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Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD"

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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ツバサ ★kxhnMwovI2_kl8

Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD"

この世には無限の世界がある。

世界が生まれる時、世界は消失する。
世界が消失する時、世界は生まれる。

世界は管理者によって成り立つ。
世界は管理者によって消される。

世界は常に変わりゆく。例外はない。
世界は常に変わらない。例外はない。

管理者が覚えている限り世界は存在する。
管理者が忘れている限り世界は消失する。

世界の記憶を保つには管理者の存在が必要である。
管理者の存在を保つには世界の記憶が必要である。

管理者は一人ではない。生きるものすべてが管理者である。
死するものすべてが管理者である。管理者は一人ではない。

複数の管理者が揃うとき、新たな世界が生まれる。
複数の管理者が離れると、新たな世界は消失する。

新たな世界が生まれる時、それまでの世界は崩壊する。
それまでの世界が崩壊する時、新たな世界が生まれる。

新たな世界とは管理者の所有する世界が融合した時、生まれる世界。
新たな世界の融合が解除された時、管理者の所有する世界ができる。


今、新たな世界が再び開演する。



【開始するまで、書き込まないで下さい】

2年前 No.0
メモ2014/11/15 18:49 : ツバサ★x6oODnGVv0_Kvj

Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD" 本編

http://mb2.jp/_ni2/18595.html


Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD" 設定や相談など

http://mb2.jp/_nrs/4018.html

ページ: 1 2 3 4 5


 
 
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なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC


【時間軸:黒き氷の羅刹による、ポケモンリーグ襲撃の前日深夜】

【ユキジ・アリスガワ/ジョウト地方/キキョウシティ スナック「きんのたま」】

「わっはっはっはっは」

「わはは」

「わっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

「うわぁーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!」

 飲み過ぎよ、という「ママ」の静止も余所に、上機嫌のまま爆笑する我らが社長。

 率直に言う。
 社長は、アリスガワは、この「大仕事」を前に腐り果てていたのだった。行き着けのスナック、これまた彼女以上に苛烈な過去を歩んでいそうな、和服に身を包んだスキンヘッドの巨漢たる「ママ」。ジョウト地方、キキョウシティの「絶対に剥かせるママ」ことタミヤといえば、地元の人間はおろか、観光客すらもがその名を知る一皮剥けたママである。もう何本目なのか判らないウイスキーとラムのボトルを片付けると、カウンターに肘を着き、ふぅ、と溜め息を吐くタミヤママ。

「ユキちゃん。こっち帰って来てから変よホントに」

「あぁん? アタシはいつも変なんだよママ! さっばぁーくーをゆくぅ、ふねぇーっと。は! どうよこりゃ。……んむ……げんえきの、会社社長がぁーっ。ラスト・フロンティアの話題出す時点で……むにゃ……おかしいだろっ! へっ!」

「な、な。ママ。こぉーのアタシを……そう……むにゃ。罵ってくれよ! ひっく。オメェは馬鹿だとっ! もういっそさ、この……馬鹿を……そう……アタシを罵って欲しいのさ! うへぇーいっ!」

「ユキちゃんは馬鹿なんかじゃないわ。本当の馬鹿なら、こうして頑張って一企業の社長にまで登り詰められないでしょう?」

「世辞かい? へっ! みぃーんなそう言う! みんなそう言いますよォこれはーっ! アラシ……アタシみてえによ、親の顔も知らねえわ学もねえわの砂漠の僻地生まれのクソバカが社長やってるとかよ、笑い話だろ? ぶははは。部下の皆さァーんすいませーんってよ」

「お世辞なんかじゃありません。あたしがユキちゃんに嘘言った事あるの?」

「ないでぇーすないなぁーい。ママぁはぁ〜しょっ正直者でござんす〜っ。わっはっはっはっははっはっはっはっ!! はーっおもしれ」

 これは酷い、と言わんばかりに目を細め、いかつい眉根に皺を寄せるママ。笑い上戸に絡み酒、これは別に馴れているのだから構わないものの……幾らなんでも、今のアリスガワは荒れすぎている。

「で、パッチちゃんはどうしたわけよ? いっつもユキちゃんの面倒見てるでしょあの子」

「パッチぃ〜? っは!! 知るかよあんな奴。うぜえから休暇やったわ。今頃どっかのメスのパッチールとでもよろしくやってんらろ。もしくはオモチャ屋にでも並んでるか……うひゃひゃひゃ」

「はぁ。ラスト・フロンティアの件に関わらせない為に遠ざけてるわけね?」

「ちがうちがうちがうちがうちーがーいーまぁすぅ。アイツマジ……そう!! 臭えんだよパッチは!! パッチ、マジくっっせえんだよホントに!! はーっ! 臭いパッチさよなら〜。良い匂いのパッチがね……好きなの……グス……」

 パッチ本人が聞けば、怒りを通り越して卒倒すらしそうな言い分である。もうこれは駄目だ、と肩を竦め、タクシーを呼んで表へと放り出すタミヤママ。

「ユキちゃん、もう帰って寝なさい。駄目だわこれ。シラフの時なら相談にも乗るわよ」

「やーだ! おうちかえらない! かえ、かえららい! ばいばーいママ! ありがと! ウッフゥー」

 困惑するタクシーの運転手と、はぁ、と再び肩を竦めるタミヤママ。泥酔しても尚頑固とは、何とも面倒臭い社長である。



【パール/運命の分岐点/闇の懐】

 ちゅぴ、と指を舐め、それを大気へと晒し、荒れ狂う風の向きを読むパール。

「嗚呼、忌々しい」

「この陰気臭い "暗黒" とやらが、広まりつつありますね」

 いつの間にかソラとリナリアの背後に居た彼女が、パートナーたるエンペルトをボールに収納しつつ呟く。

「ソラ。……いえ、師匠(マスター)」

「毎度リナリアの狂言に付き合うお人好しも結構ですが、貴女はこのパールに技を叩き込んでくれた師」

「フレア同様、貴女とは此処で折れる人なのでしょうか?」

 す、と自らの「師匠」たるソラの手を取り、その甲に軽く口付けし、今一度彼女の持つ力へと忠誠を誓う。最中、長いマフラーを乱暴に掴み、カロスの姫君は声を張り上げる。

「今度こそは、本当なんだからッ! アンタ達、何よ……あの気配を感じ取っても判らないの!? 嫌よ、アタシ……アンタ達が死ぬなんて……!」

「リナリア。間違っているのは貴女です」

「私達を、私の師匠(マスター)を。見くびって貰っては困ります」

 掌で顔を覆い、泣きじゃくるリナリアをお姫様抱っこするや否や、パールの視線がソラへと向く。

「今こそ、彼らと共に終止符を」

「 "定位置(ポジション)" へ、師匠(マスター)」

 蒼く輝く『キズナ』の光が迸り、二人を包むその「概念」すらをも歪める力。かつてはフレアすらも凌駕し、彼を本当の意味で「実力者」として魅了した、特異たるフリーザー、ソラの編み出した異能。



「究極護式(アルティメットスキル)」

「極点凍結(アブソリュート・ゼロ) "ラグタイム" 」



「――――往きましょう、師よ」

 リナリアを抱き留めつつ、その躯体は真っ直ぐに戦場へと。まるで時をそのまま止めたかのように、二人とリナリアは闇の懐へと辿り着く。交戦の音、最終戦争たる規模(スケール)のぶつかり合い。「王女」の懸念は余所に、今こそは奴を、「ダークマター」を破る時!

 ……なのだろうか。



【第三者(アザー)の介入まで、残り2レス】



>>ソラ




【フレア/ポケモンワールド/宇宙空間 → 移動】

 いや、感謝、感謝の極みとはこの事よ。
 溢れ出さんばかりの表面張力、その水を全て跡形もなく吸い出してくれたこの男。礼は要らんと言いつつも、礼をせずには居られぬこの境地。感謝の妙。例という言葉すらも最早遠き力の境地。感謝の妙。

「あぁ」

「帰ろうぜ、あの地球に」

 全てを吐き出したフレアは、強敵(とも)たる男の手を握る。それはまるで、健闘を称え合う握手そのものであり――――

「あ、そうだ」

「どうせならよ、美味い飯屋の前とかに指定してくれよ」

 ……変わってない。やっぱり!

>>トーガ

3ヶ月前 No.363

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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3ヶ月前 No.364

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【トーガ/ポケモンワールド/宇宙空間→移動】

「いちいち注文のうるさいヤツだ……」

トーガは指先を額に当てながら注文の多い強敵(とも)に呆れた様子を見せる。

「オレの瞬間移動はそこまで万能じゃない。行けるのは知っているヤツのところだけだ」

美味しい飯屋を所望するフレアだが、生憎トーガの扱うヤードラット式の瞬間移動は行きたい場所ではなく知っている気の場所に移動する技であるため、そこまで自由は効かないのだ。

「……移動するぞ、せいぜい振り落とされないように気をつけることだな」

気を捉えたトーガはフレアとともに地球へと瞬間移動する。

――さて、彼らの向かった先とは……。

>>フレア



【レイジ/カントー地方/マサラタウン/マサラ第一高校 グラウンド】

「リュウトか、また面白いヤツが来やがったな……」

マサラ第一高校の屋上にて金色の瞳をギラギラと輝かせながら校庭で行われる闘いを観戦するレイジ。

「そして、あの白い女……。最初はパールの野郎かと思ったが、どうも違うみてえだ」

「どっちにしろ、とんでもねえ達人に違いないことは確かだが……」

ニヤリと口角を釣り上げると歯を剥き出しにして好戦的な笑みを浮かべる。

「ずいぶんと嬉しそうだな、レイジ」

「へっ、オレは強いヤツを見つけるとワクワクしちまうんだよ」

「どうだ、乱入するか?修行の成果を試す絶好の機会だぞ」

「そんな無粋な真似はしねえよ。これはあいつらの試合だからな」

「だろうな」

「それに見てみてえんだ、この闘いの結末ってヤツをな。おまえもそう思うだろ?」

「ふん……」

レイジの返答にボールの中にいる彼の相棒たるバシャーモのヒートは不敵な笑みを浮かべるのだった。

3ヶ月前 No.365

aki @asynchro73 ★iPhone=Zyy1RgwaC2

【シルバ/オーレ地方/街外れのスタンド】

アリスガワが飲んだ暮れている時を同じくして、この男も静かに動き始めていた……。

砂漠に佇む憩い場…そのカウンター越しに向かい合う二人の屈曲な男達がいた。
一見すれば堅気の人間とは思えない光景ではあるが、彼らの話題は何とも平和な世間話であった。

「…それでよ、ここ最近あのアリスガワの奴がオーレに戻ってきたってわけよ。お前さんもあいつの事は知ってんだろう?」

グラスを磨きながら男に話しかける此処、街外れのスタンドの店主。
その強面と巨体から放たれる重音は並みの人間なら恐怖さえ覚える程だが、彼はそれにも動じず。

「あの女の話はすんじゃねえってあれ程言ってんだろ…昔パイラの酒場で殴りあって以来犬猿の仲なんだよ、あいつとは」

投げかけられた話題にこちらも重音で返す。
チビチビとウィスキーを口に運びながら店主と話を繰り広げるこの男こそ…オーレを騒がす盗賊団の一つ『砂漠の狩人』頭領たるシルバ・アストレイである。

「ガハハ!!まあ喧嘩する程なんとやらだ!そのうちお前さん達も仲良く飲んだくれるぐらいにはなるだろうよ!!」

「うるせえよこいつで頭かち割られてえのか?あ?」

店主の背後にある酒瓶を指差しながらお得意の鋭い目付きで威圧をする。

…それからもたわいのない会話が続き、程なくしてシルバの口からある言葉が飛び出る。

「…近々、俺らでラストフロンティアに殴り込みに行く。おやっさん、あんたに頼みてえことがある」

ガシャンと磨いていたグラスが滑り落ち、割れる音が店内に鳴り響く。
そして一瞬時の止まったかの様な静寂が訪れるが、しばらくして店主は鬼の形相でシルバを睨む。

「てめえ…本気で言ってんのか、それ?冗談で言ってんならさっさと撤回しろ。」

「本気で言ってるに決まってんだろ。理由はあんたも痛いほどわかってるだろ?」

「…わかってるからこそだボケ。だからこそ、お前さん達をあんな地獄に行かせるわけにゃいかねえっつってんだよ。」

「いいか?あこは命がいくつあっても足んねえ、生きて帰れる保証なんざ欠片もねえ。待つのは『死』それだけだ。悪いことは言わねえ身を引くなら今の内だぞ」

まるで駄々をこねる子供を諭すかの様に優しい口調でシルバの説得を試みる店主。
だが、彼の心についた炎は決して消えることなく、ただひたすらに店主の瞳を見据えていた。

「んなもん俺がガキの頃から散々聞かされてた話しだからわかってんだよ、それを覚悟の上でカチコミに行こうってんだ。」

「何も遊び半分で行くつもりはねえ、やるなら全力であの"白鯨"の野郎を叩きつぶす。誓ったんだよ、あの日から」

「どちらにせよ、遅かれ早かれあんな化物は駆除されて然るべきだ、あれは放し飼いにしてていいモンじゃねえ。おやっさんが一番それを理解してくれてる筈だろ?」

この店主…過去に何があったのかと思えば『ラスト・フロンティア』に仲間内で乗り込み、モビーディックとの邂逅を果たしていたのである。
その中で唯一生存したのが…シルバの目の前にいる男その人だったのだ。

「………お前さんは、それほどまでに…」

何故この男はこうまでしてあの化物を追い求めるのか?何故、自ら危険な道に進んでいくのか?何故?何故何故?
店主もその理由はわかっていれど、シルバの奥底にある感情を理解しえることはなかった、だが…。

「……しばらく店を開ける必要があるな」

あれ程ラストフロンティアという地を拒んでいた店主の心は、確かに揺れ動いていた…。

【リュウト/カントー地方/マサラ第一高校グラウンド】

アコヤの繰り出したその技術は、常人には到底測り得ぬ物であった。
ピンポンの様に跳ね返りまた戻るボールの挙動…それを目で追い翻弄されるグラウンドに集う生徒達。

飛び交う6つのボール…そのどれが、どのタイミングで開かれるのか皆目検討もつかないこの状況…どうする…!!

「予想通り…とんでもないな、これは…」

なす術もないとはこの事か。
とにかく、どのタイミングでも奇襲を受けれる様には身構えるがボールを目で追うのが精一杯である。

直後、アコヤの一言により繰り出されたグレイシア…。
どこに現れたかと思えば、彼女の足元に座り余裕を見せるのだった…!

「くそっ…完全に出鼻を挫かれた!!」

奇襲してくるかと思ったが、完全に予想が外れた。
アコヤのペースに飲まれながらも様子を伺うが、その時には遅く…グラウンドは白い蒸気に包まれ、地面は氷に覆われるといった空間が一瞬にして成立してしまう。

「ルカ、エマ…―――――!!」

何が起こったというのだ?
気づけば地に伏せられた兄妹…数秒?もしくはそれ以下の短い時間の流れの中で…この女は一体何をしたというのか?

桁が違いすぎる――――――

"詰み"だ。リュウトの思考は完全にシャットダウンしかける、が…。

――――――「リュウト、カメックス」

――――――「いっちょ、やってみねェか。 "合体技" 」

レッドの一言でふっと我に帰る。
そう…この2人の負けず嫌いは先の戦いでも証明されたこと、このまま諦めるのでは寝覚めが悪いではないか…!!

一体…この熱き2人の少年の力が合わさった時、どの様な化学反応が起こってしまうというのか…!

「案外、洒落た事考えるじゃねえか…いいぜ、見せてやろうぜ」

「俺たちの…"全力"をな…!!」

同時に七色の光を放つメガペンダント…その光に包まれたカメックスは姿を変え、巨大な砲身を従えた"ダーク・メガカメックス"へとメガシンカを遂げる。

「(さっきのあの感覚…名付けるならば…)」

「護式(トレーナースキル)…"魂の昇華(ソウル・アセンション)"」

メガペンダントの光がリュウトの瞳と共に赤色に変わると、彼に映る景色、五感、意思と言った様々な物がカメックスと共有される。
それだけではない、パートナー同士直接的に繋がる事によって力の限界をも引き出す事が出来るのだ――――

「狙いはバッチリだ…!行くぞ!!レッド!!」

「"ダークブラスト"!!」

視界の共有により、グレイシアに向けて安定した狙いを見せる…!
徐々に砲身に集束していく闇の真空波…巨大な渦へと化していくそれは未だ放つ事は無く、友へのバトンとして繋げた――――

>>レッド、アコヤ

3ヶ月前 No.366

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ユウ/カロス地方/ミアレシティ ブルー広場】

「戻ってきたのか…」

どうやら元の世界に戻ってきたようだ。しかし、先程のサトシの件でミライは泣き、ヒガナも何処かへ行ってしまった。更に戦う意思が既に消えたのかゼロのオーラも消えてしまっていた。

「ミライ…」

泣き続けるミライを見てゼロも俯いてしまう。今回の事は誰もが心が傷つく事態だったのだ。



「あれ?なんか1人減ってないか?」

「なんか飛んでったぞ?」

「しかも1人泣いてるぜ?なんかあったのか?」


しかし、観客はそんな事があったことのなど気付かず突如起きた変化に戸惑っていた。

「……あ。…劇の途中だったか…。ユウ!」

「うん、任せて」

ゼロとユウは一瞬にして合図を取りゼロは観客に礼をして口を開く。

「皆の衆!残念だが今日はここまでだ!」

「えー!」

「もっと見せてくれよー!」

「何があったか教えてくれよー!」

「だが決着は必ず行う!我々の戦いを楽しみにしているがいい!!」

「頼むユンゲラー!俺たちを安全な場所に!」

ユウはカードからユンゲラーを呼び出し全員はテレポートで消えてしまった。

「おお!ユンゲラーが出てきたぞ!」

「そして、一瞬にして消えたぞ!なんてスタイリッシュ!」

「これは次の劇が楽しみだぜ!」




「ここは…プリズムタワーの中?」

「ここなら安全だね、なぁゼロ。…ゼロ?」

「…ん?あ…あぁ…すまん聞いてなかった」

ゼロはフードを被って表情を隠していた。

大抵ゼロがこうしているときは落ち込んでるか、恥ずかしすぎて死んじゃう時がほとんどだった。今回は前者の方だろう。さっきは頑張って演技してくれたんだろうと思うとユウは少し悲しい気持ちになった。

「アオイさん…」

「ゼロ…ミライ…」

だが、ユウは悲しい気持ちを切り捨て、真剣でそして優しい表情で皆に語りかける。

「そんな顔しない!」

「ユウ…」

「確かにサトシは断罪の言う通り彼の分身だったかもしれない。けどあの青い光を見ただろう?お前やヒガナさんを心配する姿を。あいつは僕達が知るサトシだ、まだ生きている。まだ取り戻せるんだ。アオイさんも!」

「ユウさん…」

「前に進もう。立ち止まってたらアオイさんやサトシを助けられない。それでもいいのか?それとも何もせず、誰も助けられずに執行者にやられる?」

ゼロはフードを外してユウの顔をしっかり見る

「嫌だ…そんなのは…嫌だ!」

「でしょう?」

「ああ」

「諦めるのは全てが終わった後でいい」

「?」

「僕の中にいるシャドーの信念…みたいなものらしい。彼も、誰かが死にそうになっても僅かに希望があるなら恐れずに進んだんだ。なら…僕達も」

「………。そうだな…俺たちは前に進むしかない。たとえ断罪がかつての友の姿であっても…サトシを助けるためなら俺は…戦う」

「俺もだ。俺やリオはそこまで強くないけどやれるって所見せてやるさ」

「その意気だよ」

「それにあいつには恨みもあるからな」

「恨み?」

「あのカウントダウン詐欺の人間大砲の件だ。俺、後で覚えてろって言ったしな。ミライと一緒に一発殴んないとな」

ゼロはミライの肩に手を置き、自分の意思を皆に伝える。

もう、ここまで来たら折れるわけにも、止まるわけにはいかない。

戦って皆を救う。

それが彼の決めた道であった。

>>ミライ、ガイ、ハヤト

3ヶ月前 No.367

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★XvEY5KJKmY_mgE


【ソラ/運命の分岐点/暗黒の懐】

 リナリアの頭を撫でていれば、パールが近くへとやってきてた。
 てっきり先に向かっていたと思っていた為、少し驚きながらもリナリアの頭を撫でるのを止める。

 ――――「毎度リナリアの狂言に付き合うお人好しも結構ですが、貴女はこのパールに技を叩き込んでくれた師」 「フレア同様、貴女とは此処で折れる人なのでしょうか?」

「いーや?折れるような奴じゃないさ。フレアも、俺も。ただ、リナリアの言うことも気になるだけさ」

 己のことを『師匠(マスター)』と呼び、忠誠を誓うように手の甲にキスをする相手に苦笑を浮かべながらもそう言葉を零す。
 師匠と呼びつつパシリにされたりしたこともあるが、それは彼女なりの接し方だと知っている。弟子を作るとか考えていなかった自分に初めて出来た弟子だということもあり、色んな意味で可愛がってきた相手だろう。
 それよりも、パールのマフラーを乱暴に掴んで取り乱してしまっているリナリアの方が、今は心配だった。
 パールがマフラーを掴まれたぐらいで窒息したりすることは早々にないだろうけど、リナリアが窒息の危険があるという危ない行動をしてしまっていることに変わりない。
 彼女が何を『視て』しまったのかが完全に分からない自分には、慰めるような言葉を掛けるしか出来なかった。むしろ、ソラ自身今から危険に飛び込もうとしていることには変わりない訳で――説得力は皆無だろう。

 ――――「今度こそは、本当なんだからッ! アンタ達、何よ……あの気配を感じ取っても判らないの!? 嫌よ、アタシ……アンタ達が死ぬなんて……!」

「大丈夫さ。何度も何度も、こういう体験はしてるから、さ」

 パールが表現した“暗黒”。嫌な気配だと表現したくもなるのは無理はない。
 だけど、戦い続けてきた経験は裏切らない。――と表現するのは少々可笑しいかもしれないが、それでも戦うと決めた手前、逃げ出す気にはなれなかったのだ。

 ――だって、もうフレアは先に行ってしまったから。

 大切に大切に想っている相手。
 一緒に戦ってきて、世界を渡るときも彼の後をついてきて。
 彼を置いて、自分だけ尻尾を巻いて逃げたりすることが出来るだろうか?否、出来るはずがない。

 ボロボロのボロ雑巾のようにされようが、翼をへし折られそうにされようが、今はただひらすら、前に進むのだ。進みたいと強く思うのである。


 ――――「今こそ、彼らと共に終止符を」 「 "定位置(ポジション)" へ、師匠(マスター)」

「そうだな、さっさと合流して。ピリオドを打ちに行こうか」

 泣きじゃくり始めてしまったリナリアをパールに任せ、指示された通り、定位置(ポジション)へとつく。
 蒼い輝きを迸らせる『キズナ』を目にした後、パールに微笑みかけながらもその『力』を解放させる。
 護式の上位に位置するものとして、その異能を紡ぎあげた。時を停めるという、概念の歪ませる絶対零度の発現。

 ――――「――――往きましょう、師よ」

「――――あぁ、往こう。パール」

 向かう先は暗黒に染まる戦場。
 交戦の音がそろそろ耳に聞こえてきそうだと思いながら、ひたすら身体に冷気を溜め込む。
 最終決戦を前に、不測の事態が起こらないように、戦う為の下準備を行っているのであった。
 冷気を溜める一方で、身体の中は熱さを増していく。これからの戦いに、気が昂ぶり始めている熱さだろう、と意識の片隅で認識をしていた。

 ――過去の彼女(じぶん)は知らない。自分達は知らなかった。第三者の介入が発生することを。

>>パール



【あおいとり/夢の中】

 ――師匠(マスター)って何!?え、弟子!?弟子なんて居たのか俺!?

 夢を見ている青い鳥は弟子らしい人物のことよりも、弟子が居たらしい、という事実に驚きを隠せないで居た。
 記憶喪失だと認識してから、一人で居る事が多かったソラが、今まで一緒に居たらしい『フレア』以外に、親しい(?)人が居たという事に驚いてしまっていたのである。

 ――それに……究極護式(アルティメットスキル)って、何だ?

