>>タワー前一同


【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 → オーキド研究所】


――――「赤髪のボウズはやる気らしいけど、どうよ。そこのお二方は」

「聞くまでもなく、俺は・・・・そんな奴を絶対に許せない。そいつを・・・パールを倒す」

 和やかなムードから一変し核心へと迫る発言をするアコヤ達。

現在進行形でマサラタウンを覆っている大きな影。その存在を、ここにいる誰が許容するであろうか?
 自分の生まれ育った故郷であるため、あるいは大切な人がいるだとか。

 理由は人の数だけあるだろうが、リュウトにとってもまだ短い期間ではあるがマサラで過ごした時間に偽りはない。だからこそ投げかけられた言葉への返答は、ただ1つの曇り無き物であった。


――――そして場所を移し、オーキド博士の研究所へとたどり着いたわけだが・・・

 既に役者達は揃っていたようだった。それにリュウトにとっては初対面のヒトとポケモン達がごった返している。
 赤の帽子を被った帽子を被った男に、それによく似た青年。更には人語を話すピカチュウに、番長スタイルの強そうな男。そしてカントーで見るのは珍しい、傷を負ったポッチャマ。

「あ、どもども・・・」

 一同に対してぺこぺこと挨拶と自己紹介を済ませるリュウト。
 彼らも博士の話を聞きに来たのであろうが、この危機に駆けつけてきてくれたとならば心強い限りである。

――――「リュウト。お前の事も聞いてるぜ。強えんだってな……?」

「さあ、どうだろうな・・・やり合ってみたいとわからないかもだぜ?」

 番長・・・こと、グリーンに話しかけられ思わずそう答える。
 恐らく件のレッドとの戦いの事を聞いたのであろう。彼もまた強者を求める人間・・・それに惹かれ合うかのようにリュウトも好戦的な態度であった。類は友を呼んだ。

――――「さて……それでは状況説明からさせて貰うかのう」

――――「このマサラタウンが、如何なる危機を迎えているかについて……」

「勿論異存はない。一体今この町で何が起こっているのか・・・俺達は知る必要がある」

 話を促すトーガに対してそう言うと、リュウともまたオーキド博士の元へと向き直し、耳を傾ける。
 今、忍び寄りつつある災厄のことを・・・リュウトの言う通り、彼らは知るべきであるのだ――――

>>研究所一同

1ヶ月前 No.411

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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1ヶ月前 No.412

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ゼロ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

「ユウ!ケンタもいたか!」

「ゼロ!それにみんなも…」

「なぁ、ユウ。あいつは…」

「それは僕にもわからない。ただ、彼らの強さは僕たちの想像以上で桁違いというのは確かだよ」

「そうかもしれないな…」

中断したとはいえガイとは拳を交えたことがあった。だが今の彼の戦いを見ると明らかな差を見せつけられたのだ。

「凄い…」

ケンタは彼らの壮絶な戦いに目を奪われている。ユウは奥底に眠る衝動に戸惑いを感じた。

(何だろうこの感覚…こんな熱い戦いを…僕は…いや、シャドーが求めている…?)

そしてゼロはその戦いを見て彼らの戦い方を真剣に見ていた。そして…

「俺は追い抜いてやる。執行者も、監視者にも負けないくらい…強くなってやる…」

呟くようにゼロは一人そう誓った

「見てください。何かするそうですよ」

ツカサが二人の攻撃に注目する。その攻撃にみんなが注目する。

しかしミライの様子が変なことにユウは気がついた。

「……何をする気だろう?ってミライちゃん。どうかしたのかい?」

>>タワー前一同

1ヶ月前 No.413

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ/カントー地方 マサラタウン/オーキド研究所】

「……ッ!!」

モニターに映るリバティガーデン島の惨状。
画面越しからでも伝わってくるパールの『悪意』に対し、レイジは静かな怒りを燃やしながらその拳を握る。
『戦慄の白き翼』によって同じように故郷を滅ぼされたヴァドックも例外ではなく、無残に変わり果てたポケモンたちの姿を見やり、その凶行に怒りを覚えた。

「……」

一方、トーガはモニターを眺めながら神妙な面持ちで何かを考え込んでいた。

「(……パール、最初にマサラで会う前にオレは一度ヤツと闘った“記憶”がある)」

「(オレが覚えているアイツはたしかに凶悪なヤツだったが、こんなことを仕出かすヤツではなかったはずだ……)」

「(一体、何が彼女を変えたというのだ……?)」

そんな中、小声で話すソニアたちの会話がトーガの耳に入ってくる。

「(なるほどな……。どうやら、オレが思っていたよりも事態は深刻らしい)」

「(この世界の揉め事を解決してやるつもりはないが、オレも知る必要があるのかもしれんな)」

「(かつて、この世界で闘ってきた男として……)」

いかに最強の戦闘民族と言えど、どこかのナメクジ星人のように優れた聴力は持っていないため、詳しい内容までは聞き取れなかったが、この事件の裏に何やら陰謀が渦巻いていることは察することができた。

「へっ、来るなら来やがれ!このオレがぶっ飛ばしてやるよ」

「こんなものを見せられちゃオレも黙ってられねえな……。この町には恩義がある、手を貸すぜ!」

「安心しろ。オレがここにいるかぎり、敗北はない」

刻一刻と迫りくるパールの脅威。
そして、その背後に潜む邪悪な影。
一同はそれぞれの想いを胸に『黒き氷の羅刹』から勝利を掴むことを決意するのだった。

>>研究所一同

1ヶ月前 No.414

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方 マサラタウン/オーキド研究所】

「なにが起きたんだ……これ……」

モニターに映るその惨状は、リバティガーデン島"だった場所"そのものだった。
これだけの規模の事を、パールという女は引き起こしたといのか?一体何のために――――

あまりにもその悪辣とした在り方に、リュウトは他の面々と同様に言葉を失う。

パールだけではない。ソニア達の言葉から察するに、他の何者かも動きを見せているという様子であった。
マサラタウンを覆う影は、彼等が思っている以上に深刻なのである。

これを見て、リュウトの決意は……。

「ポケモンや人間が……誰かが傷つくのを見るのは、もう御免だ」

「……だからこそ、俺たちの手で……ソイツを……!!」

拳にぐっと力を込め、パールの脅威と戦う事を決意す。
己が信じる"正義"を貫く為、平凡を夢見た少年は再び英雄としての道を歩き始める。

強大な敵から『勝利』を……そして『未来』を掴み取る為に!!――――

>>研究所一同

【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

滾る。
目の前の強敵と対峙し、拳(剣)を交え合うこの戦いの臨場感は、いつ以来だろうか。
久しく出会った友との戦いは、こうも心が躍る物なのか……。

――――「"面白ェモン見せてやるよ"」

ガイが、その力を解き放たんとすると同時にフレアも"真価"を発揮する。
全力を以って自身に応えてくれるその男に対し、ガイは1つの感情に支配されていた。

「……感謝する」

こうして再びフレアという男と出会えた事に。
サトシというかつての友と今後敵として戦う事に対する迷いの霧を晴らしてくれた事に。
それを起点とした、あらゆる"感謝"という感情に。

ならばこそ、応えよう。その全てをぶつけよう。

「付いて来い」

ドンッと地面を蹴り上げると、凄まじい跳躍で遥か空中に躍り出る。
今ここで本気を見せれば、ミアレの街並みは一瞬にして消し飛ぶのは造作もないこと。その配慮とも言えた。

「この世界の理を覆す、と言ったな」

先程の『英雄の武具庫』のようにガイの周りを囲むように、無数のウルトラホールが出現する。
そして、その1つ1つから様々な色彩を放つ輝きがヒトツキを照らし、光わ収束させていく……。

「無限に存在する世界……そのあらゆる世界全てに存在する力を一点に集中させる、それが私の真に在るべき能力。世界の意思から"外れた"力だ」

「受け取れ」


「"破界護式(アナザースキル)"―――― 」


「――――"世界の輪から外れた光(ヘイムスクリングラ)"」


ヒトツキから放たれた強大な輝きを纏った一撃。その光は七色に輝き、やがてミアレの空全域を覆い、見るもの全てがその悠然たる光に目を奪われる。

やがてその輝きは、真価を発揮したフレアに対して迫る――――



ユウ達もこの戦場を駆けつけ、その攻防を静かに見守っていた。
ハヤトは自分達よりも遥かに強いであろうその2人に、畏怖するよりも先に見惚れていた。

「ユウ………う、ううん……何でもない……」

ミライは、ガイの放つ輝きを見て自身に隠された過去の一部を思い出す。
それはあまりにも壮絶で悲惨なモノであり、同時に"思い出してはいけないもの"であったと直感する。
頭痛で軋む頭を抑えながら、地面に座り込むと、なるべくその光から目を逸らす様にした。

ガイの放った一撃によりミアレの空は七色の光に包まれる。
ハヤトはそれを見てただただなすすべもなく見ている事しかできなかった……。

>>フレア、タワー前一同


【話は過去に遡る――――】

【ガイ/古代カロス地方 王都アマデウス/カロス貴族院 円卓の間】

――――「いやはや。素晴らしき戴冠式であったな、王よ」

「これはドラグノフ郷、此度は我が国の未来を左右するであろう会合への参加、痛み入る。 ……いやなに、私とて貴殿の言葉に返す言葉は持ち合わせてはいない」

戴冠式を終え……円卓の間にて既にその卓に腰を掛けるていたドラグノフ家の男であろうそれは、ガイが現れるや否や挑発に近い態度を示す。
付き人である派手なローブを身に纏った女性、リナリアに嗜められつつもガイは卓へと着くが…男の話は正直なところ、的を得ている挑発でもあった。
元々、今回王としての座に居座った『ガイ(リュウト)』という男はそもそもの話では異界の民…故あってこの世界にいるとは言え、王としての資質があるかと問われれば、首を傾げてしまうだろう。
しかし、隣で青筋を浮かべるリナリアだが彼女だけでなく内心ではガイも憤慨していた。恐らく今の立場にいなければ掴み掛かっていたかもしれない。何も自身が愚弄されたからではなく、『本当に』王になる筈だった友人の意思を……自身に託した思いそのものを踏みにじられた気がしてそれが許せなかったのである。

そんな早くも緊迫した状況の中で、見知った顔が2人――――

――――「なぁ、リュウト。戴冠式立派だったぜ。…… "アイツ" もさ、お前がその名前を名乗るのを喜んでると思う」

「ルノー、その言葉は素直に嬉しいよ、ありがとう。ただまぁ……ルイーズの言う通り、だな……」

カロス王家にも深く関わる数ある名家の1つ『ウィンチェスター家』の人間であるルノーとルイーズの2人である。
ガイはヒソヒソとルイーズの顔色を伺うかのようにルノーに対して言葉を返す。

――――「随分と出席率が悪いようであるが、王よ。貴殿はどうお考えで?」

「む……それはだな……」

ガイは言葉を詰まらせる。
辺りを見回しても空席が目立つが、カロスの名家が多数出席しなければならない筈のこの会合でこの体たらくでは、これから王として国を導く者としては幸先の良いものではない。
そんなガイの隣で噴火寸前だったリナリアが、その怒りを露わにする。

「リ、リナリア……気持ちは分かるが、今は抑えるんだ……」

今度は先程とは逆に、ガイがリナリアにだけ聞こえる様な小声でたしなめる様に呟く。

「(しかし……こうまでドラグノフ家の男は挑発してくるか……注意する必要があるな……)」

ドラグノフ家には何か思惑があるのか、2人に対し攻撃的な態度を取っている。……この議会では、彼のことを注視した方がいいかもしれない……。

>>円卓の間一同

29日前 No.415

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

「彼らは――――そうですねぇ」

「善き子らですよ。将来への期待、大いなる未来を有した雛鳥達」

「そう、今にも成長という名の種が芽吹き――――次の瞬間には、その力を開花させてもおかしくはない」

「嗚呼。だからこそ」



「私の糧として、摘むのが残念で」



【嗤う脅威】

【備えるマサラの未来達】

【ひと月にも満たぬ "備え" の時――――】

【しかし】

【彼らは既に見違え】

【その身や精神に刻まれた、更なる "強さ" 】



「――――来るなら来てみろ」



【大嵐の荒ぶ週末。 "それ" に気付いたのは、トキワシティのジムリーダーであるグリーン】

【あの冷酷極まりない殺気を、彼は確かに肌で感じていたのだ】



【時刻:午後7時半】

【VS黒き氷の羅刹 マサラタウン防衛戦 act1】



 "闇夜を覆う思惑の影"
 (THEME:https://m.youtube.com/watch?v=dskye-Z5-_g)



 ぱし、とモンスターボールを手元に戻し、目の前の「修行相手」を鋭い目付きで見据えるグリーン。

「リュウト」

「――――感じたか」

 トキワジムの外では、鳴り響く雷鳴と叩き付けるかのような豪雨の音。それらに混じり、こちらを突き刺す「殺気」の類を――――男は確かに感じていた。マサラファームにて邂逅した、あの常軌を逸した女の気配。黒く、腹の底から冷えるような悪意の群。胡座をかいてジムの床に座ると、ポケギアを取り出し、スピーカーをオンにして通話を繋ぐ。

「レッド」

『あァ。判ってる』

「レイジはどうした」

『今、合流しようと思ってたところだ。トーガさんはソニアさんの所らしい』

 トーガとシスター・ソニア。
 彼らは所要があるとの理由でマサラ近辺から離れていたが、恐らくは二人も感じ取っているだろう。

「ソラは」

『アコヤさんと修行を終えたばっかりだと。トキワに居る筈だぜ』

「嗚呼。レッド」

『どうした』

「――――気を付けろよ」

 ポケギアの通話を切り、立ち上がるグリーン。

「リュウト」

「 "そろそろ出ようか" 」

 ホルダーを締め直し、その鋭い眼光の見据える先。迎撃の為、準備は入念にしてきた。研いだ刃を腰に収め――――決戦の時は、今まさに。

>>ALL




 同時刻。
 嵐の止まぬカントー一帯、ハナダシティ外れ。

「何となく、ですが」

「今日は荒れそうな予感がします」

 レインコートを身に纏い、大雨で霞む景色の中――――マサラの方面へと視線を移すソニア。彼らを、弟子達を今日まで鍛え、備えた。しかし、敵はあの『黒き氷の羅刹』だけではない。

「トーガさん、事情はオーキド研究所で話した通りです」

「きっと師匠も関わってくる筈ですけど……我慢出来なくなって二人で楽しまないで下さいね」

 少々の軽口を叩くソニアだが、その目は笑っていない。あの『カロスの聖戦』にて出逢った邪悪なる存在にして事象の黒幕、クローム。そしてひしひしと感じる、『神の還御』の襲撃の気配。彼女とて、その糸を張り詰めているのだ。閑静な田舎町に降りかかりし未曾有の災い。早めに戻りましょう、とトーガに促した瞬間――――突如目を見開き、繰り出したケンホロウに乗り、マサラ方面へと飛ぶソニア。しかし、境界付近にて行く手を阻むそのオーラたる「壁」に掌を乗せ、茫然と呟く。

「――――嘘、でしょ……」

「アイツ……、まさか」



「 "最終兵器" を二つも……!?」



 ぎり、と歯を結び、薄橙色の奇妙なオーラを睨み付けるソニア。この次元に存在する物質ではない、摩訶不思議なこの境界壁。血が滴る程に拳を握り締め、あくまでも声色は冷静なままトーガへと呟く。

「完全にやられました。想定外です。クロームは僕達を……引き離すつもりらしい」

「――――どうか、無事でいて。みんな……!!」

>>トーガ




 同時刻。
 トキワシティ、イエローの自宅。

「……遅いね。ソニアさんも、ソラさんも」

 赤々と燃える暖炉の付近。ロッキングチェアの上でメリープをブラッシングしていたモモカへと、珈琲を差し出すイエロー。それを冷ましつつ口に含む彼女とて、妙な胸騒ぎは感じているらしい。

「レイジさんとレッドさんは、二人で修行だとか」

「はぁ……こんな嵐の中で出歩いて、風邪なんかひかないといいけど」

 風邪とは縁のなさそうな程にタフな両者ではあるが。ともかく、アコヤと修行を続けているソラも此処を空けている今、この胸騒ぎはそのまま不安の重圧として少女二人にのしかかる。瞼を伏せるイエローに対し、モモカとメリープのふわもこが、先輩を気遣うよう振る舞う。

「い……イエロー先輩、きっと心配ないですよっ。レイジさんも、レッド先輩も、グリーン先輩も、リュウト先輩も、ルカ先輩も、エマ先輩も、ソラさんも。みんなみんな、頑張ってきたじゃないですか!」

 頑張ってきた、とは妙な物言いだが、確かに、そうだ。皆、逃げずに――――マサラを襲うであろう脅威に対し、立ち向かうべくして備えてきたのだ。薄く微笑むと、モモカの掌を握り、頷くイエロー。

「うん。そうだよね。……私がこんなんじゃ、皆に――――」



 瞬間。
 びきり、と入り口の扉が氷結し、粉々に砕き割れる。肌を刺す凍てついた外気。呆然とそこを見つめ、現れたのは



「どうも、お邪魔しますね」



 その女――――現れし『黒き氷の羅刹』を目にした瞬間、ぞくりと粟立つ肌。ひッ、と声にならない悲鳴を喉でつかえさせたイエローを突き飛ばし、モモカとメリープが立ち塞がる。

「イエロー先輩に――――触れるなッッ!!」

 まるで弾き出されたかのように飛び出した少女へと、ぴ、と差す人差し指。一体、いつの間に繰り出したのか見当もつかない程に「速く」、そして残虐なまでに。

 糸程の細さの、フリージオの放つ『オーロラビーム』が、モモカの右腕を貫通(さし)た瞬間。先程までパートナーをブラッシングしていたその白い腕は。先程まで自身を励ましてくれていたその暖かい手は。



 肩口から、粉々に消し飛んだ。



 1秒、2秒、そして、3秒。
 どくん、と脈打つ心臓の音。
 膝から崩れ落ち――――消失した腕を、ただ茫然と

「――――うわぁぁあああああああああッッ!!!!」

 遅れてきた痛みと、驚愕。
 絶叫するモモカ。メリープを蹴り飛ばすと、混乱と絶望で顔を涙でぐしゃぐしゃにしたイエローへと向くパール。

「いや、治さなくていいの? あれ」

「待っててあげますよ」

 はッ、はひッ、と上擦った息。
 モモカを、モモカを治さなくちゃ。
 半ば身体を引き摺るようにして、痛みに悶えるモモカへと近付くイエロー。

「あッ、も、ももか。おとなしく、してて……い、いま、なおすからッ」

 翳した掌に、光の粒子が集まり――――それは少女の腕を形成し、肉体と為す。トキワの森のイエローが持つ、呪われた血による能力。ぜぇ、ぜぇ、と荒く息を吐くイエローを蹴り飛ばし、モモカから引き離す羅刹。床に鼻血の点が拡がる中――――

「――――あぎゃあああああああッッ!!!! ッあ……あああああああ……!!」

 次は、モモカの「両脚」を凍結させ、粉々に砕き割る。日常が、今まであったものが、惨い、次々に

「いや、いや、いや。いやあああ、モモカああっ」

「いや、早く治さないと。死にますよアレ」

 にこにこと場違いな笑顔を湛えたまま、白目を剥くモモカを差すパール。這いずるように彼女に近付き、再び掌から展開する癒やしの光輝。

「ごめんなさい、ごめんなさい。もういや、やめてやめてやめて」

「別に貴女は何も悪い事してないでしょ。ていうか寧ろ悪いのは私なんで……」

 まるで虫を弄ぶ幼子の如く、フリージオの凍てつく凶弾がモモカの心臓部を捉える。ぴきりと凍り付く肺と心臓。ふっ、とモモカの瞳から光が消える――――それ以前にイエローの能力が迸り、再び彼女に息を戻す。

