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Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD"

 ( なりきり掲示板(フリー) )
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ツバサ ★kxhnMwovI2_kl8

Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD"

この世には無限の世界がある。

世界が生まれる時、世界は消失する。
世界が消失する時、世界は生まれる。

世界は管理者によって成り立つ。
世界は管理者によって消される。

世界は常に変わりゆく。例外はない。
世界は常に変わらない。例外はない。

管理者が覚えている限り世界は存在する。
管理者が忘れている限り世界は消失する。

世界の記憶を保つには管理者の存在が必要である。
管理者の存在を保つには世界の記憶が必要である。

管理者は一人ではない。生きるものすべてが管理者である。
死するものすべてが管理者である。管理者は一人ではない。

複数の管理者が揃うとき、新たな世界が生まれる。
複数の管理者が離れると、新たな世界は消失する。

新たな世界が生まれる時、それまでの世界は崩壊する。
それまでの世界が崩壊する時、新たな世界が生まれる。

新たな世界とは管理者の所有する世界が融合した時、生まれる世界。
新たな世界の融合が解除された時、管理者の所有する世界ができる。


今、新たな世界が再び開演する。



【開始するまで、書き込まないで下さい】

2年前 No.0
メモ2014/11/15 18:49 : ツバサ★x6oODnGVv0_Kvj

Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD" 本編

http://mb2.jp/_ni2/18595.html


Pocket Monster "ANOTHER CROSS WORLD" 設定や相談など

http://mb2.jp/_nrs/4018.html

ページ: 1 2 3 4 5 6


 
 
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aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_4qc

【リュウト/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅】

 3人の放った強大なる牙は、ソラとアコヤの協力の元パールへと届き・・・・・・遂には彼女を屠るまでに至った。

 周辺の地形を抉る程の一撃に、エンペルトは倒れ伏し、またパールもそれに寄り添うように倒れ込む。
 この瞬間、戦士達は絶望に抗い、つかみ取ったのだ。マサラに迫っていた危機からの勝利を――――

――――「どうやら、オレたちのパワーが勝ったみてえだな……!」

「ああ・・・・・俺達の、勝ちだ・・・・・!」

 護式を解除すると共に、血を吐きボロボロになった身体を引きずりながら、親友であるエマとルカの元へと向かう。

「ルカ・・・・・エマ・・・・・誓いは果たした、ぜ……」

 その瞬間、足から力が抜け、2人の目の前で仰向けに倒れ込む。
 友への誓いを見事に果たし、安堵したからか、それとも単にダメージが蓄積されたからか、全身からも力が抜けていくのがわかる。

「あれ・・・・・・」

「おかしいな・・・・・・」

 それとは別に、自身の身体に生じた違和感を感じ取る。
 左腕に力を込めようとしても、まったく動く気配がないのだ――――


「ハハッ……」

「無茶しすぎたのかもな……」


 星に包まれた夜空を見上げながら、小さく笑う。

 無茶に無茶を重ねた様な戦いをしたのだから仕方ない、と心の内で納得する。
 だが、不思議と自身の行いに悔いは無かった。自分自身を越え、その代償として身体が蝕まれつつあるとしても、それでも友たちを守る事が出来たのなら――――

 騒ぎに駆けつけた、近隣の住民たちや警察がようやく姿を現し、戦火の跡は終息の一途を辿ることとなった。

 そして……少年達は気づかない。まだ複数の暗躍せし不穏な影が迫っている事を。

 彼らの戦いはまだ終わっていない、いや、まだ序章に過ぎないのかもしれない。

 だが、今だけは。
 今だけは仲間達と共に勝利の喜びを分かち合い、酔いしれたい。
 そう思ったリュウトであった――――

>>ALL

4ヶ月前 No.450

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ゼロ/カロス地方 ミアレシティ/路地裏】

「ああ、勿論だ。ケンタ達は?」

「行くよ、サトシは俺たちの団員だからな。ですよね、ユウさん」

「もちろん。親友を救うのは当然だよ」

「私は心配しないでください。自分の身は自分で守れます。」

「よし、行こう!ユウ、頼む」

「うん。来い、パルキア!空間をホロンへと繋げ!」

「ユウはカードからパルキアを呼び出し一つの空間を作り出す」

「よし入ろう!」




そして彼等はホロンへとたどり着く。始まりの森へと。しかしホロンは再び…燃えていた。

そして…凍りついていた。

これは…

「ポケモンの気配がありません。どうやらいるのは私達だけのようですね」

「だからってこの状況は…」

ホロンは燃えて…そして凍っていた。それはふたつに分けられていた。
以前サトシが向かったホロンの研究塔の方角は燃えており、始まりの湖の方角は氷付けとなっていた。しかしご丁寧に人が通れる道はできていた