 見る限りではトレーナー(パール?と呼ばれた女性)とポケモン(己であるフリーザー)を結んで何か力を発現させているようにも見えるが――
 夢を『見ている』状態で、夢を自分の記憶だと『認識しきれていない』状態である現状ではまるで雲を掴むかのように感覚が掴めないでいた。

 そして、夢を見続けている状態でひしひしと感じる“嫌な予感”。
 目覚めていれば取り乱してしまっているかもしれないくらい、ビリビリと嫌な予感を感じる。
 それでも目覚めたくなかった。最後まで、見届けたいと思ってしまえば――目覚めるなどという選択肢など、取れないでいた。

 この先を見て、後悔する事になるかもしれないし、新しい発見が出来るかもしれない。
 どうなるか分からない。どうなるか分からないけれど――記憶を喪ったままよりは、マシだろうと腹を括って、目覚める事を拒否するのだった。

3ヶ月前 No.368

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【フレア/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 屋上】

 彼の言う、見知った間柄。
 成る程――――これは妥当な結果である。夕雲を仰ぐ暇もなく、眼下のグラウンドにて響き渡る喧しき闘争の旋律。ごろりと横になった状態で、先程話題に出していた「有望株」を一瞥するフレア。

「よォ。レイジ……」

 こんな体勢から失敬、と掌をひらひらと振るが、そもそもお前は誰なのか。よっこらせと緩慢に起き上がると、フラフラと屋上の端へと移動し、伊達眼鏡の奥で現在行われている決闘を見下ろす。

「ガイ……リュウトの奴も上手い事やってるみてェだな。どう見る?」

「花壇壊れちゃう……」

「はは、確かにメーワクだ」

 彼が話題を振ったのは、同じく柵越しに「いつの間にか」戦いを見守る……もとい迷惑そうにハラハラしていたモモカである。ぶぅ、と頬を膨らませ、園芸部の管轄(テリトリー)である花壇の様子が大いに気になるらしいが、そこでは部員のフシギダネやナゾノクサが囲み、ビニールシートを張ったりと即興の保護のお陰で大事には至っていないらしい。

「佳境、って所らしいが」

「こっから逆転出来るかな」

 メガカメックスのランチャーへと集束されゆく、新たに発現せし力。そしてその目の前で構えるレッド。かつて状況を打破せし合体技の妙――――炸裂は、直後であった。

>>レイジ、トーガ




【レッド/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 グラウンド】

 互いに背を預け、今、此処に完成せしは――――

「なんとなくだけどよ」

「 "視えて" きた」

 先程、ウィンチェスター兄妹とそのパートナーを一撃の下に沈めたアコヤの妙技。速度という概念すら飛び越え、コマ送りの映像の如く「結果」のみを残した、その超常たる手の内を、少年は朧気に、しかし確かに垣間見ていた。

 概念。

 身近。

 しかし、ヒトもケモノも触れ得ぬ神の領域へ。

「行くぜ……」



 共に!!



「―――― "キズナ" のオーラ」

「まさか、貴方達の間で共有するとは」

 リュウト、カメックス、そしてレッド。
 滾々と湧き上がり、三者を纏い、繋げるかのように燃え盛る真紅のオーラ。ぐるる、とグレイシアが唸るのを片手で制し、アコヤがマフラーで隠れた口元に笑みを浮かべ、水平に構えた右手指を吹雪へと晒す。

「さしずめこれは、越えるべき山。渡るべき激流の類」

「私を穿ってお見せなさい。リュウト、レッド」



「極点凍結(アブソリュート・ゼロ)―――― "ラグタイム" !!」



 その時。

 並び立つ三者は、共有する感覚の中で確かに垣間見た。



 宙空にて、陽の中の埃が如く細やかに舞う



『時を渡る粒子』を。



 ▼リュウト!

 ▼レッド!

 ▼キミたちはいま!

 ▼あらたなるちからへの だいいっぽを ふみだした!



【モモカ/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 グラウンド】

「……レイジさん」

「今の、……視えましたか?」

 その、あまりにも常軌を逸した光景に、瞬きの間すらも惜しいとばかりに眼下を望むモモカ。校舎時計がかちり、と秒針を刻む。躍るレッド、メガカメックスと寸分の狂いもなき動作で構え、力を溜め続けるリュウト。歯を結び、一筋の汗を流しグレイシアへと指示し、その蹴りを受け止めるアコヤ。かちり、再び秒針。瞬間的に距離を取る両者。グレイシアの放つ『れいとうビーム』を皮一枚で避け、地を踏み締めるレッド。かちり、秒針。空へと跳んでいるレッド。かちり、グラウンドに生まれたクレーター。錐揉みしながら跳ね飛ばされるグレイシア、再度構えるアコヤ。かちり、

 コマ送りの如き動作で、その姿を掻き消しながら打ち合うレッドとアコヤ。

「は、速……って、いうか」

「止めて、る……? 時間を……」



【レッド/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 グラウンド】

「な、なんだよッ……、何が起こってんだ……?」

「あ、見てっ! あそこ、あっ、今度はあっちに!」

 どん、どん、どん、と音の反響と衝撃のみを残し、空中で、地上で、見えない攻防が炸裂している。びゅばッ、とグラウンドの中心に現れた両者の姿を指差す観衆たる生徒達。

「 "時の粒子" 。絶対的且つ、あまりにも身近なその概念」

「貴方達も――――掴んだようですね」

「あァ。お陰様でな!」

 どごんッ、とレッドのストレートキックを受け、吹き飛ぶグレイシアとアコヤ。パートナーと動作同じくして地へと降り立った彼女は、口の端の血を拭い、再び構える。

「あな驚きや、天賦の才甚だしきばかり」

「まだだ――――この一撃でオメェをブッ飛ばす」



 ゆらり、揺らめく陽炎が如く、リュウトとメガカメックスの周囲にて高速で行き交う『時の粒子』の流星。アコヤが視ているそれは、さしずめ『時の加速』という概念を大きく歪めたワザであり――――

「いいでしょう、来なさい。受けましょう」

「水準(レベル)を超え――――その先のステージへと!!」

 凍結は広がり、アコヤとグレイシア一帯に現れる氷の陣。リュウトへと一度振り返ると、とん、と軽く跳ね、メガカメックスの「ワザ」の直線上へと立つレッド。

「リュウト」

「技名は頼んだ」

『魂の昇華(ソウル・アセンション)』による、従来の『同調(シンクロ)』を超えたその共有力は、メガカメックス同様にオーラを同じくするレッドの『時の加速』を、余す事なく受け入れていた。焼け落ちる時の粒子、「結果」のみを残すべくして燃え盛る時は――――少年、リュウトへと、



『10年』の猶予を与えていた。



「ぶっ放すぜ――――」

「 "荷炎粒子砲" ぉッッ!!」

 時を燃やすという概念への干渉により、凡そ10年分の力のチャージを完成させた両者の一撃。途方もなく、途轍もなく大きな力の本流は――――直線で合わさり、渦を巻く。闇と火、黒と白。しかし、時の加速の真骨頂は、これだけでは終わらない!

「――――――――!! く……!!」

 氷の陣により展開した氷河の層にぶち辺り、次々にそれを貫いてゆく二人と一匹の力。まるで零距離から放たれたかの如く「瞬間的に着弾」したそれを、歯を食い縛り受け止めるアコヤとグレイシア。溶岩でも貫けない程の厚さと冷気を併せ持つ氷河の盾が、徐々に、徐々に砕かれ、迫る中――――地より突き上げる氷柱を召喚し、寸でのタイミングで攻撃を跳ね上げるアコヤ。

 生徒達の絶叫の中、夕闇を引き裂いて空へと逸らされる黒と白の奔流。きゃっ、と尻餅を着くモモカの傍らで、腕を伸ばしたフレアの掌にその力が突き刺さり、屋上の柵を瞬間的に全て吹き飛ばす。

「……………………」

 ぼたぼたと血の滴り、煙の湧く掌を見つめ、しかしその口元は嬉しそうに笑ったまま。掌の血を一舐めし、呆然とするモモカの傍らを通り過ぎるフレア。

「よォ」

「またどっかで逢お」

 背中越しにレイジとトーガへ手を振り、ひょい、と屋上から飛び降りるフレア。眼下では、生徒達にもみくちゃにされながら祝福されるリュウトとレッド――――そして、それに混じるアコヤ。

「オメェら、よくやったなぁ!! ヒメから聞いてたけんども、やぁーしっかし凄いボウズ共だべ!」

 リュウトを抱き締め、頬擦りするアコヤ。そして生徒一同の胴上げによりポンポンと跳ねるレッドとカメックス。『水準を超える』という名目で行われたこの試合は、どうやら二人の開花による合格という形で幕を閉じたらしい。

 しかし。

「アンタに任せたアタシが馬鹿だったわ」

 溜め息交じりに聞こえたヒメの声に、アコヤの肩がびくりと跳ねる。

「確かに場は任せたけどさ、グラウンド凍らせたり穴開けたりする必要はあったのかしら……?」

「あ、そ、それは……ア、アタシもいっぱいいっぱいで。えへ」

「こンの――――馬鹿カッペがぁーーーーッッ!!」

 養護教諭の怒りと共に、賑わいのグラウンドは更に賑わいを増し、バチュルの子を散らしたように逃げ回るグラウンドの生徒達、そしてレッド、当のアコヤ。いつの間にか復帰していたルカがエマと顔を見合わせ、プラスルとマイナンと共にやれやれと肩を竦める。

「……賑やかになりそうじゃん」

「同感」

 かくして留学生、リュウトを迎え、激動を控えたままのマサラタウン。しかし、絶望は変わりつつある。新たなる開花を補佐せし師の到来、そして彼らの持つ「可能性」。切り拓けぬ未来はない――――そう、彼らならば!

「さっきの戦い撮っといたから、動画欲しい人は並んでねー」

 そして慌ただしいグラウンドにて、列を作る一部の生徒達へと闘争の一部始終の動画を流すブルー。お後がよろしいようで。

>>リュウト、レイジ、トーガ




 校舎の陰、夕闇の暗がりの中にて、ざんばらな頭髪に表情を隠した男が居た。

「子の子が生むのは、なんだろうな」

「和平の為の力なのか、それとも更なる混沌なのか」

「いずれにせよ――――」

「お前達とは楽しくやっていけそうだ。新たなる世代よ」

 仮面を被った四足の生物。
 従来のポケモンとはかけ離れた彼の頭を撫でると、共に闇へと紛れる金髪の男。胸中は知れず、しかし――――更なる波乱を予感させたまま。



【イエロー/カントー地方 トキワシティ/自宅】

 トキワの町、花屋に隣接するイエローの住むログハウス。玄関先の色とりどりなフラワーガーデンを通り過ぎ、入り口の階段を上がり、一つ溜め息。

「はぁ……」

 憂鬱の理由は、それこそ無数である。
 トーガやオーキド博士から聞かされた、あの凶悪無慈悲たる襲撃者の示唆。そして、それを聞いても顔色一つ変えずに、よもや「楽しみだ」とさえぬかしたアイツ。重苦しい胸中、頭に乗ったピカチュウのヒカリに促され、ようやく意識が此処に戻ったらしい。鍵を取り出して玄関扉を開けようとした矢先、ふと抱いた違和感。

「…………、あれ?」

 鍵が、開いてる?
 いやまさか。今朝は間違いなく掛けた筈。嫌な予感を抱きつつ、恐る恐るドアノブを回してみると――――

 残念な事に、その予感は的中していたのであった。

「おかえりー。取り敢えず着替えてさ、ご飯出来てるから食べなよ」

 キッチンにて背中を向けたまま、洗い物をしているエプロンを巻いた修道着の女性。わなわなとその背中を指差し、表情を引き攣らせるイエローだが、女はさも当たり前のように家事を続けている。

「え、あ、え? え、あの、だ、誰……どなたでしょうか……」

「今日はカルボナーラだよ。お腹空いたでしょ? あぁ、お風呂沸いてるから先入ってからご飯にする?」

 いや、ちょっと待って?
 え、どういう状況なんこれ。
 イエロー同様に事態を飲み込めていないピカチュウが目を丸くしているが、女はあくまでもマイペース極まりなく振る舞う。

「ちょっと、聞いてるイエロー? 先にご飯かお風呂か、どうすんの?」

「あ、え、ハイ。先お風呂入ってもよろしいで……しょう、か?」

「んー。のぼせないようにね」

 二度見、三度見しながらエプロン姿の修道女(シスター)を通り過ぎ、取り敢えず自室で着替え、バスタオルを持って脱衣所へ向かう最中、もう一度謎のシスターを廊下から覗くイエローとピカチュウ。

「ふんふんふーん、ふんふん」

「歌ってる……鼻歌」

「ぴ、ぴか……」

 鼻歌交じりにシチューの味見をしているその背中を見つめた後、仕方なしに湯船に浸かるイエロー。同じく浸かるピカチュウと共に、表情は釈然としないままである。

「…………」

 何これ!?
 あ、でも湯加減完璧……いやいやいや!
 あまりにも突然且つマイペースな来訪者に、彼女の心労は増すばかりであった。

>>ALL

3ヶ月前 No.369

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【役者は揃った】

【9人の英雄、九つの槍】

【さぁ――――今こそ打ち砕け】

【とこしえの暗黒を!】



【サンダーソニア/運命の分岐点/闇の懐】

「少し遅れたけど――――まだこれからって感じだね」

 相棒のマリアと共に、他の英雄達と並び立つシスター・ソニア。そして、彼女の傍らに立つのは、ソラとフレアとは旧知の仲であるカロスの王――――ガイ。思わぬ伏兵の所為で到着の遅れた両者だが、あの『ダークマター』という怪物はまだ始動していないらしい。

「ガイ、ソニア。遅かったね」

「ん、少し手間取ってて」

 ずしん、とゼクロムと共に降り立ち、暗黒を見据えるN。そして両腕をルギアの翼へと変え、上空にて戦況を見守るワダツミ。『時の粒子』を燃やしながら、まるで瞬間移動のようにフレアとソラ、そしてパールとリナリアが場に現れる。

「これは驚いたね。カロスの王族殿。随分と到着が遅れた様子だが」

「エデン、何でキミが居るのかな」

「大した理由じゃない。――――それより」

「あァ。戦ろうぜ」

 構えるフレア。
 見据える先は、目の前の暗黒空間。
 直に現れる奴を迎え討つべく、9人の英雄が備える。

「ダメよ、……ダメ、このままじゃ」

「恐ろしいものが来る」

「ソラ、ガイ……逃げて、……逃げるのよ」

 トゲキッスの背中で肩を抱え、俯き震えるばかりのリナリア。しかし、この聖戦に終止符を打てるのは、我らのみ。

 そして、暗黒から現れしは。



【!CAUTION!】

【ウルトラビースト "Darkmatter" の存在を、消去しますか?】

【→はい】

【権限者:クローム】



 "興味がある"

 "興味がある……"

 "お前らの見据えるもの"

 "底の窺えない引き出し"

 "何故、お前らは此処に居る?"

 "お前ら自身にも判らないだろう"

 "よく、判っていないだろう"

 "なぁ。リュウト、ソラ、フレア"



 "――――賭けてみるか。俺を相手に"



 "願わくば、この俺を乱暴に犯せ。不純の仔らよ"


 眼前の暗黒から響いたのは。
 かの怪物の声ではなく。



 餓えた男の、絞り出すような声だった。



【!CAUTION!】

【乱入者出現】

【 "カロスの聖戦" 】

【ソラ ガイ フレア】

VS

【アナザー零(エトランゼ) クローム】



 "すべてはここからはじまりしものがたり"



>>ソラ、ガイ

3ヶ月前 No.370

aki @asynchro73 ★iPhone=Zyy1RgwaC2

【リュウト/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 グラウンド】

"個"で敵わぬ相手に太刀打ちするのにはどうするか?
無論"個"同士で寄り添えばいい…と言う答えは些か捻りのない物であろうか。

そう、少年達の寄り添って出来た深いキズナは、やがて大きな波紋を生んでいくことになるのだ――――


レッド、リュウト、カメックスの三者を繋ぎとめる真紅のオーラ、それは丸で彼らそのものを一つの"個"として錯覚するかのように輝いてた。

「(さっきのあの能力か…!!)」

あの兄妹を一瞬のうちに屠ったその一撃。
不思議と今のリュウトにはその数秒にも満たない時間の流れを"視認"することができた。

側から見れば残像すら残さぬその所業だが…レッドとアコヤ達の全力の打ち合いを彼は逃すことはなかった。

――――頃合いだ。

既にメガカメックスの砲身に集いし闇の渦は強大な力の塊と化していた、それは恐らく彼女達を屠るには充分な程に…。

――――「リュウト」

――――「技名は頼んだ」

「ああ…」

「…頼まれた…!!」


そして、放たれた闇の砲撃はレッドの"荷炎粒子砲"と混ざり合い、巨大な力となりてアコヤ達の元へと一直線…!!

「これが…俺の…俺たちの…!!!」


「ギガァ…!!フレイムゥ!!バーストだぁぁぁぁァァ!!!!」


壊滅的なネーミングセンスを披露したリュウトだが、技の威力は申し分ない。
闇と炎の交わりし力の行方は!?――――


「ハァ…ハァ…」

全ての力を使い果たしたリュウト、息を切らしながらその目前に広がる景色を見る。
どうやら攻撃を寸でのところで宙に逸らし、直撃を免れたみたいだ。その証に屋上の柵は一つ残らず抉り取られている。

もはやここまでか…そう思った瞬間。
生徒達から湧き上がる歓声、そして迫り来るアコヤ…!!

「オメェら、よくやったなぁ!! ヒメから聞いてたけんども、やぁーしっかし凄いボウズ共だべ!」

――――「ちょっちょっと!離してくださ…な、なにしてんすか!って近い近い!!」

褒められながらアコヤに抱き寄せられ頬擦りを食らうリュウト。口では嫌がっているが、どうやら実力を認められたということについては満更ではないと言った様子だ。

胴上げをされるカメックスもその表情は実に穏やかで、彼を覆う闇のオーラもこの戦闘のお陰かすっかり消え去っていた。リライブ完了…と言ったところか。

新たなる力の片鱗を身につけたリュウト、レッドの両者。
彼らは抗い続ける――――マサラタウンを覆う暗雲に。

かくして、留学生としての1日を終えたリュウト。
初日からなんともハードなスケジュールではあったが、波乱万丈の学校生活はまだまだ続く――――

>>レッド、アコヤ


【ミライ/カロス地方/ミアレシティ ブルー広場→移動】

ミアレシティはブルー広場へと帰還した一行達。紛れもない先程までいた空間と同じだがその違和感は周りを囲む観客達の発言によって確信となった。

「まるで時間を切り取った…かのようだな」

そう呟くガイ。とは言えこの様子ならば先程の戦闘がこちらの世界に被害及ぼすことはなかったのだろう。その点に関しては安心である。

ユウの取り出したカードから呼び出されたユンゲラーによって一行はプリズムタワー内へとテレポートする――――


泣きじゃくるミライ、フードを被り溢れ出るその感情を隠すゼロ。
依然として、執行者のつけた深い爪痕は残っていた…。

「(仲間…か。あんまり関わりのない俺でも、ちょっと気が重くなるな…)」

端で一人思いにふけるハヤト。
一行にとっての内通者に等しい彼ですらその雰囲気は耐えがたい様でその気持ちは少しづつだが揺れ動いていた。

ユウの一喝により立ち直ったゼロ。
そう、彼はこんなことで諦めるのような人間ではない…!

「いつもの様子に戻ったようでなによりだ。どんなに苦しくても、悲しくても…俺たちは前に進むしない」

ガイも続けてゼロを励ます。
アオイを、サトシを助け出す…そして、執行者を倒す。
それが終わるまでは彼らが立ち止まることはない――――

――――「あのカウントダウン詐欺の人間大砲の件だ。俺、後で覚えてろって言ったしな。ミライと一緒に一発殴んないとな」

「そう…だよね…」

ポン、と肩に手を置かれて涙を拭うミライ。
彼女の記憶にも新しい人間大砲の一件の事を、サトシにまだ何もし返しできていない。
ゼロらしい励ましかたとも言えるが、彼女の闘志に火をつけるのには充分であった。

「私も……こんなところで泣いてられない……」


「サトシを…!アオイを…!私達で救い出す……!そして、ゼロと一緒にサトシを殴り飛ばす!」

少女の胸に秘めた"決意"
なんとも不穏なワードも見えたがそれには目を瞑るとして、決して揺らぐ事のないその強い意志はハヤトにも伝わっていた。

「……俺も出来ることなら手を貸すぜ。ま、危ない橋は勘弁だがな」

こうして執行者と戦い、仲間を救う"選択"した一行。
そんな彼らを待ち受けるのは修羅の道か、それとも――――

>>ゼロ、ユウ、ケンタ

2ヶ月前 No.371

aki @asynchro73 ★iPhone=Zyy1RgwaC2

【ガイ/運命の分岐点/闇の懐】

――――「ガイ、ソニア。遅かったね」

「道中で色々あってな…だが、この様子だと充分間に合った様だな」

カロス王家の紋様の施された黒のマントをはためかせ、どこか高貴さを感じさせる振る舞いでその場にソニアと共に並び立ったガイ。
着々と英雄は揃いつつあり、間も無く決戦に臨むと言った空気が漂う中、ガイは口を開く。

「しかし…ソラ、フレア。まさかまたお前たちと肩を並べて戦うことになるとは思いもしなかったよ」

2人とは"過去"にも幾度と無く仲間として強敵を打ち破ってきた仲である。
またこうして共に手を取り合い力を貸してくれると言う事ほど光栄な事はない。

「エデンか…貴様のことはまだ完全に信用しきっているわけではない。何かしでかしたのなら…その時は貴様を斬る」

かつて敵対していた相手がパーティに加わると言うのは随分と珍しい事例である。
口ではそう言う物の、彼の実力に関してはガイだけではなく皆も周知の事であるが故に、頼もしい味方である事にかわりはないのだが。

――――「ダメよ、……ダメ、このままじゃ」

――――「恐ろしいものが来る」

――――「ソラ、ガイ……逃げて、……逃げるのよ」

ガイに仕えし呪術師、リナリア。
彼女の未来を見通す力で何か良からぬ物を見てしまったのだろう、その震えは尋常ではなかった。だが…

「すまないな、リナリア…ここまで来たのなら後には引けない。それに…」

そう彼らは止まらない、止まれないのだ。なぜなら。

「今、"奴"とやり合えるのは俺たちしかない…そうだろう?」


その言葉共に外せられしガイのリミッター。
彼を中心に巻き起こる風、地に作られし亀裂。力の解放というは得てしてその周囲にも影響を及ぼすものだ。


「究極護式(アルティメットスキル)」



「――――"極光解放(アウロラ)"」


彼の繰り出したヒトツキ。その剣先は極光を纏いし巨大な剣と化し、それを構える。

戦闘準備も整い、暗雲立ち込める闇の奥底より現れし来訪者…。
その姿は…。

「…どうやら、招かざる客のお出ましのようだな」

彼彼女と戦っていた"ダークマター"とも違う…紛れもない人間の姿である。
思わぬ珍客の登場に目を丸くするガイだが、何か得体の知れない不安を拭えずにいた――――

>>ソラ、フレア

2ヶ月前 No.372

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★XvEY5KJKmY_mgE

【さぁさぁ揃いし九つの力、九つの者達】

【始まりの終わり、終わりの始まりは今すぐそこに。――紡がれる、紡がれる】

【これから描かれるのは、過去に起きた出来事である】


【ソラ/運命の分岐点/暗黒の懐】

 進んだ先、今回集まった者達が集合していた。
 シスター・ソニアにその相棒のマリア。ゼクロムに乗って現れしN。戦況を見守っているらしく上空に居るらしいワダツミ。フレアとパールと、リナリアと(ついてきやがったと言いたい)エデンと。そしてカロスの王であり、古く旧くからの知り合いであり――今は『ガイ』、と名乗りし者。

 ――――「しかし…ソラ、フレア。まさかまたお前たちと肩を並べて戦うことになるとは思いもしなかったよ」

「それはこっちの台詞だよ。でもまぁ、知ってる奴が居るってのは心強いだろ?」

 王に対する態度ではないが、ガイは王である以上に旧くからの知り合いで。今更畏まる気になどなれなくて。
 だから以前の通り?接し続けて今に至る、と言う訳である。

 ――――「ダメよ、……ダメ、このままじゃ」 「恐ろしいものが来る」 「ソラ、ガイ……逃げて、……逃げるのよ」

「逃げないよ。――ごめんな、リナリア。心配してくれて、ありがとう」

 この闇の懐に来る前から制止を掛け続けてきたリナリアの様子は、変わらないどころか先程以上に震えているように見えた。
 そんなリナリアの様子を見た後に、視線は広がる闇へと向ける。
 いくらリナリアが警告をしても、皆やる気なのには変わりなくて。リナリアの言う通りに逃げることなど、できそうになかった。――そもそも、逃げる気などなかったとも、言えるだろう。

 ――――「今、"奴"とやり合えるのは俺たちしかない…そうだろう?」

「そうだよな。俺達しか、いないよな」

 リナリアの言葉に、ガイが反応を返していた。
 そしてガイはガイで究極護式(アルティメットスキル)を発動し、ヒトツキを武器として構える。

 自分も冷気を、溢れんばかりに己へと集中させた。
 相手を凍らせ、相手の動きを鈍らせ、相手の命を停める、そんな冷気を紡ぎ出す為に。

 しかし、暗黒から聞こえし声を耳にした際に――――ゾクリ、とポッポ肌が立ったように感じた。
 冷気を司るポケモンである筈の自分が、底冷えするような感覚をその身に感じて。言い換えるならば、それはソラなりの警鐘だったのだろうが――

 ――――その警鐘を無視して、暗黒より現れし者と対峙することとなったのだった。

>>ガイ、フレア




【あおいとり/夢の中】

 ――え、王様?……なんだろう、なつ、かしい……?