「うわ、すごっ。これゾンビでも蘇生出来そうな勢いですねぇ。おもしろっ」

 無邪気な様子で喜ぶ羅刹の足元で、びちゃりと床に広がる鮮血。口元を血に染めたイエローが、霞んだ目で荒く呼吸を繰り返す。

「あー。やっぱ代償は大きいんですねぇ、コレ」

 極めて同情的に呟くものの、足元のイエローを足蹴にし、再びモモカへと向くパール。

「でもさぁ。あと一回くらいはいけるっしょ? はい次は脳ミソ消しまーす」

 革袋に包まれた指先を向けられ、ひッ、とモモカが息を呑んだ瞬間。どん、という衝撃と共に倒れ込み、床へと組み伏せられるパール。

「アンタ……」

「それは一線越えてるでしょ」

 マウントポジションの状態で、がちゃりと額へ向けられる銃口。あまりの激昂故、表情を滅茶苦茶にしたDr.ヒメが、羅刹を見下ろし引き金に指を掛ける。

「ああ、どうも初めまして。どなたでしょうか?」

「アンタの古いダチよ。優しくて強かった頃のアンタのね……!」

「いやはや、面白い冗談です」

 やはり、にこにこと場違いな笑み。
 血の出る程に唇を噛み結んだヒメが、ぽつりと漏らす。

「幾らおかしくなったとはいえさ。アタシの教え子傷付けるとかさ。アンタさ……もう、どうにも出来ないの?」

「いやぁ……教え子さんでしたか。それは申し訳ない」

「ソラに合わせる顔がないけど、パール」



「アンタとは此処で刺し違える」



 撃鉄が鳴り、弾丸が飛ぶ。
 しかし――――展開された『ひかりのかべ』により跳弾したそれは、引き金を弾いたヒメの腹を貫通し、天井に突き刺さる。

「ッが……あ……!!」

「そんな豆鉄砲で私を殺そうなどと。侮られたものです」

 がし、とヒメの頭を踏み、悪鬼羅刹たるその邪悪な笑みを深めるパール。吐血し、よろめきながらも、イエローが教師へと寄り添い。

「ヒメ…………せんせ、ぇ。…………なおさ、ない……と」

「駄目ッ、ダメよ黄花……! これ以上能力を使ったら……!」

 荒く呼吸しながら、しかしイエローとモモカを守るようにして抱き締めるヒメ。ふあ、と退屈そうに欠伸をするパールだが、ふと三人を見つめる。

「此処で貴女達を惨たらしく殺せば、怒るでしょうねぇ。あの子らは」

 本懐を遂げるべく――――その思考はあくまで残虐極まりなく。ぎり、と歯を食い縛り、二人を更に強く抱くヒメ。しかし、その瞬間。

 凄まじい斬撃の勢いに、パールとフリージオが壁を破壊し、大嵐の屋外へと吹き飛ぶ。

「テメェ――――」

「何してやがる」

 ざッ、と地を踏み締め、その猛る怒りは憤怒の表情がまま。ザングースを従えたルカ・ウィンチェスターと、その背後にてハブネークと構えるエマ・ウィンチェスター。

「うーん……」

「あの子程は美味しくなさそうですね」

 木片を頭に突き刺したまま、緩慢に起き上がり兄妹を値踏みする羅刹。クチバ港にて「味見」をした、かつての英雄たる少年。しかし――――

「ま、前菜には丁度いいでしょう。来なさい」

「フザけんじゃねえッッ!! 行くぞ……エマ!!」

「ええ、……兄さん!!」

「駄目……ッ、ルカ、エマぁッ!! 逃げなさいッ!! 逃げるのよ……!!」

 血の滲む脇腹を押さえ、ヒメが蒼白の表情で呼び掛けるものの……彼らとて、友人達を放っていられる訳もなく。

「ヒメちん、イエローとモモカを連れて逃げろ」

「此処は私と兄さんが!」

 にぃ、と裂けそうな程に口角を吊り上げ、羅刹が嗤う。

「泣けますねぇ。教師と教え子による愛の一幕ですか」

「鬱陶しいんだよ、ゴミ共が」



「―――― "定位置(ポジション)" に就きなさい、マンムー」



【 "黒き氷の羅刹" がウィンチェスター兄妹を屠るまで】

【残り 3 レス】

>>ALL

26日前 No.416

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【フレア/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 コイツを駆使(つか)う。
 理由? 決まってるだろ。
 アイツが強ェんでな。
 だからこそ駆使(つか)う。
 でも……理由はそれだけじゃねェ。



 "この世界の理を覆す、と言ったな"

 "無限に存在する世界……そのあらゆる世界全てに存在する力を一点に集中させる、それが私の真に在るべき能力。世界の意思から"外れた"力だ "



 大いなる力の発現とは、それそのものが比類なき「美」となる。あの男もそうだ。トーガの有する、蒼き神域を超えし力。額に収められた絵画よりも、瞬間的に消え去るのを旨としたアートよりも、真っ直ぐに美しきもの。

 これは単純なアートモニュメントではない。
 ならばこれは。
 我々の、有する美意識。



 ――――即ち「強き」ことに在り!!



 "受け取れ"



 "破界護式(アナザースキル)"――――



 ――――"世界の輪から外れた光(ヘイムスクリングラ)"



 きれいだ。
 きれいだ。きれいだ。きれいだ。きれいだ。きれいだ。きれいだ。

 眼下の世界にて、ミアレの市民達が、否――――カロスの者達が、一様に目を奪われる風景。

「美しいモンだが」

「あァ、でも、終わるんだな。この時が」

 戦闘狂、その双眸からとめどなく涙を流しつつも。
 UB Origin(オリジン)が、その鎧に包まれた右腕を引き絞り。

「いくぜ――――」

 友(ガイ)へと一直線に、緩慢ともいえる動きで、その右拳によるアッパーを放つ。ゆるやかに、ゆるやかに――――しかし、この、この渾身は。この渾身の一撃は。



 空間すらをも捻じ曲げ、更には破壊しながら、友の『破界護式』へと迫る。



「100億年分の滞留(チャージ)だ」

「―――― "100 BILLION(ワンハンドレッド ビリオン)"」



 轟、と空間が圧倒的な熱量に溶け、フレアの拳の周りにてねじ曲がった空間が見せる、様々な世界の原風景。古代カロスの巨大な円卓、トーガと共に戦う戦士達と宇宙の脅威、そして過去の世界にて修行に励む、かつての「俺達」。お前の真髄が世界をも『破界』するのならば――――



 俺もその力で、応じるまで。



「―――― "超新星爆撃(ガンマレイバースト)" ッッ!!!!」



 放たれた、終の一撃、その右拳。
 向かう先は、言わずもがな。

>>ガイ




【リナリア・スプリングフィールド/古代カロス地方 王都アマデウス/カロス貴族院 円卓の間】

「う、ううう。わ、判ってるわよ。判ってるけど……うう」

 自身が使えし「王」に戸惑いつつも苦言を呈され、口をつぐむリナリア。まだ10代前半の幼き彼女とて、こうして名家という看板と、主であるガイの面子をも背負っているのだ。此処で挑発に乗ってしまえば、それらに泥を塗るのも同義である。

「聞き分けのない小猿だが、王の御前で弁えるだけの脳は持ち合わせているようで結構」

 レンブラントの挑発に再びむかっ、と反射的に顔をあげるリナリアだが、慌てて隣のガイに視線を移した後、しゅんと肩を落とす。名家スプリングフィールド家の生き残りとはいえ、まだまだお転婆盛りは隠せない。特徴的な巻き髪を弄りつつ、レンブラントが重々しく開く入り口扉を一瞥し、はん、と鼻で笑う。

「随分と時間に大らかなようだが、彼らも到着したらしい」

「イッシュのハルモニア王朝の下僕(しもべ)―――― "宇宙(ほし)の使徒" の巨人共だ」

 高い天井に負けず劣らず、その常軌を逸した巨体。そして彫像の如く精悍な顔付きに、不自然なまでに完璧なスタイル。人間離れしたその様相は、この古代カロスでもよく知られるハルモニア王朝の使いである『宇宙(ほし)の使徒』のものである。

「済まないね。すっかり遅れてしまいました。教皇のブラフマンです」

「……導師のアザーゼルだ」

 異様な雰囲気を醸す、ローブ姿の両者。一人は5メートルを超える巨体を有し、一人は人間大だが、やはりその風貌は何処か人間離れしている。

「嗚呼、貴方が新しいカロスの王か。導師アザーゼル、名前なんたっけ?」

「ガイ、だ。今回の内乱にてかの地位に上り詰めた男である」

「なるほろねぇ」

 アザーゼルが引く椅子に深く腰掛け、我が家の如くリラックスするブラフマンと名乗る男。その作法もへったくれもない振る舞いにルイーズが眉根に皺を寄せるものの、当の本人はどこ吹く風といった様子である。

「僕らもこの円卓に案内するだなんて、よっぽど切羽詰ってんだねぇカロスも」

「やっぱさ、最近王都に現れたっていう "怪物" の件についてかな? 王様」

 怪物。
 現代では『ウルトラビースト』と名称付けられたその存在。
 内乱の戦火も癒えぬこのアマデウスを襲う、ポケモンとも異なる異形の存在。貴族と王を囲んだ今回の議題は、まさにそれである。

「クンクン……にしてもアザーゼルさぁ、彼、匂うよね。Fallの匂いがムンムンだよ」

「……教皇。公の場である。もう少し弁えてくれないだろうか」

「ガ、ガイ。アイツらって、あのイッシュの胡散臭い宗教家共でしょ? 私なんか嫌いなんだけどアイツら……」

 無邪気そうにガイを嗅ぐ教皇を咎めるアザーゼルと、微妙な面持ちで彼らから視線を外すリナリア。ともあれ、ハルモニア王朝の従者たる彼らにカロス側が協力を仰いだのは、その「異界を渡る事が出来る」という性質が故である。果たして彼らはこの件への知識、及び解決能力について持ち合わせているのかどうか。問いただすか追い返すかは議会の中心である王、次第だが。

>>ガイ

26日前 No.417

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ/カントー地方/マサラタウン→移動】

時刻は午後7時30分――カントー全域を覆い尽くす大嵐が絶望の始まりを予感させる。

「よう、レッド」

「こっちはとっくに準備完了だぜ」

そんな中、レイジは合流してきたレッドにこちらはすでに万全な状態であることを告げた。

「おまえも感じてんだろ?ヤツの殺気を……」

「とうとう来やがったんだ」

かの『黒き氷の羅刹』が発する悪意と殺気をその身でヒシヒシと感じとり、今までになく険しい表情でトキワシティのほうを見据えるレイジ。

「急ごうぜ、レッド」

「どうもイヤな予感がするんだよ」

『ヤツ』の居場所はレッドもすでに察していることだろう。
研ぎ澄まされた野性の直感が警鐘を鳴らす中、レイジはレッドを促すように急いでトキワシティに向かうのだった。

>>レッド



【ヴァドック/カントー地方/トキワの森→移動】

その頃、『戦慄の白き翼』による赤い氷の呪縛から解放されたトキワの森では……。

「まったく、イヤな天気だぜ……」

「たしか、あの日の前日も同じだったよな」

決戦の場へと赴く前に仲間たちの墓参りに来ていたヴァドックは安らかに眠る彼らの魂に語り掛けるように呟いた。

「ああ、分かってるさ……」

「人間もポケモンも関係ねえ、オレはもう二度とこのトキワであの惨劇を繰り返させねえ」

ヴァドックはまるで涙を流すかのように冷たい雨に打たれる仲間たちの墓を見やり、このトキワでこれ以上、悲劇を繰り返させないことを決意する。

「オレは必ず帰ってくる、おまえらの仇を討つまではな」

「あばよ」

その小さな手に握られていた赤いバンダナをスカーフのように首元に巻くとヴァドックは『黒き氷の羅刹』から新たな仲間たちを守り抜くべく、トキワシティに向かうのだった。

>>ALL



【トーガ/カントー地方/ハナダシティ→移動】

更にソニアとともにマサラ付近を離れたトーガのもとに視点を移す。

「今日は随分と天気がいい」

「誂え向きだ」

赤いレインコートに身を包みながら、雨が降り止まぬ不気味な空模様を見上げ、そう言い放つ。

「安心しろ、オレは“アイツ”ほどバカじゃない」

トーガは軽口を叩きながらも真剣な面持ちのソニアを一瞥するとそう言い返した。
純粋な戦闘バカである彼が未知の強敵と闘えることにワクワクしていないと言えばウソになるが、トーガとて状況を弁える程度の分別は持ち合わせているため、心配はいらないだろう。
ちなみに彼の言う“アイツ”というのがソニアの師匠であるフレアのことであるのは言うまでもない。

「……!どうした?」

ソニアに促され、彼女とともに舞空術でマサラ方面に向かう中、オーラの壁に阻まれて立ち止まるソニアに声を掛ける。

「ふん、足止めのつもりか」

「味な真似をしやがる」

どうやら自分たちはクロームの計略にハメられたらしく、薄橙色に輝きながら行く手を阻む『境界壁』に舌打ちをする。

「どけ、そいつはオレがぶち壊す」

『超サイヤ人ブルー』に変身したトーガは『境界壁』をぶち壊すべく、燃え盛る青炎のオーラとともに気を高めていく。
後の戦闘のために体力を温存するべく、負担の大きい『超サイヤ人ブルー』の使用は控えたいところだが、ここで手を拱いていてもヤツらの思うツボであると判断したのだろう。

「か」

「め」

「は」

「め」

「波ぁーーーっ!!!!」

超サイヤ人ブルーとなったトーガの『かめはめ波』が『境界壁』に向かって放たれる。
果たして、この次元に存在する物質ではないという『境界壁』を突破することはできるのだろうか……?

>>ソニア

26日前 No.418

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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24日前 No.419

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_4qc

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/トキワジム→移動】

「あぁ…お出ましのようだな」

 額から伝う汗を腕で拭いながら、目の前に向き合うグリーンにそう返す。
 2人は確かに感じ取ったのだ、マサラ近辺を覆う今までに無いドス黒い悪意の塊を。

「あの時と同じだ……俺がカントーに到着した時も、クチバシティで似た様な殺気を感じた」

 考えてみれば、クチバ港にて感じたモノも恐らくパールの存在が起因していたのだろう。
 恐らく偶然ではない。依然として彼女の目的は見えないが、あの場に居合わせていたリュウト、ウィンチェスター兄妹の誰かが狙われているとも考えた方が良さそうだ。

――――オーキド博士の研究所を訪れ、襲撃者の話を聞かされ数日が経った。

 各々、来るべき敵に備え力を付けていった。レッドやレイジにソラ達と言った面々も今は別々の場所で修行を行なっていた筈だ。
 リュウトも例外でなく、目の前にいるグリーンと日々修行を行い、短期間であるがその実力は見違える程に成長していた。
 とは言え、相手の力も未知数だ。打てる手はこちらでも打っておきたいところである。

「カメックス、お前はなるべく遠くに離れて行動して欲しい。 そうだな……トキワの高台なら見晴らしが良さそうだし丁度いいな」

リュウトは修行の為に繰り出していたポケモンの一匹に指示を与えると、カメックスはコクリと頷く。

「俺の護式にどれだけの効果範囲があるかわからないが、街1つや2つ分ぐらいなら意識の共有ぐらいなら出来る筈だ」

「そいつを使って遠くからの砲撃でパールを撃つ……こいつの固定砲台の威力なら怯ませるぐらいは出来る、と思う」

 見えない相手から不意打ちで砲撃を与えられれば、パールと言えど戸惑うことになるだろう。
 彼女がこの作戦を知らない前提での話である為、恐らくチャンスは一度きりだが、その一度で充分だ。
 彼女から一瞬でも隙を作る機会を持ち合わせる事が出来れば、それは大きなアドバンテージとなるのだ。

――――「 "そろそろ出ようか" 」

「そうだな……急ごう、何だか胸騒ぎがする」

準備は整った。険しい剣幕で学生服の上にジャケットを羽織り、彼の相棒達が収まったボールをベルトに装着すると、グリーンと共にジムを後にする。
彼らは今まさに、イエロー達の周りで巻き起こる混沌の渦中へと足を踏み入れて行く――――

>>グリーン


【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 その日、カロス地方の空は光と情熱に照らされた。
 世界の意思に反した『破界』の光、それに立ち向かう青年の『情熱』を持った拳。

――――「 "100 BILLION(ワンハンドレッド ビリオン)"」

――――「 "超新星爆撃(ガンマレイバースト)" ッッ!!!!」

「嗚呼、フレアお前は――――」

"お前という奴は……"そう言いかけたが、口には出さず、心にしまい込み、ふっと微笑む。

 そうだったな……こういう男がいたのだなと、思い知らされる。
 こちらが最善手を繰り出せど、更にそれを上回る一手を用意してくる。
 全身全霊で貪欲にも勝利を掴みとろうとするその姿勢を、ガイは酷く懐かしい様に思えた。だが、この至福の時も終わりが近付いているのだ――――

 重厚な鎧を纏った姿と化したフレア。
 その一点に力が溜め込まれた拳が、空間をも捻じ曲げながら、世界の全てが集約された『破界』の斬撃へと迫る。

 その2つがぶつかり合う時、ミアレ上空で轟音と共に大爆発が起こる。
 ビッグバンにも似た巨大な爆発の後、空にはあまりの衝撃により生じた土煙と、ガイの放った光の残り火のみが残っていた。

 その煙をガイは見下ろす。あの力のぶつかり合いならば、まさかフレアと言えども耐えられない筈だ……そう高を括っていた、だが。


「馬鹿なっ……!!」


 煙の中から現れた人影に目を見開く。
 その男は、尚も前進してくる。一直線上に向かってくるその拳は、障害を見事に跳ね除けガイの元へと着実に迫っていたのだった。

「くっ……!!アウロラ……!!」

 極光を再び盾状に展開するが、彼の『全身全霊』の力には為すすべもなくそれは崩れさり、フレアの右拳から炸裂されたアッパーによる一撃がガイの顎部を捉え、鈍い音と共にその身体を吹き飛ばす。


「全ての物には平等に終わりが訪れる……この戦いとて例外にあらず」



「――――私の負けだ、フレア」



 ドォン!と大きな音を立てて地上へと力無く落下するガイ。

 彼は『王』という立場に着き、今の今まで敗北らしい敗北をすることはなかった。
 戦争も、政治も、彼は見事な采配で勝利を収めてきた。だがこの男にならば……どんな結果で勝負を終えようが、それはガイにとっては喜ばしい戦いであった事には変わりのないことであった。

 巨大なクレーターを作った地面の真ん中で致命傷を受けながらも起き上がったガイは、先程まで死闘を繰り広げた友を見据える。

「……"オレ"もあの頃となんら変わっていなかったな」

 敗北したにも関わらず、その表情は穏やかで、充実感に満ちていた――――

>>フレア


【ガイ/古代カロス地方 王都アマデウス/カロス貴族院 円卓の間】

 円卓の間に招き入れられた次なる客人。
 イッシュから遠路はるばる姿を現したその二人は、ハルモニア王朝の使いそのものであった。

「此度は我がカロスへの遠征、痛み入る」

 あまりにも凹凸な2人の登場に、少し戸惑いつつも友好の証としてその手を差し出す。

 教皇を名乗ったブラフマンという男は、特に何の変哲もないヒトなのであろう。
 だが、その側近として傍についているアザ―ゼルという導師・・・自身の何倍もあるであろうその巨体は、あまりにも異質なものであった。

――――「やっぱさ、最近王都に現れたっていう "怪物" の件についてかな? 王様」

「ご明察。今回の議題は、その外界から現れた"怪物"の駆除、及び調査についてだ」

 王都アマデウスで多数その存在が観測されている"怪物"と呼ばれるその存在。
 ポケモンとも違ったその生態は正に異界の代物であることに間違いはなかった。
 自身も元は異界の民であるが故、その様な未知の生物の存在がある事は重々考えられた。そこで、その異界にも干渉することのできるハルモニア王朝の使いである彼らに白羽の矢が立ったのだ。

――――「ガ、ガイ。アイツらって、あのイッシュの胡散臭い宗教家共でしょ? 私なんか嫌いなんだけどアイツら……」

「妙な真似を見せればそれまでということだ。安心しろ、事を荒立てないように善処する」

 貴族院の周囲や内部を取り囲む兵士たちの数々、古代カロスにおける強者たちが選りすぐられた『騎士団』による強固な警備態勢が敷かれている。
 彼らがガイやリナリア達に危害を加える様な行動を起こせば、その喉元に剣先がつきつけられるといった状況で下手には動けないはずだ。

 ガイは件の怪物の映された写真をブラフマンに渡す。

「これがその怪物だ。改めて・・・・・・貴殿らの持つ知識と力を、我々に貸しては頂けないだろうか」

 写真にはその異形の赤い姿が、王都内にて破壊の限りを尽くす様子が映し出されていた。この存在について、彼らは何を知るのか――――

>>円卓の間一同

24日前 No.420

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/トキワシティ】

『黒き氷の羅刹』の手により、このトキワにて繰り返される第二の惨劇。
ウィンチェスター兄妹の抵抗も空しく、羅刹の放つ冷気の前に次々と沈んでいく仲間たち。
次なる獲物としてDr.ヒメに羅刹の牙が向けられる中――

絶望を引き裂くかのごとく何処からともなく放たれた『エレキボール』がパールの背中を狙い撃つ。

「よう、また会ったな」

攻撃が飛んできた先には怒りのオーラを身に纏った黄金のピカチュウ――『超ピカチュウ』となったヴァドックが佇んでいた。

「これ以上、このトキワで勝手な真似は許さねえ……!」

「てめえはオレが倒す!!」

両者の間に躍り出たヴァドックはみんなを守るようにその小さな身体でパールの前に立ち塞がり、その拳に雷を纏わせると構えをとるのだった。

>>パール



【レイジ/カントー地方/マサラタウン→移動】

先を急ごうとする二人の前に怪しいカメールが現れる。

「パーティ、か……」

「悪いな、“先約”が入ってんだよ」

レイジは彼の誘いを当然のごとく断るとその拳を握り――

「……てめえらの親玉との大事なパーティの約束がな!」

そのまま、カメールの顔面に向かって『マッハパンチ』を繰り出した。

「おまえ、あのパールの仲間だろ?」

「生憎、オレは鼻が利くんでな」

「てめえの身体からあの女のニオイがプンプンするんだよ」

レイジの中に渦巻く怒りの感情に呼応するかのように体内の潜在エネルギーである『波導』が高まりを見せる。

「とっとと消えな」

彼の口から殺気――否、明確な殺意を込めた一言が発せられる。

 “オレたちの邪魔をするな”

それは縄張りを荒らされた野生のポケモンが相手を威嚇するかの如く、これ以上の邪魔をすれば命の保証はないというカメール“たち”に対する『警告』であった。

>>レッド、カメール



【トーガ/カントー地方/マサラタウンの境界付近】

「……なにっ!?」

全力の一撃だったにも関わらず、何事もなかったかのように聳え立つ『境界壁』にトーガは驚きの声を上げる。

「超サイヤ人ブルーとなったこのオレのかめはめ波でも傷ひとつ付かないだと……」

「どうやら、ただの“壁”ではないらしいな」

こちらの攻撃がまるで最初から存在しなかったように掻き消された様子を見やり、この『境界壁』が単なるバリアのようなものではないと判断する。

「フレアか」

ソニアが『壁』の説明しようとする中、彼女の師匠であり、この世界における最高の強敵(とも)である男・フレアが姿を現した。
彼が言うには単独の力では自分でも『壁』を破壊することは出来ないらしく、これを突破するには自分たちが『合体』するしかないという。

「合体……」

フレアの口から発せられた突拍子もない言葉に驚くソニア。
当然だろう、スーパーロボットならともかく人間同士(?)の合体など聞いたことがない。
しかし、当事者であるトーガには心当たりがあった。

「……“フュージョン”のことだな?」

『フュージョン』とはトーガの故郷であるドラゴンボールの世界に住むメタモル星人に伝わる術であり、お互いが特殊なポーズをとることで実力や体格の近い相手と融合することができる技だ。
他にも更に強力な合体ができる『ポタラ』というアイテムも存在するが、それは彼らの世界において創造を司る“界王神”の道具であり、この世界には存在しないため、こちらが候補に挙がった。

>>ソニア、フレア

24日前 No.421

ツバサ @th0md ★rdPQ363qXE_yoD

【ゼロ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

「勝負あり…のようだな」

「そのようですね。しかし、ガイさんを倒すあの方は…」

「って!戦いに見とれてた場合じゃねえ!いそいでガイの手当てだ!行くぞリオ!」

(うむ!)