「執行者の仕業か…?わざわざ別れ道まであるとはね…」

「二手に分かれようどっちに行く?」

「僕は燃えてる方に行く。あっちに断罪がいる気がするんだ」

「断罪と戦うのか?」

「うん、サトシもサクラギも知ってるのは僕だ。彼の実力は僕もよく知ってる。もし断罪がサクラギと同等の力があるなら…僕でもなんとかできる。むしろ氷結の実力が分からない。だからゼロ達はそっちを」

「分かった。死ぬなよユウ」

「お任せを彼等は私が」

「ガイ、ハヤト、ミライ。お前達はどうする」

>>ガイ、ハヤト、ミライ

4ヶ月前 No.451

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【 "黒き氷の羅刹" の脅威が去り、早くも数ヶ月】

【マサラ第一高校、ハイスクール・ライフの落ち着いた放課後……の筈であるのだが】

【そこでは、男達が互いに譲れぬ信念を懸け、死闘を繰り広げていた】



【戦闘区間/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 教室】

【 "神速の16連射" レッド】

VS

【 "FPS歴10年" ルカ・ウィンチェスター】



 "ゲームは一日一時間"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=GFMpdT18kXU)


「あーっ!! テメェずりい今の!!」

「わっはっはっはっは!! 作戦作戦ンンンン」

「いやノーカン!! ノーカンな今の!! はい俺の勝ちいいいいい」

「ざけんなボケ!! 雑魚っカスっシスコンっ」

「ぬあああああ殺す」

 生徒達も疎らな放課後の教室にて、「モンテンドー3DS」に興じ大騒ぎしているバカが二人。ご存知バカとバカである。

「ちょっとさぁ、レッドもルカもうるさいんだけど!?」

「テメェがうるせえんだよレッド!! お前ちょっと黙れや!!」

「いやルカのがうぜェから!! コイツを注意しろ!! むしろ殺せ!! 粉砕しろ!!」

 同級生であるキリカに注意されてもますますヒートアップする有り様、もう知らないとばかりに去る茶道部の某。しかし、何もやかましいのはこのバカ二人だけではない。

「おーいレッド、お前またヒメちん先生に呼び出し食らったんだって?」

「うぜえええええっ黙ってろリッキー!!」

「俺さ、ヒメちん先生の気怠げなエロさいいと思うんだよ! な、どうよ!」

「知らねぇよ!! 黙れや!!」

 バカにちょっかいを出す3バカグループ。彼らの級友にして悪友であるリッキー、ナツ、クジローである。思春期特有の妄想力を大いに発散するバカスリーではあるが、バカ二人の方はそれどころではない。真剣勝負の死闘の最中、がらっと開く教室の扉。同じくヒメに呼び出しを食らったグリーンである。

「おー、ヒメちん先生に呼び出し食らったのがもう一人!」

「オメーは何したんだよグリーン」

「何もしてねえよ。で、コイツらは?」

 親指で差したのは、やはりピコピコと死闘に興じている二人。クジローが肩を竦めてみせると、ダブルバカのモンテンドー3DSを鮮やかに奪うグリーン。そのまま空いた窓へとそれを躊躇なくブン投げる。少し遅れ、グラウンドの地面にて何かが粉々になる音。

「おああああああ!!? おまっ、お前えええええええ!!?」

「わあああああ!! グリーンが俺の3DSこわした!! こわしたああああびええええええ」

「やかましいんだよテメェら!! これ以上騒いだら次はテメェらを突き落とすぞ間抜け共!!」

 ぐすぐすと嗚咽の声、さめざめと泣き始めるバカ。3バカが爆笑する中、不機嫌な様子でどっかりと着席するグリーン。今回の件ではリュウトも呼び出されているが、一体全体何なのやら。

>>ALL




【アスレイ・ローズマリー/カントー地方 トキワシティ/トキワの森】

 ――――この地を去りし、黒き氷の羅刹。
 しかし、氷河の脅威は依然として衰えず。

 トキワの森の入り口に建つ、亡くなったポケモン達を弔う慰霊碑。あの羅刹の仕業ではない、何者かによる襲撃。現在、厳戒態勢の敷かれている「ふたご島」から逃げおおせた存在が言うには――――