 夢の中に見えるシスターに驚き、集合場所に居た王様らしい人物に目を見開かせる。
 名前が喉元まで出かかっているような、全く知らない者ではなく知人じゃないか?という気持ちが湧き上がるようだった。
 自分はこの人物を『知っている』、と、己の中から訴えかけられているように感じるのだった。

 場面は止まることなく流れる。
 そして、暗黒から何者かの声が聞こえた際に――“嫌な予感”のピークに達した。


 ――嫌だ、いや、だ、やだ、やめろ、みるな、いくな、それ以上先に行ったら……!!


 見たい/見たくない。見たい/見たくない。見させろ/見るな。やめるな/やめてくれ!

 意識が覚醒していたら、身体を掻き毟って混乱以上である発狂を引き起こしていたかもしれない。
 夢を見ている状態ならば、飛び切りに魘されているかもしれない。
 今すぐこの場を離れたい。/この続きを見ていたい。

 非常に混乱した様子ながらも、あおいとりは、その一連の流れから目が離せずに居るのだった。

2ヶ月前 No.373

ツバサ @th0md ★uvTNCoTUly_yoD

【ゼロ/カロス地方/プリズムタワー内】

「ああ。よく言ったぜミライ!それじゃあ!

「…………あ!」

「なんだよケンタ。いきなり変な声出して」

「……いや今気づいたんだけどさ」

「言ってみろよ」

「氷結とか断罪って何処にいんの?」




「………。」


「………。」


「………。」



一瞬に空気が凍り付き沈黙が流れた。そしてゼロは思ったことをそのまま口にした。


「………何処にいるんだろうな?」




「ちょっとー!いきなり詰みじゃないか!」

「なぁ、ユウ!シャドーならなんかわかるか!?」

「流石にシャドーの記憶の中に今後の記憶はないよ!」


三人は慌てふためきいきなりピンチになったこの状況を話し合う。


そこに一人の少女が提案した。


「氷結の場所なら私が案内しますよ」


「へ?」

三人が目を向けるとそこに居たのは…

「あれ…うちの人じゃないよな?」

サーカス団員の人ではなかったが、その少女はまさに清楚な美少女を体現したかのようだった。
腰くらいまである長い黒髪、綺麗な顔立ちに透き通る声、女性を口説くような人ならばこういったであろう。


天使のようだと


「申し遅れました。私はツカサと申します。以後お見知り置きを」

「ああ…俺は…」

「ゼロ」

「!?」

「ケンタさん、ユウさん、ハヤトさん、ミライさん、ガイさんですね。存じております。」

「君…なんで名前を…!?」

「理由ですか?そうですね何故なら私は…」



「死んだ回数ナンバーワン記録保持者ですから」



再び空間が凍り付く。

「……えと……なに?その…どゆこと?」

必死に言葉を見つけようとした結果、口にできたのはこれで精いっぱいだった。

「……。やはりウケませんか。何故でしょう?個人的にナイスでナウなヤングにバカ受けなジョークだと思ったのですが」

「何処がだ」

「ええと…ところで、案内してくれるのは本当なの?」

「もちろんです。場所もはっきりとわかります。皆さんがよく知る場所ですよ」

「本当か!?」

「待て、ゼロ!罠かもしれないだろ!?」

「な、ケンタ。しかし…!」

「お前の気持ちもわかるけど、俺たちの名前を知っている奴をいきなり信じるというのが無理な話だろ!」

「確かにそうかもしれませんね。ですが、私は貴方達の味方です。決して、貴方達を裏切るような真似はしません。誓いましょう。もし、信じられないというなら…今ここで…そこのお二人の武器で私の身体を貫かれても構いません。さぁ、どうぞお好きなようにしてください」

ツカサはガイとハヤトを指名し、自ら手を広げて、『自分は決して抵抗しない』という固い意思を二人に伝え自分の命を預けた。


>>ハヤト、ガイ

2ヶ月前 No.374

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【!最終警告!】

【世界の改変には、多大な危険が伴います】

【消失の恐れが全域に及ぶ場合h】

【→はい】



【 "起源の鍵" の使用を確認しました】

【パンドラ・コード発動】



【 "世界線の消失(バニシング・ポイント)" 】



【権限者:クローム】



【クロ‘%ム/#□運命n:::%/yみのh%:#:】




「世界とは……」

「文字通り、俺達の生きるこの土地そのものを指すのか」

「それとも、 "キズナ" を絶やす事なく共に居た、ヒトとポケモンというコミュニティを指す比喩なのか」

 主なき暗黒を纏い、一歩、一歩とこちらへと歩み寄るコートの男。被さった金髪、そこから覗く、密度の高い漆黒の瞳。彼の右手に浮かんでいる球体のホログラムは――――まるでこの世界を内包している地球に酷似しており。

「……誰だ、お前」

 その異様、そして唐突なる来訪者の姿へと、怪訝そうに尋ねるフレア。男は答えず、代わりに薄い笑みを口元に浮かべる。

「永く、お前らを "観て" きた」

「造られている最中、俺の中に植え付けられた記憶」

「例えば、これだ……」

 ヴン、と右手のホログラムが映像を変え、そこに映し出されたのは――――



【世界の記憶 を再生します】

【戦闘区間/???/キメラポケモン製造施設】

【VS エデン】

『あっはっはっはっ! そんな虫ケラのような力で、何が出来るのかな!』

『虫ケラだろうが何だろうが――――テメェをブッ倒す!!』



『嘘だ、嘘だろ……!! お前達、その力……!!』



【戦闘区間/シンオウ地方 テンガン山/異界の城】

【VS "ダークライ" ブラックアイド・デル・ノワールV世】

『どっせ―――いッッ!!!』

『…… ???(な、何だコイツ…、何で悪夢が通用しないんだ?………もしや、俺の一番苦手な……『真正の馬鹿』なのか!?』

『おめえ、やる気あんのか?ちょっとガッカリしたぞ』

『レッドわりぃ・・・・。少し休憩しちまったよ!俺も参戦するぜ!!』



【戦闘区間/ジョウト地方 うずまき島/最深部】

【VS "ルギア" ワダツミ、 "カイオーガ" モビー・ディック、アクア団リーダー アオギリ】

『世界総てを海の底へと還し……今こそ愚かしい人類の駆逐を!』

『幾千の雨を打ち降らせ! "白鯨(モビー・ディック)" !!』

『どうだッ!! 見てみろよガキンチョ共!! この美しい……伝説に名高い白鯨の姿をよォッ!!』

『アオギリぃ……!! テメェは此処でブッ倒す!!』

『フレアとソラは、アオギリが抑えている……』

『我々も死合うとするか。……王(ガイ)よ!!』



【戦闘区間/イッシュ地方 Nの城/最上階】

【VS N(ナチュラル・ハルモニア・グロピウス)、ゲーチス】

『建国伝説を再現するのです……! 今こそ! ワタクシの可愛い化け物よ!』

『ゲーチスッ!! お前の相手は俺だぜッ!!』

『フン……小うるさい猿です。さぁ、英雄よ! ソラを引き裂いてしまいなさい!』

『ソラ……ボクは、……ボクは――――』



 ホログラムが映す、かつての戦いの歴史群。あの時があったからこそ、俺達はこうして共に立っている。しかし、感慨に耽る間もなく、リナリアが戦慄と共に紡ぐ。

「アンタ……」

「どうして、 "起源の鍵" を」

 男の右手に浮かぶ、形状を変えゆく不可解な物体。しかし男は質問に答えず、左の人差し指でソラを差す。

「賭けてみろ、ソラ」

「お前の仲間、そして "世界" 」

「俺を相手に抗ってみせろ」

 指先から発せられた、幾何学模様を象った奇妙なレーザー。ソラへと直線状に飛んだそれは、彼女へとヒットする直前――――その目の前に立ち塞がったパールを射抜く。胸元に空いた空洞、そして幾何学模様が変化し、がちゃりと閉じられる錠を象った模様に変化した瞬間、黒き光と共にどんどん彼女の「年齢」が引き下げられてゆく。

「…………――――ます、たぁ……」

 遂には赤子の姿となり、黒い光を伴ったパールがソラへと手を伸ばす。しかし、その小さな手は空を切り――――遺されたのは、ばさりと地面に落ちた彼女の衣服だけだった。

「次も、ヒトに生まれ変われればいいな」

 にやりと口元に笑みを浮かべ、高笑いする男。静寂の間に響く笑い声――――それを引き裂きフレアが飛び出し、次いで彼の弟子たるソニアが飛び出す。

「テメェ――――何しやがったぁッッ!!」

 激昂のままに飛び出したフレアを後ろから押さえ付け、ソニアが彼を宥める。

「止めるんじゃねェッ!! 野郎――――ブッ飛ばしてやるッ!!」

「落ち着いて、師匠! 攻撃の正体が掴めないまま挑むのは無謀だよ!」

「吠えやがるなぁ、フレア……」

 くつくつと肩で笑いつつ、ソラとガイを猫背で見据える男の眼光。

「願わくば」

「足掻いてみせろ」

「そして――――見せてくれよ」

「満たしてくれ、お前達の強さで俺を」

>>ソラ、ガイ

2ヶ月前 No.375

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_seI

【ミライ/カロス地方/プリズムタワー内】

―――「氷結とか断罪って何処にいんの?」

「・・・・・・・・あっ」

ケンタの発言の後に長き沈黙が訪れる。言われてみればその通りである。
混沌の執行者はあちらか姿を現してくれたものの、今回もそのように都合よく事が運ぶとは考えにくい。
なにより、この場にいる者誰もがその場所を知らない以上、早速詰みといった面持ではあるが・・・。

―――「氷結の場所なら私が案内しますよ」

一行の前に気付いたら現れていた少女。
ミライ達も見知らぬその"ツカサ"と名乗る少女は、一行達の名前を既に認知していた・・・。

「・・・案内してくれるのなら・・・お言葉に甘えて・・・」

ツカサの存在に対してそこまで疑問を抱かなかったミライ。
むしろ何故だがわからないが確固たる信頼すら見えた。だがやはりこの男は・・・。

「いやいや待て待て。怪しすぎるだろ。こういう奴は隙を見て裏切るんだよ(人の事言えねーけど)」

ハヤトが間から突っ込む。
とは言え、彼の意見もごもっともではある。急に現れたこの少女を信用しろというのも無理な話ではある。

―――「もし、信じられないというなら…今ここで…そこのお二人の武器で私の身体を貫かれても構いません。さぁ、どうぞお好きなようにしてください」

「ヘッ…なら御望み通りこの銃で、お前をここで始末・・・」

「やめんか」

直後、ハヤトの首元に手刀を飛ばすガイ。その一撃が強すぎたのか、彼はそのまま地面に倒れ伏し気絶する。

「すまない、こいつは喧嘩っ早くてな・・・。こちらも完全に信用したわけではないが、お前の想いは充分伝わった」

「改めて・・・是非そこを案内してもらいたい」

少なくとも、このツカサと言う少女が執行者戦への鍵を握るのは確かである。
ならば、例え罠だろうが罠でなかろうと、今は彼女を頼るしかない―――

>>ツカサ



【ガイ/運命の分岐点/闇の懐】

「何者だ・・・・貴様は」

暗黒より現れたその男は、並々ならぬ気配を纏いながら彼の元に歩み寄ってくる。
不敵な笑みを浮かべる男に対し、ガイは恐怖ではなく謎の不安を感じていた。

彼の手元にあるホログラム、それが映し出した物は・・・!!

「なぜ・・・それを・・・?」

紛れもない・・・ガイ達が歩んできた戦いの記録。
"世界の記憶"と呼べるほどの・・・なにより、それを何故奴が握っているのか?
どうやらあの男が此処に現れたのも単なる偶然と言ったわけではないようだ。

「ソラ――――!?」

その直後に彼の指先から発せられた光がソラの元へ迫る。
気付いた時にはもう遅く・・・彼女に直撃するかと思いきや、パールがソラの前に立ち塞がり、庇うような形でレーザーを浴びてしまう。
そして・・・パールは、徐々に"年齢"が引き下げられ、ついにはその存在その物が消えてしまった。
これに対し、フレアだけでなくガイの逆鱗にも触れた―――


「我が仲間に手を加えた事・・・決して許しはしない・・・・」


―――「満たしてくれ、お前達の強さで俺を」


「いいだろう・・・望み通り貴様を満たしてやろう・・・その罪ごと!!!」


辺り一面に響いた怒号に・・・空気が、大地が震える。
そう・・・この手であの男を倒さねば気が済まぬ―――

>>ソラ、クローム

2ヶ月前 No.376

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ツカサ/カロス地方/プリズムタワー内】

「信じてくださってありがとう御座います」

「な、ケンタ頼むよ」

「はぁ…分かったよ。とりあえず信じておく」

「それで、氷結は何処にいるんだ?」

「彼らはあなた達が初めて戦った…多くの人の運命が変わったあの場所にいます」

「初めて戦ったあの場所…?」

「たしかそれって…」

「ホロン!?」

「はい、そしてあなたのパートナーの兄であるレオが訪れた湖。そこに氷結がいます。そして別の場所に…隠された空間があるのです。その先に断罪がいます。そして…ガイさんやシャドーさんが知る友もそこに…」

「サトシが…?」

「なぁ、ガイが知るサトシと俺が知るサトシで頭混んがるんだけど」

「じゃあ…シャドーやガイさんが知るサトシはサクラギにしようか」

「サクラギ?」

「うん。元々苗字が必要な時にサクライって付けてたんだけど、前の世界の戦いの後…「今の俺はグレートだから苗字もイにgを付けてサクラギと名乗る!」って言ってたらしい。シャドーの受け売りだけどね」

「よし、じゃあそうしようか」

「それにしてもホロンか…」

「ゼロは前にも行ってたんだよね」

「ああ。アオイさんの見舞いに行ってたからな」

「灯台下暗しって奴か」

「とりあえず出発は明日って事でよろしいですか?」

「明日?今からじゃなくて?」

「ええ。私もお手伝いしたいのですが、こちらにも事情があるんです。明日なら私も大丈夫ですから」

「分かった。そうしよう」

「ありがとうございます。それで…部屋を借りたいのですが…」

「部屋なら空いてる部屋があるからそこ使ったらいいですよ」

「わかりました。では、ミライさんとゼロは後でその部屋に来てくれますか?」

「え?俺は問題ないけど、ミライも?」

「ええ、大事な話があるのです。ミライさんも構いませんか?」

>>ミライ

2ヶ月前 No.377

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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2ヶ月前 No.378

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★XvEY5KJKmY_mgE

【ソラ/運命の分岐点/闇の懐】

 ――――「世界とは……」 「文字通り、俺達の生きるこの土地そのものを指すのか」 「それとも、 "キズナ" を絶やす事なく共に居た、ヒトとポケモンというコミュニティを指す比喩なのか」


 姿を現した者は、何かホログラムの球体のようなようなものを持っていた。それはとても星の名前として地球と名付けられているこの世界に、酷似しているものだった。
 ビリビリと、肌に感じる嫌な予感。止まらないポッポ肌。底冷えした感覚は止まることを知らず、静かにしながら怪訝そうにフレアが訊ねているのを見ていた。
 もしかしたら、言葉を紡ぐ為の口が、動かなくなっていたのかもしれない。声が、でなくなっていたのかもしれない。

 だが、現れた者はフレアの問いに答えらしい答えを出すことなく、手にしていたホログラムを操作したのか、そこに球体以外のものを映し出した。

 ――――それは、今まで自分達が歩んできた戦い(かこ)の記録。
 敵対した者達との戦いの記録、その中で仲間になった者も居る。歩んできた道、歩んできた歴史の一片。

 懐かしい、という思いが浮かんできていたが――リナリアの戦慄した様子に、警戒を深めるしかなかった。

 ――――「どうして、 "起源の鍵" を」

 起源の鍵?その名を何処かで耳にしたことがある気がして。ああ、それは確か、リナリアが何か言っていたような――



 ――――「賭けてみろ、ソラ」 「お前の仲間、そして "世界" 」 「俺を相手に抗ってみせろ」

 男に左人差し指で指名される如く、指を指されながら言われたと同時に。
 その指先からレーザーのようなものが発せられたと認識すれば、すぐさま避けようとして当たりそうになり――パールが、己を庇った。

「おい、パール……っ!?」

 目の前で黒い光を帯びながら年齢が下がっていくという摩訶不思議な、不可解な現象を目の当たりにしながら彼女に駆け寄ろうとして、手を伸ばして。

 ――――「…………――――ます、たぁ……」

 パールからも手を伸ばして貰っていたけれど。互いの手は、空を切ってしまった。
 パールの姿が消えた。その場に残されたのは、彼女が身に付けていた衣服だけ。

 パールが消えた元凶である男の言葉が、高笑いが何か遠くから聞こえる感覚に陥りながら。

 ソラは残された衣服を拾い上げ、ぎゅっと胸に抱くように腕の中に閉じ込めた。
 フレアが激しい怒りを見せていて、ソニアがそんな彼を落ち着かせようとしている音も遠くから聞こえているような感覚で。

 庇われなければ、己が消えていた。
 庇われた結果、パールが消えた。


 ――どうして、俺を庇ったんだよ、パール。

 言葉が出ない。声が、出ない。心の中で、言葉が出るだけで。
 底冷えする感覚が、足先から指先、身体全体を埋め尽くされそうになりながら。

 ――――「満たしてくれ、お前達の強さで俺を」

「……お望み通り、やってやろうじゃねーか」

 ソラは、男を静かに睨みつけていた。雪の静寂のような、しん、とした状態で。己の怒りを、逆に静めようと努めるかのように。

>>ガイ、クローム




【あおいとり/夢の中】


 ――ッ、あああああッ!!!!


 夢を見ているあおいとりは、夢の中の己とは違い、派手に取り乱していた。
 真白の町を襲おうとしている者が、自分の弟子だったということを知ったばかりで。そしてその弟子が目の前で消えてしまったという現象を目の当たりにして。
 何故夢の中の己が取り乱していないのか不思議だと思うくらい、あおいとりは取り乱してた。

 ――弟子なんだろ、一緒に居たんだろ、どうしてそんな冷静にいられるんだよ…!?

 どうしてこんなにも取り乱しているのかがあおいとりには理解できていない。だが、取り乱しながらも思考は働いている様子だった。

 感じていた嫌な予感の正体は、きっとこのことだったに違いない。
 そう思いたくて、でも“嫌な予感”の感覚は途切れることを知らないでいた。
 つまり、これだけではない、何かが今から引き起こされるのではないか、と予想できそうになっていた。

 ――これ以上見たくない見たくない見させるなやめてくれ、いやだ、やだ、やめろ……ッ!!

 拒否したくて。早く夢から覚めたくなっていた。
 けれど、夢はまだ覚めない。起きることができない。――――まだ、夢(かこ)の続きが残っているのだと言わんばかりに、想いとは裏腹に視線は釘付けとなっていた。


 ――――寝かされているソラは今、とても魘された状態であるだろう。

1ヶ月前 No.379

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【ミライ/カロス地方/プリズムタワー内】

―――「彼らはあなた達が初めて戦った…多くの人の運命が変わったあの場所にいます」

「ホロン・・・!」

その地には見覚えがある・・・というよりも、彼女にとっては記憶に新しい出来事だ。
ミライだけでない、苛烈組の面々を戦いの運命に誘ったその地に・・・氷結の執行者は潜んでいるというのか。

「成程・・・そのホロンか。聞いたことはあるが・・・まさかお前たちがそこに出向いていたとはな」

レオとの戦いに参加していなかったガイは、彼らがそのホロンに行っていたことに驚く。
滅多に人の立ち入ることの無いその地に何があったのか・・・想像するには難しいが、何か事情があってのことだろうと察した。

―――「とりあえず出発は明日って事でよろしいですか?」

「ああ、構わない。さっきの戦いで少々疲弊しているからな」

混沌との戦いでガイとも言えど少しづつだが疲労が溜まっていた。休息をとることに越した事はない。

―――「わかりました。では、ミライさんとゼロは後でその部屋に来てくれますか?」

「え・・・?私・・・?」

怪訝そうにツカサを見つめるミライ。

「わかった・・・私も大丈夫・・・」

ツカサの話を呑んだ彼女は、返事を返す。
謎に包まれた少女、ツカサ・・・彼女の口から一体どのような話が飛び出すのだろうか。

>>ツカサ




【シルバ/オーレ地方 パイラタウン外れ】

「ここに来るとお前と初めて会った時の事を思い出すな…エコウ」

「そう?俺はそんな昔の事覚えてないけど」

「昔って…5年ちょいぐらいしか経ってねえだろうが」

とある場所に向かいパイラタウンの外れを歩く『砂漠の狩人』のシルバ、エコウ…そして街外れのスタンドの店主、レオン。
周りをすれ違うパイラのゴロツキたちも色物は見慣れてきたいる筈だが、三人組の気迫に押されたのか少し距離を置いているのが一目でわかる。

「それで…おやっさん。例の頼みはどうなった?」

「ああ、船の件なら今向かう先でわかるはずだ。そしてもう一個のこのポケモンは…お前さんに」

エコウの掌にポンっと何かを差し出すレオン。
それは緑と黒の入り混じったキューブのような物体であった。
ポケモンを保管するモンスターボールとはまた違う形態のそれに、エコウは少々戸惑う。

「何?これは」

「シルバからお使いを頼まれたポケモンだ。お前さんに渡すよう言われててな、ジガなんたらとか言うカロスのポケモンらしいが…俺もあんまり詳しくわかってねえんだ」

「ふーん…なんかありがと」

「軽いなオイ…」

そんな話をする中、三人はある場所に辿り着く。
パイラタウン外れに存在するパブ・・・その店の前には「地獄の黙示録」という名の書かれた看板が佇んでいる。

「ここにその協力者ってのがいるってわけだな・・・エコウもおやっさんも準備はいいか?」

店の扉を見据えながら二人に話しかけるシルバ。
それに頷くのを確認した彼は、ドアノブに手を掛けその扉を開いた。
そんな彼らの目の前に広がる光景は―――

>>アリスガワ

1ヶ月前 No.380

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

 "いいだろう・・・望み通り貴様を満たしてやろう・・・その罪ごと!!!"