「俺達も行くか、おい、ケンタ!ポケモンのきずぐすりって人間にも効くか!?」

「効くわきゃねえだろ!?おい、ガイ!無事か!?」

「ミライ、僕達も行こう。立てるかい?」

全員がガイの元へと急ぐためにユウはミライに手を差し伸べた。


>>ガイ、ミライ


【同時刻 ホロンにある異空間にて】



≪彼女の様子は?≫

―眠っているようだ―

≪しかし、氷結。これはあまりにも≫

―惨いとでも?―

≪ああ≫

―いいじゃあないか、僕は彼のもがき苦しむ姿が見たいんだ―

≪そんなことでは『足元』を狙われるぞ?≫

―問題ないさ。それはそうと、彼ら二人はいつまでここに置くつもりだい?―

≪それは監視者様に言え、お前こそこいつらが抜け出される恐れは考えたことはないのか?≫

―問題ないね。私の永久凍土の結界は『凶悪な力を持った奴程度じゃあ抜け出せない』さ―

≪慢心此処に極まれり…か。まぁ、いい。ではな…奴らは恐らく明日に来るだろう≫

―明日か。意外に早いな―

≪ああ、では、こちらも備えよう。ではな…≫

24日前 No.422

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

 身を刺す筈の氷雨の粒が、しかし奇妙な程に生温く。凍り付いた体内、急速に奪われゆく体温――――重い瞼は閉じかけ、今にも兄妹の「生命」の火は、灰燼を残すがままに消えようと――――

「…………ッ、……い、イエロー、?」

 パートナーと共に地へと伏せ、風前の灯であったエマが目を見開く。微睡みの中で手をこまねいていた死の気配は今はなく、代わり、自身の凍結を癒やすかのような光輝が包み。しかし、その波動の持ち主は対照的に「生命」を蝕まれ、ふらりとエマの胸の中へと倒れ込む。

「エマ! イエローは……!?」

「危険な状態よ……! 私達がくる以前にも、きっとこの子は!」

 酷使に次ぐ酷使、意図的にイエローを「消耗」させ、手を下さずとも彼女を絶望の淵へと追い詰める羅刹の狂気。ぜぇ、ぜぇ、と掠れた息を吐き、しかし少女の眼は、未だ光を失う事なく。

「エマ、。ヒメせんせ、も、げほッ。なおさ、ないと」

「わた、しも。みんな、まもら……なく、ちゃ」

 嗚呼。拭えぬ絶望の調、逃れられぬ悪意。イエローを抱き締め項垂れるエマ、そしてヒメを守るかのように、未だ震える脚で羅刹を牽制するルカ。再びフリージオを繰り出したパールが、凍り付いた地を踏み締める。

「健気でいい娘ですねぇ。自己犠牲精神と博愛。きっと人一倍争い事が憎いのでしょうね、彼女は」

「そういう弱者を無理矢理戦場に引き摺り込むとね。いやぁ……素敵な表情を見せてくれるのですよ、これが」

 きゅおッ、とフリージオへと集束される膨大な冷気。脳裏に危険が過るよりも速く――――しかし、間一髪でヒメを突き飛ばし、自身も弾道の直線上から逃れるルカ。



「 "ふぶき" 」



 瞬間。
 技の弾道上に在った景色が、「なくなった」。木々、イエローの自宅、或いは舗装された路。遅れて我々の鼓膜を劈いたのは、圧倒的な速度で駆け抜ける風の轟音。

 これは――――これはもはや、『ふぶき』という技の持つ特性ではない。ただひたすらに圧倒的なまでの威力による、「風の圧力砲」だ! もし、あれを喰らえば。まともに喰らっていたならば。自身もザングースも挽肉(ミンチ)のように原型を留めずに吹き飛び、悪夢の如き凍結効果も相まって、欠片もこの世に残らなかったであろう。加えて、奴が、パールが自身へと初めて「まともに」相対したのが――――このタイミングで、という点だ。究極護式さえも解禁し、エマとのタッグも揃っていた。全力であった。間違いなく。しかし、この女は、今まで「戦って」すらいなかったのだ! あしらわれ、ついでの如く命を奪われかけ、そしてこの二撃目をかろうじて避けていなければ――――。

 目を見開き、顔面を蒼白にし、改めて――――羅刹の戦力に慄き、がくりと膝を着くルカ。

「しかしねぇ。ヒトもポケモンも家屋も、ちと脆すぎやしませんかね」

「少し撫でてやっただけでこれですよ。いい加減、私も待ちくたびれたというものです」

 とどめのような女の台詞に、遂に、その心を折られたルカ。滲む脂汗、がちがちと鳴る歯、意思とは関係なく――――痙攣を繰り返し笑う膝。

「(無理だ。勝てねえ――――殺される)」

 まるで興味をなくしたかのように彼を通り過ぎ、イエローを抱くエマへと向くパール。その傍らで、がちゃりと向けられた銃口。

「やめろ……!! その子達に近寄るなッ!」

「まーたそれですか。私の勝手です、嫌なら止めてみればよろしい」

 歯を食い縛り、再び拳銃の引き金を引くヒメ。しかし、瞬間。どしゅッ、と背後の地面から飛び出した氷の杭に背を穿たれ、口から鮮血を溢れさせてうつ伏せに倒れ込む。闇を湛えた空模様、雷鳴、そして横殴りの風雨。からん、と地に落ちた拳銃――――それを手にしたモモカが、再び羅刹と対峙する。

「手が震えていますよ?」

 フリージオを従え、一歩、また一歩とエマとイエローへ歩み寄る。しかし、二人の前にて立ち塞がる。震える脚、恐怖にがちがちと鳴る歯。日常を謳歌していた一介の少女には、あまりにも酷な場面であった。腕をもがれ、両脚を砕かれ、それでも、それでも尚。

「……私だって……私だって皆を守る……! ……お前の、好きにはさせない…!」

 ぐったりと横たわったパートナーのふわもこ。そして、傷付き倒れた先輩や教師。首筋に噛み付けずとも、自身が――――「彼ら」の到着までの時間を稼がなければ!

「殊勝ですねぇ。で、撃たないのですか」

 にまぁ、と口角を上げ、モモカを弄ぶように見据えるパール。動悸は早まり、自身の手に収まった非日常が、尚更に少女を遠い場所へと駆り立てる。引き金を、引き金を引かなくちゃ。皆を、私が、守らないと――――

「――――退きなさい」

 ずば、ざしゅ、と鋭い音が雨の帳にて響き渡る。血の滴るフリージオの結晶、ストッキングを裂き――――血に塗れたモモカの両脚。草地を赤色で染め、感覚のなくなった脚では立つこともままならず、悲痛な叫びと共に地へ沈む。しかし、這いずり……モモカの掌が、羅刹の足首を掴む。

「行かせない。……行かせない……!」

「いよいよ虫ケラのようですねぇ。退きなさい、と言ったのです」

 ごッ、とモモカの頬を蹴り飛ばすパール。しかしその掌は、未だ強く彼女の足首を掴んだまま。白衣の背と、セーターの前面を真っ赤に染め――――震える脚でヒメが起き上がる。

「……殺るんなら、アタシからにしろ」

「私の教え子に……それ以上手を出すな……!」

 満身創痍にも関わらず、その眼光は獣の如く。皆は、待っている。強き「アイツら」の到着を。それまでに、この場はなんとしてでも守らねば。マサラの未来達を、自身の教え子達を――――!

「そんなに死にたいのですか。まぁ、いいでしょう」

 凍て付くような眼で言い放つや否や、指先をヒメへと向けるパール。それでも尚、教師は退かず、しかし――――凍結を有した光線が彼女を貫く



 よりも、速く。



 ―――― "よう、また会ったな"



 一迅の暖かな風。
 そして、莫大な光を以って迸った『エレキボール』!!



 "これ以上、このトキワで勝手な真似は許さねえ……! "

 "てめえはオレが倒す!! "



「…………ヴァドック……!!」

「――――へぇ」

 ばちばちと帯電する、フリージオの結晶の盾。彼の姿に安堵したのか、がくりと膝を着くヒメ。風雨に晒された赤きスカーフが、安心しろとばかりに激しく靡く。最中、羅刹の三日月の笑みが、裂けそうな程に吊り上がり――――

「いやはや、伝聞で聞いていた "サイヤ人" とやらを彷彿とさせますねぇ」

「彼らは怒りにて覚醒へと至るらしいですが、貴方はさしずめアレですか。トキワの森の襲撃事件」

「いやぁ、残念でしたねぇ。尤も、弱者が一方的に蹂躙されるのは自然の摂理ではありますが……ふふ」

 ヴァドックを挑発しつつも、舐めるように彼を、「力量」を視る羅刹。楽しめる――――そう言わんばかりに舌なめずりをする彼女であるが、目の前の彼の横に立つ存在を目にし、眉間に皺を寄せる。

「挑発に乗ってはいけませんよ、ヴァドック」

「今は――――冷静に対処するのです」

 羅刹とは対照的なカラーリング、幻想的な白き装い。奴のアナザーたるアコヤが――――遂に到着したのだ!

「遅いのよ、この馬鹿……ッ」

「……申し訳ないです、ヒメ。そして皆」

 自身のホルダーに収まったボールへと目を落とすアコヤ。先程、手元から離していたそれを謎のフシギソウに「細工」され、開閉スイッチを破壊されるというハプニングが起こったのが遅刻の理由であるが――――否。パートナーは此処に居る。

「今、とある事情でポケモンを使えないのですが――――」

「ヴァドック、貴方とならば」

 嗚呼――――グリーンに続く、最強のタッグが此処に結成を迎えた。ヒトとポケモンの『キズナ』により、その戦闘力は幾重にも累乗され、限界を超えてゆく。ふわりとヴァドックを、その金色のオーラを包むようにして纏う蒼きアコヤのオーラ。スパークする雷撃と、鋭く透き通る冷気の共演である。

「そいつは私のアナザーとやらですかね。気に入りませんね、2Pカラーの分際で」

「いいでしょう、ニセモノに超(スーパー)ピカチュウ」

「纏めて――――喰らって差し上げます」

 ずおッ、と羅刹とフリージオを包む黒く禍々しきオーラの奔流。ヴァドックへと頷き、彼の風上にて両掌を構えるアコヤ。



「 "定位置(ポジション)に就きなさい" 」

「――――ヴァドック!」



【VS黒き氷の羅刹 マサラタウン防衛戦】

【act3】

 "『ソリッドステート・ボルテッカー "コールドプレイ" 』"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=IacaiXa_nIE)



【レッド/カントー地方 トキワシティ/グリーン、リュウトとの合流地点】

「――――ぷぎゃッ!!?」

 ごすッ、と鈍い音を立て、鼻血の軌跡を描き吹き飛ぶカメール。次いでレイジから放たれし、濃密且つ直線的な「殺気」を受け、ぞわりと背から冷たいものが這い上がるも――――

「ふ、ふん……! それでもオマエ達を行かせる訳にはいかないねッ!」

 顔面を拭い、よろよろと立ち上がり、そして宣言。今の彼らに立ち塞がるという意味を理解しているのか。しかし彼とて、レイジの言う「親玉」から命ぜられた使命があるのだ。

「オマエら、これを見なッ!」

 カメールの差す方向から現れたのは、彼の仲間であるフシギソウとリザード。しかし、フシギソウの蔦に巻かれ、その身を縛られている者は――――

「み、皆……ゴメン。ちょっとヘマしちゃってさ……」

 ぎり、と全身を締められ、申し訳なさそうに表情を歪ませるブルー。人質として彼女を盾にした三匹が嗤う最中、駆け付けたリュウトとグリーンが立ち止まる。

「あははははっ! 確かにオマエらには勝てないかもしれないけどさ、どうだ!」

「少しでも此処を動けば――――」

「お友達の首をへし折るって寸法さ」

 羅刹が彼らを使い、妨害を行う理由は判っている。力なきものを襲うべく、時間を稼ぎ――――戦況を絶望的なものへと変え、そして煽り、マサラの未来たる彼らの「怒り」を引き出す為。俯き、ポケットに手を突っ込むグリーン。翳りに隠されてはいるものの、その額には無数の血管が浮かび。

「聞こえなかったかな」

 ざッ、とレッドが一歩前に出るが、その表情を目の当たりにし、思わず竦み上がる三匹。

「退けって言ってんだよ」

 少年の肩から炎が立ち昇り、豪雨が地に着く以前に蒸発する程の熱量。フシギソウが更に蔦を締め上げると、苦悶の表情でブルーが呻く。

「うるさいッ! 僕達は本気だぞ!」

「オマエら、一歩でも動いてみろ! コイツ、死ぬからな!」

 嗚呼――――決戦を控え、あまりにも無粋。あまりにも姑息、あまりにも冒涜。

 許すまじ、眼前の三匹。
 許すまじ、黒き氷の羅刹!

>>レイジ、リュウト

22日前 No.423

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【フレア/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前 → 移動】

 僅かな時の中での遣り取りではあったが、達人二人。その濃密さは、もはや言葉では語れぬ程に。



 "全ての物には平等に終わりが訪れる……この戦いとて例外にあらず"



 "――――私の負けだ、フレア"



 俺は勝者――――なのか?

 いいや。
 間一髪、紙一重だった。
 少しでもアレが遅れていれば、少しでも気を緩めていれば。地に伏せていたのは俺だった。片膝を着き、すっかりとボロボロになった装いで、友の手を取るフレア。

「…………リュウト」

「お前に勝てた事、誇りに思う」

 千度の交戦よりも、遥かに価値のある勝利。かろうじてこの男から手に出来たのだ。古代を生き抜き、群雄割拠のカロスを纏め上げ、そして頂点へと君臨したこの男から。薄く笑うと、緩慢な動作で立ち上がるフレア。

「俺達にも、まだまだやるべき事がありそうだ」

「全てが解決した後――――もう一回やろうぜ」

「 "俺はまだまだ強くなる" 。だろ?」

 稚児の遊びが如く、存在する限り、男達は何度でも拳を交える。それは憎しみからか? 否――――

 嵐のように現れた男は、人が集まるよりも以前に、やはり嵐のように去っていった。
 ……ハヤトに押し付けたままの衣服は忘れていったまま。

>>ガイ




 さて。
 そんなやんちゃな彼が、今、何をしているのかといえば……。



【フレア/カントー地方 マサラタウン/マサラタウン境界付近】

「フュージョン……」

「はッ!」

 何とも文章にし難い奇妙な一連の動作を行い、翼を広げるスワンナの如きポーズで固まる彼。トーガの語る『フュージョン』とは一切合切関連性のない動きではあるが……。

「あれ、違ったか?」

「あ、あの。トーガさん、もしかして師匠の頭殴りまくったりしました?」

 げんなりした様子でトーガに目をやるソニア。いやいや、コイツはそもそもがこういう男、グーで殴られる以前からパーである。そんな責任を回されてもトーガからすればたまったものではなかろうに。

「あのさぁ! ふざないで師匠! こうしてる間にもクロームが何を仕掛けてくるのか判らないのに!」

「いでででで! いや、個人の力じゃ "別次元" に穴ァ空けんのは無理なのはマジだって!」

 ソニアを耳を引っ張られ、慌てて弁明するフレア。確かに最善が二人の力を合わせる事ならば、実践するに越した事はないが……。

「その通りだ。フュージョン……俺も "そっち" の世界で経験したけど、すっかり触りを忘れちまってな」

「ああ、もう」

「それともソニア、お前が俺と合体するか?」

 無表情で弟子を向いたまま、さらりと言い放つフレア。何を思ったのか、ぼッと顔を赤くし、自身の師匠の股間を蹴り上げる。

「トーガさん、お願いしますね」

 悶える師匠を放り出し、後ろを向くソニア。いや、別に如何わしい事をする訳でなし、目を逸らす事もないのだが。

>>トーガ




【ブラフマン/古代カロス地方 王都アマデウス/カロス貴族院 円卓の間】

 王の差し出す、議題の悩ましき当事者たる赤き異形の写し。それを受け取ったブラフマンが、陶磁のような顔に笑みを貼り付ける。

「我々は彼を、膨張(イクスパンション)という便宜的な名で呼んでいるが――――」

「間違いなく、このカロスに現れるような存在ではないね」

 膨張。
 その筋骨隆々な肉体に見合わぬ、口吻を携えた異形の姿。「既存」とは掛け離れた襲撃者に対し、レンブラントが写しを指差す。

「 "箱" には収まらぬが故、我々の識るポケモンではないと」

「どうかな。彼らもポケモンという括りなのかもしれないよ。少しばかり特殊なだけで、ね」

 曖昧な物言いで濁し、写しを王へと返す「教皇」。その様子から何かを悟ったのか、彼を睨むリナリア。この男は――――カロスを襲う怪物の一件に絡んでいる。確証はないものの、本能がそう警鐘を鳴らしているのだ。しかし公の場、此処でそれを問いただすのは不可能である。気味の悪さを含んだまま――――しかし円卓にて時は流れゆく。古代に生きる者達は、「現代」の彼らを識る由もなく。

>>ガイ

22日前 No.424

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/トキワシティ】

おぞましい笑みを浮かべながらこちらを挑発するパール。
そんな彼女がこちらの横に並び立つ存在を見やり、顔をしかめた。

 “挑発に乗ってはいけませんよ、ヴァドック”

 “今は――――冷静に対処するのです”

相対する絶望の元凶たる『黒き氷の羅刹』と酷似した容姿ながらソレとは正反対の白き姿――ヤツの『アナザー』であるアコヤがこの場に到着したのだ。

「へっ……!」

「安心しろ、あんな安い挑発に乗るオレじゃねえ」

彼女の言葉に対し、そう言い返しながらも目の前の敵から決して目を離さず、その鋭い眼でパールを睨み続ける。

「悪いが、てめえの餌になるつもりはねえな」

「オレにはやらなきゃいけねえことがまだまだ残ってんだよ!」

ドス黒いオーラをまとうパールとフリージオに対し、ヴァドックが吠えるとアコヤの力により、こちらも『超ピカチュウ2』に姿を変える。
前回の『2』とは少し異なり、稲妻のような火花を散らす黄金のオーラに加え、それを包み込むかのようにアコヤの蒼いオーラが輝いていた。