「悪寒、か」

「杞憂が現実になる。僕にとっては、何ら珍しい話ではないさ」

 コートを翻し、慰霊碑に背を向けて森を去ろうと歩き始めるアスレイ。レッドやグリーン同様、彼の力とて以前の比ではなく。着実に技量(ちから)を身に着けゆく彼の紫の双眸が、険しくも細められていた。

>>ALL

4ヶ月前 No.452

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 コンピュータ室→移動】

パールとの戦いを終え、数ヶ月の月日が流れた――――

教室にてバカ達が馬鹿騒ぎしているのと同時刻……こちらのバカは人のいないコンピュータ室にてとある人物とのビデオ通話を行なっていた。

マサラに迫っていた"黒き氷の羅刹"からの脅威を退けた後に、リュウトはオーレ地方の実家である『ポケモン総合研究所』にて療養と新たに開花した力の研究の為にバンギラスを一時的に預けていた。
そして、画面に映る少し物腰が低そうな人物が所長たるクレインという男で、その通話相手でもあった。

『リュウトくん、左腕の調子はどうだい?』

「ええ、まっっっっっったく動きませんね」

『うん……まあなんというか予想通りの返事というか……』

「バンギラスと護式で繋がってる時は動くんですけどね……おかげで普段の生活が不便でならないです」

あの後、結局リュウトの左腕の機能は停止したままで病院やあちこちを回っても具体的な解決策が見つかることはなかった。
神経が完全に死んでいるとのことで、中々どうして治療も難しいのだとか。

『なるほど……意識や神経の共有をする事で関節的に君の腕も動くようになる、ということだね。僕の方も護式についてはわからないことだらけだから、それについても調査していきたいね』

「いやまあ使ってる俺も実態がわかんないんすけどね……急に使える様になったもんだから……。 ところで、あの翼みたいなのって結局なんだったんですかね?」

『その事なんだけど……どうやら、メガシンカの際に発生した過剰なエネルギーが形を成して翼の様になっていたみたいだね』

『学会でもこんな現象は初めてだって驚かれたよ。粒子物理学の観点で見ると、これは……』

「あ、あの、もうちょっと俺でも分かるような説明でお願いできません?」

『ああそうだね……ゴメンゴメン。例えば、君の目の前にあるコンピュータ。使い続けたりすると熱くなったりするよね?』

「はい(あんまりパソコン使わないからパッと来ないんだけどなぁ)」

『そうすると、溜まった熱は吐き出さないと熱暴走を起こす危険性がある。この場合だとデスクトップの裏側にある排気口から熱を放出する事になるね』

『君のバンギラスも同様で、溜まりすぎた力は身体に害をもたらす……それで背中から粒子状のエネルギーとして放出したんだ。 わかったかな?』

「わかるわけねーだろ……(なるほど!!とてもわかりやすい説明ですね!!!)」

『本音と建て前が逆になってない?』

「はっ……しまった!!」

『まあいいけど……とにかく、もうしばらく君のバンギラスは預からさせて貰うよ。それと、あまり無茶はしないでくれよ。今回の件は腕で済んだけど、もし身体の重要な器官が停止でもしたら……あれ?』

「ん?どうしました?」

『リュウト君、先生に呼び出し食らってるんじゃなかったっけ?時間結構ギリギリのような………』

「…………………………………」

ブツ切り。

そうだ、リュウトはヒメに放課後呼び出されていたのだ。
彼だけでなく、レッドとグリーンもその対象なのだが……何か説教されるような事でもしてしまったのだうか?いずれにせよ、真相のわからぬリュウトにとっては恐怖でしかなかった。

「やっべぇ〜〜〜……!!!い、急がねば……!!!!」

コンピュータの電源を切り、時計を見る。ギリギリの時刻だ。
とは言え急げば間に合う!顔が青ざめながらも、リュウトは颯爽とコンピュータ室から抜け出し、レッドやグリーン達の待つ教室へと走り出すのであった――――

>>ALL


【ガイ/カロス地方 ミアレシティ/路地裏→移動】

ユウがカードから呼び出したパルキアの力により作られた空間に入り込んだ一同は、ミアレを後にした。
そして、その目的地は――――

「なるほど……。 ここがホロン……なのか?」

「な、なんだなすげぇことになってねぇか……?」

一同の記憶には真新しいホロンの地ではあるが、初めて此処に訪れたガイとハヤトはその惨状に驚愕する。
燃え盛る木々が目に入る一方で、その真向かいには凍りついた森の姿が確認できる。
まるで異郷の地にでも足を踏み入れたかのよいな光景に二人は戸惑いを隠せなかった。