 "……お望み通り、やってやろうじゃねーか"



「おい、おい、おい」

「いきり立ってどうしたよ」

「寧ろ、これからが楽しいんだぜ」

 悦、狂喜、艶めかしい程に垂れる「負」の感情、その連鎖。恍惚がままに、クロームが続ける。

「ソラ、リュウト。お前らは巨大(つよ)くなった」

「この世界という器が、受け止めきれねえ程にだ」

 掌の球体が、再びぐるりと回転。
 そして赤熱してゆく機構――――「世界」を歪める、禁忌のカウントダウン。

「俺は贅沢者でな」

「例えば――――トサキントの幼体には際限なくエサを与えるクチなんだ」

「幼いトサキントは満腹を伝える中枢が発達してねえもんだからよ。死ぬまで喰って喰って喰い続ける」

「喰らうがまま肥えた身は――――やがて極上へと昇華する」

「今は、まだだ」

「最後にこう締めようか――――」



 突如、その瞬間。

 じりじりじり、と、喧しいアラームの音が、夢中の世界へと響き渡った。



【時は現実、場所はうつつ】

【寝覚め:割りと最悪】

【時刻:午前3時と20分】

【本日のラッキーカラー:黄色】



【レッド/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

 間接照明の仄かな灯りが、ぼんやりとした暖色で佇むリビングにて、掛け布団を纏った人影が複数。トイレから戻ってきたパジャマ姿のレッドが、眠そうな目を擦りつつドアを開ける。

「いやぁ……にしても昨日は参ったな」

 後頭部を掻きつつ、先日の「集団粗相」について回想するレッド。アコヤとの戦闘の後、リュウトやらウィンチェスター兄妹やらを呼び込み、テンションの続くがままに自宅で小パーティと洒落込んだ訳ではあるが……ついついハメが外れてしまい、得意の『荷炎粒子砲』で自宅を吹き飛ばしてしまうとは。仕方なしにこうしてイエローの家に転がり込んだ訳であるが……。

 床に目線を移す。
 リュウトに覆い被さるようにしていびきをかいているルカ。
 ソファーベッドに目を移す。
 静かに寝息を立てているエマ。
 壁に目を移す。
 倒立の体勢で器用に眠っているアコヤ。どんな寝相だ。

 コイツらはそもそも帰る自宅があるだろうに。リュウトに関してもウィンチェスター家に下宿している筈ではあるのだが。いやはや、成り行きとは怖いものである。イエローの心労察するに余りある、と、自分は置いといて白々しく呆れた様子のレッドではあるが、もう一方のソファーベッドに目を移すと、先程までは大騒ぎだった「そちらの方」は、幾分か落ち着いた様子である。

「寝床に戻るなら、静かにね」

 し、と人差し指を唇に当て、目で合図するシスターの姿。この家の主と良く似た雰囲気を醸す彼女の膝枕に頭を乗せていたのは、「過去」に魘されていたあおいとり。彼女の頭を撫でつつ、一息ついたとばかりに安息の息を吐くソニア。しかしそもそも、このシスターは一体何なのやら。イエローの親族にこのような者はいない筈だが、と考えた所で面倒になったのか、ルカを踏んづけてキッチンへ向かうレッド。慣れた手付きでカップを用意すると、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。

「砂糖は」

「ソラのは2杯。僕はいらない」

「詳しいんだな。知り合いなのか?」

「かもね」

「訳わかんねェよ」

 目覚まし代わりの冷水とは対極的な、しかしそれでも眠気を吹き飛ばすカフェインのホットな香。小卓にそれを置くと、エマの寝ているソファーベッドの足元に腰掛けるレッド。

「見たくもないもの。それでも現実は続くよね」

「俺も自分ち吹き飛ばした現実から逃れてェよ」

「茶化さない」

「いや、マジだっつの。またオーキドの爺さんから怒られる」

 未だ陽の出ていない時分、随分と早い起床ではあるが、先程のコーヒーもあって目は冴えている。静かに立ち上がると軽く伸びをし、のそのそと玄関へと向かう。

「まだ登校には早いんじゃないかな」

「な訳ねェだろ。身体動かしてくる」

「そ。行ってらっしゃい」

「ん」

 庭先のフラワーガーデンを回り、家の裏側の敷地へ。トキワの森の凍結事件の影響により、白く吐き出される息が肌寒い。人通りのないトキワの町の、閑静な空気。様々な懸念を抱えつつ、それでも身軽にレッドはバック宙を決めるのであった。

>>リュウト、ソラ




【ユキジ・アリスガワ/オーレ地方 パイラタウン外れ/PUB 「地獄の黙示録」】

「いいか、健全な精神とは健全な働きに宿るものだ。真っ当に汗を流して労働し、カタギの道を歩んでこそ……」

「あーハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイ。ハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイ」

 鬱陶しいとばかりに席を立ち、ラムの酒瓶はしっかり掴んだまま奥に引っ込むアリスガワ。呆れた様子でそれを見つめていた紅蓮であるが、おほん、と梁山泊とやらの当主が咳払いを一つ。

「ビジネスジェット程気の利いたものじゃないケド、我々の足になるには十分ネ。高級志向の方は?」

「あたいはどーでもいい」

「私も、どちらかと言えば狭いほうが落ち着く」

「オイオイ、言いやがるな。高級なのをチャーターしたけりゃ真っ当な航空会社をアテにしたらどうだよ?」

「聞こえたデショ。皆さん貧乏性アルヨ。無問題ネ」

「口の減らねえ野郎だ」

 やれやれ、と肩を竦めるマスター。それにしても……先程から気になっているのだが。

「そういやさ。アンタらは訳ありなの判るけど……このお嬢ちゃんはなんなんだよ。あからさまに一人だけ浮いてるけど」

 親指で差した先には、アローラの風土を醸す格好の少女である。一人は言わずもがな裏社会の名士、一人はジムリーダー、一人は捜査官。その屈託のなさそうな様子からして一見ただの女子学生ではあるが、メンツの肩書きからして違和感が凄い。

「え、私ですか? アローラー♪ 私はただのアローラハイスクールの生徒ですよぉ」

「何だそりゃ、修学旅行かなんかかよ」

「旦那ァ。余計な詮索は互いにとってよろしくないヨ」

 確かに、こちとらこれ以上踏み入る理由もなし。飛行機はあっちだ、と格納庫の奥を指差すと、CAの案内はないのかと皮肉を残す少年を無視し、奥でチビチビやっているアリスガワの向かい側へ腰掛ける。

「ラスト・フロンティアっつってもよ、お前船は……キャロルはまだあんのか?」

「此処に寄る前に "ウェスト・コースト" のドックに行ったんだわ。多少錆びちゃいるがまだまだイケそうだわな」

「そりゃ良かったな」

「良かったのかどうなのか。もう二度と向かわねえつもりだったあのクソ砂漠だぜ」

「矛盾してねえか」

「矛盾せざるを得ねんだよ」

 オーレ・リブレのカクテルを差し出すと、自身も酒瓶を空け、ふと彼女へと訪ねてみる。

「で、肝心の人員はどうなんだよ」

「驚くなよ。全員生きてた」

「はぁ!? マジかよ! ウォルフもニキータもベンも、皆!?」

「イカレ野郎のベン以外は全員カタギだけどな。アタシ含めて。ウォルフに至ってはスーツ着てやがるぜ。笑い話だ」

「嘘だろ。また "砂漠の国のアリス" 伝説の再来じゃねえか。往年のロックバンドの再結成よろしくよ」

「はぁ……。んな簡単な話なら良かったんだけどよ」

 相変わらず鬱屈とした雰囲気のアリスガワだが、マスターは対照的に興奮を隠せない様子である。その時、格納庫の入り口を開け、店内へと現れた人影が。

「オイオイオイ、マジか。もう来やがった」

「多忙じゃねえか。商売上手なこって」

「アリス。お前は帰った方がいい」

「んだよ、藪から棒に」

「お前にとってよろしくねえ連中だからだよ……」

 常連客を半ば押し退けるようにして現れたのは、現役の狼たる砂漠の3人。年端もいかぬ少年と、刃物のように鋭い男。そして見知った間柄である、街外れのスタンドの巨漢店主。

「 "砂漠の狩人" の奴らだ。アイツらともやり取りしてるモンでよ――――」

 マスターの懸念も余所に、おいーっすと脳天気にレオンへと挨拶するアリスガワ。しかし、その傍らのシルバの存在。彼がアリスガワを目にして、果たして黙っていられるのかどうか。

>>砂漠の狩人

1ヶ月前 No.381

aki @asynchro73 ★iPhone=Zyy1RgwaC2

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

「ん…………」

眠りから覚め、重い瞼を開け辺りを見回す。自身に覆い被さるルカ、ソファベッドで静かに眠るエマ、立ちながら眠るアコヤ。
更に、リュウトがまだ知らぬ藍の髪の少女を膝枕しているイエローによく似たシスター。
そして…留学早々に拳を交えた友、レッド。その姿だけ見当たることはなかった。まあ恐らく彼の事だ、外で身体でも動かしているのだろうが。


時計を見る。時刻は朝の6時。起床するにしても少し早く、登校するにもかなり余裕がある中途半端な時間である。が、目が覚めてしまったものは仕方ない。ルカを起こさぬよう静かに立ち上がり、そっと寝かしつけるように布団を被せる。

しかし…学友である此処イエロー宅に泊まり込みをしているのは色々と事情があってのことだが、それにしてもこの集団を受け入れてくれた懐の深さには感動すら覚えてしまう。

「あ…おはようございます」

向かいのソファで少女を膝枕している例のイエローに似たシスター…サンダーソニアと言うらしい女性に朝の挨拶を済ませる。
ソニアの向かいのソファに寝てるエマを起こさぬよう隣に腰掛け、向かい合うかのように膝元でで眠るソラをまじまじと見つめる。

記憶を失ったと言うあおいとり…素性も全く知れぬ少女の事についてはソニアとこのイエロー宅で初めて出会った際に聞いている。
とは言え、2人が一体どう言った間柄なのかは彼にとってはさっぱり分からず終いで、深く踏み込んだ事は話されなかったのだが…。
それ故か、リュウトの関心はソラに向いているのだった。

「その子…えと、ソラって言うんでしたよね。なんだが、彼女を見ていると不思議な感覚に陥るんです」

「初めてあった気がしないというか……どこか遠い昔にでも会ってたかのような感じで」

ソラと呼ばれる少女と邂逅していた…という事実自体は無いに等しい。
だが、何故か懐かしく思えるという矛盾した感情に、彼自身戸惑いを隠せずにいた。

>>ソラ、ソニア


【シルバ/オーレ地方 パイラタウン外れ/PUB 「地獄の黙示録」】

「オッス、その様子だと待たせた…って程じゃなさそうだな」

取引先に着いたや否や、こちらもこちらでレオンはマスターに対し、よっ久しぶりと言わんばかりに軽く手を振りながら挨拶を交わす。
周りには国際警察とおぼしき中年を始めとしたイロモノ揃いの連中が囲っており、なにやら賑やかな事になっているが、そんな中で内心穏やかでは無い男が一名。

「オイ」

今までに無い剣幕で、露骨に嫌そうな表情を露わにするシルバ。
その目線の先にいるのは……他でもない、アリスガワである。

「なんでこいつがいやがるんだ?船の付録かなんかか?」

「はぁ!?いやいや俺が取引したのは悪魔でこのパブのマスターだけで…」

実際のところ、レオンの話自体はダウトである。アリスガワがラストフロンティアに出向くという話は以前から聞かされていた。それならば同じ志を持つもの同士が協力するのもまた一つの道である。
だが…彼らは言わば犬猿の仲。例えるならハブネークとザングースの仲…会わせてはいけない二人というのは、まさにこのことで間違いない。

それでも、相当な実力者であるシルバ達やアリスガワが合わさり合えば、例え相手がラストフロンティアだろうが何にでも立ち向かえるとレオンは確信していた。

「チッ…まあいい、あの時のこと俺は忘れちゃいねえ…一発殴らせろ」

しかしまあ、彼がアリスガワを嫌う理由というのも…数年前、パイラに存在するとある酒場で彼女と賭け事をした時のことである。
大のギャンブル好きで知られていたシルバだが、その時は酒が入って酔い潰れる寸前の状態であった。
そんな彼に勝負を仕掛けたアリスガワ。彼女の口車に乗せられ勝負はどんどんエスカレート。
最終的にはその時に持ち歩いていた有金は全てむしり取られ、そのまま殴り合いにまで発展しパイラタウンの歴史に残る大喧嘩となったのだが、なんとも荒くれ者らしいというか…外の人間から見るととてつもなく呆れた理由である。

今にも殴り掛からんとしているシルバを必死に抑え込むエコウを横目に
、レオンは溜息を漏らす。

「お前さん達…頼むから仲良くやってくれよ…」

…果たして、彼らが打ち解けあい共に戦う日は来るのだろうか。なんとも不安な再会である。

>>アリスガワ一行

1ヶ月前 No.382

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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1ヶ月前 No.383

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★XvEY5KJKmY_mgE

【あおいとり、氷の鳥。記憶の欠片を持ちながら、再出発は始まる――だろうか?】


【ソラ/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

 見ていた夢の中で、喧しいアラームの音が響き渡る。その音と同時に、ブツッ、と電源が落ちるかの如く意識が闇へと叩き込まれた。
 夢のようで、夢にしてはとても現実(リアル)のようだった夢。夢が途切れたことにより、取り乱した精神がゆっくりと収まっていった。

 しかし、暗闇の中に独り取り残されたような、嫌な感覚を覚える。瞼は重く開くことが出来なくて。ぎゅっ、と己を抱きしめるしかなかった。
 だが、気付くと頭部に何か暖かいものを感じた。例えば――誰かに撫でられているような、そんな感覚。
 そのぬくもりは、自分が独りではないのだと、教えてくれているようで。魘され続けていたあおいとりは、ようやく本来としての眠りへつくことが出来たのだった。



「……っ?」

 眠りが浅くなり、ふるり、と瞼を震わせながらソラは目を覚ます。
 まず視界に飛び込んできたのは、夢の中で見たシスターの姿――によく似た少女。違う部分も多いけれど、と思うより前に、彼女の名を口にする。

「……おう……か?」

 そう、彼女は以前別の場所で遭遇した、少女。
 そういえば、Nと一緒に病院に居たのも黄花だった、よな。知り合い、なのか?と寝起きの頭で思考を繰り広げる。
 ずっと一緒に居た彼――フレア、が、今何処に居るのかも分からない、し、夢の中で見た知り合い達が何処に居るのかも分からない。
 いや、一人は確実にわかっている。Dr.ヒメ、だなんて名乗っていたが……彼女は、リナリア、の、はず、だ。

「……?」

 寝起きのまま、思考に耽っていたがふと違和感を覚える。

 ――黄花との距離が、近い?

 顔というか身体というかが近いような、と思えば己の体勢にようやく気が付いた。
 自分は今、黄花の膝を枕にしている――所謂膝枕――ということに。

「ご、ごめん…っ!?」

 膝枕をして貰っていることに気付いてしまえば、飛び起きるしかない。黄花にぶつからないようにしながら、ソラは飛び起きた。
 そこでようやく、部屋の様子を見るという思考に至った。
 部屋の中には何人かの人物が居た。一人は眠っているらしい女性――Dr.ヒメ/リナリアと共に居た人物。見知らぬ男女に、酷く“懐かしさ”を覚える青年――あれ?誰かに似ているよう、な?

 ぱちぱちと瞼を瞬かせながら、まだ少し眠い頭で現状把握をしようとしていた。

 だが、現状把握をしている途中で胸の中を嫌な予感がよぎる。このままだと、何かを取り零してしまうかもしれない、そんな嫌な予感を、だ。
 その予感が何に対して発揮しているのかが分からず、ゾクリ、とポッポ肌を立たせてしまうのだった。

>>リュウト、黄花(ソニア)

1ヶ月前 No.384

ツバサ @th0md ★uvTNCoTUly_yoD

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1ヶ月前 No.385

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【白いフリーザー/カントー地方/ふたご島】

ふたご島。
20番水道に位置し、その最深部には伝説の鳥ポケモン『フリーザー』が生息すると云われる孤島である。
しかし、ある時から異常な猛吹雪に見舞われ、周辺の海域は近づくことすらできない魔境と化していた。

「ふふふ……」

ふたご島の最深部にて氷で作られた止まり木から平伏す配下のポケモンたちを見下ろす白き翼。
このポケモンこそが猛吹雪の元凶にしてこのふたご島に君臨する絶対なる支配者、白いフリーザーである。
見るものを魅了するその姿と絶対的な力によって幾多のポケモンを従えており、その中にはこのカントー地方に生息しないポケモンの姿さえ見えた。

「とうとう“アイスエイジキャノン”が完成したのですね」

白いフリーザーはある者の協力を得て作り上げた巨大な砲台『アイスエイジキャノン』に目を向ける。

「待ち侘びましたよ、この時を……」

「ついに私の理想郷が実現する時がやってきたのです……!」

バサリと翼を広げながら天井の大穴に向けられた巨大な砲身を恍惚とした様子で眺める白いフリーザー。

「フリーザー様」

そんな中、白いフリーザーの世話係である一匹のルージュラが現れた。

「マサラの闘いから回収したエネルギーのおかげで予定よりも早く計画が進められそうです」

「ほう……!」

ルージュラの言葉に白いフリーザーは微笑みを浮かべる。

「これでやっと忌まわしき太陽を葬り去り、この世界に終わることのない永遠の氷河期を齎すことができるのですね」

「なんと素晴らしいのでしょう!私ともあろうものがドキドキしてきました……!」

絶対的な力によって幾多のポケモンを従え、各地で凍結事件を引き起こしてきた白いフリーザー。
その目的は『アイスエイジキャノン』によって太陽にダメージを与え、地球上を自分たちの住みよい環境に変えてしまうことであった。
もしもこの計画が遂行されてしまえば、人間はまず生き残れず、ポケモンでも氷タイプ以外は生き延びることが難しい環境になってしまうだろう。

「しかし、各地からエネルギーとして集めてきたポケモンたちも無駄になってしまいましたね」

「よいのですよ、彼らは私の大切なコレクションとして美しいまま生き続けられるのですから……」

恐怖と絶望に顔を歪めたまま氷漬けになったポケモンたちに目を向ける二匹。
彼らもかつては強大な力をもつポケモンだったのだろうが、無念にも今はこの通りである。
そんなポケモンたちに混ざり、人でもポケモンでもない者が眠っていた。

「……」

黄金の帝王イアースである。
彼はトーガに倒された後、運命のイタズラによってふたご島に流れ着き、白いフリーザーに回収されたのだ。
帝王は氷の中にて安らかな表情を浮かべながら眠り続けており、目覚める様子はなかったが、この化け物が死んでいるとは考えにくいだろう。

「ポケモンでも人間でもない者……彼は一体何者なんでしょう?」

氷漬けになったイアースを不安げに眺めながら白いフリーザーに語り掛けるルージュラ。

「分かりません、ただひとつ言えることは――」

「このお方は素晴らしいということだけです」

そんなルージュラとは対照的に白いフリーザーはイアースをとても気に入った様子で見つめていた。

「……」

一方、岩陰から白いフリーザーたちの様子を覗く一匹のポッチャマがいた。

「……と、とんでもないことを聞いてしまったぞ」

彼もまた白いフリーザーが支配するふたご島に棲むポケモンの一匹である。
本来ふたご島にポッチャマは生息していないが、白いフリーザーは各地から配下やエネルギーとなるポケモンを集めており、彼もまた別の地方から連れてこられたポケモンの一匹なのだ。

「計画の実行は明日の正午、回収したエネルギーの管理は貴方に任せます」

「ははっ、畏まりました」

白いフリーザーは人間の掌に収まるほどの大きなクリスタルを出現させるとそれをルージュラに渡した。
このクリスタルこそが『アイスエイジキャノン』の動力源であり、その中にはマサラタウンの闘いから回収した膨大なエネルギーが詰まっていた。

「私はしばし睡眠をとります。決して起こさぬように……」

「おやすみなさいませ、フリーザー様!」

「ふふ……、明日が楽しみです」

白いフリーザーは明日が待ちきれないといった様子でその場から飛び去っていった。

「フ、フリーザーは行ったみたいだな」

飛び去っていく白いフリーザーの姿を見やり、ホッと胸を撫で下ろすポッチャマ。
幸いルージュラもこちらの存在に気づいておらず、話を盗み聞きしていたことはバレていないようだった。

「……」

一連のやりとりを見ていたポッチャマはどうするべきか考えていた。
もし白いフリーザーの計画が遂行されても寒さに耐性をもつ自分ならば生き延びることはできるだろう。
このまま聞かなかったことにしてその場から立ち去ったほうが賢明と言えたのだろうが、それはポッチャマのプライドが許さなかった。
ポッチャマはかつて白いフリーザーに群れの王だった父・エンペルトの命を奪われており、このままヤツの思い通りになることが許せなかったのだ。
フリーザー群(ぐん)とて一枚岩ではなく彼らのように反撃のチャンスを伺いながら今を生き抜くために従っている者も少なくはない。

 “誇り高い王になれ!”

「パパ……」

今は亡き父の言葉が頭によぎり、ポッチャマは白いフリーザーの野望を阻止する決心をした。
たとえ危険でもこのまま奴隷として生き続けるより、この状況を打開できる可能性に賭けてみたかったのだ。

「それにしても、こいつ……」

「よく見るとなかなかハンサムじゃない!」

「あのフリーザー様が気に入られるのも分かる気がするわ〜!」

一方、肝心のクリスタルを所持するルージュラは氷の中に眠るイアースをまじまじと眺めており、完全に油断しきっていた。
そんな彼女の様子を見やるとポッチャマはチャンスとばかりに岩陰から飛び出し、『たきのぼり』を繰り出すべく攻撃の体勢に入った。

「……ん?」

「ポチャーッ!!!!」

「あらぁーっ!!?」

 ブ チ ュ ッ ! !

ルージュラの無防備な背中にポッチャマの『たきのぼり』が炸裂する。
彼女も決してレベルの低いポケモンではないのだが、油断によって攻撃を避けることができず、そのまま氷漬けの帝王に『あくまのキッス』をお見舞いすることとなった。
哀れイアース。

「なにすんじゃあああああっ!!!?」

そんなルージュラの怒号を受けながら彼女の手放したクリスタルをそそくさと拾い上げたポッチャマはそのまま水中に飛び込んだ。

「どっから現れた!?あのイタズラ小僧め〜!」

怒りのままポッチャマを追いかけようとするルージュラだったが、水タイプのポケモンではない彼女に水中へと逃げたポッチャマを追いかけることはできなかった。

「はっ!?フリーザー様から預かった大切なクリスタルがない!!」

「こ、このままではアタクシの命が……!」

そんな中、ルージュラは大切なクリスタルが無くなったことに気づいて慌てふためく。

「マニューラブラザーズ!!」

「「はっ!」」

ルージュラの呼び声とともに二匹のマニューラが姿を現す。
マニューラブラザーズ、彼らは邪魔者の暗殺などを担当する群の中でもトップクラスの実力者である。

「ルージュラさん、お呼びで」

「フリーザー様から預かった大切なエネルギークリスタルが奪われたの!あんたたち、取り返してきてちょうだい!」

「エネルギークリスタルが?命知らずのバカがいたもんだな!」

「ポッチャマよ!ヤツの行き先ならだいたい見当がつくわ!」

「あの生意気なガキか……!」

「フリーザー様がお目覚めになる前に何としてもポッチャマを見つけ出し、クリスタルを取り返してくるのよ!失敗したら“あくまのキッス”と思いなさい!!」

「「はっ!!」」

ルージュラの指令を受けたマニューラたちは奪われたクリスタルを取り戻さんと瞬時に姿を消すのだった。

「……!」

一方、ふたご島から脱出したポッチャマはクリスタルを抱えながらマサラタウンを目指し、20番水道の海中を泳いでいた。
強者の集うマサラタウンの噂はふたご島にも轟いており、彼らのいる土地に逃げ込めば白いフリーザーたちも迂闊に手を出せないと考えたのだろう。

「(あの町ならきっと……!!)」

果たして激動のマサラタウンに向かうポッチャマの運命やいかに……!?