「まさかこのオレが“こおり”の力を使うことになるとはな」

「アコヤ!てめえの力、貸してもらうぜ!!」

『宿敵』と同じこおりタイプの力を纏った自分に対し、ヴァドックは皮肉めいた笑みを浮かべると彼女の指示によって定位置(ポジション)に就く。

「いくぜ、パール」

「覚悟しやがれっ!!」

蒼い光を帯びた『かみなりパンチ』を構えるとアコヤの指示とともにパールに攻撃を仕掛けた。

>>パール



【レイジ/カントー地方/マサラタウン 移動】

目の前に立ち塞がる三匹のポケモンたちにブルーを人質に取られて身動きを取れない一同。

「そうかよ……」

こちらの『警告』にも退かず、卑劣な手段で時間を稼ごうとするポケモンたちに対し、怒りに震える拳を握りながら、そう一言だけ呟く。
レイジは一呼吸した後、レッドとグリーン、そしてリュウトにアイコンタクトを送るとその金色の瞳で真っ直ぐとポケモンたちを見据えながら口を開いた。

「……おまえらの覚悟はよく分かった」

「だがよ、オレたちにもおまえらと同じように譲れないモノがあるんだ」

「だからこそ、その覚悟にオレは全力で応える」

その瞬間、ポケモンたちを見据えていた金色の眼がギラリと輝く。
彼らにも譲れないモノがあるのはレイジにも分かっていた。
しかし、それはこちらも同じことである。

故にレイジは選んだのだ。

彼らの覚悟に全力で応えることを――

「界王拳……!!」

技の名前を叫ぶとともにレイジの全身に赤いオーラが滾り、人智を超えた凄まじいスピードによってその場から姿を消した。
上空から降り注ぐ雨粒さえ空中で静止する中、人間の――否、ポケモンの反応速度すら優に超えたスピードでブルーの全身を縛り上げていたツタを手刀で斬り裂いてしまう。
人質に取られたブルーを救うためにレイジが導き出した答えとは彼らの反応できない速度で彼女を助け出すことであった。

「――だりゃあっ!!」

そして、続け様に放たれる手加減なしの一撃が三匹のポケモンたちを吹き飛ばす。
ブルーの安全を確保するのはポケモンたちが彼女から引き離された今しかないだろう。

>>レッド、リュウト



【トーガ/カントー地方/マサラタウン 境界付近】

「知るか」

間違ったポーズを披露するフレアにソニアが冷たい視線を送り、こちらも濡れ衣を着せられそうになる中、それを上記の一言で切り捨てる。
そもそも幾多の戦闘を経験してきた彼にとって頭を殴られることなど、今更な話だと思うのだが、幸か不幸かこの場にそれを突っ込むものはいなかった。

「……いいだろう」

「気に食わん方法だがな」

トーガはなぜか後ろを向いているソニアに疑問符を浮かべつつ、あくまで気に食わない方法だと付け加えた上で彼女の頼みを聞き入れた。
誰にも頼らずに自分の力だけで強くなりたいと考えるトーガにとって誰かの力を借りる『合体』は戦士のプライドが許さないのだろう。
しかし、この状況を打開する方法はフュージョンしかないため、フレアとの合体を受け入れる以外に選択の余地はなかった。

「オレが本当のフュージョンを見せてやる」

「よく目に焼き付けておけ」

トーガはポーズを忘れてしまったフレアのためにお手本として正しいフュージョンのポーズを披露し始める。

「まずある程度の距離を置いて立つ……」

「そして、こうだ!腕の角度に気をつけろ」

「フュー……」 チョコチョコチョコ……

「腕を反対にしながらふたりが近づく」

「この時、動かす足は3歩分だ」

「ジョン!」 ばっ!

「手はグーに変える!やはり足の角度に気をつけろ」

「はっ!!!」

「こうしてふたりの指を合わせる」

「またまた足の角度に気をつけろ、特に外の足をピーーーンと伸ばすのを忘れるな!」

「……以上だ、これをオレと左右対称にやってみろ」

それにしても、このサイヤ人ノリノリである。
普段のトーガからは考えられないヘンテコなポーズをいつもと変わらない真顔でこちらに見せつけてくるシュールな構図が何とも言えない空気を醸し出す。
しかし、彼は至って真面目であり、真剣なのだ。

「よし、手本は見せてやった」

「この壁をぶち壊したらすぐにフュージョンを解除するからな」

「……いくぞ!」

この『境界壁』を破るためにフュージョンに応じたトーガだったが、あくまでクロームとは単独の力で闘うことを宣言し、フレアから距離をとるとフュージョンの準備に入った。

「フューーー………ジョン!!」

「はっ!!!!」

今まさに世界の垣根を超えた最強(サイヤ人)×最強(ベルセルク)による超次元のフュージョンが行われる。
溶け合えば奇跡のパワー!闘いの歴史を変える誰もまだ信じない凄い戦士が姿を現すことだろう。

限りのない
そのパワーに
神々も驚くだろう

復活のフュージョン!!トーガとフレア

>>フレア

21日前 No.425

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_4qc

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/レッド、レイジとの合流点】

 『黒き氷の羅刹』の元へと向かうべく、先ずはレッドとレイジの合流を果たした。
 そんな彼らの前にはパールの差金であろう3匹のポケモン達がその行く手を阻んでいた。

「どこでまでも下種なッ・・・!!」

 学友たるブルーを人質に取るフシギソウ。
 レッド達と同様に、その卑劣なやり方に怒りを覚えたリュウトはその震える拳を握りしめ3匹を睨みつける。
 彼らは一刻も早くパールの元へと急げねばならぬのだ、こんなところで足止めを食らう道理など無い――――

「(レイジ・・・!)」

 レイジから送られたアイコンタクトで彼の動きを察する。
 3匹に気付かれぬ様うん、と頷くと、レイジはその力を遺憾なく発揮する。

「すまない・・・レイジ!恩に着る!!」

 一瞬だった。
 その一瞬で、レイジが放った『界王拳』によってこの場にいる全ての反応速度を凌駕した一撃を加え、ブルーの捕えられたフシギソウの蔦を切り裂く。

「ッ・・・・!!ファイアロー!!頼む!!」

 彼が作ってくれたチャンスを無駄にはしない。
 即座にベルトに備えられたボールに手を掛けるリュウト。
 繰り出された彼のファイアローは、衝撃で宙に放り出されたブルーを掬う様に拾い上げ空を裂き、旋回するかのようにリュウト達の元へと戻ってくる。

 すっかりと倒れ伏した3匹をキッと睨みつけると、パールによる『殺気』の感じられる方向へと視線を移す。
 その視線は3匹へと向かれないまま、再度『警告』を促す。

「お前たちが何を企んでるのかは知らない」

「だけども・・・これ以上俺たちの邪魔をするのなら・・・・」



「"その時は、容赦なく叩き潰す"」



 冗談でもなんでもない。
 普段のリュウトからは想像も出来ないドスの利いた声色でその言葉が発せられる――――


>>レイジ、レッド、グリーン



【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

――――「…………リュウト」

――――「お前に勝てた事、誇りに思う」

 戦友同士のギリギリの激闘、紙一重の攻防。
 その果てに彼らが得た物は、言葉では測り知れない程であった。

「フレア・・・いや、この場ではレッドと言った方が良いか。私もお前と一戦交える事ができたこの時間は、とても有意義であったよ」

 微笑みながら、差し出された手を取り立ち上がるガイ。

「どうやらお前の身の回りにも何か厄介ごとが起こってるみたいだな」

「・・・・私にも成すべき事がまだ山ほどある。彼らと共に友(サトシ)へと言葉を届けなければならない」

―――「 "俺はまだまだ強くなる" 。だろ?」

「ふんっ・・・・その通りだ。だが、これだけは忘れるな。次こそは私がお前を上回る」

 今日の彼らの『全力』は、明日の彼らの『全力』とは違う。
 日々の戦いこそが鍛錬そのものである2人は、1秒1秒ごとに進化していく・・・!それがどのように修羅の道であっても!

 男達の熱き誓いと共にその場から姿を消し去ったフレア。
 広場に残った戦いの痕跡と、ハヤトに預けられた衣装だけを残して―――

「ぐっ・・・ゼロ、ケンタ・・・このような無様な姿を見せてすまないな・・・」

 傷だらけの身体を必至に自身の膝だけで支え、手当を行う彼らの元へと向き合う。
 執行者と好敵手との連戦は、流石のガイと言えど身体に堪える物であった。





「しっかしなぁ・・・・」

 預けられた衣装をそのままに去っていたフレアに対して、譲り受けたハットを更に目深に被りながらハヤトはぼやく。

「あのガイの旦那を負けに追いやるあの男は一体何だったんだ・・・」

「だがまぁ・・・・次にあいつと会う時は、この服装に似合うような男になっていたいモンだな」

 フレア達と自身に生じるあまりにも果てしない実力差を悟ったハヤトは、あまりにも自分がちっぽけな存在であったと気づかさられる。
 だからこそ、ゼロ達のような信じた仲間と戦う。任務など二の次に、この先どれほどの困難が待ち受けようと、彼らと共に戦うことを決意したのだ―――


―――「ミライ、僕達も行こう。立てるかい?」

「ん…もう・・・平気。ありがとう、ユウ」

 ミライの元へと蘇った記憶の一部、そのあまりにも大きな情報量に衰弱しきっていた彼女だが、先程よりは回復した様子であった。
 ユウの手を取りながら立ち上がり、彼女達もガイの元へと向かう。

 彼女の記憶へと流れ込んできたあの情景が正しければ、ガイの放った輝きは『ミライ』という存在を決定づける程の何かが隠されているのかもしれないが・・・それはまた後の機会に"語られる"こととなる―――

>>タワー場一同


【ガイ/古代カロス地方 王都アマデウス/カロス貴族院 円卓の間】

――――「我々は彼を、膨張(イクスパンション)という便宜的な名で呼んでいるが――――」

――――「間違いなく、このカロスに現れるような存在ではないね」

 膨張・・・あまりにも的確な表現でその映し出されたその異質な生物について淡々とブラフマンは説明を行う。

「我々が認識し得るだけで、この生物が私たちが共存すべきであるポケモンという可能性もある・・・と」

 新種のポケモンが発見されるということは何も珍しい事ではない。
 世界各地に存在する地方ではまだ見ぬポケモンがあるとき突然姿を現すということはよくある話だ。
 ・・・だが、彼にとって不可解であったのは、怪物が現れる背景には必ず"空間の裂け目"の様な物が生み出されていることであった。

 そんな教皇の言い方に何かを察したリナリアは彼のことを睨みつける。
 彼女の言わんとする事をガイは理解したが、今この場で深追いすることは出来ない・・・・彼もなるべく遠回しな表現でブラフマンへと言葉を返す。

「貴重な情報を頂き、感謝する。・・・しかし、一国の王として、カロスの均衡を崩しかねない外来種は許容出来るものでは無いというのは事実だ」

「心苦しいが・・・この生物がポケモンであったとしても、その対策は講じなければならない」

 未知なる生物の襲来によって王都が受けた被害は計り知れない。
 むしろ、このまま放っておけば、恐らく事態は悪化の一方を辿るのみだろう。


「ふむ・・・欠席者も数いるが止むを得まい・・・。改めて・・・これより、王都に現れた"怪物"への対策についての議会を行う」


 国の存続をも賭けた"怪物"を巡った議会は、ガイの一言によって開始された―――

>>ブラフマン

21日前 No.426

ツバサ @th0md ★rdPQ363qXE_yoD

【ゼロ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

「気にするな。お前の戦いは見ていて参考になる…。ケンタ!包帯は!?」

「今うちの団員に持ってきてもらった。リオ、波導で傷の治療よろしく」

(うむ)

「俺達は包帯で怪我したところを巻こう。ゼロ、そっちよろしく」

「ああ、これを…こう…。あれ?おかしいな。うまく巻けねぇ」

「なんで巻くだけで苦労するんだよ…これはこうすりゃいいのに」

「いや、真似してみてるけどさ…。ここを…うわ、血で…ここを深めに巻けば…」

「あ、ちょ、強すぎだから…違う!今度は緩みすぎだから!」

「はぁ…本当不器用だよね…ゼロは」

「う…ユウにミライか…。不器用なのは仕方ないだろう…」

「それにしても見るからに対照的だね。ケンタはきれいに巻けて、ゼロは…なんかボコボコっと変形した腕を巻いたような…」

「うるせぇ!」

「そういえば、ガイさん。先ほどの方はどなただったんでしょうか?あの様子では敵ではないようですが」

「確かに…ツカサさんが言うように敵という感じじゃなかったね」

「昔の知り合いとかそういう感じなのか?」

ゼロはガイに、彼が知り合いかどうか聞いてみた


>>ガイ、ミライ

16日前 No.427

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

 花になる。
 土に捨て置かれた種が。
 翼を得る。
 孤児(みなしご)の雛鳥が。
 純粋なる昇華――――「併さる」という言葉の持つ意味合いとは、単純な理屈では計り知れない。あの美しき花弁の理由とは。あの何処へでも往ける翼の理由とは。

 真に優れた「二つ」は、理屈すらをも凌駕し。本能的に「最適解」を弾き出したのだ。

「補い合う――――というよりは、強力な個と個の累乗」

「喩えるならば優れた騎手に優れた馬。いやはや、屠り甲斐のありそうで」

 スパークする金色の稲妻と、それに寄り添う冷気のオーラ。ぼッ、とヴァドックの姿が掻き消えるものの――――『護式』によってそれに追従するアコヤ。獣を思わせる体勢の低さに、爪を剥き出すかの如き両掌。羅刹が、パールが、ヴァドックへと仕掛ける。

「究極護式(アルティメットスキル)」

「極点死凍(コキュートス・ゼロ) "ラグタイム" 」

 ぱきり、と乾いた音。
 周囲の「時」すらも凍結させ、その干渉は概念にまで及ぶという羅刹の奥義。黒くノイズがかったアコヤの視界――――しかし、風上より流れゆく彼女の「指示(サポート)」は、その干渉すらをもすり抜ける。

「極点凍結(アブソリュート・ゼロ)」

「―――― "解凍(リザレクション)" !」

 豪雨が顔を叩くものの、不可解な「時を凍結させた」ノイズは晴れ、周囲は再び動き出す。瞬発し、目にも止まらぬ速度で迫るヴァドック。落ちる雨――――その総てが羅刹の能力により、鋭利な殺意たる氷塊と化し小さき躯体を襲う。

「ヴァドック――――そのまま、そのままです!」

「貴方の力(パワー)を信頼します」

「貴方の道筋は私が作ります……その総てを、今こそ奴に!」

 高位の同調(シンクロ)によるテレパスが、ヴァドックの脳内へと響き渡る。「そのまま」――――この言葉の為せる技が、どれ程の信頼を有しているかは筆舌に難くない。背を預け、預けられ、そうして我らとポケモンは居る。嗚呼、そうとも。散らば諸共、さりとて散る腹積もりはなし、ならば勝つ――――!!

 神業であった。
 アコヤが自身のオーラを総動員し、羅刹の凶刃を悉く宙空にて止める。それを縫うが如く、ヴァドック、走る、迅る。降り頻る雨粒を避けるが如し、雷と冷気の共演。距離、縮む。まだ縮む。縮む。さあ、

 今や、射程圏内――――!!



 "いくぜ、パール"

 "覚悟しやがれっ!! "



 VS黒き氷の羅刹、ヴァドックの握り拳、射程内!!
 それがフリージオに触れた瞬間――――轟く雷鳴と劈く凍結が炸裂! 『かみなりパンチ』を受けたフリージオが、その結晶の大半を砕き割られ、崩れ落ちるする。超ピカチュウの有り余る力を目の当たりにし、マフラーの奥で舌なめずりをするパール。

「ふふ……素晴らしい」

「しかしねぇ」

 細められた目付きが、彼の後方のアコヤを差す。自身の手持ちが撃破されたにも関わらず、動じない羅刹の悪意――――そこには。

「ヴァドック……ごめんなさい」

「少しばかり――――やられてしまいました」

 脇腹から血を流し、膝を着くアコヤ。
 嗚呼――――司令塔(ブレイン)たるトレーナーを狙うという戦法は、リーグ戦を始めとする公式試合では唾棄されるべき行為に違いない。しかし、この場は。壊す者と護る者、掟なき無法の鍔迫り合い。獣を相手にした争いにて、あってはならぬ油断だったのか。

「(いや――――私は油断なんてしていない)」

「(それだけ、奴が)」

「(私のアナザーの力量が "高い" ――――!!)」

 あの超力の交差の最中にて、意識の外を縫うかの如き羅刹の指示能力。そして、それを寸分違わずに出力(じっこう)出来るパートナーの水準。姿形は似ていれど、こうも短な遣り取りで「差」を見せつけられるとは――――!

 ふらりと倒れ込むアコヤ。
 それに伴い、掻き消える蒼きオーラ。
 既にマンムーを背後に従えた羅刹が、ヴァドックへと向き直る。

「黙して聴くのです」

「闘争の旋律、渦中の音色」

「――――この場では、弱者の心音すらもが喧しい」



「最後に立っているのは、どちらなのか」

「単純(シンプル)なゲームの続きといきましょうか。ヴァドック」



>>ヴァドック




【レッド/カントー地方 トキワシティ/合流地点 → 移動】

 備えてきた。
 蓄えてきた。
 その期間に見合わぬ程の「量」を。
 その莫大を、男達は手にするだけの技量を身に着けた。

 故に、姑息さよ。
 如何に彼らなりの信念があろうとも、このマサラを襲う凶刃を男達が赦す筈もなく。

 "……おまえらの覚悟はよく分かった"

 "だがよ、オレたちにもおまえらと同じように譲れないモノがあるんだ"

 "だからこそ、その覚悟にオレは全力で応える"



 "界王拳……!! "



 奔流が、迸った瞬間。
 目を瞬かせる暇もなく、レイジが迅る。ばらばらと雨溜まりに落ちる蔦、高所にて舞うブルー。



 "ッ・・・・!!ファイアロー!!頼む!! "



 ボールから放たれる――――否、「射出」されたファイアローの背に乗せられ、事なきを得る。超速にて行われた遣り取りの最中、まるで忘れ掛けていたかの如く雨粒に気付き、その目を丸くするも

「あ、ふ、二人共……ありがと」

 内心、その急激な成長に対し、ただただ驚きを隠せなかった。

「ブルー、なるべくこの場から離れろ」

「――――用が済めば、また俺らで戻ってくる」

 羽織っていた革のジャケットを被せ、目元は翳らせたままグリーンが呟く。唇を引き結び、しかし、彼らへの信頼は厚く。振り返る事はなく、男達の無事を胸中で願い――――ブルーが駆ける。

「が……! くそぉ……!」

 レイジの強化された一撃を受け、割れた甲羅の痛みに呻くカメール。背中越しに突き刺さるリュウトの殺気に慄くものの、傍らで横たわるリザードとフシギソウが捨て台詞を吐く。

「……お前ら……とっととお嬢に殺されてこいよ……!」

「あはは……! キミらなんか、束になったって敵うもんか!」

 未だ張り詰めた緊張。彼らの挑発に耳を貸すレッドではなく――――見据える先は、トキワの閑静なイエローの自宅の方向。

「行こうぜ」

 静かに、しかし強く張った語気。
 嵐は勢力を増し、雷雨が男達を叩く中――――「戦争」は、今、佳境を迎える。

>>レイジ、リュウト




【フレア/カントー地方 マサラタウン/境界付近】

 超(スーパー)個人主義……青年、トーガの特性に関しては理解しているどころか、このフレアも同意見らしい。

「はっはっは。少しばかり裏ワザになっちまうからなぁ」

 あくまでも提示した『フュージョン』を裏ワザと称する辺り、やはり戦闘狂極まれりというか、手柄を始めとした名声や富の類には然程の興味もない割に、どうにも男二人は常人には理解し難い。

 "オレが本当のフュージョンを見せてやる"

 "よく目に焼き付けておけ"

 そして、件の『合体』に関する実践である。まずはトーガの一連の動きから学び……

 思わず目を「・・」の形にして固まるソニア、大真面目な顔でそれを頭に叩き込むフレア。

「ぜ……、Zワザ……?」

「いいや。フュージョンだ」

 らしい。
 ともあれ、こうして「型」は視た。
 仇敵の障壁を突破するべく、男二人はあくまで真面目にそれを実践する。

 "フューーー………ジョン!! "

 "はっ!!!! "

 阿吽の呼吸にて指先を合わせ、同時に叫ぶ二人。嵐は更に勢いを増し、それに併せるかの如く雷鳴が轟き。ハラハラしつつ二人を見守っていたソニアだが、ふと脳裏を過ぎった疑問を叫ぶ。

「あ、ちょっ……これ何!? 師匠がトーガさんになるの!? トーガさんが師匠になるの!?」

「さァな! 全く判らん!」

 全く、行き当たりばったりも大概である。

>>トーガ

15日前 No.428

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/トキワシティ】

勝負は一瞬だった。
こちらの『かみなりパンチ』を受け、フリージオが崩れ落ちる。
しかし、パールは動じる様子もなく、こちらの背後を指差した。

「……なっ、アコヤ!?」

促されるまま、視線を移し、彼が目にしたのは脇腹から血を流すアコヤの姿であった。
倒れるパートナーの姿にヴァドックは声を上げると蒼きオーラの消失に伴い、超1の状態に戻ってしまう。

「くそったれっ……!」

あくまでスポーツの一種である本来のポケモンバトルにおいてトレーナーを狙うことは禁じ手である。
しかし、生死を賭けた本当の闘いであるこの状況においてはその限りではなく、そのことはアコヤも承知しており、彼女に油断はなかったはずだ。
それにも拘らず、もうひとりの自分であるアコヤを屠ってみせたパールの手腕はこちらに「差」を理解させるには十分すぎるものだった。

「へっ……」

絶望的な状況にヒヤリと冷や汗が流れる中、ふと笑みがこぼれる。
眼前に佇むマンムーはじめんタイプを持っており、こちらが得意とするでんきタイプの攻撃は一切効かないため、かなり劣勢を強いられることだろう。
それに加え、そのトレーナーであるパールは「時」を止める能力を持っており、アコヤの加護を受けていない今のヴァドックにはその力に対抗する手段は残されていなかった。

(笑うしかない状況ってのはこういうことなんだな……)

(だが、オレも勝負を諦めたわけじゃねえ)

(あいつらが来るまでなんとか耐え切ってやる……!)