「これも……執行者達の仕業で……」

そんな中、ミライの心の奥底からは、怒りの感情が湧き上がっていた……。

――――「二手に分かれようどっちに行く?」

「文字通り、運命の分かれ道と行ったところか…。そうだな……それならば、私はユウと同行しよう」

「………じゃあ、私は……氷結の方に……ゼロ達と一緒に闘う……」

「え?あ〜、えっと……お、俺は……」

「……しゃーねえ、ミライ嬢ちゃん達の方に回るかね。そっちはガイの旦那もいるし、まあなんとかなるだろ」

「随分と評価されているのだな」

「昨日の戦いを見てりゃ嫌でもな」

一連のやり取りをして、2人はふっと笑うと、ハヤトは握り拳を差し出す。

「まあこっちは俺らに任せな。ユウちん、ガイの旦那……あんたらもどうか、無事でな」

ユウにも妙な呼び方がされたような気がするが、何はともあれハヤトにも何かと仲間としての意識が芽生えつつあった。

>>ホロン一同

4ヶ月前 No.453

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★YrZX7O8yn2_mgE

【ソラ/カントー地方 トキワシティ/イエローの自宅付近】

 ――――――黒き氷を、白き炎が飲み込んだ。

 戦闘の余波によって雲が吹き飛び、星空が視界に映る。
 しかし、青い鳥の心はそんな星空とは逆に曇り影を落としていた。

 黒き氷、パールとの戦いは幕を閉じたと言えるだろう。
 だが、ソラは目にしてしまっていた。この戦いに巻き込まれた存在――黄花達の傷付いた状態を。
 赤に染まり、痛々しそうにしながらもどうにか生きていた彼女達。

 ――力になれたら、と。思っていたのは誰だった?

 もし、もっと早く自分が駆け付けることが出来ていれば。もっと早く氷の中から飛び出すことが出来ていれば。もっともっと、自分が強けれ、ば。
 彼女達が大怪我を負うこともなかったのではないだろう、か。
 誰かに伝えれば傲慢と返されそうな考えが己の中に滲み始めていた。

 喉が乾いて張り付くかのように痛む。
 周りの音が耳で聞き取れなくなりそうなそんな予感を覚える。

 身体から力が抜けそうになりながら、一歩一歩歩いて――一緒に戦ってくれていたらしいピカチュウ・ヴァドックの傍へと向かった。

「借りっぱなしだったな、これ。貸してくれててありがとうな」

 そう言いながら取り出したのは彼から借りていた赤いバンダナ。それを彼の手に握らせれば、くるりと踵を返し彼の元を後にする。
 次に、力を貸してくれていたアコヤの傍へと向かった。

「――――遅くなって申し訳ありませんでした」

 一言、そう言いながら頭を下げた。

 その後、ちらりと黄花達の方を見る。恐る恐るといった様子で手を伸ばして、結局その手を引っ込めてしまい。
 倒れているパール達の傍へと歩いていき、エンペルトをモンスターボールに戻してやり、パールに己の羽根を一枚握らせて。

 それから。それから。


 ――――――――――――戦いの後処理が一段落つく前に、蒼い鳥はカントーから姿を消していた。

 >>ヴァドック、アコヤ、(パール)


【さてさて、姿を消した青い鳥は一体何処に行ってしまったのでしょう?】

【答えは――――】




【おい、蒼い鳥、そこはお前の生息地じゃないぞ】

【と、ツッコミを入れてくれる人はまだ居ない】


【ソラ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】


 黒き氷がカントー地方のマサラタウン・トキワシティを襲い、白き炎が焼き尽くしてから暫くの時が経過していた。

 己の力不足を嘆いた蒼い鳥はカントーから飛び出して――現在、ウラウラ島と呼ばれる島のラナキラマウンテンという山にいた。
 そこはアローラ地方と呼ばれている場所の1つの島なのだが、青い鳥はウラウラ島なる場所で、不思議なポケモンが居るというぐらいしか把握していなかった。

 そもそもカントー地方を飛び出してがむしゃらに飛んでいった結果行き着いた島だったということもあり、帰るに帰れなくなっていたとも言える。
 それ以上に、どんな顔をして黄花達に会えば良いのか、ソラには分からなくなってしまっていたのだった。


 さて、そんな蒼い鳥がラナキラマウンテンに棲みついた理由は他にもある。
 それは、不思議なポケモンが生息していたからである。蒼い鳥が不思議なポケモン、と思ったのは――氷タイプのロコンやサンドのことだ。
 ロコンと言えばほのおタイプ。サンドと言えばじめんタイプ。そう記憶していた蒼い鳥は、タイプが変わっているそのポケモン達のことがとても気になったのである。