To Be Continued

1ヶ月前 No.386

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

―――「今は判らなくても、もしかするとその内判るかも。ね、イエロー?」

その内・・・か。なんとも意味深に取れるその発言と共に、部屋に入ってきた家主であるイエロー。
唐突に話を振られた彼女はなかなか辛辣な返しをする。本当にどういう関係なんだ。

「ん、おはよう」

イエローに対しても朝の挨拶を返すが、どうもレッドの家崩壊事件の事を知りたい彼女はリュウトに対して疑いの眼差しを向ける。

―――「レッドがまた自分の家壊したって聞いたんだけど。もしかして君も関わってないよね……?」

「いやあの件に関してはあいつが全部悪い」

迷いない即答できっぱりと友を切り捨てていくリュウト。校舎半壊の際にレッドも彼に対して責任を擦り付けていたが、お互いになんともドライである。
とは言え、あの時レッドを止める事ができなかった事に対しては自分にも落ち度があると反省はしていた。

その後、ルカとエマ達も続々と目を覚まし始め、賑やかな朝になりつつあった。
そして・・・・件のあおいとり、ことソラも例外ではなかった。

「おっと、みんなも眼が覚めたみたいだな」

ソニアの膝元で眠っていたソラは今の状況に驚いたような素振りを見せ、飛び起きる。
そんな様子を見ていると、ソニアに顔を洗って来るように促される。

――――「なんか俺、腹減っちまったよ。昨日の疲れからかな。行こうぜリュウト」

「おうよ」

まだ眠気の覚めない目を擦りながら、ルカの誘いと共に兄妹と洗面所に向かうリュウト。
この静かで平穏な朝に、彼らの気付かぬところで大きな何かが動いているとは知らずに――――

>>イエロー宅一同


【シルバ/オーレ地方 パイラタウン外れ/PUB 「地獄の黙示録」】

―――「あ、あのさ。ごめんっ。あん時のだろ? いやホントさ、ゴメンよ……」

「・・・・なに?」

アリスガワの予想外の発言に、シルバは目を丸くする。
思わず力の込めていた拳を下げ、抑え込んでいたエコウも彼から手を離す。

アリスガワの事を古くから知るレオンですら、彼女の行動に驚愕していた。

「ふん・・・一体どういう風の吹き回しか知らないが、随分と丸くなったんじゃないか?」

嘲笑するかのようにかつての敵に対して興醒めしたのか、捨て台詞を吐くとそのまま空いてる席にどっしりと座る。

「・・・おやっさん船の件、話を進めてくれ。それとマスター、お任せで1杯頼む」

「あ、ああ・・・」

店内に一時的とは言え、ピリピリとした緊張感漂う空気が張り詰めたが、一変して通常通りの空気に戻る。
彼女の・・・アリスガワの目的とは、一体?

>>アリスガワ一行


【ミライ/カロス地方/プリズムタワー内】

ガイとハヤト達も自信達の部屋に戻り、ミライはツカサに指定された部屋に来るように伝えられる。
タワー内で少々時間を潰し、約束の30分後に彼女たちはその部屋に前にやって来た。

―――「それで、話とはなんだ?」

―――「ええ。私の正体と…あなた達の力を強化することです」

「私達の・・・力を・・・?」

ツカサと言う少女の正体・・・それを直接聞けるのなら万々歳だ。
そして・・・後者の力の強化、彼女の言う事が本当ならば今後の戦いにも大きな影響を与える筈だ。

―――「いきなりそう言われてもな…ミライ、何か思い浮かぶものあるか?」

「・・・それなら」

そう言うと、彼女はボールを取り出し自信のパートナーたるランクルスのランを繰り出す。

「この子と・・・一緒に戦えるような、更なる力・・・とか」

レオとの戦いにおいて、ケンタは自信のポケモンたるリオとのバーストメガシンカを果たしていた。
混沌の執行者戦では守られているばかりだった自身に自戒の念を込め、そんなケンタ達の様に相棒と更なる高みを目指したいと考えたのだった―――

>>ツカサ

1ヶ月前 No.387

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC


【レッド/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 リビング → キッチン】

 いやはや、それにしても謎多き事よ。
 リュウトと共闘し、己が力で貫いたにも関わらず――――未だその手腕、底を見せないトレーナー、アコヤ。

 ようやく目を覚ましたアイツの事だ。

「んわぁーあぁ。おはよだべ。……はっ、こ、此処は何処!? 私は誰!?」

 と、まぁ。
 今はあれは置いといて。

 "ご、ごめん…っ!? "

「あ、あぇっ、ソラさん!? あ、あはは。おはよ……ございます?」

 自身の幼馴染に膝枕されていた、あの少女である。好敵手(ユウスイ)も絶賛するその底、しかし病か魘され熱か。あの時、闘り合えなかったフリーザー、ソラ。玄関の戸を開け、イエローとソラの様子を一瞥し、レッドは頬を人差し指で掻く。

「よ、よォ。ソラもイエローも、おはよ」

「って! むぅ、おはよじゃないでしょ、レッドってば!」

「いや、その。自分の家ブッ壊したのは悪かったけどよォ――――」

 怒り心頭といったイエローよりも、自身の案じた対象はあおいとり……即ち先程まで魘されていたソラである。

「あ、あのな。ソラ。この前は悪かったな。俺もさ、その……イキってて」

 理由の程までは判らない。
 しかし、何故だろうか。この少女にはどうも強く出れない。強い強いマサラタウンのレッドも形無しであるが、いや、今はしかし――――

「っと、朝メシにしようぜ! イエロー、お前も手伝えよ! リュウトとソラと師匠に美味いもん食わしてやるよ」

 師匠! あの時ぶつかり合った仇敵たるアコヤとて、今や勝手ながら師匠ときた。その声に反応し、ぴくんと幼子のように反応する件の師匠。

「美味いもん!?」

「あァ。ちっとばかし待っててくれよ」

「待ってるべ! お腹空いちゃったもんよ」

 現金な師匠である。
 鼻歌を歌いながら寝具を整えている師匠とやらを尻目に、慣れた手付きでフライパンを回し、瞬時にパジャマの上にエプロンを纏うレッド。

「実はさ、俺も腹減ってて」

「もう……! ご飯終わったらきちんと歯は磨きなさいよね!」

「オメーは母親かって」

「ちがっ!? ああもう、レッドもソニアさんも……!」

「はっはっはっ」

「って、そういえばソニアさんはどうしたの? 君を呼びに行くって言ってたけど……」

「さァな。朝陽でも浴びてんのか、もしくは野ションか」

 がこっ、と、フライパンでレッドの後頭部を打つイエローの相棒たるピカチュウ。

「……最低……」

「いててて。冗談だよ冗談」

「――――おーい、リュウト、ルカ、エマ! とっとと歯ァ磨いてこっち手伝えよ!」



【ウィンチェスター兄妹/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 洗面所】

「しっかし、賑やかな野郎だぜ」

「右に同じ」

 リュウトの隣にて、来賓用の歯ブラシでシャコシャコやるウィンチェスター兄妹。本人達が意識してか知らずか、その動作は神業の如く、奇妙なまでに一致している。彼らの足元で歯ブラシを扱うプラスルとマイナンとて、この日常を切り取ったワンシーンでさえも「阿吽」と言った行動の妙である。

「しゃこしゃこ。しっかしさぁリュウト、未だにエマの奴ぁ料理がド下手なんだぜ」

「しゃかしゃか……兄さん、それは言わない約束でしょ」

「ぷら」

「きゃきゃっ。まいまい」

 むっと兄を睨むエマだが、プラスルとマイナンにも思う所はあるらしい。べっ、と口をゆすぐルカだが、傍らの脱衣所の選択カゴに溜まったイエローのパンツをおもむろに被り、変顔をキメるトレーナーにドン引きするパートナーのお二方とエマ。

「見ろよリュウト! イエローは白パンだぜ」

「ああ、もう。兄さんはほっといて行きましょ」

 イエローの受難、此処に極まれりである。一体此処にはおかしな奴しかいないのか――――呆れ全開のエマがリュウトの手を引きつつ、次に勘付いたのは

「……なんか、やっているのかしらね」

 ざわめく「胸騒ぎ」であった。



【サンダーソニア/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 裏庭】

「その構え」

「――――奴の教えか」

 一定のリズムで地を叩く踵、そして構えた両拳。修道女としての装いには合わぬ、天性の格闘家たるそのフォーム。

「5年前の雪辱、っていうのも何だけど」

「アザーゼル。……いや、 "神の還御" 」

「お前には神にも、僕の教え子達にも触れさせない」

 ぼッ、とソニアを掴むべくして突き出された巨木の腕は空を切り、その腕上にて佇むシスター。

「全くさ――――」

「空気を読みなよッッ」

 放たれし拳、放たれし蹴り脚、放たれしメイスの一撃、そして電撃。瞬間的にあらゆる攻めの技巧を浴びせられたアザーゼルとレジスチルが、どしゃりと地へ伏す。

「……背徳者が」

「好きに言いなよ」

「僕は、僕が好きな物を守る」

「――――甚だしき "背徳者" だな」

「サンダーソニア・デ・トキワグローブ」



>>ソラ、リュウト




【その頃、かのアコヤに惨敗したアスレイ】

【そしてグリーン、ことユウスイ】

【血の滲む修行を受けし二人が "ふたごじま" よりの妖気を感じ取ったのは】

【――――その直後であった】

>>ソラ、リュウト、(フリーザー)




【ユキジ・アリスガワ/オーレ地方 パイラタウン/PUB 「地獄の黙示録」 → 移動】

 "ふん・・・一体どういう風の吹き回しか知らないが、随分と丸くなったんじゃないか?"

 シルバの言い分、ごもっともである。
 この悪辣悪女、盗掘倒錯者たる「アリス」がこの有様では、かつて大喧嘩を巻き起こした当人からすれば興の醒めやるもいいところ。

「はは……。な、なぁシルバ。アリスもお前の言うとおり丸くなったんだよ。な? だから喧嘩を売るような真似はさ」

『砂漠の狩人』の足を任せられている立場、そう現役の鋭角に強くは出られないが……何とか収まった場に溜め息半分、期待外れが半分といった様子の『地獄の黙示録』のオーナー。ご機嫌取りとばかりにシルバへとラムを差し出すが――――

 嗚呼、

「ところでボウズ、口の聞き方に気を付けなよ」

 そのラムを引ったくり、口に含むや否や派手にシルバへと吹き掛ける一名。無論、アリスガワである。油断させたと思ったらこれだ、悪辣盗賊王、元とはいえ正々堂々もありゃしない。

「バーカ、アホ」

 中指を立てて挑発し、ずぎゅんと店を飛び出し、びゅおんとハーレーに乗って逃げるその手腕。全く、『アリス・クソ・ウィンターロード』のじゃじゃ馬振りは未だに健在だったとは。

「あ、あ、アハハハ」

「シルバ、その。ほら。な、タオル」

「な、ほら、水も滴るいい男とやらだが、あの。そのな、今のお前もいかして、ウン」

 乾いた笑いを浮かべ、バスタオルを濡れそぼったシルバへと渡すマスター。全く、前途多難に次ぐ前途多難。レオンの言葉を借りれば二人共仲良くして欲しいものだが、アウトローの狼二人、そう上手くもいくまいよ。

>>砂漠の狩人

1ヶ月前 No.388

ツバサ @th0md ★uvTNCoTUly_yoD

【ツカサ/カロス地方/プリズムタワー内】

「更なる力ですね。ゼロ、貴方は?」

「俺か?ポケモンは…バトル苦手なんだよな…」

「見るからにトレーナーの才能なさそうですもんね」

「酷いなおい!ええと、なら…俺の力。ギアの…強化って出来るか?」

「ギア…ですか?どういうものですか?」

「なんだろう、紫色のオーラの時は色々できた。攻撃を消滅したり、物理が効かない敵に物理が効いたり、味方が強くなったり」

「成程、分かりました。では…今から、貴方達に力を差し上げます。ですが忘れないでください。」

「ん?」

「私が差し上げるのはあくまできっかけです。そこからどうなるかはあなた達次第です。その力におぼれてはいけない。大事なのは意志です」

「意志?」

「貴方は自分の持てる力で何がしたいのか、その手で開くものは何か…。それを見つけてください。そしてそれに気づいたとき、力は目覚めるはずです」

「ああ、分かった」

「では、行きます…ちょっと痛いですが、私の手を握ってください。まず、ミライさんからです」


>>ミライ

1ヶ月前 No.389

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

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1ヶ月前 No.390

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 洗面所】

「・・・まあなんというか、アイツらしいというか」

キッチンの方から聞こえるレッドの叫び声を聞きつつ、歯ブラシを動かすリュウト。朝からなんとも賑やかしいことだ。
その隣ではウィンチェスター兄妹とそのポケモン達も歯を磨いているわけだが・・・その動作は彼らを知らぬ人から見ると、不気味なほどに一致しているのだ。
もっとも、リュウトにとっては見慣れた光景であるのは言うまでもないか。

――――「しっかしさぁリュウト、未だにエマの奴ぁ料理がド下手なんだぜ」

「エマもそこは相変わらずなんだな」

便乗してからかう。料理以外は何かと出来る彼女であるが、意外な一面という意味ではリュウトも最初に彼女の料理を見たときは驚いたものだ。
ルカはルカで、脱衣所に置いてあった家主の下着を被り変顔をキメてくるが、それを見たエマは呆れた様子でこの場からリュウトの手を引きながら離れようとするが・・・。

――――「……なんか、やっているのかしらね」

「・・・?そう言えば俺も、さっきからどうも嫌な予感がするんだよな・・・」

エマが勘づくと同時に、リュウトもまた同じく異様な雰囲気を察する。
平和な朝には明らかに似つかないどす黒い空気感・・・・気のせいであればいいのだが、どうにも不安である。

そう言えば・・・・キッチンの方から聞こえる声も、レッド、イエロー、ソラ、アコヤ達の声しか聞こえない。
ソニアは確かレッドの事を呼びに行っていた筈だが・・・もしかすると・・・。

「外の方か・・・?ちょっと様子だけでも見て来るか?」

どうしても拭えない不安・・・それを払拭するため、裏庭に出て見る事を提案した。

>>ウィンチェスター兄妹



【シルバ/オーレ地方 パイラタウン/PUB 「地獄の黙示録」】

目の前に差し出されたラム。嫌いな相手が隣で座ってるとは言え、目の前に酒があるのなら少々機嫌も良くなるという物。
昔のような鋭さを失ってしまったアリスガワにすっかりと張り合いを感じなくなった彼はラムに口を付けようと手を伸ばすが・・・。

彼が触れるより先に、アリスガワの手がグラスに伸び、口に含んだ酒をシルバへと吹きかけたのであった。

―――「ところでボウズ、口の聞き方に気を付けなよ」

「そうかい・・・・・・・・・」

前言撤回、彼女は昔から何も変わっていなかった。

流石にこの行動に周りの空気も冷え冷えである。
燃え盛る焚き火にガソリンを思いっきりぶちまけた様なものだ、レオン達の顔が青ざめていくのが目でわかる。

「おめえもよっぽど早死にしてえみたいだな」

席から立ち上がり、再び突っかかろうとするシルバ。
流石に今度はレオンとエコウの2人で抑え込むが、当の彼女は更に中指を立て挑発。そのまま店を飛び出していった。

―――「シルバ、その。ほら。な、タオル」

―――「な、ほら、水も滴るいい男とやらだが、あの。そのな、今のお前もいかして、ウン」

「あ、ああ・・・すまないなマスター・・・」

アリスガワが飛び出していきしばらくして落ち着いた彼は、マスターからバスタオルを受け取り顔を拭く。
一時はどうなることかと思ったが、大事にならずに済んだのはレオンも内心ほっとしている。とは言っても、爆発寸前ではあったが。

「喧嘩するほどなんとやらとは言うが・・・お前さんたちはそんな言葉とは無縁もいい所かもな」

「うるせえ」

レオンは呆れた様子でそう言うと、アリスガワが座っていた席に腰かけ、マスターに話を投げかける。

「さて・・・そろそろ本題に入るか。例のラストフロンティア行きの船についてだが―――」

そう・・・彼らがここに来た理由は他でもない。ラストフロンティアへ向けての準備をそろえるためだ。

>>PUBのマスター


【ミライ/カロス地方/プリズムタワー内】

執行者と相対する程の力を求めたミライ。
そしてゼロは、自身の特異なる能力"ギア"の強化を彼女に求めた。

ツカサがこの2人を選んだのも、もしかすると将来性があってのことかもしれない。

―――「では、行きます…ちょっと痛いですが、私の手を握ってください。まず、ミライさんからです」

「ん・・・わかった・・・」

彼女の忠告を聞きいれたあと、自分とあまり変わらないであろう大きさの手を握る。
一体どのようにして力を受け渡すのか・・・ミライにとっては検討もつかないことだが、この手を握る限りやはり彼女から悪意と言った様な感情は感じ取れない。
ガイ達の言う事は正しかった…とも言えよう。

そしてミライは目を瞑り、ツカサの力へと身を委ねた・・・・。

>>ツカサ

1ヶ月前 No.391

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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1ヶ月前 No.392

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/マサラタウン】

ポケモンたちによる闘いが始まる中、そこにひとりの乱入者が現れる。

「……オーキドのじいさんの孫か。たしか名前はグリーン――いや、ユウスイとか言ったか?」

地面を踏み締める音に振り向くとそこにはオーキド博士の孫であるグリーンことユウスイが立っていた。

『グリーンだと?たしかトキワのジムリーダーがそんな名前だったな』

『ジムリーダーだろうと関係ねえな!ポケモンを出す前にぶっ潰してやれば終わりさ』

マサラタウンの噂はポケモン界にも轟いており、そのうちの実力者としてグリーンの名も知れ渡っていた。
しかし、その全容を知るものは少なく、マニューラたちも所詮は人間と高を括り、すでに彼が『戦闘体勢』に入っていることに気づかなかった。

「へっ、好き放題言ってやがる。てめえもだいぶ腕を上げたみてえだな、お互いに見せつけてやるとしようぜ……!」

一方、すでにグリーンが戦闘体勢に入ってることに気づいているヴァドックはその佇まいから彼が以前より実力を上げていることを見抜き、不敵な笑みを浮かべるのだった。

「シャアッ!!」

一斉に飛び掛かるマニューラたちの爪が光を発し、『つじぎり』の連撃が繰り出される。

――ズババババババッッ!!!!

ヴァドックたちの周囲を飛び交うように放たれる攻撃の数々。
肉眼では視認できないほどのスピードで繰り出される二匹の連撃が標的を襲う。
彼らのコンビネーションの高さも相まって並大抵の者ならば反撃はおろか反応することすら許されず、即座にボロクズへと変えられてしまうだろう。

しかし、このヴァドックは違った。

『……!?チョコチョコと鬱陶しい野郎だ!』

『スピードはこっちのほうが上なのになぜ当たらない!?』

荒れ狂う二匹の猛攻に対し、ヴァドックは軽量級ボクサーのような体裁きで迫りくる攻撃を悉く避けていく。

「へっ、どんなに速かろうとてめえらの単調な攻撃なんざ手に取るように分かるんだよ!」

ヴァドックは修行の中で耐久力の低さを補うべく回避に特化した闘い方を編み出していた。
一部の例外はいるものの、ピカチュウという種族は基本的に非力であり、少しの攻撃でも大きなダメージとなってしまう。

そこで彼が導き出した答えとは攻撃を受けないことであった。

持ち前の素早さと小さな身体を活かし、相手の攻撃を避けつつ、得意の『かみなりパンチ』でカウンターを狙う姿はさながらボクサーの様である。
攻撃を避け続けるのは決して簡単なことではないが、トーガやレイジたちといった格上との特訓によって鍛えられた動体視力と反射神経がそれを実現させていた。

「どうした?今度はこっちから行くぜ……!!」

『なめるな!』

マニューラが爪を振り上げる中、稲妻のごとくフットワークで黄金の軌跡を描きながら間合いを詰め、『かみなりパンチ』による強烈なストレートを放った。

『……がはっ!?』

「まだまだ行くぜ!オラオラオラァ!!!!」

攻撃が顔面にクリーンヒットし、マニューラの意識が飛びかける中、間髪入れずに彼の腹部へと『かみなりパンチ』のラッシュが繰り出される。

「――トドメだ!!」

そして、トドメのアッパーカットを顎に受けたマニューラは弧を描くように吹っ飛ばされ、そのまま地面に倒れ伏せた。

『潰れちまいな!!』

一方、もう一匹のマニューラは『つららおとし』を繰り出し、グリーンの脳天に目掛けて攻撃しようとするのだった。

>>グリーン

1ヶ月前 No.393

ツバサ @th0md ★uvTNCoTUly_yoD

【ツカサ/カロス地方/プリズムタワー内】

「では、行きますね」

――私はミライの手を強く握る。優しく小さな手だった。

「痛みは一瞬です。我慢してくださいね。……ッ!!」

ドクリッ!と強い力がツカサからミライの手へ、ミライの身体へと一気に駆け巡る。

「……。これで終わりです」

「え?終わりなのか?」

「はい。どのような力が目覚めるか分かりませんけど、あと肉体の強化もしてます。その辺の弾丸に撃たれても多分平気ですよ」

「どうみても、身体が固そうになっているにも見えないけど…」

「そういって、ミライさんの身体を触って確認という名のセクハラをする気ですか?スッケベー」

「誰がするか!」

「では、女子に興味がないと?まさかそっち系ですか?」

「そっち系でもねえよ!ノーマルだ!」

「アブですか?マジですか?」

「マジノーマルに決まってんだろ!?アブノーマルってどんなだよ!?」

「知りません」

「振っておいて酷いなおい!」

「では、おふざけはここまでです。ゼロ、行きますよ。はい、握ってください」

「あ、ああ!」

――俺はミライの手を強く握る。柔らかい。男の俺の武骨な手とは大違いだ。

「………。なんかスッケベーな気配を感じます。私の手が柔らかいとか思ってませんか?」

「…………………………………いや別に」

「はぁ…殿方だから仕方ないという事にしておきますね。では行きますよ」

「おう」

「じゃあ行きますね…ゼロの能力は少し特殊ですから荒っぽく行きます。死ぬほど痛いですよ」

「おう。おう?」

「………ッ!!!」

ドスリ…!!

突如ゼロの目の前に空間が裂けて謎の爪がゼロの身体を貫き、一気に引き抜く!