『でんじふゆう』によってヴァドックの身体がふわりと宙に浮かび上がる。
これは強力な磁場を発生させることによって空中に浮かびあがり、じめんタイプの技を無効化する技である。

「さっきも言ったはずだぜ」

「てめえの餌になるつもりはねえってな」

「生き延びてやるさ……!」

超スピードで空中を翔けながら相手に接近しつつ、ヴァドックは拳を握りしめ、マンムーに向かって『かわらわり』を繰り出した。

>>パール



【レイジ/カントー地方/トキワシティ→移動】

捨て台詞を残すカメールたちに目もくれず、イエローの家がある方角を真っ直ぐに見据えるレイジ。

「ああ」

レッドの言葉に頷き、この場にいる仲間たちの顔を見回すと目的地に向かって走り出した。

(待ってろよ、みんな!)

(そして、パール!)

(てめえはオレが必ずぶっ倒してやる!!)

純粋なる怒りと闘志を胸に宿し、レイジは仲間たちとともに嵐の中を走り抜ける。
『黒き氷の羅刹』が待ち受ける決戦の場はもうすぐそこだ!

――――……

忍び寄る影。

足音が聞こえる。

何者かが近づいてくる。

「よう、おまえら」

「ザコのくせによく頑張ったじゃねえか」

暗闇で顔は良く見えないものの、黒い道着を着た男がこの場に取り残されたカメールたちを見下ろし、彼らに語り掛けてくる。

「安心しな、オレはおまえらの味方さ……」

そういうと男は道着の懐から気味の悪い“赤い果実”を取り出した。

「こいつを口にすれば誰にも負けねえ極悪な力が手に入るぜ。ただし、理性も多少ぶっ飛んじまうがな……?」

男が取り出した果実は本来このポケモンの世界に存在するはずのない異物――『神精樹の実』であった。
根付いた惑星を養分として育ち、星ひとつをまるごと滅ぼしてしまう危険性から神のみが食べることを許されるという禁断の果実。
彼が語るように一口でも食べれば強大な力を手に入れることができるという夢のような代物であり、元の世界ではとあるサイヤ人が悪用していた程である。
しかも、それは“ある者”によって込められた邪悪な魔力によって更なる強化を施されており、暗黒を思わせるドス黒いオーラを発しながら彼らを蠱惑(こわく)する。

「せっかくだから、おまえらにも恵んでやるよ」

「最期の最期くらいご主人サマのお役に立ちたいだろ?」

「せいぜい仲良く食べるこったな……」

三匹の元に『神精樹の実』が放り出される中、稲光とともに獰猛な笑みを浮かべ、牙を向き出しに笑う男の素顔が明らかになる。
その顔は先程、仲間たちとともにこの場から立ち去ったはずの男“レイジ”とそっくりであった。

>>レッド



【ガレア/カントー地方/マサラタウン 境界付近】

眩い光の中からひとりの超戦士が姿を現した。

「はは、どうやらフュージョンは成功したようだな」

「名前はトーガとフレアで“ガレア”ってところかな」

メタモル星人の衣装に身を包む『ガレア』と名乗った戦士は自らの掌を眺めながら不敵な笑みを浮かべる。

「さて、合体したオレたちの力がどれ程のものか少し試してやるか……」

眼前の『境界壁』を見据えながら両手に滾る炎を燃え上がらせるとかめはめ波のような構えをとる。

「見てな」

「今から“かめはめ波”に1兆年分の時間経過を与える」

ガレアは自信ありげに笑うと元から強大なエネルギーの塊であるトーガの『かめはめ波』にフレアの能力である“エネルギーの加速”を適用させるという荒業をやってのけた。

「いくぜ……」

「荷炎粒子かめはめ波ァァァァーーーッ!!!!!」

宇宙の創世から現代に至るまでの時間を遥かに凌駕する1兆年分のチャージとともに『荷炎粒子かめはめ波』が境界壁に向かって放たれる。
果たして、この想像を絶する威力を秘めた一撃によって今度こそ『境界壁』を突破することができるだろうか……!?

>>ソニア

13日前 No.429

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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13日前 No.430

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC


 呼吸。

 呼吸。



 微かに――――儚くも、そこには



 親友(とも)達の、息遣いが在った。



 風圧に、しなる街路樹。
 慟哭の雲が雨粒を、晒されたアスファルトへと叩き付ける。



 雷が一閃。
 闇夜に照らされたのは――――否。
 闇を引き裂いたのは、四つの「光明(ひかり)」だった。






【VS黒き氷の羅刹 マサラタウン防衛戦】

【act 4】



 "死闘、開幕"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=qmqtiVgtMcI)






「おや、来ましたか」

「部下達に足止めを命じたのですが――――」

「大した役に立ちませんでしたねぇ」



 レッドが、先ず目にしたのは。
 傷付き、横たわる級友達の姿であった。



「…………ゆうす、い。それに、みんな、も」

「きてくれたんだね、」

「ごめん……、……せんせ、じゃ、まもれ」



「ヒメ先生、ヴァドック。遅れて本当に済まない」

「後は "俺達" に任せてくれ」

「――――何が何でも "繋いで" みせる」



 膝を着き、ヒメへと寄り添い、静かに呟くグリーン。ざあ、と風向きが変わり、横面を叩く雨風。その傍らを、ふらりと一歩、一歩、レッドが通り過ぎる。



「…………レイジ、さん」

 ひゅう、ひゅう、と掠れた息は、今にも消え入りそうに。しかし、モモカの瞳には、闇夜に聳える「希望」が、強き格闘の求道家の姿が映し出されていた。

「わたし、ちょっとだけ、……」

「ゆうき、……ふりしぼってみたんですよ」

 切り裂かれた脚からの出血が、赤き水溜りを生み、しかし――――



 "あ、ど、どうもおはようございます。私、マサラ第一高校のモモカという者です。はじめまして"

 "校庭でレッドさんと喧嘩しているのを観まして……その、あの〜"

 "お時間があるなら、私とデートなどして下さい。お願いします"



「ッ、う、ひぅッ。ぐす」

 目元に溜まりゆく、大粒の涙。



 "トーガさん、お願いします。……こんな私にも何か、レイジさんの為に出来る事があるのなら"



「うぁぁ、ぁ。ひッく、ぐす……ッ」

 血にまみれた頬に線を描き、それは流れ、



 "修行、お疲れ様です。毎度の事ながらトーガさん、めちゃめちゃ厳しいですね……"

 "んめめ、んめぇ"



「――――怖かった、…………」

 安堵からか、疲弊を隠していた彼女の心は堰を切ったかの如く、



 "あの、……。私に出来る事って、ほんとにこうして包帯を巻くくらいしかないんですけど"



「――――……うぁぁぁぁああ…………っ!!」

 溢れるがまま。



 "それでも――――何か力になれれば"



「怖かったよぉぉ……! レイジさん……!
ひッ、ぐすッ。うわぁぁあ……!」

 縋るがまま。

 レイジへと。
 マサラの未来へと!



 ふら、ふら、と覚束ない足取り。
 レッドが、レイジの傍らを通り過ぎる。



「……リュウト…………」

 地に伏せていたルカが、辛うじて顔を上げる。碧き瞳に映し出され、闇夜に於いて浮かび上がる「希望」の逞しく、いつでも頼れた親友(とも)の姿。



 "リュウトぉ! オレだ、ルカだ! あとエマもオッサンもいる! 返事しろーっ!"

 "おかえりなさい、リュウト"



「ざまあ、ないぜ。……へへ」

 出血に加え、イエローの治療が満足に及んでいない今、内部へのダメージも計り知れない。這いずりつつも、エマが親友を見据え。



 "空ってね、世界中で繋がっているじゃない。きっと私達、何処か知らない場所で共有はしていたと思う"

 "やっぱりそれでも、逢いたかったよリュウト。おかえりなさい"



「ごめん、ね。……リュウト。およばなかった、よ」

 翳る少女の表情。
 しかしその双眸からは――――包み込むような「安堵」から、止めどなく涙が溢れ。



 "カッコ悪ぃの。泣いてやがるよ、エマ"

 "そういう兄さんだって、酷い顔"



「……リュウトぉ……! 頼む……!!」

「アイツを……パールを……!!」

 少年の頬を伝う涙、そして引き結ばれ、噛み締められた唇。



 "お前も相当強くなったけどよ、エマと俺のタッグだって負けてねぇかんな!"

 "ま……まぁ、それでもよ、リュウト"

 "お前は――――本当に強ぇよ"



「――――お前に……繋いだ……!!」

「リュウト……、……どうか、気を付けて……!」

 自身らの実力が及ばない絶望。
 見出したのは、マサラの未来たる親友(とも)の実力(ちから)!



 風に煽られ、雨に晒され。
 幾度も脚をもつれさせ、リュウトの傍らをレッドが通り過ぎる。

 辿り着いた、先には。



「…………。れつ、と」

 膝を着き、樹に背を預けていた少女の背中を抱き、右の掌を握るレッド。浅い呼吸、消え入りそうな熱。弱く繰り返す鼓動。

「いくらでも、わたし、が……」

「なんかいでも、なおしてあげ……る」

「……だから、れつと」

「しんぱい、しないでね」

「黄花(オウカ)」



「遅れてゴメンな」



 少女を再び樹に凭れさせ、静かに、ゆっくりと繋いでいた掌を離す。微かな体温が失われ、ぱたりと落ちるイエローの腕。しかしその口元に、少年を安心させるように笑みを携え――――

 よろりと身を起こし、次に見据えた先は。



「茶番は済みましたか?」

「弱者を庇うのも大概にしなさい。不幸の子にして絶対的強者よ」

「捨て置きなさい、そんな何も出来やしない屑共は」



 背筋を突き刺すかの如く、絶対零度を湛えた眼。しかし少年は何も答えず――――表情を翳らせたまま、羅刹へと一歩、また、一歩。

「さて、楽しませて下さいよ。此処までお膳立てをしてあげたのですから」

「極点死凍(コキュートス・ゼロ)」



「―――― "タイムアウト" 」



 凍結の顕現。
 概念すらも凍てつかせるその異能は――――瞬く間にレッドを包み込み、人間型の氷像を瞬時に創り出した。

「…………! レッド!」

 その凶悪極まりない護式に青褪め、アコヤが叫ぶ。自身のものとはあまりにも「格」の違う、羅刹の絶技。どすん、と地を踏み締めるマンムーが、その巨大な牙を、氷像へと突き立て――――



 瞬間。
 どうッ、と熱波が周囲を駆け巡り、少年の、レッドの止められた「時」が再び刻まれる。

 分厚い氷は瞬時に融解され、踏み締めた土が溶岩と化す程の圧倒的な熱量(エネルギー)。ぎり、と片手でマンムーの牙を掴みながら、緩やかに、その足取りは羅刹へと。

「…………!! マンムー! 何をしているのですかッ」

 掴まれた指先から亀裂が生まれ、必死に頭を振るものの――――少年の膂力から逃れる事が出来ない。ぶおう、と大鳴きし、暴れ狂うマンムーを軽々と薙ぎ倒し、その躯体は



 いよいよ、羅刹の御前に。



「お前だけは――――」



「赦さねェ」



 きゅどッ、と赤光が迸り、少年の拳が、莫大な炎熱を伴い「飛んだ」。
 みしみし、と羅刹の右頬を捉えた拳撃、瞬間的なスローモーション。「撃」として当たった攻撃は、押し込むがままに「圧」となり――――その総てを吹き飛ばす。

 ばきり、と大木をへし折り、コンクリート造りの民家の壁を穿ち、遅れて轟音――――羅刹の姿が我々の視界から消失した瞬間、辺りを地響きが突き上げた。

「…………すッご…………!!」

 驚嘆に目を丸くするアコヤ。
 轟、と炎を纏い、地と風を燃やしながら佇むレッド。
 横殴りの雨粒が、少年に当たる以前に蒸発を繰り返し、辺りは深い霧に包まれる。

「……レイジ、リュウト、……ユウスイ」

「……気を付けて…………!」

 しかし――――背後からの懸念の声。
 樹に身体を預けながらも、ヒメが羅刹の吹き飛んでいった方向を見据える。

 嗚呼、判っている。
 奴がこれでくたばるタマではない事など。しかし――――



 平静極めつつも、今はただ。
 鎮(しず)かな猛りがまま――――



 怒れ、戦士達よ!!



>>レイジ、リュウト、ヴァドック

13日前 No.431

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方/トキワシティ】

 降りしきる豪雨と嵐の中、少年達は『羅刹』の元へとたどり着く。
 辿り着いたその先で見た光景は……まさに死屍累々、強大な力に挑み散って行ったのであろう仲間達の姿であった――――

「みん……な……」

 言葉を失う。
 先日まで、彼らはこの家で平穏な朝を過ごしたのだ。
 それは今や見る影もなく、無残にも崩れ落ちた家屋に、飛び散った血に塗れている。

 リュウトは、真っ先に倒れ伏す親友達の元へと向かう。

―――「……リュウト…………」

―――「ざまあ、ないぜ。……へへ」

―――「ごめん、ね。……リュウト。およばなかった、よ」

「ルカ……エマ……!!すまない……俺たちがっと早く着いていれば ……!」

 深い傷を負い、衰弱しきった2人の手を握りしめながら必死に涙を堪える。
 足止めを食らっていたとは言え、自身の不甲斐無さに嘆く。彼らが少しでも早くこの場に付いていれば少なくとも、このような惨状は避けれた筈だ、しかし……。

―――「――――お前に……繋いだ……!!」

―――「リュウト……、……どうか、気を付けて……!」

「……みんなが繋いでくれたこの想いを、絶対に無駄にはしない……!!」

「ああ……誓う。俺が……俺達が……奴を……!!パールを……!!」


「――――討つと!!!」


 だからこそ、散って行った者達の想いを受け継がなければならない。
 皆の無念を晴らさねばならない。眼前に立つ『黒き氷の羅刹』を討たねばならない……!!

 親友へ誓いを交わしたリュウトは、パールへと一矢報いたレッドの隣に立つ。

「バンギラス」

 この世界にて様々な強敵を破ってきた相棒の名を呼ぶと、彼のベルトに備え付けられたボールからその姿が現れる。
 心なしか、主人の怒りに呼応したかのように、バンギラス自身からもただならぬ『怒り』が感じられる。

「加減なんていらない。容赦もいらない。持てる力の限界を使ってでも……あいつを全力で――――」



「潰せ」



 同時に、首に下げられた『メガペンダント』が眩い光を放つと、バンギラスはその姿を変え……『メガバンギラス』へと変貌を遂げる。
仲間達の想いに応えるべく、立ち上がった戦士達………最終決戦は、目前に――――

>>ウィンチェスター兄妹、レッド、レイジ、パール


【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

「手当てまでして貰ってすまないな……しかし、案外不器用なのだな、お前は」

治療とは言い難い、ゼロの荒削りな包帯の巻き方にガイは驚愕する。
それとは対照的はケンタの巻き方は丁寧で、模範にするにはもってこいである為か、その差は余計に目立つという物だ。

「しかしまあ……この程度の傷なら、完治にも然程時間は掛からないだろうさ」

……側から見れば深傷を負ってるにもかかわらず、この男の余裕さたるや。
リミッター能力で自然治癒力も底上げされているとは言え、そんな涼しい顔して言えるような事じゃないぞ。

――――「そういえば、ガイさん。先ほどの方はどなただったんでしょうか?あの様子では敵ではないようですが」

「ん?……ああ、そうだな。お前達には話しておく必要があった」

先ほどまで戦闘を繰り広げた男について、ガイは語り出す。

「あの男は、フレア……私の"元いた世界"での、古き友人だよ」

「元いたって……旦那のいた世界ってのは、あの古代カロスのことだよな?」

話を聞いていたハヤトは、ガイに対して疑問を投げかける。

「いいや……古代カロスに来る前にも、私は故郷となる別の世界にいた……フレアという男と出会ったのも、そこでだ」

「……先程の戦いでも見ただろうが、あいつは相当な手練れだ、またいずれ共に闘いたい物だ」

「フレアだけではない……お前達の知る『サトシ』という存在に初めて出会ったのもその世界で、だ」

「サトシ、と……………」

その名前を聞き、ミライは今自分達がすべき事を再び思い返す。
執行者と戦い、失った仲間を取り戻すこと……記憶が戻りかけている彼女だが、それでも今は立ち止まってはいられない。

「さて、と……昔話はこれ程にしておくか。傷も癒したいところではある、一度休息をとって明日へと備えようか」

>>広場前一同

13日前 No.432

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ&ヴァドック/カントー地方/トキワシティ イエローの家】

ヴァドックの『かわらわり』がマンムーの額を穿つものの、それでもヤツは止まらない。

(ちっ、パワーが足りねえ……!!)

こちらの心臓を狙ったマンムーの一撃が容赦なくヴァドックに迫る。

「……?」

死を覚悟するヴァドックだったが、どういうわけか相手の攻撃は寸前のところで止まった。

「……お、おまえら!」

パールたちの見据える先に視線を向けると見慣れた四人の姿があった。
そう、パールが求める“真打”たる彼らがこの場に到着したのである。

「待たせちまったな」

レイジがこの場にいる全員にそれぞれ違った意味合いを込め、そう言い放つ。

――ピシュンッ!!

次の瞬間、風を切るような音とともにレイジの姿が消え去り、一瞬のうちにモモカの元へと現れる。

 “…………レイジ、さん”

身も心もボロボロと成り果てた彼女が、こちらの存在に気づき、弱弱しい声で彼の名前を呟く。

 “わたし、ちょっとだけ、……”

 “ゆうき、……ふりしぼってみたんですよ”

「ああ……」

「よく頑張ったな、モモカ!」

レイジはその場に片膝をつくと彼女に優しくニッと笑いかけた。

 “――――怖かった、…………”

 “怖かったよぉぉ……! レイジさん……!ひッ、ぐすッ。うわぁぁあ……!”

「ああ、分かってるさ……」

「おまえの仇はオレがとってやる!」

不器用ながら彼なりにモモカを安心させようと彼女の頭にポンッと手を乗せる。

「……やってくれたじゃねえか、パール」

「久々にぶちギレたぜ!!」

立ち上がるとともに金色の眼に純粋な怒りを宿しながら仇敵たるパールをキッと睨みつけるレイジ。
レッドの猛攻によって家の外に吹っ飛ばされたパールを目で追うと好敵手(とも)に加勢しようとする。

 “……レイジ、リュウト、……ユウスイ”

 “……気を付けて…………!”

「ああ……!行ってくるぜ……!!」

レイジはDr.ヒメの言葉を背に受けながらその場から飛び出すと決戦の場に降り立ち、仲間たちの横に並び立った。

「よう」

そんな中、グリーンの足元に歩み寄る小さな黄色い影がひとつ。

「もう一回、力貸せよ」

「グリーン、いや――ユウスイ!」

黄金の闘志(オーラ)を全身に滾らせながらヴァドックが言い放つ。
まだまだ彼の闘志は燃え尽きておらず、彼らと同じくパールに対する怒りに満ちた鋭い眼でグリーンを見上げる。
トキワの惨劇を経験したヴァドックにとってもパールの凶行は許せるものではなく――怒りに燃えるふたりの心がひとつになった時、金色の力は更なる壁を突破する!!