 記憶があれば“リージョンフォーム(リージョンフォルム)”のことももしかしたら知っていたかもしれないが、残念ながら今の蒼い鳥にそのような知識はない。

 とにかく、そんなタイプが変わり姿も変わったポケモン達のことを知るためと――蒼い鳥が棲みやすい場所だった、ということがこの島の山に居着いた原因と言えるだろう。

 そして、とあることをする為に――――現在、蒼い鳥は人間の姿を取ることなく、ポケモンの姿でその山に居着いているのだった。
 人間(トレーナー)としての姿ではなく、フリーザーの姿そのままで居着いている理由。

 それは――――野生(ポケモン)としての状態を思い出す為である。

 人間(トレーナー)の姿を取ることなく、フリーザーの姿のまま過ごすことによって野生としての状態を思い出せる――かもしれない、と、考えたのだった。
 効果が現れているかどうかは、まだ本人が掴めていない様子ではあるが。

 >>ALL

4ヶ月前 No.454

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【Dr.ヒメ/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 教室】

 あの激戦から既に数ヶ月、回復の兆しも早く少年達は過ごすものの――――留学生ことリュウトの怪我の具合は、未だ芳しくない。

「リュウトぉーーっっ!!」

 と、彼が教室に現れるなり、一目散に胸元へと飛び込もうとするバカ。言わずもがなルカである。そんな彼の足首を掴み、びたーんと床に叩き付けるレッド。

「リュウトぉーーっっ!!」

 代わり、ウィンチェスター家特有のノリでリュウトに抱き付く火炎マッスル。グリーンが呆れたように溜息を吐く中、リュウトの麻痺している左腕を持ち上げてはぶらりと垂れ下げ、きゃっきゃと遊ぶレッド。こいつは一見無邪気そうに見えるが、何気なく天然な鬼畜さを持っている。

「あのさ……男同士いちゃいちゃすんのは勝手だけど、センセ教室に入りたいんだけど」

 と、皆の不安材料であるヒメのご到着である。げしげしとレッドを蹴りつつ退かして教壇に立つヒメであるが、そこに乗せられた山積みの書類を処理しつつ、いつもの軽いノリで呟く。

「あんさー、レッド、グリーン、リュウト」

「アンタら、アローラ地方に留学する事になったから」

 ……。
 ……………。

「はぁ!?」

 グリーンが目を剥いて驚くものの、養護教諭は相変わらず難しい顔をしつつ、片手間に事務処理をこなすばかりである。

>>リュウト




【リーリエ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】

「あひぃぃ!?」

 開口一番情けない声を発したのは、モコモコと過剰な厚着に身を包んだリーリエである。身体を丸め、ゴロゴロと山道を転がる『アローラリージョン』のサンドの群れ。その内の一匹がこちらに気付き、むきゅむきゅと鳴きながら近寄ってくるものの……。

「大丈夫。この子、敵意はないよ」

 付き添いであるモネ、もとい「ムーン」がサンドの頭を撫でてあげる姿を一瞥し、ようやくリーリエが安堵の溜息を吐く。

「リーリエねぇ。そんなんじゃ、アローラのロコンに遭っても仲良くなれないかもよ?」

「そっ、そんな事はありません! 今日こそロコンさんと仲良くなってみせます!」

 ずびしッ、と胸を張ってみせるリーリエだが、モネが抱いたサンドを差し出して見せると、びーびーと泣き喚き物陰に隠れてしまう。

「ピィは平気なのに。やーい、リーリエのびびり」

「びびりじゃありません! びびりじゃないもん! わあああ」

「ほら、このサンドすごくいい子だよ。撫でてあげなよ」

 差し出されたサンドの頭を撫でるリーリエだが、その挙動は恐る恐る、表情なんぞはまさしくこの世の終わりといった形相である。これでも出会った当初よりかは「ポケモン慣れ」し始めた友人である。モネがリーリエを褒めつつ、サンドに礼を言って離すが……肝心の彼女の格好は、アローラ特有の薄着である。極寒のラナキラマウンテン、どうしてモネがこの格好にも関わらず白い息一つ吐いていないのか。それは、彼女の持つ上位の『護式』にある。頭に乗せたズタ袋、もといミミッキュと共有するオーラ。「黒き氷の羅刹」がレッドの拳撃を生身で耐えたように、極まった護式には「パートナーとの体感度の共有」という技術が存在する。生物の体温を奪う事を得意とするゴーストタイプならば、それは尚更顕著であり――――一言で片付けるならば、現在のモネは「ミミッキュの健康状態を自身の肉体に反映させている」のである。