「おう!?」

それ同時に力がゼロの身体を一気に駆け巡る。謎の爪は空間の中へと消えていき空間は閉じていった。

「終わりです」

「いきなり何すんだ!?って?あれ?傷もねえし服も破れてねぇ…。今のは一体」

「乙女の秘密です」

「言えないのか?」

「いずれお話しますね。それと…ミライさんこれをどうぞ」

「それは?腕飾りとクリスタル?」

「アローラ地方に伝わるものらしいです。何かはよく知りませんがお役に立てるでしょう」

「なんでそんなものを?」

「私の仲間からです。では、そろそろ私の正体についてお話します。それと、執行者とそれを束ねる世界の終焉を見守る者…監視者について」



>>ミライ








―サイドストーリー―

【意志と焦り】

「ユウさん、ちょっといいかな?」

「なにかな?ケンタ」

「えっと、少し相談事があって…」

「君が?珍しいね。まぁ、聞くよ」

「この前の劇覚えてます?」

「君達の力を試した時のアレ?」

「うん。その時バーストメガシンカが出来なかった。一方でゼロはギアの力を使いこなしててさ…」

「嫉妬した?」

「うん。多分嫉妬です。みんなは強くなっていくのに俺だけ取り残された感じがしてさ」

「なるほど…。なら僕から言うことは一つだね」

「え?」

「決して焦らないで。君は1人で戦ってるわけじゃあないから」

「ユウさん…」

「君はリオと連携するのを疎かにしていなかった?」

「確かに…そうでした…」

「無理に上に行こうと思わないで少しずつ行けばいい。まずはリオと心を一つにする。そこから頑張ればいいさ」

「心を一つに…」

「そう、大事なのは意志だ。君とリオは一心同体ということをわすれない事だね」

「………。」

「ありがとうユウさん。おかげで少し楽になったよ」

「これでも僕は君より少し年上だからね。人生経験は少し豊富だよ」

「それにシャドーの記憶もですね」

「うん、僕も向き合っていかないとね」

「俺もお手伝いしますよ。リオと一緒に」

「うん、よろしくね」


ケンタとユウの友好度があがった。……気がした。

>>ALL

1ヶ月前 No.394

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【時間軸:マサラタウンの騒乱から4日後の夕刻】



【レッド/カントー地方/クチバシティ 波止場】



「よォ。隣いいか」

 返事を待たずして、波止場に設置されたベンチへと腰掛ける男の姿に、日傘の陰から冷たい目線を向けるメルン。

「嫌」

「そう言うなよ」

 背もたれに腕を回し、漠然と海を眺めるレッド。シーギャロップ号の雄大なる船体に、それよりも尚広く、夕刻の茜を照らす母なる水。不機嫌そうに脚を組み直すメルンは、男の目を見もしようとしない有り様ではあるが、この時間帯の海というのはどうにも安らぐものである。

「で、何よ」

「別になんでもねェさ。海が見たくてな」

「今度はノスタルジックな顔でも出てきたのかしら。お忙しい事で結構ね。何なら此処から飛び込んで堪能したら? 得意な火と、港の油の浮いた海なら相性も抜群でしょうし」

 しかし、こう。もう少し手心というものはないのか、この女には。げんなりした様子で肩を落とし、膝の上で掌を組むレッドの姿に、ようやくこれ可笑しいとばかりにメルンがほくそ笑む。

「何、落ち込んでるの? 傑作だわ、ああ可笑しい」

「別に落ち込んでなんてねェよ、黙っとけ」

「あーらあら、しおらしいわね。んふふ。そのままどっか行ってくれれば一番いいわ」

「そうか。ふんふん、そうかそうか。お前が嫌がるなら、いつまでも居座ってやるぜ」

「私がこの場で帰っちゃうとか、そういうパターンは考えてないわけ?」

「あァ……。……、そん時はそん時だ」

「傑作だわ、馬鹿。阿呆よアンタ。ああ可笑しい。あり得ない」

 ぐすっ、と涙が浮かぶのは、きっと夕陽が目に染みた所為だと思いたい所である。ともかくこの女に舌戦を挑んだのが間違いなのだ。マサラタウンのレッド、口喧嘩には滅法弱かった。

「で、何なの」

「あのよ。あれから色々考えた」

「足りない頭で?」

「茶化すのはなしだ。何だろうな、好き勝手やってきた……んだろうな、俺は」

「自覚が遅すぎてお話にならないわね」

「いや、そのな。なんつーか……自分が鍛える理由だよ、その理由」

 はぁ、と大袈裟に溜め息を吐き、まるで棄てられたゴミでも見るかのような目でレッドを舐めるように見つめるメルン。

「何なの、ホント。私に懺悔でもしてる訳?」

「出来れば、黙って聞いてほしいんだが」

「無理ね。そろそろ耳が腐り落ちるわ」

「昔、判んねェけど遠い昔……こんな理由で、闘っていた気がするんだ」

 ふと、手持ち無沙汰に日傘を回していたメルンの手が止まる。

「すごい、ってか……なんつーか漠然、漠然としてんだ。そうだな……マサラに現れた、あの鬼強ェ化物(イアース)と戦りあってる時にも断片的に感じた」

「あのスカーフを巻いたピカチュウだとか、トーガって奴からひしひしと感じたんだよ。こう……記憶、記憶? ってのかな。前世のなんとやらか?」

「私に聞かれても困るんだけれど」

「お前からもな。そういうのを感じる」

「不快だから止めてくれる?」

「人の家押し掛けて泣きついといて不快もねェだろうよ」

「あ、あの時は……!」

「はっはっは。ようやく焦りやがった」

「そう、よかったわね目的が果たせて。ではこれにてごめんあそばせ」

「わ、悪かった!な! 最後まで聞いてくれよ!」

「ホントに相変わらず面白いわね、コイツ。この場で目とか潰したらどういう反応するのかしら(仕方ないわね……)」

「おい、そういうのは心の中で思っとけよ! つーか逆になってんぞ!」

 何やら話している本人も混乱しているようで、口元を覆ってにやつくメルンへとぽつぽつと続けるレッド。

「で、マサラタウンのレッドさん。その前世の記憶やら鍛える理由とやらがどうかしたの?」

「むかーしにも、おんなじ事で怒られた記憶があるんだ」

「仲間の未来の為に一度死んでな。で、地獄まで逢いにきてくれた奴に、それでお前が死んだなら本末転倒だろって」

「じ、地獄……くっくっくっ……」

「うるせーな! なら天国だよ天国! ……まぁ、確かにというか……俺は正直自分本意だったというか」

「有り余る程の正直具合ね。地平線まで伸びた鼻も一瞬で低い不細工鼻に戻る程に誠実よ」

「で、考えたんだ。あの "帝王" って奴がマサラ襲った時にさ。その場で死んじまうような力なら意味がねェ。誰も守れず、俺も負けちまうような弱い力なら、何の為に俺は求めてきたんだ?」

「怖かったさ、正直。あんな化け物見た事なかった。井の中のケロマツだったんだろうな、所詮俺も」

「本能で、求めるよりも――――」



「それよりも、」



【時間軸:現代】

【アスレイ・ローズマリー/カントー地方 セキエイ高原/ローズマリー本家屋敷前】

『――――あの馬鹿が、そんな事を?』

『地道地道の牛歩ながら、少しは周りも見えるようになってきたのかもしれないわね。んふ』

『はッ。アイツがどう言おうが、僕には関係ないさ』

『アスレイ』

『貴方、逢ってきたんでしょう。 "レッド" に』



「――――嗚呼、忌々しい奴だ」

 白きローブの襲撃者と対峙しつつ、俯き、吐き捨てるアスレイ。

「そう嫌わなくても良かろう、下賤よ。我が光、還御の礎となる――――数十億の内の小さき者とて、栄誉なるぞ」

 朝靄と、豪奢なローズマリーの屋敷。
 噴水の水が落ちては昇るその向こう側で、紫の眼光が爆ぜるように射抜く。

「僕が見ているのは、お前じゃない」

「 "起源" の事はさらさら知らないが」

「――――今の僕は機嫌が悪くてね」



【戦闘区間/カントー地方 セキエイ高原/ローズマリー本家屋敷前】

【ローズマリー家長男 アスレイ・ローズマリー】

VS

【 "神の還御" 制定者リブラ】



 "失せろ、宗教家"



>>ALL




【グリーン/カントー地方 マサラタウン】

 判る。道理。
 判る。敵方の急所。
 判る。その穿ち方。

 律すべし。己が力量。
 律すべし。驕り、その全て。
 律すべし。しかし、その縛りは全て勝利へのベクトル。

 ヴァドックとグリーンには、奇妙なまでの共通項が在る。それも、トキワ出身という類似は関係なしに、だ。



 復讐に駆られ、その憎き敵方を相手取っての回避行動。ふむ、道理そのものである。尚の事、耐久に難のあるピカチュウ。ヴァドックの判断と運動能力は、並のトレーナーにはとてもとても生み出せまい。

 しかし、その『超ピカチュウ』たる精神の域。憎悪すべき相手を前にして尚、深く落ち窪んだ冷静、しかし激情をも宿した金色の力。

 グリーンは、ユウスイは、確かに視ていた。
 ヴァドックというポケモンの、凄まじいまでの潜在性を。

 ―――― "潰れちまいな!! "

 最中、マニューラの片割れが放つ巨大な氷塊。言葉こそ解けぬものの、このジムリーダーたるユウスイ、大半は理解していた。相手がこちらを認識している事、そして――――随分と優秀な「氷使い」だという事。

「上位護式(エクストラスキル)」



「―――― "消地法(フレキシブルダッシュ) " 」



 どうッッ、と天地鳴動。
 マニューラの氷塊を、とてつもなき超速度で避けた「番長」が立つは、ヴァドックの傍ら。

「こおりタイプを相手にしているんだがな」

「お前がパートナーだと――――焼けそうに熱い」

 ちりちり、ちりちりと燃え盛るが如く、ヒトとポケモンを包む金色の『キズナ』の楔。この日、明朝にて。ユウスイとヴァドックという最強のコンビが、今一度『帝王』の尖兵へと、従来の『超』を超越し、牙を剥く。

「相棒。名付けるなら、こういうのはどうだ」

「究極護式(アルティメットスキル)――――」



「 "ソリッドステート・ボルテッカー" 」



 この激動に反応したのは、遠く離れたアローラの地。

 彼ら同様、一人の武人であった。

>>ヴァドック




【モネ・ユエリャン/アローラ地方 メレメレ島/ハウオリシティ外れ】



【時差――――凡そ6時間】



「何かな、カンフーお嬢さん」

「随分と呆けている様子だけど」

 起源を追い求めし者、ヒガナが、アローラの風土を醸す軽装たる少女を押し倒し、その目付きを鋭くする。

「別に。ただ感じただけ」

「 "Zワザ" のプロトタイプ……っていうのかな」

「余裕だね。私は本気だけど、モネ・ユエリャン。アンタの持つ起源が必要だ」

「だろうね、流星の民」

 ぼッッ、と全身のバネでヒガナを吹き飛ばしつつ宙空にて回転――――モネ・ユエリャンと呼ばれた少女が、ハイパーボールを仕込んだ古風な巻物をずらりと閑静な草原に垂らす。

「悪いけど、私も重要な案件なの」

「アンタが此処で邪魔立てするなら――――」

「―――― "快活な学生 ムーン" の影も、なりを潜めちゃうよ」

 その両掌が結ぶは、我々のよく識る「忍者」の型。切紙九字護身法とも呼ばれる特異な体勢(スタイル)。

「 "隠れ討て" 。ジュナイパー」

「私の本領の、月夜の襲撃だなんてねぇ……」



【戦闘区間/アローラ地方 メレメレ島/ハウオリシティ外れ】

【 "起源を求めし者" ヒガナ】

VS

【 "セキチクの暗部" モネ・ユエリャン】



 "交錯せし思惑"

1ヶ月前 No.395

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/マサラタウン 浜辺】

グリーンの頭上から降り注ぐ『つららおとし』の一撃。

『なにっ……!?』

巨大な氷塊が砂浜を穿つ中、そこにグリーンの姿はなかった。

「へっ、そいつは奇遇だな。オレも同じ気分だぜ」

マニューラが驚きの声を上げる中、隣に移動してきたグリーンの言葉にヴァドックは同じ気分だと返した。

「“ソリッドステート・ボルテッカー”か、いい響きじゃねえか」

「その護式(スキル)ってヤツのことはよく分からねえが、気に入ったぜ!!」

その瞬間、ヴァドックの全身に稲妻が迸り、黄金のオーラがさらに激しく燃え盛る。
グリーンとの『キズナ』を結んだヴァドックは更なる進化を遂げ、『超ピカチュウ2』へと姿を変えたのだ。

『またパワーアップしやがった……!?なんなんだ、こいつらは……!?』

『気を付けろ。こいつら、思っていた以上にやるようだぞ……!』

『ちっ、どうやらオレたちの認識が甘かったらしいな……!』

グリーンと対峙していたマニューラがその人間業とは思えない彼のスピードに冷や汗を流す。
そんな中、ヴァドックに倒されたもう片方のマニューラがヨロヨロと起き上がってくる。

『もはや時間は掛けられん!』

『次の一撃で決めてやるぜ!』

彼らの実力を認識し、脅威と判断したマニューラたちは“合体技”を繰り出すべく背中合わせとなる。

その名は――

『『“ヘイルハリケーン”ッッ!!!!』』

マニューラたちはその爪に冷気を纏わせると高速で回転し始め、そのまま巨大な竜巻と化す。
冷気を帯びた巨大な竜巻は周囲の砂浜を凍らせながら凄まじい勢いでグリーンたちへと迫る。

「グリーン、てめえのじいさんには感謝している」

「だからこそ、オレは成し遂げなきゃならねえ」

「トキワのジムリーダー!てめえの手腕、見せてもらうぜ!!」

巨大な竜巻が迫りくる中、グリーンのほうに目を向けるヴァドック。

この世界において古の時代よりお互いを助け合ってきた人とポケモンたち。
バトルにおいてもポケモンは時としてトレーナーの剣となり、盾となる存在であった。
トレーナーの役目とはそんなポケモンたちの力を最大限まで引き出すことにあると言える。

グリーンを見据えるヴァドックの眼が語る。

――“オレがおまえの剣となる”

――“だから、オレの力を引き出してみせろ!”

ヴァドックは言葉なき言葉をパートナーたるグリーンに贈るとマニューラたちを迎え撃つべく『ボルテッカー』の姿勢をとった。

「いくぜ……!!“ソリッドステート・ボルテッカァァァァーーー”ッッッ!!!!!!」

ヴァドックは黄金の稲妻を纏うと同時に荒れ狂う『ヘイルハリケーン』に向かって一直線に走り出す。
それはただの『ボルテッカー』ではなく“キズナ”の力によって極限まで強化された『ソリッドステート・ボルテッカー』であった。

>>グリーン

1ヶ月前 No.396

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【ガイ/カロス地方/プリズムタワー内】

「よもや、休息の時間など与えないというわけか」

 タワー内の客室にてベッドに腰かけていたガイ。その前の空間が突如として歪に形を生み出し、そこから彼のよく知る男が現れる。
 そんな状況にも関わらず、特に驚くこともなく来客を迎え入れる。いや、むしろ歓迎している様にも見える。

「久しいな。こうしてまともに話すのは、あの"聖戦"以来か」

 彼らの関係を語る上で多くの言葉はいらいないだろう。強いて言うのなら、ただただ古い友人といったところだろうか。

―――「ちょっと積もる話でもと思ってな」

 そう言いながら、男はチェス盤を展開し黙々と駒を盤面に置いていく。
 ガイは盤を挟んだ向かいの席に移動し、その様子を眺めながる。

「いいだろう、俺も丁度暇をしていたところだ」

 彼の真意こそわからぬが、ここで再会したのもただの偶然ではないと断言できる。

>>フレア


【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 裏庭】

 兄妹達と共にイエロー宅の裏庭に出たリュウト。
 そこで目にした光景は・・・なんの変哲もない、ただの静かな朝そのものであった。

「あ、あれ?」

 後ろ姿のまま立ち尽くすソニアを見る。
 特に何かがあったわけでもない様子だが、先程の気配は一体なんだったのだろうか。

―――「気のせいだったのかしらね」

「うーん・・・考えすぎだったかね」

 エマと共にリュウトも首を傾げる。
 何も無かったのならそれに越した事はないのだが、不安要素を払拭できたのはそれはそれで良かった。

 緊張感が解けたからか、グ〜〜っと言うあまりにもテンプレートな音をたてながら、リュウトは腹をさする。

「ま、何事もなくて良かったってことさね。飯にしようぜ、飯」

>>ウィンチェスター兄妹、サンダーソニア


【ミライ/カロス地方/プリズムタワー内】

「ッ・・・!」

 握られた手からほんの一瞬ではあったが、痛みが身体を駆け巡る。
 ツカサから送れられてきた力はやがて馴染み、少し身体が軽くなった様な気が・・・した。

「これで・・・私にも何か力が・・・。ありがとう、ツカサ」

 そう礼を言い、少女から手を離す。
 自分でも実感が湧かないが、これで少しでも執行者との戦いに貢献できるのなら・・・彼女にとって冥利に尽きる。

―――「いずれお話しますね。それと…ミライさんこれをどうぞ」

「これは・・・?」

 見た事も無い腕飾りにクリスタルを渡される。どうやらアローラ地方に伝わる代物みたいだ。
 試しに腕に着けてみるが、やはり何も変わった様子は見られないが・・・それにしても、綺麗なクリスタルである。

―――「そろそろ私の正体についてお話します。それと、執行者とそれを束ねる世界の終焉を見守る者…監視者について」

こくりと頷く。
ミライにとっては今最も気になる部分である為か、いつもよりも真剣な表情でツカサと向き合っていた・・・。

>>ツカサ

1ヶ月前 No.397

ツバサ @th0md ★uvTNCoTUly_yoD

【ツカサ/カロス地方/プリズムタワー内】

「私の名前はツカサ・キリュウ。自称死んだ回数ナンバーワンの女です」

「それ、さっき聞いたけど」

「実は本当の話です。私は命を落とすと別の世界線に転生する力があるのです」

「別の世界線?」

「平行世界というものですね。例えばAさんがハンバーグかラーメンが食べたいと考えています。そしてAさんはハンバーグを選択しました。わたしはその世界に生きているとします」

「ああ」

「そこでわたしが死ぬとAさんがラーメンを選択した世界に転生する。そんな能力を持っているのです。証明できないんですけどね」

「あ、そっか死んだら別の世界線に行くからか。ん?て事は記憶とかは」

「引き継がれます。おかげで頭がパンクしそうですけどね」

「そうか、お前も苦労してるんだな」

「ええ。次は…」

「執行者か。俺達も戦った」

「混沌の執行者でしたっけ?」

「ああ、別の世界線のユウを呼び出して統合する力を持っていた」

「私も執行者と戦いました」

「あんたも?」

「はい、狙撃、月華、斬撃、悪夢と戦いました。何度も死んでしまいましたが、勝つことができました。」

「4人も!?ってあれ?それって断罪が言っていたような…」

「それが私ですね」

「そうだったのか」

「それで、分かったことがあるのです。執行者は氷結を除いてサクラギさんと関係がある存在だったのです」

「関係がある?あの混沌にもか?」

「はい。混沌はシャドーさんがいた世界線でサクラギとその仲間の方々が死闘を繰り広げた敵だったのです」

「ほかは?」

「月華はサクラギさんの元姉。狙撃は幼馴染。斬撃は仲間。悪夢は…ガイさんと一緒に戦った敵だったようです。その時は悪夢はナイトメアと名乗っており、魔法を使いこなしたそうです」

「成程な。しかし、氷結だけ関わりがないのは何故だ?」

「それは分かりませんね。氷結に直接聞かねば分かりません。次は監視者ですね」

「ああ、それってなんだ?」

「簡単に言えば、神様みたいなものですね。監視者には世界をコントロールでき、世界を変える力があるのです。その監視者がいることによって変化をもたらすのです。監視者がいることで世界はあり続ける。例を挙げるとゲームの主人公なんかが監視者ですかね」

「ほう、で、この世界の監視者はだれか分かるか?」

「分かりません。どうやらこの世界には複数の監視者がいるのは確かです。私は今までいろんな世界を見てきました。ですが、今回の世界は複雑なのです。いろんな異世界が融合した世界…国も、思想も、人も、価値観も、何もかもが混じり合う世界。こんな世界は初めてです。ですが、執行者を生み出した存在が監視者の一人である可能性は高いです。サクラギさんは監視者の力を持っていたようですから」

「成程な。しかし1ついいか?」

「何ですか?」

「なぜそこまで知っていて俺達に協力するんだ?俺達は執行者と戦うからか」

「それもありますが、貴方達からは光が見えたのです。私の闘い続ける運命を壊す光が」

「……そうか」

「何か聞きたいことはありますか。ないのでしたら明日に備えて寝ましょう」

>>ミライ

30日前 No.398

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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28日前 No.399

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★01cCGwnLil_mgE


【ソラ/カントー地方 トキワシティ/黄花の自宅】


 ――どうやら自分の知らない間に何か色々あった、らしい?

 正しく言うならば知らない間と言うよりは、眠っている間、と言うべきだろう。
 何故の膝枕で寝かされていたか知らない青い鳥は、驚いたまま目をぱちくりとさせてしまっていた。

 ――――「あ、あぇっ、ソラさん!? あ、あはは。おはよ……ございます?」

 ――――「よ、よォ。ソラも****も、おはよ」

 ざりっ、と意識に混じる雑音(ノイズ)。ズキリ、と痛みを訴え出す頭。
 そんな状態で黄花と赤髪の青年に朝の挨拶をされれば、挨拶を返そうにも上手く返すことができそうになくて。

「っ、おはよ、ぅ」

 それでも黙ったままは良くないからと、小さな声だけれども挨拶を交わす。

 ――――「あ、あのな。ソラ。この前は悪かったな。俺もさ、その……イキってて」

「や、だいじょ、ぶ、だぜ?こっち、こそ、悪かった、よ」

 この前、というのは以前ユウスイとの戦闘の後にあった機会のことだろうと思い返しながら、途切れ途切れに返事をする。
 挑まれた戦いを断ってしまったことは、ソラ自身引っかかっていた。だが、未だに身体は記憶に関して痛みを発信しているらしく、彼と戦うことになるのは今しばらくお預けになるかもしれない。
 コンディションが整ってなかったから負けた、なんてことになったら言い訳にも等しいだろう、と脳内で思う。


 眠い上に少し痛み始めた脳で状況を把握している間に、嫌な予感を感じてぞわぞわとしていたポッポ肌は収まっていた。
 それ以上に状況把握に努めようとした際に、衝撃的なことがあって嫌な予感が吹っ飛ばされたとも言える。

 ――――それは、“ソニア”が居たことである。

 夢の中で見た、知り合いらしいあの、シスター・ソニアが居たのだ。黄花の家に。
 周りの人間からは黄花の姉として居るらしいが……違う、と己の内から言葉が浮かぶ。
 では何故わざわざ身分を偽って(?)この場に居るのかと言えば――多分、あの夢で見た出来事が関係しているのではないだろうか、と推測をする。
 もっと言ってしまえば、あの時消えたあの子と――――――――

「ッ゛、っ」

 見たはずの夢のことを思い出そうとして、ズキズキと頭が痛む。どうやら楽に思い出させてはくれないらしい。
 チカチカと、目の前が光で眩んでいるかのように上手く見えなくなりかけてしまった。
 その為、ソファに座って大人しくしていようと判断をする。
 起きたというのにロクに会話に参加することも出来ず、時間が経過して―――



 ――――――――現在は朝食の時間、である。


「って無理矢理食べさせたら駄目だろ…!?」

 ――あれ、何で俺ツッコミしてるんだろう。

 赤髪の青年が黄花の口にバケットを突っ込んでいることにツッコミを入れ、何か飲むものを渡すべきだとわたわたしつつ、黄花の心配をする。
 現在、ソニアの手を借りてもそもそとバケットを食べている女性や、兄妹らしい見知らぬ人物達や、懐かしく思える青年といった具合に黄花や赤髪の青年達や他の者達と卓を囲んでいた。
 人間達以外にも彼らの手持ちだろうポケモン達が賑やかに食べているのを見ると、なんだか身体がぽかぽかしてくるようにも思えてくる。
 賑やかなこの現状を――もしかしたら、喜んでいるのかもしれない、と思った。

 黄花とソニアの話を聞くに、ソニアはこの後に何かを話してくれる……らしいが。
 いやそもそも夢の中で見たソニアと今一緒に居るソニアが同じ人物なのかどうかを確認するべきじゃないのかな、と考えながらソラも朝食を食べていた。

 ――あ、ジャム美味しい。此処最近ずっときのみ丸かじりだったりしたから、尚更美味しい。

「えっと……嫌がってる相手にそういうことは駄目だぞ」

 もぐもぐとジャムを付けたバケットを食べながら、ポケモン達の方を見て思わず注意をしてしまう。
 彼らが食べてるポケモンフーズの味が気になっていたりと注意が散漫になりつつあり――とあることを意識していない青い鳥だった。

「あーんするなら、俺にしてくれたりしないか、な?」

 ――――この中で何人、ソラがフリーザーであることを知っているだろうか?/ポケモンの言葉が認識できることを知っているだろうか?