>>パール



【???/カントー地方/トキワシティ 足止め地点】

「くっくっく……」

「思う存分、暴れてこいよ」

「……命と引き換えにな」

黒い道着の男は不気味な一言を残しながら姿を消す。
神精樹の実を口にしたビリーたちの肉体に暗黒の魔力に満ちた禍々しいオーラがみなぎる。
青白く染まった身体と薄紅色に発光する眼、額に浮かび上がる“∞”にも似た『X』の文字。
異様な変化を遂げた彼らの身に起こった現象――それは命を削り、限界を遥かに超えた力を引き出すという危険な魔術――『極悪化』であった。
禁断の力を手に入れた三匹が絶望の渦中に齎すものとは果たして――

>>ビリー



【トーガ/カントー地方/マサラタウン 境界付近】

「ふん……、このオレがそんなくだらんミスをすると思っているのか?」

「たとえ世界を消し飛ばすほどの威力だろうと外さなければいいだけの話だ」

究極の合体戦士・ガレアの力によって見事に『境界壁』を突破することに成功したトーガたち。
そのパワーは一歩間違えれば、この物語の舞台である『ポケモンワールド』そのものを消し去ってしまうほどであった。
やりすぎだとソニアが注意するものの、本人たちはどこ吹く風であり、まるで反省していなかった。

「相変わらず、分別のないヤツだ。おまえも少しは大人になったらどうだ?」

場を弁えない発言によって弟子に頭を叩かれるフレアの姿を見やり、呆れたように呟く。

「安心しろ、勝負ならいくらでも相手になってやる」

「クロームとかいうヤツを片付けたらな……」

そういうとフレアたちのほうに目を向けるトーガだったが、その場に彼らの姿はなかった。

「……!?」

周囲を見回すとマサラタウンの代わりに見知らぬ異空間が広がっていた。

「なるほどな……」

「おまえがクロームか」

フレアたちと引き離されてしまったことを察する中、眼前に佇む黒いコートを纏った金髪の男を見やり、彼こそがこの異変の元凶たる男“クローム”であることを確信する。

「ほう……、貴様にオレの相手が務まるのか?」

その実力は未だに未知数であるクロームだが、トーガの実力に裏打ちされた自信が揺らぐことはなく、いつものように超然とした態度を崩さない。

「残念だったな、オレは貴様のお遊びに付き合ってやるほどお人好しじゃない」

「だが、貴様を倒さなければオレはこの空間から脱出することはできない」

「……違うか?」

単なる憶測でしかないが、わざわざ一対一で闘える舞台を用意し、こちらをこの空間に引きずり込んだのはそういう意図なのだろうと判断する。

「誂え向きだ」

「掛かってこい」

地球育ちと言えど彼もまた純粋なサイヤ人である。
未知の強敵を前に本能が喜びを隠しきれず、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
トーガは超サイヤ人に変身することなく、構えをとると相手の出方を伺うのだった。

>>クローム

12日前 No.433

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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12日前 No.434

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_4qc

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

 レッドの怒りに燃え滾る拳を顔面に受け、致命傷を受けた筈であるパールは丸で痛みなど感じていないかのように彼らの前に再び姿を現す。
 力任せに傷ついた身体に処置を施すという、狂気に歪んだその様は端的に言えば"化物"そのもである。

「・・・・・・・・・」

 レッドと同様、パールの問いかけに答えることなく、ただ眼前に潜む敵を一点に見つめる。
 先手必勝、こちらから仕掛ける・・・・・・!リュウトはそう考えた、だがその矢先。


「レッド・・・・・・!?くっ……後ろか!!!」


 突如として消えたレッド。
 彼は、戦士達の背後からいつの間により出現した"何か"から放たれた棘の螺旋の一撃を一身に受け止めていた――――

 直後、爆散した棘により辺りは冷気に包まれ、降りしきる雨もそれに触れ霙の様に凍り付き、辺り一面に降り注いでいた。

 深い霧のなかから徐々に明らかになっていくその影に、リュウトは目を見開く。


「それが・・・・・・あんたのポケモンか」


 通常ではあり得ない巨大な姿をしたパルシェンが、俄かには信じがたいが、確認できた。
 外殻を覆うその鋭利な棘の数々は、直接触れようものならばこちらが串刺しになるであろうものであった。



「行くぞ――――バンギラス」



 リュウトが発動した護式"魂の昇華(ソウルアセンション)"により、彼らの視界を始めとした五感のすべてがリンクする。
 脳内で伝わる初期動作を先行入力し、それを共有することにより、バンギラスの挙動を限界まで引き出す事ができる・・・・・・・!!!


『――――――――!!!!』


 バンギラスは声にならない咆哮をあげながら、その巨体からは想像もできない程の軽い身のこなしで地を蹴り、パルシェンの周りを動き回る。


「・・・棘が邪魔だな」


 攻撃を与えようにも全身を覆う棘に阻まれてしまうだろう。ならば先ずはそれをへし折る。



「"きあいだま"」



 パルシェンの側面に周り込むと、バンギラスはその両手に力を集める。
 そしてその直後。集束した力の塊が、敵を覆い囲む強固な外殻を粉砕すべく放出された――――

>>パール

11日前 No.435

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

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10日前 No.436

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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8日前 No.437

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【クローム/ポケモンワールド/異空間】

 きりきり舞い、宙へと放られる「四足」。次いで放たれし気功弾――――立ち昇る煙の中、その安否は不明瞭な中、男はそれでも口角を吊り上げ。

「嗚呼、それだ」

「そいつを見てみたかった」

 蒼き神域の向こう側――――様相を変えたトーガへと、目元を翳らせたまま笑みを以って呟く。出方を窺うべくして放たれた気功弾の数々は、男を覆う「境界壁」によって阻まれ。

「なら俺も――――行かせて貰うか」

「おい、 "ヌル" 」

『ヌル』。それがこの奇妙な四足の名称かは不明だが、体勢を立て直した彼と共有する、半透明の不可解なオーラ。風景を歪ませ、揺らめくそれと対峙せし蒼き戦士。

「行くぜ」

 四足が唸りを上げ、男と共に姿を掻き消す。超速の渦中――――未だ謎はそのままに。

>>トーガ

8日前 No.438

ツバサ @th0md ★rdPQ363qXE_yoD

【ゼロ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

「泣くぞ…」

「ごめん、弄りすぎたね」

味方にフルボッコにされ軽くへこむゼロをユウは宥める。そんな時、ガイからフレア、そしてサトシの存在を知る。

「フレア…そしてサトシ…」

「僕の中にいるシャドーが知る…サクラギ…」

「いつか会いたいな。ガイが知るサトシに」

「そうですね。ですが、その前に」

「ああ、俺達が知るサトシとアオイさんを助ける」

「執行者を…倒すこと…ですね」

「じゃあ、此処で解散しようか。明日は何処で集まる?」

「そうだね、この前ホロンに行ったあの路地裏にしよう。あそこなら僕の力でなんとかなる」

「分かりました。では、そうしましょう」

「それじゃあ、また明日だ!」




ー翌日ー

「誰もいねぇ…」

早朝、俺…ゼロはすでに路地裏に来ていた。少し騒いでも問題ないくらいだ。これならユウにパルキアを呼んでもらっても大丈夫だろう。…だが問題は別にあった。よく考えたら集合時間なんて決めてなかったし、考えてなかった事だ。朝起きて身支度整えた後すぐに来たのだが誰もいなかった。いつ寝ていつ起きているのか分からないユウがいない事にも、二度驚いた。

「そりゃあそうですよ。まだ日が昇って間もないですから」

「うお!?ツカサ!?いつから!?」

「先ほどです。その様子では朝食もまだのようですね。これ、サンドイッチです。たべて力をつけてください 」

「ん?ああ。悪いな」

「それとお茶も、確か緑茶派でしたよね」

「そうだが…なんで知ってんだ?」

「転生する前にあったゼロは緑茶派でしたから」

「左様で、まぁ、頂くよ」

「私もいただきます」

俺とツカサはモクモクとサンドイッチを食べる。
朝飯食うの忘れていたから助かる。味もそれなりにいい。
食べる毎に心は落ち着き闘志が湧いてくる。食事は大事だなと改めて思い知らされた。
そして、少し落ち着いた時に俺はある一つの疑問をぶつけた…

「そういえばツカサ…」



……………………


「それでいいな?」

「はい、期待していますよ」

「任せとけ」



「ごめん、遅れたよ」

「待たせたな、ゼロ」

路地裏に戦士たちが集う。いよいよ執行者たちとの決戦が始まる…



>>ALL

8日前 No.439

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ&ヴァドック/カントー地方/トキワシティ】

ついに羅刹が従えし、ポケモンたちのエースたる存在――エンペルトが姿を現す。

「へっ、真打のお出ましってとこか……!」

「いいぜ、その黒い氷塊ごと粉々にぶっ壊してやるよ!」

漆黒に染まった禍々しい氷塊に潜む“存在”が発する凄まじい威圧感を肌で感じとったレイジの頬にヒヤリと冷や汗が伝う。

「なるほどな、こいつは今までのヤツらとは段違いのバケモノだぜ……!」

「とても同じポケモンとは思えねえな……!!」

その強大な力を感じ取ったのはレイジだけではなく、彼の隣で拳を構えるヴァドックも目の前の存在が自分と同じポケモンとは思えないと感想を呟いた。

「こいつら、さっきのヤツらか……!?」

「何があったのか知らねえが、かなりパワーアップしてるみてえだな!」

そんな中、パールに加勢する者が現れた。
道中で足止めをしてきたあの三匹のポケモンたちである。
この短時間で何があったのかは知らないが、異様な変化とともに凄まじいパワーアップを遂げた彼らの姿を見やり、レイジは驚いた様子を見せた。

「レッド!」

「たとえ身体は凍っても、魂までは凍っちゃいねえだろ!?」

絶望が加速する中、レイジの眼に宿る闘志はまだまだ燃え尽きておらず、右腕を凍結されたレッドを奮い立たせるように彼は叫んだ。

「リュウト!てめえも手を貸せ!」

「――“合体技”だ!!」

圧倒的な力にて襲い来る『羅刹』とそのパートナーに対抗するべくレイジが提案した手段――それは『合体技』であった。
たとえ個々の力は及ばずとも、三人の力をひとつにすれば、ヤツらに対抗できるほどのパワーを生み出すことも可能だと今までの闘いの経験からレイジは考えたのだろう。

「合体技だと?」

「へっ、面白えことを考えつくじゃねえか……!」

「いいぜ、ザコの足止めはオレたちに任せとけ!」

一方、ヴァドックはレイジの提案に不敵な笑みを浮かべるとビリーたちの相手は自分たちが引き受けると言い放つのだった。

>>パール、リュウト



【トーガ/ポケモンワールド/異空間】

不可解な半透明のオーラを身にまとい、肉眼では姿が捉えきれないほどのスピードでこちらに迫る『ヌル』と呼ばれたポケモンとその主人たるクローム。

「ほう……、なかなかのスピードだ」

「だが、そんな程度ではオレには追いつけんぞ」

その凄まじい速度にトーガは感嘆をこぼすが、彼の表情から余裕が消えることはなく、迫りくるクロームたちを迎え撃たんと身構える。

「神速拳!」

相手の攻撃がこちらに到達する瞬間、『神速拳』によって彼らの動きがスローモーションと化し、相手の視点からトーガの姿が消え去る。

「……いくぞ!」

神速拳によって加速化したトーガは相手の周囲を飛び交いながら超高速の攻撃を仕掛け、1秒という僅かな時間の中で四方八方からパンチやキックの嵐をクロームたちに繰り出した。

>>クローム

6日前 No.440

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

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6日前 No.441

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC



 闘争の「美意識」。
 諸君らはどう捉え、実践するか。



 拮抗する実力。
 互いに殴り合い、或いは蹴り、まさしく血と体液を散らす死闘。

 相手方の手数を悉く撃ち落とし、アドバンテージを握ったまま一方的に打ち据える悦楽。

 どれも、大したものだ。
 闘争の甘味、醍醐味とすらいえる。
 ならば、三本目の道。
 上記二つとも異なる「美意識」とは、何か。



 抜かれた白刃。
 対峙する両者。
 まさしく、「サムライ」同士が立ち合うという特異なワンシーン。
 互いに鎧は身に着けず、しかし携えた凶器は、丸腰の生命を奪うには十分過ぎ。

 三本目の道。「美意識」。
 互いが力を有するからこそ、実現する境地。



 "勝機(けっちゃく)は、この刹那にこそ在る" 。



 永き須臾。
 伝う汗。
 先程まで燃え盛っていた生命が、ただの一度の交錯にて沈む。



 彼らの「美意識」は、羅刹の「狂気」は。
 まさしく、三本目の延長線上に在った。



 "レッド! "

 "たとえ身体は凍っても、魂までは凍っちゃいねえだろ!? "

「あァ――――」

「その通りだ、レイジ」

 轟音と共に「白」が咲き、ずっしりと地を捉えた体勢。臨界をも超えたレッドが、残った左腕で羅刹の横っ面を殴り飛ばし、その躯体を後方の巨大な黒氷へと激突させる。

「どうしたよ」

「まだ、左(こっち)が残ってるぜ」

 よろめきながらも立ち上がり、やはり、その表情は歓喜に満ちたまま。

「惜しいものです」

「力を有するが故、この遣り取りは永くは続かない」

 氷塊がめきめきと音を立て、その中央が砕ける。絶対零度の繭から現れたのは、全身を黒き氷で纏った氷河の帝、エンペルト。対峙せし戦士達は、自ずから直感したであろう。

 "刹那"

 "瞬間"

 "決まる"

 そして。



 "逃走は、赦されない"



 "最初(ハナ)から、選択肢にすらない!"



 "リュウト!てめえも手を貸せ! "

 "――“合体技”だ!! "



 "合体技……お前もなかなか洒落たこと考えるな…! "



 嗚呼、好敵手(とも)達よ。
 元よりその腹積もり。かつては火花を散らした同士。貴様と俺とは同期の桜、マサラタウンのレッドの返答は、決まっていた。



「あァ」

「俺達ならやれるぜ」



 右腕を失っても尚、にやりと吊り上がる口角。

 怖ェんだ。単純に。



 コイツらと組みゃあ、一体どんだけとんでもねェ技を繰り出せる――――!?



 "いいぜ、ザコの足止めはオレたちに任せとけ! "

 ヴァドックの決意を受け、彼の金色を見据え、こくりと頷くグリーン。ゆらりと立ち上がり、不屍の如き不気味な様相を醸す尖兵たる三匹。迸る雷撃、追従し、彼(ヴァドック)の潜在能力を極限まで引き出し、彼らを沈め、そして佇む。

 予め、近辺の高台へと待機させていたカメックス。
 少年の持つ『同期』の究極を受け、その水準は、二人のパートナーを同時に「視る」という芸当すらも可能にする。地に落ちる吐血、しかし未だ不安定な力の奔流。リュウトの持つ天賦、レイジの有する求道、レッドが咆哮(ほえ)る血。ただ、縫い、当てるのだ。

 コイツを。



「究極護式(アルティメットスキル)」

「―――― "凍牙の神槍(コキュートス・レイ)" 」



 かはぁ、と白い息を吐き出すエンペルト。
 氷塊そのものが彼を再び包み、その形状は――――より一点の突破に特化した、筒状の砲頭へ。

「――――判りますね」

「これが防げなければ」



「カントー地方が丸ごと滅びますよ」



 黒きとぐろが天を衝き、殺意はこの地をも飲み込み。
 しかし退かず、男達。



「(まだだ――――)」

「(コイツらと、全身全霊を合わせる)」

「(この後、ブッ壊れてもいい)」

「(どうなっても構わねェ)」

「(ただ――――)」



「レイジ、リュウト」

「やってやろうぜ」






「 "真化(リメイカー)" 」






 瞬間。
 マサラタウンのレッドを、白き灼熱が包んだ。
 顕になる全身を奔る紋様、どすんと地を叩く尾、そして粒子と共に蘇生する右の腕。



「おや…………」

「怪物よ」



 集束されゆく、莫大な熱。
 マサラタウンのレッド、お前はヒトか、ポケモンなのか、それとも。
 なけなしの腕に有したのは、『荷炎粒子砲』が織り成す圧倒的な破壊の力。

 今こそ。
 最期。
 否――――勝利すべく!

 三人の牙は、解放(はなた)れる!!

>>レイジ、リュウト、ヴァドック




【クローム/ポケモンワールド/異空間 → 移動】

 瞬間的な刹那にて、打ち込まれ、打ち込まれ、打ち込まれる拳と蹴り足の乱打。「一秒」が経過し、ふわりと地に降り立つクロームと四足。しかし、ぼたぼたと口の端から吐血を零し、そのざんばらに隠された眼がトーガを見据え。

「お前も、 "アイツら" も」

「予想外が過ぎるぜ」

 その驚嘆すべき速度と力に、軽く舌を打つ。荒い呼吸を繰り返す四足を制し、クロームの身体が半透明となり離脱すると共に。

「あばよ、トーガ」

「また逢おう」

 その不可解な異空は消え失せ、代わり、トーガの頬を叩いたのは、相も変わらず吹き荒ぶ雷雨。

「あ、トーガさん! よくご無事で……!」

「そりゃそうだろ」

 再びマサラへと現れた彼を出迎えたのは、彼の身を案じていたソニア、そして然程の心配もしていなかったフレアである。しかし、現在黒き氷の羅刹と交戦を続ける彼らの安否は如何に――――!?