 群雄割拠のアローラ地方。
 最中、そんなモネが、目を見開いて足を止める。

「りっ、リーリエ。あれ……!」

「何ですか? また私の事を驚かそうとしているのでしょう! ふんだ。今回こそロコンさんと仲良ぴええええええ!!!!??」

 二人して飛び上がるのも無理はない。
 山頂付近、そこに佇んでいたのは、ロコン、サンド、果てにはケケンカニ、あらゆる現地の氷ポケモンを従えし――――本来ならば、此処には居る筈のない存在。

「ふ、フリーザー……!? ウソでしょ、なんで此処に!?」

「モネさん! 私、フリーザーさんともお友達になれるでしょうか……?」

「……リーリエってさ、こういう場面だと不意に強く見えたりするよ」

 驚愕すべきは伝説のフリーザー……もとい、ソラの存在だけではない。
 少し離れた場所にて、モネ同様に薄着のまま、しかしスパムおにぎりを貪るグランブルと『護式』のオーラを共有せし存在――――

「ああ、いいよ……」

「綺麗だよ。美しいよ。ナーイスモチーフ……」

 画材道具を走らせ、キャンパスに彼女の姿を描く風来坊。
 アローラの誇る強豪『しまキャプテン』の一人であるマツリカの姿が、そこにあった。

>>ソラ

4ヶ月前 No.455

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★YrZX7O8yn2_mgE


【ソラ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】


 ――どうしてこうなった。


『今日こそ勝ってみせる!勝負だ!!』

『いくらフリーザーとはいえ、数で掛かれば俺達が勝つに決まってる!』

『喰らえ!“あやしいひかり”!』

『“だましうち”!』

『“たたりめ”!』

『“じんつうりき”!』

『“ふういん”!』



        げ ん し の ち か ら
『――――――“集え力ある岩よ、相手を潰せ”』


『『『『『わーっ!?』』』』』


 山頂付近を陣取るようになってから、ある程度の時間が経った。
 最初は余所者である自分を襲うポケモンも多かったが、今では果敢に挑んでくる者はあまりいない。――そう、今襲ってきた5匹のロコン達は例外である。
 最初は1匹だけが襲いかかって来ていたのだが、挑む数が増えるにつれて、挑んでくるロコン達の数も何故か増えていた。
 それを生暖かそうな視線で見てる他のロコン達も居る為、多分こいつらが特別というべきか、懲りないというべきか、やんちゃが凄いというべきか。

 “あやしいひかり”にあてられ、若干頭をクラクラさせながらも、“げんしのちから”をロコン達にお見舞いする。
 氷タイプである彼らに、いわタイプの技は こうか は ばつぐん だ ! だろう。(炎タイプであったとしても効果抜群なことには変わりないが。)
 案の定、悲鳴を上げて地面に転がっていた。何匹かは今ので目を回してしまっている。

『うう、勝負は次に預けておいてやるよ!』

『首を洗って待ってろ!』

 ダメージを受けど倒れなかった2匹が、倒れた3匹をどうにか連れて行きその場を去っていった。


 ――いや本当に、何がしたいんだ……?


 縄張り争いに勝ちたいのか、ただたんに勝負を挑んできているのか、余所者の新参者が気に入らないのか。
 理由は教えてくれない為、ソラは彼らの考えが分からずにいた。

 混乱の解けた頭でちらり、と周りの様子を確認する。
 少し前に遭遇したグランブルを連れた画家は、相変わらず何かの絵を描いているようだった。
 流石に絵を描く事を邪魔する気は無かったため、放置を決め込んでいたが――何を描いているのやら。

 そしてソラの目に、二人のトレーナーの姿が映る。
 一人は薄着をして、頭にピカチュウ…?を乗せているようだった。もう一人は厚着をして完全に山登りの体勢であると考えられた。

 ――……この島のトレーナーは、どれだけの力を持っているだろうか?