>>黄花達、リュウト

28日前 No.400

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【ガイ/カロス地方/プリズムタワー内】

――――「"こっちのリュウト" に逢った」

 自信と瓜二つ・・・いや、それどころではない。何の因果か全く同類である少年と出会ったことをフレアは話す。
 男の掌についた傷跡は、その少年の実力を否が応でも示していた。

「数年前に一度こちらの世界に訪れたことがあったが・・・まさか俺の"アナザー"まで存在するとはな」

 アナザーと呼ばれる存在が、まさか自分にも観測がされていたとは。
 いや・・・無数に点在する世界でむしろ今まで見逃していたというのが少し気がかりだが。どうやらフレアもその実力を認める以上、ただの贋作といった様子でもないみたいだ。
 とはいえ気付いていなかっただけで、もしかしたら既に会っていたなんてこともある可能性も捨てきれないか。

「消えた筈のパールに・・・"カロスの聖戦"で出くわした、あのいけすかない男・・・か」

「俺の周りだけでなく・・・着々と何かが動き出している様だな」

 目まぐるしく盤面を掻きまわす白のポーンを眺め、この盤面に隠された意図を察する。
 やがて盤上には二つのキングのみが配置される、それはまさに・・・

「今は様子見と言った所だな・・・いや、本音を言えば賭けてみたい。もう一人の"俺"とやらに」

フレアと同様にガイも席を立つ。

―――「話し込むだけってのも何だかな」

―――「身体、動かさねェか」

「無論、端からそのつもりだ」

 笑みを浮かべる。
 拒否権などない。まあ逆の立場であるこちらも、拒否する気などないのは同じだが。
 男はそのままタワーの窓から飛び降り、その姿を消した。


「究極護式(アルティメットスキル)」




「――――"極光解放(アウロラ)"」



 いつの間にやら繰り出されていた彼のヒトツキ。それはガイの力によって、極光を纏いし強固な剣に変貌する。
 自身の得物を構えたガイは、フレアに誘われるがまま窓から飛び降り、目の前の戦いに身を投じることにした―――

>>フレア


【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 ダイニング】

「しかし、本当に美味いな・・・これは」

 朝の波乱は杞憂に終わり、現在は長テーブルを皆で囲んでの朝食の時間だ。

驚いたことに、目の前にいるシスターは料理のスキルは抜群のようで、他の男性陣にも負けない程の大ぐらいっぷりを見せるリュウト。
 シチューをガツガツと口の中に放り込みながら、賑やかな朝の様子を眺める。

 留学して早々ではあるが、このようにして多様な人々やポケモン達と新たに出会えたのは、極めて尊いものだと実感した。

 元からの親友であったウィンチェスター兄妹との再会から始まり、レッドという少年と友人になったこと、圧倒的な力を見せつけられたアコヤという女性。
 そして成り行きではあるがこうしてイエローの自宅に世話になっていること、そこで出会ったサンダーソニアと言うシスターに、懐かしいとという感情すら湧くソラという少女。

 少年は思う、願わくばこんな平穏な日々がいつまでも続けばいいと。

――――『昨日はどうも、楽しかったわよ。アコヤも話してたけど……貴方、元ダークポケモンだったのね』

 場所を移してこちらはポケモン達の朝食の場である。ソニア特製のポケモンフーズを頬張っていたカメックスは、アコヤのグレイシアに突如話しかけられ少々驚く。

『こちらこそ、あの時は世話になったな』

『ああ、昔まではダークポケモンとして良い様に扱われていた。だが今は違う。こうやって俺を暖かく迎えてくれるポケモンや人間達がいるんだからな。礼を言う』

 間接的ではあるが、自身を闇の中から救い出してくれたグレイシアに対して礼を言うと、こちらを向いていたソラに気付く。
 カメックス自身、人間の言葉を完全に理解できているわけではないが、彼女という存在がヒトならざる者である可能性が・・・正確に言うならば、本来ならばこちらと同じポケモンという枠組みに収まるのではないだろうかとすら思えてくる。
 ・・・憶測ではあるが。

>>イエロー宅一同


【ミライ/カロス地方/プリズムタワー内】

 ツカサの話よると、彼女はどうやら死の際に別世界に転生する力を備えているらしい。
 俄かには信じがたい話ではあるがミライ自身や、ガイが異界の人間である以上、その様な力が存在していたとしてもなんらおかしなことではない。

 そして執行者と以前に別の世界線にてガイを始めとした人物たちが戦いを繰り広げていたという事実に、この世界における監視者と呼ばれる存在・・・。

 彼女の口からそれらの全容が語られたが、どうにも自分達が世界の根幹を揺るがすかのような戦いに巻き込まれているということに改めて気づかされる。

 「私達が戦ってたのが・・・そこまで強大なものとは・・・」

 あの戦いで生きて帰れたのはゼロやヒガナ、ガイの力があってこそのものだったのかもしれない。もし彼らがいなかったらと考えると、思わずゾッとしてしまう。

――――「貴方達からは光が見えたのです。私の闘い続ける運命を壊す光が」

 ゼロの質問に対して、ツカサは答える。自分たちの力は、信頼に値する・・・それならば、力を貰った身としては期待には応えねばなるまい。

 「任せて・・・執行者達は、私達で必ず倒す・・・!」

 その直後、ノックもせずにハヤトが急いでいる様子でミライ達のいる部屋に入り込んでくる。

「お、おい大変だ!ちょっくら街の中散歩してたんだが・・・知らない男とガイの旦那がプリズムタワーから飛び降りてったのを見たんだよ!」

「え・・・?」

 このタイミングでガイが動いたということは、敵襲だろうか?つい先ほど襲撃を受けたばかりなので執行者によるものだとは考えにくい。

「うーん…その前にガイの捜索がてら・・・一旦街の方に出てみる?」

 ・・・・とはいえ彼程の力があるのなら、正直のところそこまでの心配はいらなさそうではあるが・・・。

>>ツカサ、ゼロ

24日前 No.401

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/マサラタウン 浜辺】

まさに勝負は一瞬であった。

「――オラァァァァッ!!!!」

一本の「槍」と化したヴァドックがただ一直線に眼前に迫る竜巻の「目」を穿つ。

『バ、バカな……!?』

『オレたちの合体技がこんなヤツらに……!!』

ヴァドックたちの『ソリッドステート・ボルテッカー』により、合体技を破られたマニューラブラザーズは弾け飛ぶかのように吹っ飛ばされ、そのまま砂浜に叩きつけられた。

「へっ……!てめえらの合体技よりもオレたちのほうが一枚上手だったようだな」

浜辺に倒れ伏すマニューラブラザーズにそう吐き捨てるとヴァドックは白いフリーザーの居場所を聞き出すべく彼らに近づく。

『まさかこんなヤツに天下のマニューラブラザーズが敗れちまうとは……』

「さあ、白いフリーザーの居場所を吐いてもらうぜ……!!」

『わ、分かった……!』

『命だけは助けてくれ……!』

もはや勝機はないと悟ったのかマニューラたちは命乞いをしながら意外なほど素直に白いフリーザーの居場所を吐くと言い放つ。

『フリーザー様の居場所は――』

――――ザ バ ァ ッ ! !

「!?」

その瞬間、マニューラブラザーズはそのかぎ爪を使って勢いよく浜辺の砂を巻き上げ、ヴァドックたちの視界を遮った。

『はっはっは!油断したな!』

『超ピカチュウ!おまえのことはフリーザー様に報告しておいてやる』

『次がおまえらの最期だ!せいぜい覚悟しておけ!』

砂嵐が収まり、視界が晴れるとそこにマニューラブラザーズの姿はなかった。

「ちっ、逃げられちまったか……!」

重要な手掛かりを後一歩のところで逃してしまい、悔しがる中、未だに気を失っているポッチャマの存在が目に入った。

「そういや、こいつは……」

理由は分からないが、このポッチャマはマニューラブラザーズから狙われており、彼なら何か知っている可能性があるとヴァドックは考えた。

「おい、グリーン!こいつがどんなポケモンか分かるか?」

「さっきのヤツらが狙っていたポケモンだ、こいつなら何か知っているかもしれん」

「とりあえず、じいさんのところに運ぶぞ!」

>>グリーン

22日前 No.402

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【フレア/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 いや、言ったさ。
 言ったよ? ぶっちゃけ。
「身体、動かさねェか」とはよ。

 でさ、現実問題。
 強敵(コイツ)相手にストレッチのお誘いで済むかって話なんだわ。
 群雄割拠のカロス貴族、元を正せば『賢者』と呼ばれた原初の――――あァ、その話はまた今度だ。兎にも角にも、血も出生もなく「そこ」に登り詰めた頂点こそがコイツなのだ。

 欲を言えばなァ。
 見せて欲しいよなァ。



 "その総て"



 披露(みせ)てェわな。



 "俺の総て"



「リュウトさぁ。そういや、土産もあんのよ」

 ざッ、とプリズムタワー前の芝生にあぐらを掻き、古めかしい酒瓶の底を置くフレア。少し離れた場所では、親子連れがメェークルと共に遊びに興じているという不自然な対比。手品のようにワイングラスを『ウルトラスペース』より取り出した彼は、上品とは言い難い手付きでそれを注いだ後、ガイへと差し出す。

「昔リナリアに教えて貰った銘柄だ。カロス原産のピノノワール、玄人好みな "英雄の血" 」

「アイツ曰く、言う程高級じゃねェが悪酔いしない名酒らしい」

「あのヤブの事だから胡散臭ェがな」

 乾いた笑いの後、グラスの中身を揺らし、そこはかとなく。

「テイスティングの類なんざ判らねェが、上質な血の色? ではある」

「はは」

「誂えだよな。まるでこれから飛沫くお前の鮮血のようじゃねェの。ん? オーサマ」

 慣れていない挑発と共に、光が一閃。
 ばしッ、と乾いた音。鎮まりかえる場の緊張感に、タワー前広場の市民達が一斉にこちらを向く。

「おお、痛ってて」

「不意討ちだったんだけどな、難なく受けるとはよ」

 びりびりと痺れる右拳を痛そうに揺らしつつ、左手でグラスを傾けるフレア。ああ、だよな、そうだとも。座したまま、酒を酌み交わす席。しかしながら、そうだったか。

「さっきの詫びだ。そっちもどうぞ」



 "もう――――開始(はじ)まってやがる!!"



【戦闘区間/世界を巻き込まない場所が望ましい】

【百人隊長、智将、もしくは民を統べし統率者。古代カロスの英雄王ガイ】

VS

【なんかブラブラしてるデザイナーみてえな炎とか出す格闘のやべーやつ フレア】



 "されど王は炎と踊る"



 ――――これは、歴史には残らない戦い。

>>ガイ




【ウィンチェスター兄妹/カントー地方 マサラタウン/イエローの自宅】

 もっちゃもっちゃと幸福極まりない様子でベーコンエッグを咀嚼するルカ。美食に慣れているウィンチェスター貴族たる彼も、温かな家庭の味には舌鼓を打たざるを得ない。この世の何処かでは安酒を囲うオッサン二人も居るものではあるが、それは我々同様に露知らず。

 "しかし、本当に美味いな・・・これは"

「むぐむぐ。な、それよそれ」

 語彙も奪ってしまう程に美味というのも考えものである。イエローの姉さん、もといシスター・ソニア作のアイントプフとやらを流し込むルカであるが、リュウトを挟んだ隣側。そこでは自らの妹が、親友へと仲睦まじくも絡んでいる姿が。

「はいリュウト。あーん」

 フォークに刺さった半切りのボイルドエッグとサニーレタスを、リュウトへと差し出すその姿。親友ラヴたるルカのはらわたが一瞬にして煮え繰り返ったのも必然である。アコヤが「あーん」しつつソニアのバケットを心待ちにしていた所、突如それをルカに引ったくられてびえええと泣き喚く。

「リュウト、あーんこっち! はい、あーん!」

「ちょっと兄さん。それ流石に引くんだけど」

「はぁ!? エマ、リュウトがこっち来たからって調子乗ってんじゃねーよ!」

「は、はぁ!? ナニソレ!?」

「お前、リュウトにベッタベタしすぎじゃねえの!? 色目使ってんのかよ、引くわ引くわあああ!!」

 自分を棚に上げて、なんたる言い草か。
 ぐぬぬと眉間に皺を寄せるエマだが、ぐいっと兄の顔面を手で押し、更に差し出す。差し出しますエマ選手。

「リュウト、兄さんは無視していいから」

「無視だぁテメェ!? それでも妹かよコラ!」

 更に妹を押し退け、ルカ選手、同性もとい同棲の親友へと迫る。

「リュウト、あーん! あーんしろオラァ!!」

「バカ兄!! 何、その言い方!?」

「黙ってろ!! リュウトにベタベタすんな!!」

「びええええ!! アタシのパン!! アタシのパンとられたああああ」

 ―――― "少年は思う、願わくばこんな平穏な日々がいつまでも続けばいいと。"

 先のリュウトの腹の内を借りた言葉だが、コイツらはこうもその真意をめちゃくちゃにしてくれるとは。バケットを詰め込まれ、目を白黒させていたイエローであるが、ソラから受け取ったオレンの実100%ジュースでなんとか一命は繋いだらしい。必死に呼吸を繰り返すその後ろを、何喰わぬ顔で通り過ぎるレツトことレッド少年。

「このシチュー美味ェな。おかわりしよ」

 立て込む兄妹とリュウト、泣き叫ぶアコヤ、さらっと傍若無人なレッド、ついでに呼吸しているイエローと同じく呼吸しているだけのソラ。どうやら家主の姉を騙るこの女は、「見た目程には」穏やかでないらしい。

「お前ら……」

 貼り付けたような笑顔を陰らせ、顔中に青筋を浮かべるサンダーソニア。あーあ、知らないとばかりに白々しい表情のマリアが、彼女の肩へと乗る。

「これアイントなんちゃらったっけ? 全部食っちまってい」

 瞬間、レッドが見たのは、光に満ち溢れた――――そう、まるでおとぎの国の天国を感じさせるような、

 まるで――――



「朝メシの時ぐらい静かに喰えッ、この野郎共……!!」

「 "荷炎粒子砲" ぉぉッッ!!」



 ぼがーん。
 吹き飛ぶ屋根、快晴の青天井。
 嗚呼、素性について詳しく聞いてはいないが、判った。

 コイツ、怖ェわ。
 "アイツ" とおんなじ感じで……。

「此処にいる皆さ、この後に呼ばれてるんだよね? 後々の件でオーキド博士から話がある、って」

「ならさ、きちんと朝食は摂らないとダメだよ」

「何せ朝食は一日の要。シスターさんとのお約束だっ」

 ぴしっ、とマリアと共に両掌を頬に付けた愛らしいポーズ。にっこり笑顔。それを見るなり「ひぃッ」と上擦った声で後退するレッドとアコヤ。リュウトを挟んで互いに抱き合う兄妹、白目を剥いて色々と放心状態のイエロー。平和と何か、平穏とは如何なるものか。我々には哲学的な思考の尽きない中……。

『これから大変なのは、マサラを護るあなた達なのよ』

『ねっ、ソラ。カメックス』

 ぱく、とソラの口にポケモンフーズを押し込み、くすくすと笑うマリア。『オーキド博士からのお呼び出し』……そうである。昨日、急な連絡が入ったとの事で、此処にいる我々全員が招集を受けているのだ。忘れた訳ではあるまい。

『人間関係は大変ねぇ』

『ウチらの主人がおかしいだけぷら』

『まい』

 アコヤのグレイシアが冷えた溜め息を吐く姿に、フォローにならないフォローを入れる兄妹のパートナー達であった。

>>ソラ、リュウト




【グリーン/カントー地方 マサラタウン/浜辺】

 高位の同調により、理解し得たマニューラ達の恨み言。

 ――――フリーザー様、か。
 今やオーラの解け、いつもの茶の尖った髪型へと戻ったグリーンが胸中で呟く。記憶に新しいトキワの凍結事件、尋常ではない使い手ではあると踏んでいたが……何やら、奴は想像以上らしい。びりびりと響くように感じた、ふたご島方面よりの悪意、そして圧倒的な力。

 "おい、グリーン!こいつがどんなポケモンか分かるか? "

 暫し物思いに耽る中、ヴァドックが指す先。本来ならばマサラに生息する筈のないその存在を目にし、グリーンが目を丸くする。

「こいつぁ……ポッチャマ、か? シンオウの」

 全く、何たる事か。
 氷を操りし巨悪の襲撃、それも、アイツだけではない。
 しかし、武者震いの類。
 嗚呼、まだ強え奴が。
 不謹慎ながら、ユウスイの心根は確かに熱く打ち震え。

「ヴァドック。俺やレイジ、トーガさんも爺ちゃんに呼ばれてんだ」

「都合が良い。……乗れよ」

 ばしゅ、と目にも留まらぬ速さで繰り出されるウインディ。既にこの短短期間に関わらず、グリーンの修行の成果は日常レベルにまで及んでいる。一抹の胸騒ぎと大いなる高鳴り。嗚呼、やはり俺はトレーナーか。先の戦いの高揚以上に――――ヤバいのが待ち受けている!

>>ヴァドック

17日前 No.403

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ゼロ/カロス地方/プリズムタワー内】

「え?ガイが?」

「どうします?ゼロ」

「うーん。ガイが動くなんてよっぽどの事だ。知り合いにあったか、強大な奴がいたかどっちかだろう。個人的には前者であってほしいけど…気になるな」

ゼロは少し考える。少し彼と行動を共にしているが。彼の全てを理解しているわけではない。彼が何のために動いたのか。ゼロはそこに興味が湧いた。

「そうだな…気になるし万が一のこともある。行ってみるか。ツカサも来るか?」

「ええ、問題ないですよ。私が1日欲しかったのは貴方方と話すためでしたから。万が一はお任せください。貴方方をお守りいたしますね」

「あぁ、頼りにしてるぜ。んでハヤト。ガイはどこに行ったか分かるか?」

>>ハヤト、ミライ



【明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します】

17日前 No.404

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/マサラタウン→オーキド研究所】

「このポケモンはポッチャマっていうのか……」

グリーンの言葉から今初めて『ポッチャマ』の名を知ったヴァドックがそう呟く。
『シンオウ』という地名は彼にとっては聞き慣れないものだったが、それゆえにこの『ポッチャマ』がここではないどこか遠くの場所から来たポケモンであることは理解できた。
その小さな身体でポッチャマを担ぐとオーキド研究所まで歩いて行こうとするヴァドックだったが、ふとグリーンに声を掛けられる。
彼が言うには爺ちゃん――オーキド博士からの呼び出しがあったらしく、あのレイジやトーガにまで声が掛かっているなど、ただの野暮用ではないことが察せられる。

「ああ、分かった。……乗るぜ」

呼び出しの理由は分からないが、もとよりオーキド研究所に向かう予定だったため、好都合だとポッチャマを抱えたまま、グリーンの呼び出したウインディの背に飛び乗るのだった。

――場所は変わり、オーキド研究所では……。

「……」

呼び出しに応じたトーガは応接室にて足を組みながらイスに座りつつ、朝のブラックコーヒーを嗜んでいた。

「よう、師匠」

優雅な一時の中、応接室の扉がガチャリと開かれ、顔を出したレイジがトーガに声を掛ける。

「レイジか……」

「あんたも呼び出されたのか?」

「そんなところだ」

レイジのほうに目をくれたトーガはぶっきらぼうな態度で彼の問いかけを肯定した。

「あんたまで呼ばれてるとはただごとじゃなさそうだな。ついにパールの野郎が攻めてくるってのか?」

「さあな……。いずれにしろ、みんなが揃えば分かることだ」

オーキド博士が彼らを呼び出した理由は分からないが、トーガは「すぐに分かる」と落ち着いた様子でコーヒーを飲み干す。
そんな彼の言葉にレイジは「たとえ誰が相手だろうと負けるつもりはない」と言わんばかりに自らの掌にパシッと拳を打ちつけた。

「邪魔するぜ。……なんだ、もう誰か来てるじゃねえか」

一方、扉が開かれるとともにヴァドックたちが部屋に入ってくる。
ちなみにポッチャマは彼らの計らいにより、事前に研究員たちの元へと預けられたようだ。

「……ヴァドックにグリーンか」

「よう、おまえらも呼ばれたのか」

現れた彼らに先客たちが声を掛ける。

「おまえらもかなり腕を上げたみてえだな、特にグリーン。分かるぜ、レベルそのものが上がったのがよ」

「ふん……、もしかすると今のおまえより強いかもしれんな」

「へっ、そいつはどうかな?」

百戦錬磨の武道家である彼らにはグリーンたちのレベルアップも一目瞭然であり、その強さを肌で感じとったレイジはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
無論、こちらも負けず劣らずであり、トーガに鍛えられた後も独自に修行を続けていたレイジに加え、すでに超次元の実力をもつトーガも宿敵イアースとの再戦に向け、飛躍的なパワーアップを遂げていた。

>>グリーン

16日前 No.405

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★01cCGwnLil_mgE



【ソラ/カントー地方 トキワシティ/黄花の自宅】


 ――派手にやるなぁ。

 懐かしさを覚える青年がわちゃわちゃと仲の良い兄妹に挟まれて「あーん」を挟み撃ちにされているのを見つつ、朝食を続けていた。
 パール似の女性がパンを奪われてたり、黄花が窒息しかけていたりとカオスな状況になりつつ騒ぎながらも平和だなぁと思っていた矢先に、屋根が吹っ飛ばされるという状況となる。
 屋根を吹っ飛ばした人物は「朝メシの時ぐらい静かに喰えッ、この野郎共……!!」と吹っ飛ばす少し前に供述をしており――とまぁ、ソニアが怒った様子だった。

 ――――「此処にいる皆さ、この後に呼ばれてるんだよね? 後々の件でオーキド博士から話がある、って」 「ならさ、きちんと朝食は摂らないとダメだよ」 「何せ朝食は一日の要。シスターさんとのお約束だっ」

 ピカチュウのマリアと共に可愛いポーズをしながらそう言っているが、むしろ怖さが増しているのではないだろうか。
 そう思い、周りを見てみれば黄花が放心状態になっていたり、兄妹達は抱き合っていたり、後退している者達が居たりと混沌とした状況となっていた。

「むしろきちんと朝食取りながら、こんなに元気なんだから良いんじゃないかな、ソニア。
あんまり騒がしいと行儀悪いかもしれないけど、な」

 青空な天井になっているにも関わらず、冷静にシスターソニアに言う事が出来ていることがソラ自身不思議でならない。
 ……もしかして、過去の自分は同じような場面に出くわしたことがあるのだろうか?

 ――覚えてないけど、きっと同じように怒られたことがあったかもしれない、なぁ。

 だから、他の者達みたいに怖がらずに、彼女に真っ直ぐに言葉を放つことができたのかもしれない。


「ああでも、人が食べようとしてるものを奪ったりするのは良くないんじゃないかな?」

 ちらり、と先ほどバケットを奪ってた者に対し視線を向けつつ、ちょっとした注意もしてみる。
 おいしい朝食だからいっぱいいっぱい食べたくなるのは無理もない。
 相手の気を引こうと色々やりたくなる気持ちも分からなくはない。
 でも、おかわりをするならしっかり言えば用意して貰えるだろうし、奪い合いは争いの元にしかならないよな、と内心で思いながら黄花の介抱をしようと席を移動させかけた所で――――

 ――――『これから大変なのは、マサラを護るあなた達なのよ』

 ぱくっ、とマリアの手によって口の中に押し込まれるポケモンフーズ。
 それをもぐもぐと咀嚼すれば舌で感じることができる美味しさがあった。

『そうだな。何時頃襲われるかとか分からないけど、俺は黄花に頼まれたしな。――あ、このポケモンフーズ、きのみが隠し味に入ってたりするかな?』

 黄花をどうにか介抱するために、彼女を横抱きにして運び、とりあえずソファに横にさせながら。
 うっかり『ポケモンにしか分からない言葉』でマリアに対して話しかけてしまうソラであった。

 人間にとってはちょっと不思議な“声”が聞こえたように思えるだろうが――ポケモン達にはがっつりと、その言葉が分かってしまうだろう。

>>ソニア(黄花達)、リュウト

14日前 No.406

aki @asynchro73 ★iPhone=Zyy1RgwaC2

【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

プリズムタワーの一室から降り立ち、対峙せし2人の男。巨大な剣と化したヒトツキはガイの隣にて突き刺さり、相手の出方を伺っている。
この2人の共通点を挙げるとならば、どちらも"余裕"を感じさせることにある。

――――「リュウトさぁ。そういや、土産もあんのよ」

そう言いながら男は酒瓶を目の前において見せると、更に何の変哲もない空間からグラスを取り出す。
恐らく『ウルトラスペース』を介す事で可能にしたであろう物質の転移は、ガイにも心当たりのある芸当である。

「"英雄の血"……カロスにおいて名の知れた名酒だな。尤も、私は知っての立場故に安物の酒を飲む機会はそうそう無いのだが…ありがたく頂くとしよう」

グラスに注がれた酒を差し出しされ、それを受け取るとゆっくりと淵に口を付け、その味を口内に広げる。

「適度な渋味が心地よい…極上とは行かぬまでもいい酒だ。リナリアがこれを好いているのは何も度し難いことではない」

 ふっと一息吐くことができた時間にして数分にも満たない短い酒宴。
 元よりこの男と長話を興じようと思っていなかったのは、あちらも同じであろう。

――――「誂えだよな。まるでこれから飛沫くお前の鮮血のようじゃねェの。ん? オーサマ」

 ほんの一瞬、それも常人であれば即座に首を切られていたであろう程の一閃が、フレアの挑発と共に飛ぶ。
 僅かな挙動のブレを感じ取ったその瞬間にガイは隣に突き刺さるヒトツキを手に取り、その一閃を打ち弾く。

「・・・甘く見られた物だな。この程度の不意打ちを許す程、私の身体は衰えてはいない」

 タワー前の広場に集まる人々があまりにも異様な光景に目を丸くし2人を見つめる。
 かつては共に戦いを繰り広げた盟友。だが、そんな事情は知らない人々にこの光景はどのように映っているのであろうか?