>>トーガ

6日前 No.442

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【夕焼け、寂しいかい?】

【砂浜の足跡は儚げだけどね】

【此処ではみんなが陽気に、こう!】

【アローラ! ようこそ、常夏のアローラ地方へ!】

【大好きなポケモン達と一緒に、パイルジュースやマラサダはいかが?】

 "アローラ地方の旅行者向けパンフレット より"



【時間軸:いま!】

【気分:サイコー!】

【紅蓮/アローラ地方 アーカラ島/コニコシティ 桟橋】



 "フシギな留学生達!"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=dqUdI4AIDF0)



「リューガクセイ?」

 紅蓮の素っ頓狂な声と共に、夕景を反射する海へと投げ込まれるヨワシ型のルアー。釣り竿を漫然と握りつつ、隣のチェストに腰掛けている少女が頷く。

「カントーのマサラタウンから来るらしいよ」

「最近あたいが転入してきたばっかなのに、ポケモンスクールも生徒不足なのかね」

「私達と同じ "特級" みたい。しかも三人」

 がたっ、とチェストを揺らす紅蓮。級友であり、このアーカラ島のキャプテンである少女『スイレン』の話題に対し、どうも魚よりも速く食い付いてしまったらしい。

「え、え。あの田舎のマサラから? どんな奴なの?」

「ククイ先生から聞いた話だと、その内の一人は "レッド" って呼ばれてるみたいだよ」

「えっえっ、うえええ!?」

『レッド』。
 かのポケモンを素手で殴り飛ばすお調子者の通称ではあるが、この紅蓮とて元の世界では『レッド』で通っていた存在である。ぴっ、と釣り竿を引くスイレン。食い付いていた大振りのアジを慣れた手付きでタモに移し、手間取る様子もなく片手で針を外す。

「あたい以外のレッドだって?」

「赤っぽいのが特徴の人なら、そんな仇名を付けられても不思議じゃないと思うけど」

「なんだよそれ。ならスイレンはブルーじゃん」

「スイレンはスイレンですから」

「あぁ、ならあたいもなんだかんだで紅蓮だな」

「だからってグレられても困るよ」

 しゅぱっ、と爽快にキャスティングされ、海面付近を泳ぐルアーとは対照的に、どうも紅蓮はモニョモニョと釈然としない様子である。暫くの沈黙が続くが、読んでいたポケモン育成論の月刊誌を閉じ、ふとスイレンへと向く紅蓮。

「そういやさ、あとの二人は何モンなの?」

「もう一人は、トキワシティのジムリーダーだって」

「じ、ジムリーダぁ? またあたいと一緒じゃないの」

 いよいよ目を丸くする紅蓮。
 釣り上げたボラをやはり慣れた手付きで大型のバッカンに放り込み、絡まったラインを片手間に直すスイレン。

「名前と経歴的に、今挙げた二人。丁度紅蓮を半分にしたような感じじゃないかな」

「な…………なんじゃそら」

「一人一人だとミニサイズの紅蓮なんだけど、合体して二人分になれば初めて元のサイズになるみたいな」

「あぁーナルホド。レッドって通称とジムリーダーって肩書き二つであたい誕生ってやかましいわ! なわけあるか!」

 紅蓮のノリツッコミに応える者はなく、ぴっ、と空を切り海へと投げ込まれるルアーの水音一つ。ぐぬぬ、と唸りつつ、涼しい顔で釣り竿を握っているスイレンを睨むレッド兼ジムリーダー氏だが、そういやもう一人。

「あ、じゃあ最後の一人は!?」

「元々はカロスのミアレ高校の子だってさ。マサラタウンに留学してる最中なのにこっち来るみたい。ちなみに出身はオーレ地方だって」

「さっき以上にツッコミどころ満載じゃねーか!! マサラに留学してるオーレのカロスのこうこ……何!?」

「カロス地方ミアレ高校のマサラの留学生がオーレ出身でアローラ留学だ」

「早口言葉みたいに言ってんじゃねーよ!」

 ぜぇぜぇ、と肩で息をする紅蓮。慣れないツッコミですっかり疲弊したらしい。その時、何やら強い手応えを感じたらしく、表情を険しくしたスイレンがチェストを立つ。

「きたっ、きたきたきた。でかいのきたよーっ」

「おっ、おおう。あたいも手伝う?」

「タモ用意しといて。美味しいのいっちょ食べさせてあげる!」

「わーい! 任しといて!」

 激しくつんのめるルアーロッドが、迸る水飛沫を相手に右へ左へと忙しなく動く。小柄なスイレンではあるが、釣りという勝負は体格(ガタイ)で決まる訳ではない。大物を相手取る為の技術、そして永き時間の中で敵を疲弊させる為の根性(スタミナ)! 今にも折れそうな程にアーチを描くロッド――――夕焼けに飛沫を描き、勝利したのはスイレンであった。が、

「はっ、ハギギシリ!? こんなでっかいの初めて見た!」

 桟橋に横たわり、びちびちと跳ねる色鮮やかな魚……否、ポケモン。その鋭い歯が特徴的なアローラの水ポケモン、ハギギシリであるが、驚くべきはそのサイズである。桟橋を埋め尽くさんばかりのそれへと、タモを持ったまま無防備に近付く紅蓮。未だハギギシリを見た事のない彼女はポケモンとはつい思わず……。

「ぎゃーっ!! いだいいいい!!」

 その尻を噛まれ、絶叫しながら振り回されるのであった。
 目にも止まらぬ速さでボールが奔り、しゅぱりと峰打ち一閃。スイレンのパートナーであるオニシズクモの一撃を受け、目を回したハギギシリがようやく紅蓮を離す。

「あーあ、大丈夫? あれはハギギシリっていって、凶暴な性質の水ポケモンなんだから気を付けないと」

「ひっく、ぐすっ。さ、先に言って……えぅ……」

「三人目の留学生について話した途端これだ。きっとその子、厄介な子だよ。月を見たら変身するオバケだとか、そういうのに違いない」

 何を根拠にそう言うのやら。尤も、その留学生達は今現在遠い異国にて取り込み中であるが。ホットパンツのケツに痛々しい歯型を刻まれ、さめざめと泣き出す紅蓮。ハギギシリをリリースしてあげたスイレンが溜息を吐くものの、突如鼻をくすぐった香ばしい匂いに、紅蓮ががばっと身を起こす。

「やっほー。釣れてる?」

 ワゴンに乗せられ運ばれる、クロッシュの被さった様々な料理皿。スイレンと同じく、『キャプテン』の証を腰に付けたマオである。彼女の後ろに続くのは、料理を乗せたワゴンを押すアママイコやオーロットといった手持ちのポケモン達。近場に彼女が看板を務めるレストランがある故に、スイレンが釣った魚を捌いて調理していたらしい。

「あたしも聞きたいなー、その留学生の子の話」

 桟橋に設置されたログテーブルに並べられてゆく、海の幸をふんだんに使った料理の数々。ワイングラスに注がれた「パイルジュース」が夕涼みの風景を演出し、専ら食べる役割である紅蓮が目を輝かせる。

「さーっすがマオ! この時を待ちわびてたぜ!」

「そうだね。予期せぬ大物にも出逢えた事だし、私も休憩にしましょ」

 クロッシュを開ければ、ふわりとした湯気と共に現れる海の幸の数々。白身魚のムニエルに、ドレッシングの香り豊かなカルパッチョ。具沢山のアクア・パッツァは視覚一つで食欲を誘い込み、血合い鮮やかなマグロのステーキのレア具合といったら溜まらない。火の点いた七輪に乗せられた、脂の乗ったサンマなんぞはもはや語るに及ばず……と、健啖家の紅蓮を加味しても、凡そ三人分の量ではないが。

「いやぁ……てっきりマオさんに料理を教えて貰ってた筈が、すっかり途中からお手伝いになっちゃって」

 ワゴンを押す彼女のポケモンの後に続いて現れる、線の細く中性的な、しかし『キャプテン』の証を有する少年。後ろ髪を掻きつつ照れ笑いをするものの、利き手の指には何箇所か絆創膏が貼られており。

「おーイリマじゃん! なになに、マオを手伝ってたの?」

「イリマさぁ、すっごいセンスあるのよ! 今日初めて教えたにも関わらず、包丁持たしちゃったもんあたし!」

「いいえ、まだまだ……道は険しそうです」

 利き手指を見せ肩を落とすものの、しょげんなとばかりに紅蓮に背を叩かれ、咳き込むイリマ。傍ら、釣り具を片していたスイレンが、何かに気付いたように目を細める。

「やー、今日は沢山釣っといてよかったよ。ね、カキ?」

 現場から少々離れた柱の陰から覗く、大柄で色黒なその姿。何の因果か、続々とこの会食には『キャプテン』が集う中……。

「カキ、出といで! 遠慮しないでさ!」

「……その。お邪魔させて頂く」

 頬を指で掻きつつ、体格に見合わぬ謙虚な様子で現れた『キャプテン』、カキ。部分的に刈り上げた頭髪は、紅蓮の専門とする炎を連想させるが――――

「あはははは、カキまで。マジでこれ、偶然にもキャプテン全員が揃うんじゃ」

「ばぁーっ!! アセロラちゃんもいるよー!」

「あっ僕も僕も! どのタイミングで出ようか計算してたのに!」

 びくーん、と硬直する紅蓮の背筋。
 ゴーストタイプよろしく、「おどろかす」で奇襲を掛けた幼げな少女アセロラに、同じく幼げな雰囲気を残しつつも頭の回りそうな少年マーマネ。キャプテンたるこの両者、一体何処に隠れていたのやら。

「マーさんから言われてさ、アーカラ島でポケファインダーの調整をしていたんだけど……」

「アセロラはそれをお手伝いしてたのでした!」

「お手伝い!? の割にはめちゃくちゃ楽しんでたじゃないか!」

「てへぺろ」

 全く、偶然と不意の驚かしとは怖い。
 先程は冗談で全員が揃うのではないか、と口にした紅蓮であるが、「超」珍しい最後の一人がやって来た姿に、いよいよ空いた口が塞がらない。

「う……嘘でしょ」

「まさかあの風来坊も来るなんてさ……。僕ら、計算違いもいいとこだよ」

 ぼけっとした半目に、全身を塗りたくる絵の具のカラフルな装い。最後の『キャプテン』、マツリカは、「よっ」とフランクな挨拶も余所に

「ねーねー。何でこんな勢揃いなの?」

「あっ、わかった。これが街コンってやつでしょ」

 実に一週間振りに逢う面々を、大いにズッコケさせるのであった。

「ナイスモチーフ」

6日前 No.443

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

「へぇー、留学生ねぇ」

「そいつらは強いのか」

「トキワのジムリーダーも来るっていうし、実力はあるんじゃないかな」

「それでも結局アセロラが一番強くてすごいもんねー」

 長いログテーブルの食卓を囲み、ワイワイガヤガヤと「留学生」についての雑談に明け暮れるキャプテン達。併設のグリルキッチンでは、食材を持ち込んだマオが現地にて腕を振るいつつも、しっかりと輪の中で会話しているという熟練振りである。

 仲睦まじい様子で会話する彼彼女らではあるが、その実力はアローラという地を代表するに相応しきもの。まるでマフィアの卓を介した会合を目の当たりにするかの如く、『島巡り』を控えたホープトレーナーやポケモンスクールの生徒達が、それを遠巻きに見つめている。

「議題その1、マサラタウンのレッド」

「イリマ、聞いた事ある?」

「噂、程度ですけど。結構信じられないような話ですよ、本気にしないで下さいね」

 興味がある、といった様子でムニエルを口に運ぶカキ。その名からは炎タイプの使い手を連想させるが――――



「いや、ホント、噂ですけど」

「人間なのに素手で戦うらしいです。ポケモンと」



 …………。
 静まり返る卓。
 マツリカだけが考え事をしている様子で付け合わせのパプリカを咀嚼している中、ふとマーマネが拳を握るジェスチャーをし、それをカキの胸に当て、イリマへと向く。



「そう、そんな感じ……らしいです」



 …………。

 ……………………。



 瞬間、どっ、と卓に笑いが起きる。



「わっはっはっはっはっ!! あははははははは!! ひーっ!」

「すっ、素手ぇ!? マジで!? 素手で戦うの!?」

「た、多分。というか、噂ですから」

「おっ、おもしろ!! すごっ!! それ本当なら最高じゃない!!」

 あまりにも意図していなかったイリマの噂話に、思わず爆笑する面々。その傍らで、微妙そうな表情をする紅蓮。

「(ま、まぁ…… "ソラ" も、そんな感じだったけどさぁ……いやでもソラはフリーザーでしょ? だからノーカンだよなあれは)」

「その子、めっちゃ逢ってみたい。こっち来たら教えてよ」

「おお、マツリカが珍しく」

「珍しいのはマサラタウンのレッドでしょ」

 曲芸の如き手付きでフライパンを扱いつつも、未だ衝撃の余韻が抜けず爆笑しているマオ。これだけの人数である、料理の消える事早き事早き事。ちなみに、マサラタウンのレッド某の名誉を守る為に弁明させて貰うが、キャプテン達は決して彼をコケにしている訳ではない。この『世界』では、その行為そのものがあまりに異様極まりなく――――故に驚愕が、仲睦まじい者達の間で笑いとして溢れただけなのだ。ちなみに今の話題で、レッドはキャプテン全員の「標的」となった。似た者同士のレイジなんぞがこの土地を訪れれば、それは大変な事になるだろう。そうフォローしとく。

「マオ、マグロのステーキおかわりーっ」

「はいよーっ」

「議題2、トキワシティのジムリーダー」

「イリマ先生!」

「おほん。皆さん、そもそもトキワシティという土地はご存知……?」

 再び固まる食卓。
 紅蓮の目の前に置かれたマグロのステーキを、さっと奪うマツリカ。

「トキワ」

「トキワシティ……?」

「タイムイズマネー。トキワ金なり」

「計算云々抜いても今のスイレンは滑ってたよね」

「アセロラ、そういえば知らないかも」

「駄目じゃん」

「ならば、このトキワのジムリーダーとやら……」

「地味だね! この子は地味系だわ!」

「地味っ子にも優しい土地! アローラー!」

「いやいやそういう意味じゃなくてな! 俺が言いたいのは、こう底知れないという」

「カキ、あーん」

「むもがっ!?」

 さて……開始早々、カキを除き片田舎の「地味男(ジミオ)」として結論付けられた哀しき男が居る。グリーンことユウスイ。彼が現場で会話を聞いていたならば、こう憤っていたに違いない。

『さっきから黙ってりゃなんだぁテメェら!? 全員並べオラッ、派手に叩き潰してやるよ!!』

 想像の容易い事。
「ここで、オーキド博士の孫という事実を出してしまうのは面白くない」というイリマの気の利いた判断により、めでたく彼は地味男として片付けられたのであった。ちゃんちゃん。

「で、その3。スイレン」

「カロス地方ミアレ高校のマサラの留学生がオーレ出身でアローラ留学だ。はいっ、皆早口で言ってみて」

「か、カロス地方ミアレ高校にょまっ」

「アセロラちゃんの舌がー!」

「あっはっはっは! 何よそれ!」

 料理をつまみつつ調理の手は止めないマオではあるが、この難解な言葉全てが事実であるから驚きである。トレーナー、リュウト。かつては地元であるオーレ地方に安寧をもたらした英雄であり、カロス地方ミアレ高校にて学業に励みつつ、マサラタウンという田舎町への留学をこなしつつ、そしてこのアローラへの「二重留学」を達成しようとしている。

 もう滅茶苦茶である。
 いよいよキャプテンの面々の想像力が滾ってきたのか、思い思いの「リュウトの人物像」を口にしてゆくものの。

「まずこれは外せないよ。月を見たら変身するオバケ」

 何処ぞの盗賊社長よろしく、突拍子もない考察がスイレンの口から飛び出す。

「わっはっはっはっはっ、あーっはっはっはっ!! なっ何を根拠に!! ひーっ!!」

 フライ返しを扱いつつも、肩に乗せたアマカジと共に爆笑するマオ。器用なものである。

「ふふ……様々な土地の経験を取り入れた強者か。楽しみだぞ、俺は」

「あーっはっはっはっ!! わはははははは!! とっ、土地!! あははははは!!」

「ぐぬぬ……マオ、俺は真面目にだな!」

「うひゃひゃひゃひゃ!! ぎゃはははははは」

「ぐ! れ! ん! ってマツリカは何やってんだ!?」

「紅蓮と親睦を深めたくて」

 マツリカにくすぐられて爆笑する紅蓮。マオに至ってはスイレンの一言がツボに入り過ぎて、訳が判らなくなっている有様である。早くもリュウトの人物像がカオスになりつつある中、話は更に加速してゆき……。

「挨拶はこうかな。ハローエブリワンのボンジュール! からのコンニチアローラー! なんちゃって」

「なっ長っ!! 語呂悪っ!! ひーっマーマネ笑わすの止めて死ぬあははははは!!」

「カロスといえば古代貴族が有名だけど、アセロラ、心当たりは?」

「お友達のルカとエマって子が、なんかそんなようなお話をしてたような……?」

「マジで!? 貴族なの!?」

「んーん。お友達は古代貴族だけど、多分その子は平民……」

「平民か……そっか」

「何でお前はしょげるんだよ」

「オーレ地方出身という事なら、腕っ節は相当強そうですね」

「確かに。金髪で未成年なのにお酒とか飲んでそう」

「もれなくスカル団入りね」

「えーっ、それじゃアセロラ達の敵になっちゃう!」

「スカル団よりも怖い存在かもしれないよ。砂上船に乗る盗賊のお伽話があるでしょ、オーレって」

「えっ、あ、そういえば昔聞いた事が」

「どうしよう……あたい達散々噂しちゃったよ」

「おーい!! 噂の君ぃ!! どうかこっちに来る時までには真面目になって、俺と戦ろう!!」

「あはっははははは!! かっ、カキ!! 止めて!! ひーっ!!」

 バカ正直にも海の向こうへ叫ぶカキの姿に、いよいよ調理をほっぽり出して笑い転げるマオ。黙々と料理を味わっていたマツリカが、ふと自らの指先を唾で湿らせてそれを夕風に晒し、静かに語り始める。



「なんとなく、だけど」

「その子、悪い子じゃないよ」

「なんとなくそう思うな」



 根拠なき予想、百聞は一見にしかず。
 しかし何を感じ取ったのか、彼女は朧気ながらもそう言い切り――――

「まぁ、月を見たら変身するオバケってのは外せないと思うわ」

 お後がよろしいようで。
 やはり、全員がズッコケるのであった。

「ナイスモチーフ」






 一方、遠巻きにキャプテン連中の会合を覗く生徒達。

「 "特級" のキャプテン達が勢揃いなんてすげぇな……」

「俺、島巡りを控えてるんだよ。挨拶した方がいいのかな……?」

「バカッ、あそこに立ち入るなんてこわすぎるっつの!」

 一見は和気藹々としていても、アローラ地方を代表する「実力者」としてのイメージは固く。まさしくマフィアの食事会、内容は気になりつつも、とてもそこには踏み込めないと二の足を踏むばかりの彼らだが……。

「アローラー。何やってんのさ?」

「おわわっ!?」

 突如合間に現れた紅蓮の姿にひっくり返る。

「あっ、ああああんたは特級の!?」

「ひぃ! ゴメンナサイ! 見てただけです!」

「あのさぁ、見てないでこっち来なよ。マオの料理死ぬ程美味いよー」

 へ?
 クエスチョンマークを浮かべる生徒達。恐る恐る視線を変えてみれば、そこにはこちらを誘うように目を向けるキャプテン達の姿。

「あんた達ーっ、マオ姉さんが美味しいの作ったげるよ! おいで!」

「今ならカキの肉体美も見放題だよ」

「おい」

「早く来ないと、紅蓮って奴に全部食べられちゃうよーっ」

 嗚呼。強さへの畏怖とは、その実力だけに非ず。アローラ地方を背負う、という立場にあるべき者の持つ、分け隔てしない「優しさ」。

「いっ、いいんですか!? 俺らも!?」

「当たり前田のクイタランよ」

「わーい! いただきまーす!」

 数十の生徒、数十の未来(ホープ)。
 夕刻を迎えたアローラであるが、まだまだこの島は賑やかさを増し。マオを手伝うべく駆けようとする紅蓮だが、その傍らを通り過ぎる少年の姿。

「いーい匂いがするよー」

「おっ、ハウ。匂いにつられて来たね」

「おーす、紅蓮。アローラー」

「モネやリーリエは一緒じゃないの?」

「ううん。今来るよー」

 背後を振り向いてみれば、そこには友人であるリーリエと、とある「取り引き」で出逢った少女の姿。

「ハウさんにつられて来てみれば、なんだかすっごい事になってますね!」

「あははは。リーリエとモネも一緒に……」

「紅蓮」

 リーリエの隣の少女が、し、と人差し指を唇に付け、何かを促す。

「あ、ゴメ。こういう場ではムーンだったよね」

「面倒でごめんね。私とリーリエも、お邪魔させて頂こうかしら」

「おう! それがいいよ!」

 かくして、賑やかな島の賑やかなパーティはまだまだ続く。数十の生徒、やがてはアーカラ島の市民達をも巻き込みながら。

6日前 No.444

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★YrZX7O8yn2_mgE


【ソラ/*kfjerpt mvtopuwap/『ウルトラスペース』?】

 ――――――フリーザーは、己の身体を凍らせ外敵を阻むことがある――――――

 青い鳥は、短いようで長い間、トキワシティに近くて遠い不安定な空間で、その身を己が生み出した氷の中へ閉じ込めていた。
 何時も模る人間の姿で、背中から青い翼を生やした状態で。

 彼女は迫る脅威・弟子であったらしいパールに備える為、アコヤと修行をしていた筈だった。
 確かに、修行は一段落ついたと言えたかもしれない。だがそれはギリギリ漕ぎ着けた、仮及第という強引な状態であった。
 何故そのような状態になってしまったかと言えば――――青い鳥の不安定な状態が原因だと言えるだろう。

 彼女はポケモン/トレーナーだ。しかも、記憶を取り戻せていないという、欠けた状態の。
 氷を司る鳥ポケモンであり、ポケモンと共に戦う人間(トレーナー)でもある2つの姿を持っているソラは――迷いが生じてしまったのだ。

 ポケモンであれば、トレーナーと共に絆を繋ぎ、力を発揮することができるだろう。
 トレーナーであれば、ポケモンと共に絆を繋ぎ、力を発揮することができるだろう。

 ポケモン/トレーナーである彼女は突き詰めればどちらもできる存在で、過去の彼女は『パール』と共に絆を紡いでいた例もある。
 しかし、記憶が欠けた状態である青い鳥は――ポケモン/トレーナーの状態で絆を繋ぐ方法も、欠けた記憶の中に置いてきてしまっていたのだった。

 故に、考える為に。一種の瞑想をする為に。

 その身を凍らせていたのだが――――今の彼女が何故、別の空間に行ってしまっているかは、誰にも分からないことだろう。

 けれど、些か時間を掛け過ぎたとも言える。
 さぁ、青い鳥よ、今こそその身を解放する時だ――――




【ソラ/*kfjerpt mvtopuwap/『ウルトラスペース』? → カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅付近】


 ――悩んだって、結局のところ。俺は俺なんだ。

 ピシリ、と氷に罅が入る。
 それはまるで、新しい命が卵という殻を破って生まれるようにも見えるかもしれない。

 ピシリ、と空間に罅が入る。
 乗り遅れた闘争(たたかい)の余波が、空間を軋ませたと言えるのかもしれない。

 2重に割れ出すそれらは、まるでデュエットを奏でているかのようで。
 青い鳥――ソラの耳にも、しっかりと聞こえてきているのであった。

 ぐぐっ、と身体に力を込める。同時に氷が勢い良く砕けていき、冷たい拘束は解かれていく。
 ぐぐっ、と翼に力を込める。同時に空間がもっと軋んでいき、行くべき場所への道が開かれる。

 ばさり、と翼を動かした。蒼い羽根が、空間に舞う。氷を振り解き、蒼い鳥は――――空間を飛び出した。

 飛び出した先にあるのは――――黒き氷結と、白き灼熱。


「――――"劣化解凍(ディティリザレクション)" 」


 どのような戦いが繰り広げられ、経過しているかどうかを認識している暇はない。
 ただ、凍てつく黒き氷とそれに対抗する為の3つの牙を真っ先に認識すれば。

 青い鳥は、ソラと呼ばれしポケモン/トレーナーは言葉を紡ぐ。力を紡ぐための鍵として。
 その力は劣化を起こしてしまっているが、黒き氷を削り溶かす為の一手。
 及ぼす効果は少ないだろうが、妨害をし攻撃を遅らせるワンアクション。

 今の戦いにどう及ぼすか分からない解凍の一手が今、放たれた。

>>トキワシティのメンバー

5日前 No.445

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ/カントー地方/トキワシティ】

ふたつの禁忌(タブー)を犯し、二匹のポケモンとの同期を実現させたリュウト。
白き臨界を超え、「真化(リメイカー)」という新たなステージへと到達したレッド。

「……最高だぜ、おまえら」

己の限界を超えていく彼らの姿を見やり、レイジは感嘆する。
全身全霊を体現する彼らの覚悟にこちらも応えねばなるまい。

「ああ」

「超えてやるよ、このオレも……!」

界王拳によってその戦闘能力を倍加させ、紅いオーラを身にまとうレイジ。
本来は「2倍」が限度であった彼だが、限界を超えたふたりに呼応するかのようにその壁をぶち破る。
爆発的な勢いでそのパワーを増幅させていくレイジが指定した倍率を叫んだ。

 3倍か?