 ふと、そんな考えが浮かんで。でも流石に、いきなり勝負を挑むのも良くないと思ってしまえば――――……

 ふわり、と翼を動かしてその場から飛び立った。目標は今、山を登ってきている二人のトレーナー。
 ばさりばさり、と音を立てながらトレーナー達の近くまで飛んでいくことにしたのだった。

>>リーリエ、ムーン

4ヶ月前 No.456

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

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4ヶ月前 No.457

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 教室】

リュウトが教室に入って否や、ルカに歓迎を受ける……と思いきや、レッドにそれを阻まれ、自身の身体を弄ばれる。

「レ、レッドさぁん……?何をやって……」

痛覚も消えている為、特別痛みを感じるわけでもないが、腕をブラブラと上げ下げされるのはなんとも不思議な感覚である。

そんな男達の営みの中、教室に現れたヒメ。
レッドを足蹴にしながら、教壇の前に立った彼女は、集まった3人に向けて本題を言い放つ。

――――「あんさー、レッド、グリーン、リュウト」

――――「アンタら、アローラ地方に留学する事になったから」

「………ぇ」

「えぇっ!?」

驚く。
にわかには信じがたいヒメの発言に、リュウトも同様に眼を剥きながらポカンとしていた。

「アローラって……あのアローラですよね?いや、てかそれ俺に至っては二重留学なんじゃ……」

もう既に遠いアローラの地でもツッコまれていた疑問ではあるが、当然ながら彼もそこのことはすぐに頭に浮かんだ。
オーレを出てカロスで暮らし、カントーに留学で出向き、その果てにアローラ行き――――

かくして彼の波乱万丈な旅(?)は新天地へと迎えようとしていた。

>>レッド、ヒメ

4ヶ月前 No.458

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【リーリエ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】

 新参者を狙ってかどうなのか、定期的に訪れる可愛らしい襲撃者達。息つく暇もないとはこの事だろうが――――少なくとも、目の前に降り立った「あおいとり」からは、焦燥や殺気の類は感じられない。

「なんだか邪魔しちゃったかしら。ごめんね」

 食物連鎖に生きる野生のポケモン達。個体差こそあれど、緊張の渦中にて営む彼らを刺激するのは良い事ではない。幾らトレーナー側に敵意はなくとも、ただ、ヒトがそこに居るというだけで、ポケモン達にとっては不安材料になる事も多々である。邪魔をするつもりはなかった、とばかりに両手を上げ、一歩下がるモネ。……待てよ、フリーザーといえば。紅蓮がよく話題に出していた「ソラ」。未だ出逢った事のない(これが初邂逅であるが)その存在がふと脳裏に浮かんだものの。

「……まぁ、偶然よね」

 溜息を吐きつつ傍らのリーリエに目線をよこすが、はて。そこには誰も居ない。

「……そ、そうですよ。お邪魔をする気はなかったのです!」

 振り返ってみれば、パートナーのピィと共に岩陰に隠れ、ちらちらとこちらを窺っていた逃げ腰。

「フリーザーと友達になりたいんじゃなかったの?」

「も、ももももちろんです! ですが、フリーザーさんの意向も考慮してですね」

「はぁ。あの子も悪い子じゃないから、多目に見てあげて」

 呆れたように肩を落とし、ソラへと向き直るモネ。頭の上のミミッキュは、ケタケタと笑うばかりである。最中、とてとてとこちらへと走り寄ってくる一人と画材道具を抱えたグランブル。

「行かないでよー、せっかく描いてたのに」

 困ったように眉を下げ、ソラへと苦言を呈するマイペースなキャプテン。先程までソラの姿を描いていたマツリカである。モネと顔を見合わせ、困ったようにグランブルが笑う。全く、つくづく神出鬼没の風来坊か。

「今日はキャプテン同士の会合があるんじゃなかったっけ?」

「そうなの? そういえばそうだった気がするかも」

「ハプウさんに連絡しよっと」

「ままま待って! この子を描き終えるまではマツリカ、死ねましぇん」

 被写体に対する並々ならぬ執着。画家とはいえ困ったものである。彼女らの背後では、お目当てのアローラロコンに追いかけられ、ぐるぐると岩場を周りながら逃げているリーリエとピィ。こちらの方も、いざポケモンを目の前すると困ったものだ。

「キャー! 助けてええええ」

「ギエピー!!」

 ロコンの方に敵意はないようで、戯れるように追い回しているだけである。自身の隣では会合をサボってその場に座り、断固としてソラを描き始めるマツリカ。常識人であるモネは、ケタケタと笑うミミッキュを余所に呆れるばかりであった。

>>ソラ




【アスレイ・ローズマリー/カントー地方 マサラタウン/】

 ――――或いは。
 もしくは。
 考慮するならば。

 少年にとって、その杞憂が現実と為るのは。
 彼の生涯にて、何も珍しい話ではなかった。

「そう」

「今回も、な」

 ばさりとコートの裾が翻り、漆黒へと生まれる白銀の霜。
 マサラの海岸を極寒にて包む白き翼、吐息から漏れ出す圧倒的な妖気。



 "ごきげんよう、下等なポケモンたち"



 厳戒態勢の敷かれたふたご島から出(いで)し、戦慄の存在。思わず、咆哮を迸らせるヴァドックの傍らへと立つアスレイ。

「――――互いに、無駄話は好きではないと見た」

「 "いくぞ" 」

 この少年は、何者なのか。
 白き翼と対峙する、その目的とは。
 未だ名前すら知らぬ互いの関係。しかし――――両者は掴んでいる。



 双方の力量を!