「いいだろう・・・誇りも身分も何もかもを全て捨て、全力で貴様と相対そう。それがカロス王ガイとしてではなく・・・貴様の知る"リュウト"としての務めなのだからな」

 再び2人の間を静かに吹く風。その上空にピシピシと何かが割れる音が響く。
 割れているのは物ではない。フレアの真上を取り囲むかのように空間そのものがいくつもの亀裂を作り出し、無数の裂け目を生み出したのだ。

 それは丸で、先程フレアがグラスを取り出したときに起きた現象に酷似していた。

「『ウルトラビースト』の力を借り賜った力。その真髄、御覧に入れよう」



「"超獣護式(ビーストスキル)"―――― 」




「――――"英雄の武具庫(アーマリオン・カロス)"」




 空間の裂け目より風を巻き降り注ぐ剣や槍の雨あられ。その1つ1つが『ウルトラホール』にて強大な力を蓄積し、射出されていく。
 轟音と吹き荒れる砂塵と共に地に突き刺さっていく鋭利な刃物の数々。

 慈悲も容赦も何もないガイのその一撃が、フレアへと襲い掛かる。そう、この2人は一切加減する事などを知らぬのだ――――

>>フレア


【リュウト/カントー地方 マサラタウン/イエローの自宅】

――――「はいリュウト。あーん」

「エ、エマ!?流石にそういうのはみんなの目が…ってルカお前もかよ!?」

朝食を貪り食べていたリュウトに差し出されたフォーク。
ウィンチェスター兄妹の妹の方であるエマに俗に言う「あーん」をされているわけだが、それを見かねたルカもアコヤから半ば強引に料理を奪い取り便乗「あーん」を繰り出す。
横では泣きじゃくるアコヤ。阿鼻叫喚とは正にこの事、先程リュウトが密かに願った思いは早々に砕け散ることになる。

「お、お前ら頼むから落ち着いてくれ!どっちも食うから…!!いや、駄目だルカはちゃんとそれアコヤさんに返してあげてって……あー!もう!!」

わいわいガヤガヤ、わいわいガヤガヤ。

賑やかなのは良いことだが、賑やかすぎるというのも考えものである――――

……そんなことがありソニアの怒りが頂点に達し、家の屋根が亡き者になったわけだが流石にその気迫に押されてか先程まで騒いでいた連中も急に黙り込んだという始末である。
明らかに無罪の人達まで巻き込まれている気もするが。

――――「此処にいる皆さ、この後に呼ばれてるんだよね? 後々の件でオーキド博士から話がある、って ならさ、きちんと朝食は摂らないとダメだよ」

――――「むしろきちんと朝食取りながら、こんなに元気なんだから良いんじゃないかな、ソニア。
あんまり騒がしいと行儀悪いかもしれないけど、な」

「うっ…2人の言うことがどっちもド正論ですげえ心にくる…気を付けます…」

元を辿ればあーん戦争をおっ始めたウィンチェスター兄妹が元凶ではあるのだが、それを理由に自身の身の潔白を主張するのは余りにも情けない気がした。
と言うよりも、リュウト自身も結局それに乗って騒いでいたのだから反論する余地は尚更ないが。

一喝を入れられ、リュウトは黙々と朝食を平らげて行くことにしたのだった――――

――――『これから大変なのは、マサラを護るあなた達なのよ』

『全く、呑気にも程がある連中だな…先が思いやられる』

やれやれ、と主人達の食事を見守るポケモン達。
そんな中、マリアとソラのやり取りを聞いたカメックスはやはり自分の考えが正しかったことに気づく。

彼女の話していたのは明らかに"ポケモンの言葉"で相違なかったのだ――――

>>イエロー宅一同


【ハヤト/カロス地方/プリズムタワー内→移動】

――――「あぁ、頼りにしてるぜ。んでハヤト。ガイはどこに行ったか分かるか?」

「正直、検討が付かねえ…そう遠くには行ってはいないと思うんだが」

急いでゼロ達の元に知らせに行った為か、一部始終は目撃した物のどこにいるかまでの確認は出来ていなかったのだ。
ハヤトにとってもガイと言う男のその一切が謎に包まれている。雇われの身ではあった物の、異界のカロスの王という肩書きのみは唯一知ることが出来ていたが、こうして感情的な動きをしたと言うのは予想外である。


――――直後、外から響く轟音がその答えを示してくれた。


「タワー前の広場の方からか!?」

窓から外を眺める、灯台下暗しとはよく言った物だ。土煙が立ち込める中に、2人の人影を確認できた。
どうやらこの様子だと戦闘にまで発展していたらしい。
一体、相手は誰なのか?敵か?いや、それとも別の……

「………行ってみよう」

ミライはそう言うと、ドアに手を掛ける。彼女には何故か、その2人の戦いを見届けなければいけないという強迫観念にも近い感情に突き動かされていた。

それはまるで、自身の失われた記憶のピースに引き寄せられかの様な感覚であった―――

>>ゼロ、ツカサ

11日前 No.407

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ハヤト/カロス地方/プリズムタワー内→移動】

ハヤトの返答を聞くにどうやら何処にいるかまでは分からなかったようだ。

「となると…何処にいるかだよな。此処は広いから探すのも大変…って何だ今の音!?」

突如響く轟音に驚くゼロ。ツカサもハヤトと共に窓を見て冷静に対応する。

「ハヤトさんの言う通りどうやら下のようですね。どうやら既に戦闘が始まっているようです」

「何がどうなってんだ…あ、待てミライ!俺たちも行く!」

「ケンタさん達は!?」

「言わずとも来るさ!多分な!」

ゼロはケンタ達も来る事を信じ、急ぎプリズムタワー前の広場へと移動するのであった

>>ハヤト、ミライ

10日前 No.408

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【レッド/カントー地方 トキワシティ/屋根のないイエローの自宅 → 移動】

 えー……。



 ……………………………………………。



 書き始めに迷うが……行ってみよう。



 "むしろきちんと朝食取りながら、こんなに元気なんだから良いんじゃないかな、ソニア。
あんまり騒がしいと行儀悪いかもしれないけど、な"

 女傑……こう書けば、かの「あおいとり」は慌てて否定するだろうが、レッドからすればこう思わざるを得ない。

「(オイオイオイ! ソラ! お前何言ってやがんだよ! コイツ! やべぇ! 下手に手を出すなって――――)」

 件のシスターさんの「ヤバさ」を感じ取ったのか、ソラへと慌てて耳打ちするレッド。女の二面性とは恐ろしく、全く以って度し難い。俺も何度イエローやブルー、モモカの悪意に泣かされた事やら。しかしながら本人も何処か戸惑っているらしく……しかし、しかしソラ、なんともそれが日常のようにソニアへと語りかけり。

 驚いたのは件のシスターも同様であった。

「え、ウソ。ソラ、さん?」

「記憶が、戻って――――って、なわけないよ、ね? あの人とも関わってないし、……」

「えー、おほん! あ、あのね。元気なのもいいけど、僕はマジメなの! ソラも文句言うならこうだよっ」

 ぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
 ソラのこめかみに対して必殺の「ぐりぐり」を見舞うシスター・ソニア。理不尽の極みである。マリアと仲良く「判る者には判る言葉」にて語っていた両者であるが、主人の横暴にも彼女はクスクス笑うのみである。

『くすくす。ソニア、ちょっと無理してるみたいだけど付き合ってあげてね』

『あ、よく気付いたわね。これ、クラボの実がアクセントに入ってて……』

 はぁ。はい、成る程。
 一体何に付き合えと言うのやら。

『……さ、最近のポケモンフーズは人間にもイケる程ハイカラなのね』

 対するアコヤのグレイシアは、主人同様に天然が入っているらしい。目を白黒させる中、肝心の主人はレッドに差し出されたベーコンエッグを咀嚼している最中、ふと核心を突くのであった。

「もむもむ。あんさ、アタシのアナザーとやらが問題起こしてるってヒメから聞いてるけど」

「マサラタウンにこんだけヒトが集まってんのも、その理由だべ?」

 彼女のアナザーこと、『黒き氷の羅刹』が示唆せし惨劇の様相。そこに自然の掟はなく、強者が愉悦のままに振るう歪んだ暴虐の災。奴が自身の求むがまま、「引き出そうと」するのならば。奴がその唯一の為、この町を危機に陥れようとするのならば。

「アタシもな、ソラの修行に関してヒメから頼まれてんだわ。本来だったら自分の尻拭いはテメーでやるのが道理なんだけどよ」



「……オメェら、黙って守られてるだなんてタマでもねえだろ?」



 ――――嗚呼、そうとも。
 飽くなき渇望が望むは、より強きを制する悦び。



「あァ。そのパールって奴をブッ倒してェ」

 真面目な顔で即答しつつ、アコヤにバケットを差し出すレッド。うん、と判っていたように頷きつつそれを咀嚼するアコヤ。やる気満々な二人の様子に、いよいよイエローは憔悴の極みとばかりに眉間を押さえる。

「赤髪のボウズはやる気らしいけど、どうよ。そこのお二方は」

 透き通った赤の双眸が交互に映すのは、リュウトとソラの姿である。留学生としてこの地を訪れし少年、そして欠落のままに此処へと行き着いた少女。果たしてこの場に居合わせたのは、酷い因果か縁が故か。



【グリーン/カントー地方 マサラタウン/オーキド研究所】

 "……ヴァドックにグリーンか"

 "よう、おまえらも呼ばれたのか "

 どうやら、既に先客が訪れていたようだ。
 片や、マサラタウンにて巻き起こった次元の歪み、その超決戦の当事者たるトーガ。片や、かのレッドと激戦を繰り広げ、何やら後輩のモモカとよろしくやっていた青年であるレイジ。

「ああ。まぁ、何の用件かは二人も判っているだろうが……」

 応接室の棚にバッグを置き、ソファに件の「ふたご島より帰還せし」ポッチャマを寝かせるグリーン。ヴァドックに対し、「お前も聞いておいた方がいい野暮話だ」と軽く状況説明しつつ、祖父の部下である研究員にポッチャマの介抱を頼む。研究員自身も、シンオウの珍しいポケモンの姿に驚くばかりである。命に関わる大事には至っていない様子ではあるが、その身に宿す「こおりタイプ」。そして今現在戒厳令が敷かれており、何人たりとも近寄れぬ魔境と化したふたご島、何者かによるトキワの森の凍結事件。限りなく曖昧ではあるが、拭い切れぬ悪寒、そして共通項がグリーンへと不安を過させるが――――

 "おまえらもかなり腕を上げたみてえだな、特にグリーン。分かるぜ、レベルそのものが上がったのがよ"

 レイジのその一言により、寡黙な男の胸中に火が灯る。

「そういうお前もだ……レイジ。マサラファームで初めて逢った時とはまるで次元が違う」

 沸々、沸々と湧き上がる戦闘欲求。
 嗚呼、抑えねば。いやしかし。

「どうだ。全員揃うまでに、互いに一撃だけ――――」

「おっっはーーーー!! おォ、レイジにトーガ、ヴァドックまでいるじゃねェか! おはよー」

 ぼがん、と応接室の扉が開き、しっかりと朝飯を食ったレッドのお出ましである。ぞろぞろと集う面々、リュウト、ソラ、ウィンチェスター兄妹、そしてアコヤにサンダーソニア、最後に低血圧そうな様子のDr.ヒメ。あと何故かイエローまで。肝心のグリーンは、好敵手との遣り取りに挟まれてむっとした様子である。

「よォグリーン。おっはー」

「朝っぱらからうるせぇんだよ、テメェは」

「何か勝手に怒ってやがる。ほんとああいうカタブツって困るよな」

 背を向けたままのグリーンに対し、ぷぷぷと嘲笑しつつレイジへと同意を求めるレッド。その背中をつんつんつつくマサラタウンの某であるが、ユウスイ君は完全に無視しているらしく、ソラやリュウトへと仲睦まじく挨拶している始末である。挨拶は一日の要、大切にしていきたい。

「イエロー、お前もこの件については判ってるよな」

「……うん」

「よお……ソラ。この前は一方的に絡んじまって悪かったな」

「おいグリーン! おはよー!」

「リュウト。お前の事も聞いてるぜ。強えんだってな……?」

「モーニーン!! ユウスイ、モーニーン!!」

「グリーン、おはよ。またトレーニングしてたの?」

「ああ、お早うございますヒメ先生。日課なもんで」

「ユウスイちゃん!! おっはーーーー!! イマクニだよ!!」

「テメェはさっきからうるせぇんだよ!! 消え失せろ!!」

 涙目になり、しゅんと隅っこで丸くなるレッド。全く、大事を控えている割には呑気なものだが、これが彼の長所でもあると前向きなフォローでも適当に入れておく。

「おお、皆もう揃っとったか。えー、はじめましての方ははじめましてじゃな。オーキド……ユキナリという者じゃ」

 最中、どたどたと慌ただしい様子で現れたオーキド博士ことユキナリ氏。目の下の隈を見るに、どうやらあの一件以来まともな睡眠をとれていないらしい。親の心子知らずとはよくいったものである。

「さて……それでは状況説明からさせて貰うかのう」



「このマサラタウンが、如何なる危機を迎えているかについて……」



>>研究所一同




【フレア/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 "いいだろう・・・誇りも身分も何もかもを全て捨て、全力で貴様と相対そう"



 "それがカロス王ガイとしてではなく・・・貴様の知る"リュウト"としての務めなのだからな"



 真摯にも、サンキュー。いや有り難い。
 英雄にまつわる富、名声、そして栄光がまま。その全てを捨ててでも、目の前の好敵手は自身と相対する事を選んでくれているのだ。ならばこちらは? こちらはどうか。



 如何にすれば、この傑物の期待へと応えられるか?



「有り難ェ限りだ」

「礼変わりだけどよ、リュウト」

「 "お前に勝つ" 」

 嗚呼、やはりの傲慢。やはりの自賛。
 否、違う――――この宣言の意味するところ。それは。



 ――――"英雄の武具庫(アーマリオン・カロス)"



 ―――― "全身全霊にて、俺の存在すら懸けて"



「よォ。ちょっとこれ、預かっててくれるか」

 騒動の渦中、遅れて現れた一行。羽織を脱ぐや否や、ハヤトに対しそれを飛ばし――――ハットと眼鏡を彼へと飛ばし、気付けばハヤト少年の装いは着流しにハット、そして眼鏡と先程までのフレア自身の装いである。

「戦闘で脱ぐなんざトーガん時以来だ」

「嗚呼――――割と最近か」

 この短期間に、これ程に育まれた強者との連戦。血は沸き肉は踊り、魂はそれに呼応して高鳴りを増すばかり。

 其処に居たのは、戦闘時特有の鋭い目付きに膨大な熱を宿した一人の男。かつてのリュウト少年のよく知る――――『マサラタウンのレッド』であった。

「―――― "臨界突破(オーバーフロウ)" 」

 どひゅッ、と草木と大地が慄き、その白き髪色が残光を描く。未知なる力、『超獣護式(ビーストスキル)』の本領がままに、この場を覆い尽くす程の幾千、幾万の武具の鋭利なる数々。その悉くを避け、破壊し、或いは足場にし――――フレアが、友が、ガイへと空中にて肉薄する。

「受け取っとけ」

「―――― "荷炎粒子砲" ッッ!!」

 極光の主へと放たれたのは、幾億の武器すらも灰芥に還す白き熱線。空の色が変わり、次いで叩きつける稲妻が如き轟音。嗚呼、世界が震えるがまま――――漢二人、ブレーキはなく!

>>タワー前一同

8日前 No.409

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【レイジ/カントー地方 マサラタウン/オーキド研究所】

“ああ。まぁ、何の用件かは二人も判っているだろうが……”

「まあ、なんとなく察しはついてるぜ」

抱えていたポッチャマをソファに降ろし、居合わせた研究員に介抱を任せるグリーンに対し、レイジが返事を返す。

「しかし、ポッチャマか。実際に見るのは初めてだが、カントー地方にもいたんだな」

「そいつがどうもこのポッチャマってヤツはカントー地方には生息しないポケモンらしい」

「じゃあ、別の地方から流されてきたってのか?」

「さあな……。だが、オレの故郷を滅ぼした白いフリーザーと何らかの繋がりがあるのは確かだろう」

「どういうことだ?」

レイジがソファの上で眠るポッチャマを物珍し気に眺める中、彼の問いかけにヴァドックがこれまでの経緯を説明し始める。

 “そういうお前もだ……レイジ。マサラファームで初めて逢った時とはまるで次元が違う”

 “どうだ。全員揃うまでに、互いに一撃だけ――――”

そんな中、グリーンから発せられた言葉にニヤリと笑みを浮かべるレイジ。

 へっ……、上等だ。

彼の答えは言葉を発するまでもなく、「構え」という行動で示される。
グリーンの闘いは以前、マサラファームにて目撃したことはあるものの、実際に拳を交わしたことはなく、レイジにとって相手の実力は未知数と言える。
それゆえの好奇心――強者を求める武人(トレーナー)としてお互いを欲する両者。
レイジは『おさきにどうぞ』と言わんばかりに相手を見据えながら、彼の一撃を迎え入れようとするが――――

 ぼがんっ!

その瞬間、間が悪いことに応接室の扉が勢いよく開かれる。
ちょうど扉の正面に立っていたレイジは跳ね飛ばされ、そのまま顔面から床にダイブした。

 “何か勝手に怒ってやがる。ほんとああいうカタブツって困るよな”

「怒ってんのはグリーンだけじゃねーぜ」

「……てめえが頭フカフカすぎんだよ!!」

 げ ん こ つ

グリーンを嘲笑しつつ、うつ伏せで伸びているレイジに同意を求めるレッドだったが、当のレイジは闘いの邪魔をされた挙句、跳ね飛ばされたのが気に障ったらしく、ビキッと青筋を立てる。
怒りのオーラを燃やしつつ、片手で赤く腫れた鼻っ柱を押さえながら、ゆらりと立ち上がったレイジは朝からバカ騒ぎするレッドの脳天に「げんこつ」を振り下ろすのだった。

「朝っぱらから騒々しいヤツらだ……」

一方、そんな彼らの様子を見やり、トーガは呆れたように溜息をつくのだった。

 “さて……それでは状況説明からさせて貰うかのう”

 “このマサラタウンが、如何なる危機を迎えているかについて……”

「ああ、話してもらおうか……。おまえらも異存はないな?」

そんな中、オーキド博士の話が始まり、それを促すようにトーガが口を開く。
それにより、レッドとともに騒いでいたレイジや彼らの様子に呆れていたヴァドックもオーキド博士のほうを向き、彼の話に耳を傾けるのだった。

>>オーキド博士

5日前 No.410

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_glG

【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/プリズムタワー前】

 ――――「 "お前に勝つ" 」

 男のその一言に、全身の血が滾る。ガイの内に眠っていた強者と剣(拳)を交えたいという感情が、吹き上がるかのように。

「―――それはこちらの台詞だ」

 ふっ、と微笑みながらそう返す。
 異界へと繋がる裂け目から放たれるその剣戟の数々、フレアは難なくと避けては壊し・・・その雨を掻い潜っていった。

 正直なところ、ガイにとってこうして避けられることすらも歓喜していた。
自 身の出せる全力を、これでもかというほどに浴びせられる存在を・・・どれほど待ちわびていたか。

「ゼロ達もここに来ていたか」

 激闘の最中、タワー前に駆けつけてきたゼロやミライ達の姿に気付く。
 彼らは2人の周りを見守るようにこちらを観ていた。

「危なくなったら逃げても構わない。・・・・だが願わくばこの戦いを最後まで見守っていてほしい」

 再び、戦友と向かい合う。
 武具の雨を避けながらこちらに差し迫るフレア。

「さあ、見せてみろ・・・・その全身全霊を・・・・!!」

 ――――「受け取っとけ」

 ――――「"荷炎粒子砲" ッッ!!」

 あの男の事だ、何か"隠し玉"を持っているであろうということは想像に容易かったが、どうにも予想以上の一撃であった。

追加で放たれた剣達をも巻き込み、辺り一面をも灰に変えてしまう程の炎をあろうことかフレアは体現したのである。

「ぬぅっ・・・・・!」

 巨大な剣と化したヒトツキを纏うオーロラ状の輝き、その光を盾の様な形へと変化させその一撃を受け止める。

 その盾は炎を飲み込むようにその力を抑えつけていくが、あまりにも強大すぎる力に押され崩壊してしまう、しかし――――

「――――この程度で終わると思うか!!」

 炎と土煙の立ち込める中から姿を現し、そのまま一気に空中にいるフレアとの距離を詰める。
 爆発音と共に地に着弾した"荷炎粒子砲"だが、その威力は極光の盾によって多少軽減はされていたものの、それでもガイにダメージを与えるには充分すぎるほどであった。

 フレアの懐へと詰め寄り振るわれる剣技の数々、避けられ、また弾かれ・・・その戦いは見る者すべてを魅了する程に激しい物であった。

「変わらないのだな、あの頃と」

 激しい打ち合いの中で安堵する。この男は・・・フレアは、あの頃から変わっていない。
 目の前の敵に全力を持って向き合い、死闘を繰り広げる。その姿勢は正にガイが・・・いや、『リュウト』がよく知る『マサラタウンのレッド』そのものであると。

「フレア・・・そんな貴様だからこそ、この力を使うに値する・・・!!」


「この世界の理を根底から覆す・・・」





「――――"破界護式"を」



 ヒトツキへと集束されていく虹色の煌めき・・・その全てを友へと捧げるべく――――


――――――――

 そんな2人の戦いを見つめるハヤトとミライは、1つの感情を抱く。
 余りにも次元が違いすぎる、と。

「いや、そもそもあの相手の男は何者なんだよ・・・!?」

 ガイもガイでとんでもない機動力を持って適を追い詰めていっているが、それに対応できるあの男の素性こそ一体どういうことなんだというものだ。
 皮肉にも衣類を預けられたせいで装いに関してはそんな彼と同じなのであるが。

「・・・・あの光・・・見覚えが・・・あるような・・・・」

そんな中、ガイのヒトツキの放つ輝きを目にしたミライはその忘れ去られし記憶の1つを呼び覚まさんとしていた――――

>>>>タワー前一同


【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅 → オーキド研究所】


――――「赤髪のボウズはやる気らしいけど、どうよ。そこのお二方は」

「聞くまでもなく、俺は・・・・そんな奴を絶対に許せない。そいつを・・・パールを倒す」

 和やかなムードから一変し核心へと迫る発言をするアコヤ達。

現在進行形でマサラタウンを覆っている大きな影。その存在を、ここにいる誰が許容するであろうか?
 自分の生まれ育った故郷であるため、あるいは大切な人がいるだとか。

 理由は人の数だけあるだろうが、リュウトにとってもまだ短い期間ではあるがマサラで過ごした時間に偽りはない。だからこそ投げかけられた言葉への返答は、ただ1つの曇り無き物であった。


――――そして場所を移し、オーキド博士の研究所へとたどり着いたわけだが・・・

 既に役者達は揃っていたようだった。それにリュウトにとっては初対面のヒトとポケモン達がごった返している。
 赤の帽子を被った帽子を被った男に、それによく似た青年。更には人語を話すピカチュウに、番長スタイルの強そうな男。そしてカントーで見るのは珍しい、傷を負ったポッチャマ。

「あ、どもども・・・」

 一同に対してぺこぺこと挨拶と自己紹介を済ませるリュウト。
 彼らも博士の話を聞きに来たのであろうが、この危機に駆けつけてきてくれたとならば心強い限りである。

――――「リュウト。お前の事も聞いてるぜ。強えんだってな……?」

「さあ、どうだろうな・・・やり合ってみたいとわからないかもだぜ?」

 番長・・・こと、グリーンに話しかけられ思わずそう答える。
 恐らく件のレッドとの戦いの事を聞いたのであろう。彼もまた強者を求める人間・・・それに惹かれ合うかのようにリュウトも好戦的な態度であった。類は友を呼んだ。

――――「さて……それでは状況説明からさせて貰うかのう」

――――「このマサラタウンが、如何なる危機を迎えているかについて……」

「勿論異存はない。一体今この町で何が起こっているのか・・・俺達は知る必要がある」

 話を促すトーガに対してそう言うと、リュウともまたオーキド博士の元へと向き直し、耳を傾ける。
 今、忍び寄りつつある災厄のことを・・・リュウトの言う通り、彼らは知るべきであるのだ――――

>>研究所一同

5日前 No.411

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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12時間前 No.412
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