 4倍か?

 いや――

「10倍だぁぁぁぁぁぁーっ!!!!」

レイジの雄叫びとともに燃え盛る紅のオーラが天を衝き、暗雲に包まれた空を真っ赤に染め上げる。

「いくぜ、“さんみいったい”!!」

己の限界を遥かに超えた力を発揮し、炎の化身と化したレイジが『合体技』の名を叫ぶ。

「か」

「め」

「は」

「め」

「波ぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!!!」

それぞれが今持てる最大限の技を全力で繰り出す中、レイジもそれに相応しい技で『黒き氷の羅刹』とそのパートナーを迎え撃つ。
彼の師匠たるトーガが得意とする亀仙流の大技『かめはめ波』――厳しい特訓の中で覚えた秘密の“切り札”を今まさにパールたちへと披露し、他のふたりの攻撃と合わせて一気に撃ち出した。

>>トキワシティのメンバー



【トーガ/ポケモンワールド→カントー地方/異空間→マサラタウン】

 “お前も、 "アイツら" も”

 “予想外が過ぎるぜ”

「当然だ」

「オレたちの力は貴様ごときが計り知れるものではない」

「おまえの予想など一歩も二歩も超えてやるだけだ」

こちらを見据えながら「予想外」と言い放つクロームに対し、トーガは当然の結果だと言い返す。

「ああ、いつでも来い」

「何度でも相手をしてやろう」

「次はお互いに“本気”でな……」

透けていく身体とともにその場から離脱するクロームに対し、トーガは不敵な笑みを浮かべると再戦を誓うようにそう言い放った。

「当たり前だ」

「オレを誰だと思っている?」

出迎えてくれたフレアたちの姿を見やり、トーガは元の世界に戻ったことを把握すると超サイヤ人ブルーを解除し、彼らのほうに向き直った。

「クロームと出会った」

「色々と聞きたいこともあるが、ヤツもこれで引き下がるタマではないだろう」

「今は先を急ぐぞ……」

そういうとトーガは決戦の場へと目を向けるのだった。

>>クローム他

4日前 No.446

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_4qc

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

 己の限界の、その更に先を越えた3人の熱き少年達の一撃が、憎き『羅刹』へと解放されるのにはそう時間はかからなかった。

 戦場に姿を現した宙を舞う蒼き羽根の存在に気付いたリュウトは、その姿に目を見開く。

「ソラ・・・・・・!!!」

 エンペルトの生み出した『槍』を解凍すべくしてその能力を使用したソラは、満を持して彼らの元へと姿を現したのだ。
 彼女のおかげでパールの行動テンポも少しはズレた筈だ、攻撃への準備はこの猶予の内に決める――――

 直後、バンギラスの背中より発生していた『紅の粒子』が大量に展開されていていき、リュウトは・・・・・新たなる覚醒の時を迎える。


「この感覚……あの時と・・・・・・・。 ・・・・ああ、そうか、そう言う事なら・・・・バンギラス、お前もその限界の殻を――――」

「撃ち破れ!!」




「究極護式(アルティメットスキル)」

「――――"転生の翼(リンカーウィング)」


 この現象に、リュウトが初めて護式を発現した時の感覚と同じ物を感じ、その力に名前を付ける。
 背中より生み出されていく粒子の塊はやがて翼の様に形状を変化させていき、その日少年のバンギラスは"宙を舞った"

――――「いくぜ、“さんみいったい”!!」


「ああ!!レッド、レイジ!!!これが俺たちの・・・・・・全身全霊全力全開!!!」


 空中にて制止したバンギラス、その紅の翼は更に巨大になっていき、狙いを『羅刹』へと定める。
 2人が放つ技と同時にリュウトも、彼自身の大技を叫ぶ!!



「"ハイドロカノン"ッッッ!!!!そして―――― "天翔粒子波”ァァァァ!!!」



 粒子の翼は膨大な力を蓄えた波動の一撃へと変化し、パールの元へと解放され、彼女の背後へは高台にいるカメックスから砲撃が放たれる。
 厳しい修行と極限の戦いの末に辿り着いた、新たなる覚醒の力・・・それに合わさるようにして放たれた二人の一撃と共に、目の前の敵・・・パールへと牙を剥いた!!

>>トキワシティのメンバー

4日前 No.447

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

 今こそ――――今こそ、交差の刻。
 単純な話、どちらが死に絶え、どちらが立っているか。



 "いくぜ、“さんみいったい”!! "

 "ああ!!レッド、レイジ!!!これが俺たちの・・・・・・全身全霊全力全開!!! "



 いつでも、壁を破ってきた。
 道を、切り拓いてきた。
 目の前の強大に対抗する為、勝利をもぎ取る為。今日も、同じだ。しかし、嗚呼。



 蕩けるような意識。
 しかしながら、今宵の「それ」は格別であり――――



「善き力の奔流です」

「しかし」



 固定砲台と化したエンペルト。
 銃身を象った黒き氷塊に集中(あつ)まるのは、時すらをも凍結させる羅刹の冷気と殺傷力。うねる漆黒のオーラは更に濃度を増し、嵐の闇にさえ溶け出す程となるが。

 突如。
 疎らに舞う蒼き羽根。



 ――――"劣化解凍(ディティリザレクション)"



『ウルトラスペース』の鱗粉を撒き散らし、放たれし異能。雨粒さえも、風景さえも凍り付かせていた羅刹の『時を止める凍結能力』が揺らぎ、雨晒しとなるその刹那。



「――――全く、何処で道草を食っていたのですか」



 呼吸は荒く、しかしソラの傍らに立つ白き存在。再び蒼きオーラを発生させたアコヤが、よろめきながらも羅刹へと対峙する。



「呼吸を合わせなさい、ソラ。これが――――最後です」

「極点凍結(アブソリュート・ゼロ)」

「―――― "解凍(リザレクション)" ッッ!!」



 ばきり、と歪み、その形状を保てずに崩れ始める氷塊の銃身。ぎり、と歯を結び、二人を睨み付ける羅刹。



「鬱陶しいですねぇ……」

「ならば、そのフリーザー諸共葬ってやりましょうか」



 羅刹が目を背けた刹那、
 その瞬間。



「 "火炎" ――――」



 びりびりと大気は震え、莫大な奔流そのままに。
 三人の牙は、少年達の「力」は。



「―――― "粒子砲" ォォォォッッ!!」



 穢れのない「白色」を以って、黒き羅刹を飲み込んだ。



 風は止み、吹き飛ばされた雲から覗く晴れ間の星達。
 地形すらも変えたその一撃の最中――――、砂煙の中から現れたエンペルトが、どしゃりと地へ沈む。



「――――――――……」

「貴方達は……本当に」

「面白い子達です」



 エンペルトの傍らに寄り添うように、膝を着き、うつ伏せに倒れ込むパール。喧騒のない夜、満天の星空。マサラを襲う脅威は、激戦区と化したトキワの絶望は、



 今宵を以って、去ったのだ。



「一体、何の騒ぎだ……!?」

「怪我人が多数! 保護の準備を!」

「はっ……。遅いのよ、バカタレめ」

 地域住民達と警察が場を賑やかす中、樹に凭れつつ、煙草に火を点けるヒメ。尻餅をついた体勢で、ルカが笑う。

「お前らさ」

「マジですげぇよ」

 人間(ヒト)を超越した、白き奔流は今はなく。ぼろぼろの装いながら、力なく呼吸するイエローを横抱きにし、立ち上がる。

「よォ。まだ生きてたか」

「……あたり、まえでしょ」

「医者行こ」

 澄み渡った大空は、さしずめ戦士達の祝福を唄う星のステージ。満身創痍、しかし、しかし――――

 彼らはあの脅威を相手取り、勝利したのだ!

「呑気なモンだぜ」

 足元のヴァドックへと笑いかけ、腰を下ろすグリーン。全力を出し切ったが故、もはや余力は残されておらず。彼らの集う陰で、それを見守る三人の姿。

「あ、あの子達……、本当に自分達で解決しちゃうなんて」

「はは、意外だったか?」

「……ううん」

 ふと振り向くと、緩慢に歩き始めるフレア。どうやら、輪の中に混ざる気はないらしい。

「じゃあな、トーガ」

「また戦ろうぜ」

「…………」

「ソラ」

「また逢おうな」

 やはり、今は「彼女」に逢う気はないようで。
 呆れつつも、その背中を見つめるソニア。そして星空の中――――少年達を見つめる不穏な存在(カゲ)。

「教皇。 "起源" の回収に乗り出しても宜しいか」

「いや、凄いねぇ。いいモン見させて貰ったよ」

 教皇、と呼ばれたローブの男が、その笑みを更に深めるものの――――

「導師アザーゼル。今日は帰るよ」

「……何故か」

「彼らを此処で摘むのはやめた」

「理解しかねるな」

 その姿は、闇夜に紛れ。
 暗雲は去り、場の喧騒に紛れるのであった。

>>ALL


【差し支えなければ、次回のレスにて数ヶ月後に場面転換させて頂きます】

3日前 No.448

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ&ヴァドック&トーガ/カントー地方/トキワシティ】

解き放たれた三人の一撃がパールたちに迫る中、遅れながらもこの場に駆け付けたソラとその師匠たるアコヤによる『合わせ技』がパールたちの意識を逸らす。

「界王拳!!」

「――20倍だぁぁぁぁぁーーーっ!!!!」

彼女たちが作ってくれた隙を逃さず、それに応えるようにレイジは更なる力を発揮する。
レッドの『火炎粒子砲』と並ぶように勢いを増した『かめはめ波』は二人の技と合わさるとひとつの白い光となり、パールたちを飲み込んだ。

「どうやら、オレたちのパワーが勝ったみてえだな……!」

紅いオーラが消失するとともに自らの限界を超えた反動が一気に身体へと押し寄せ、吐血とともに膝をつく。

「へ…へへへ……!」

「やったぜ……!モモ…カ……」

全身に激痛が走る中、モモカの仇を討てたことに安堵の表情を浮かべるとレイジは意識を手放し、その場に倒れ伏せた。

「ああ、オレもそう思うぜ……」

「……次はオレの番だな」

グリーンの言葉に同感し、こちらも笑い返すヴァドック。
己の限界を超え続け、ついには羅刹を打ち倒した少年たちの闘いぶりに勇気を貰ったのか、ヴァドックは覚悟を決めたかのように小声でそう呟いた。

「無茶をしやがって……」

「バカが……」

そんな彼らの様子を眺めながら呆れたようにトーガが呟く。
自分の言いつけを破り、界王拳の倍率を己の限界を遥かに上回る20倍にまで引き上げたレイジに対し、トーガは「やはりこうなったか」と言わんばかりにため息をついた。

「ああ……」

「オレはまだまだ強くなるぞ」

輪の中に混ざろうとせず、こちらに背を向けて歩き出すフレアに対し、トーガは振り向かず、そう返した。

「ふふふ……、なかなか面白いものが見れてよかったわ」

「大量の“キリ”も手に入ったし、あいつらの成長が楽しみね……」

その陰でうごめく悪しき存在はひとつではなく、杖を携えた青い肌の『魔女』が、勝利を分かち合う少年たちの様子を上空から見下ろしていた。

「この世界にサイヤ人がいるのは計算外だったけど、タイムパトローラーでない以上、相手にする必要もないわ」

「せいぜい潰し合って“キリ”を取るために役立ってちょうだい」

「暗黒魔界復活のためにね……」

青肌の女性は妖しく微笑みを浮かべると闇の中に溶けるように消えていった。

>>ALL

2日前 No.449

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_4qc

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

 3人の放った強大なる牙は、ソラとアコヤの協力の元パールへと届き・・・・・・遂には彼女を屠るまでに至った。

 周辺の地形を抉る程の一撃に、エンペルトは倒れ伏し、またパールもそれに寄り添うように倒れ込む。
 この瞬間、戦士達は絶望に抗い、つかみ取ったのだ。マサラに迫っていた危機からの勝利を――――

――――「どうやら、オレたちのパワーが勝ったみてえだな……!」

「ああ・・・・・俺達の、勝ちだ・・・・・!」

 護式を解除すると共に、血を吐きボロボロになった身体を引きずりながら、親友であるエマとルカの元へと向かう。

「ルカ・・・・・エマ・・・・・誓いは果たした、ぜ……」

 その瞬間、足から力が抜け、2人の目の前で仰向けに倒れ込む。
 友への誓いを見事に果たし、安堵したからか、それとも単にダメージが蓄積されたからか、全身からも力が抜けていくのがわかる。

「あれ・・・・・・」

「おかしいな・・・・・・」

 それとは別に、自身の身体に生じた違和感を感じ取る。
 左腕に力を込めようとしても、まったく動く気配がないのだ――――


「ハハッ……」

「無茶しすぎたのかもな……」


 星に包まれた夜空を見上げながら、小さく笑う。

 無茶に無茶を重ねた様な戦いをしたのだから仕方ない、と心の内で納得する。
 だが、不思議と自身の行いに悔いは無かった。自分自身を越え、その代償として身体が蝕まれつつあるとしても、それでも友たちを守る事が出来たのなら――――

 騒ぎに駆けつけた、近隣の住民たちや警察がようやく姿を現し、戦火の跡は終息の一途を辿ることとなった。

 そして……少年達は気づかない。まだ複数の暗躍せし不穏な影が迫っている事を。

 彼らの戦いはまだ終わっていない、いや、まだ序章に過ぎないのかもしれない。

 だが、今だけは。
 今だけは仲間達と共に勝利の喜びを分かち合い、酔いしれたい。
 そう思ったリュウトであった――――

>>ALL

2日前 No.450

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ゼロ/カロス地方 ミアレシティ/路地裏】

「ああ、勿論だ。ケンタ達は?」

「行くよ、サトシは俺たちの団員だからな。ですよね、ユウさん」

「もちろん。親友を救うのは当然だよ」

「私は心配しないでください。自分の身は自分で守れます。」

「よし、行こう!ユウ、頼む」

「うん。来い、パルキア!空間をホロンへと繋げ!」

「ユウはカードからパルキアを呼び出し一つの空間を作り出す」

「よし入ろう!」




そして彼等はホロンへとたどり着く。始まりの森へと。しかしホロンは再び…燃えていた。

そして…凍りついていた。

これは…

「ポケモンの気配がありません。どうやらいるのは私達だけのようですね」

「だからってこの状況は…」

ホロンは燃えて…そして凍っていた。それはふたつに分けられていた。
以前サトシが向かったホロンの研究塔の方角は燃えており、始まりの湖の方角は氷付けとなっていた。しかしご丁寧に人が通れる道はできていた

「執行者の仕業か…?わざわざ別れ道まであるとはね…」

「二手に分かれようどっちに行く?」

「僕は燃えてる方に行く。あっちに断罪がいる気がするんだ」

「断罪と戦うのか?」

「うん、サトシもサクラギも知ってるのは僕だ。彼の実力は僕もよく知ってる。もし断罪がサクラギと同等の力があるなら…僕でもなんとかできる。むしろ氷結の実力が分からない。だからゼロ達はそっちを」

「分かった。死ぬなよユウ」

「お任せを彼等は私が」

「ガイ、ハヤト、ミライ。お前達はどうする」

>>ガイ、ハヤト、ミライ

1日前 No.451

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【 "黒き氷の羅刹" の脅威が去り、早くも数ヶ月】

【マサラ第一高校、ハイスクール・ライフの落ち着いた放課後……の筈であるのだが】

【そこでは、男達が互いに譲れぬ信念を懸け、死闘を繰り広げていた】



【戦闘区間/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 教室】

【 "神速の16連射" レッド】

VS

【 "FPS歴10年" ルカ・ウィンチェスター】



 "ゲームは一日一時間"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=GFMpdT18kXU)


「あーっ!! テメェずりい今の!!」

「わっはっはっはっは!! 作戦作戦ンンンン」

「いやノーカン!! ノーカンな今の!! はい俺の勝ちいいいいい」

「ざけんなボケ!! 雑魚っカスっシスコンっ」

「ぬあああああ殺す」

 生徒達も疎らな放課後の教室にて、「モンテンドー3DS」に興じ大騒ぎしているバカが二人。ご存知バカとバカである。

「ちょっとさぁ、レッドもルカもうるさいんだけど!?」

「テメェがうるせえんだよレッド!! お前ちょっと黙れや!!」

「いやルカのがうぜェから!! コイツを注意しろ!! むしろ殺せ!! 粉砕しろ!!」

 同級生であるキリカに注意されてもますますヒートアップする有り様、もう知らないとばかりに去る茶道部の某。しかし、何もやかましいのはこのバカ二人だけではない。

「おーいレッド、お前またヒメちん先生に呼び出し食らったんだって?」

「うぜえええええっ黙ってろリッキー!!」

「俺さ、ヒメちん先生の気怠げなエロさいいと思うんだよ! な、どうよ!」

「知らねぇよ!! 黙れや!!」

 バカにちょっかいを出す3バカグループ。彼らの級友にして悪友であるリッキー、ナツ、クジローである。思春期特有の妄想力を大いに発散するバカスリーではあるが、バカ二人の方はそれどころではない。真剣勝負の死闘の最中、がらっと開く教室の扉。同じくヒメに呼び出しを食らったグリーンである。

「おー、ヒメちん先生に呼び出し食らったのがもう一人!」

「オメーは何したんだよグリーン」

「何もしてねえよ。で、コイツらは?」

 親指で差したのは、やはりピコピコと死闘に興じている二人。クジローが肩を竦めてみせると、ダブルバカのモンテンドー3DSを鮮やかに奪うグリーン。そのまま空いた窓へとそれを躊躇なくブン投げる。少し遅れ、グラウンドの地面にて何かが粉々になる音。

「おああああああ!!? おまっ、お前えええええええ!!?」

「わあああああ!! グリーンが俺の3DSこわした!! こわしたああああびええええええ」

「やかましいんだよテメェら!! これ以上騒いだら次はテメェらを突き落とすぞ間抜け共!!」

 ぐすぐすと嗚咽の声、さめざめと泣き始めるバカ。3バカが爆笑する中、不機嫌な様子でどっかりと着席するグリーン。今回の件ではリュウトも呼び出されているが、一体全体何なのやら。

>>ALL




【アスレイ・ローズマリー/カントー地方 トキワシティ/トキワの森】

 ――――この地を去りし、黒き氷の羅刹。
 しかし、氷河の脅威は依然として衰えず。

 トキワの森の入り口に建つ、亡くなったポケモン達を弔う慰霊碑。あの羅刹の仕業ではない、何者かによる襲撃。現在、厳戒態勢の敷かれている「ふたご島」から逃げおおせた存在が言うには――――

「悪寒、か」

「杞憂が現実になる。僕にとっては、何ら珍しい話ではないさ」

 コートを翻し、慰霊碑に背を向けて森を去ろうと歩き始めるアスレイ。レッドやグリーン同様、彼の力とて以前の比ではなく。着実に技量(ちから)を身に着けゆく彼の紫の双眸が、険しくも細められていた。

>>ALL

1日前 No.452
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