「上位護式(エクストラスキル)」

「 "同調(シンクロ)" ――――」



「 "キズナバースト" 」



 轟、と白銀を裂き、紫電が乱れ舞う。
 ヴァドックの黄金に相乗するかの如く這い回るいかずちは、かつてのグリーンとの同調以上の上昇値を記録し――――

「白き翼。そういえば、挨拶が遅れたな」

「今の僕は機嫌が悪いんだ」

 鋭い眼光、鋭利に研がれたキズナのオーラ。
 見誤るな――――白き戦慄の翼よ。

 この町(ばしょ)は、少々落とし難いぞ。

>>ヴァドック、ポッチャマ、白いフリーザー




【レッド/カントー地方 マサラタウン/教室 → 移動】

 "アローラって……あのアローラですよね?いや、てかそれ俺に至っては二重留学なんじゃ……"

 いや、至極もっともな疑問である。
 あのアローラがどのアローラなのかは個人の見解によるものとして、留学最中に別の地方へ留学などというハードコアなスケジュールなんぞ聞いた事もない。

「そうだよ、二重留学だね」

 リュウトの疑問に肯定で返すヒメ。

 …………。
 いやいやいや!
 そうだよ、と言われてもアンタ!

「うるっさいわね、アタシが決めた事じゃないから知らないわよ!」

 ナレーションに迫るな!

「アンタら、まぁグリーンなんかはジムリーダーやってる訳だし、PWT(ポケモンワールドトーナメント)なんかも知ってるでしょ」

「あ、あぁ。まだ参戦経験はないが」

「なんかー、ああいう感じでカントーリーグとアローラとの交流って名目でアンタらが代表として送られるらしいよ。最近各地方同士の競争激しいからね」

 は、はぁ。
 待てよ、ならば尚更リュウトがカントー代表として留学するのは解せないというか、オーレ出身、ミアレ高校の学生がカントー留学に際しカントー代表としてアローラへ……余計こんがらがる。それにレッドのような特例中の特例を、果たして外部に送り出していいのかと

「アローラー!! アローラー!!」

「うるっせぇな!? なんだよ急に!」

「アローラ地方ってよ、こんな挨拶するんだろ? あとデカいナッシーがいたりよォ」

 ……まぁ、この脳天気な男からすれば、既に体のいい観光気分なのかもしれないが。

「つーわけで、また続報あったら連絡するから。解散ー」

「リュウトアローラ行くの!? なんで!? 俺も行く! 俺も行くうううう」

 再び書類に手を付け始めるヒメに、涙目でリュウトにすがるルカ。アローラダンスを踊り始めるレッドを無視し、帰ろうと席を立つグリーンだが――――



 直後、第六感を直撃する「白き翼の脅威」の悪寒。



「――――近ぇな」

「あァ」

 ばッ、と窓ガラスを突き破り、飛び出すレッド。ピジョットを繰り出し、その背に乗ったグリーンが続いて飛び出す。呆気に取られたかのように目を丸くするルカだが、物々しい様子のヒメに、ぴゃっと背筋を凍らせる。

「…………アンタも行くんなら勝手だけどさ」

「きちんと玄関から出なさいよ」

 顔を陰らせ、背後にゴゴゴゴという効果音を付けて呟く養護教諭。レッドが今までに割った窓ガラスをリサイクルし、何処ぞの芸術家が巨大なクレベースのオブジェをタマムシシティにこさえたという伝説は、実はあまり知られていない。

>>リュウト

4ヶ月前 No.459

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方 マサラタウン/マサラ第一高校 教室→移動】

リュウトの質疑に対し、あっさりとその答えを返したヒメ。
腑に落ちないというか、なんというか……とは言え決まったことだし仕方ないのかと割り切り、ポカンとしながらも彼女の話を聞く。

――――「アンタら、まぁグリーンなんかはジムリーダーやってる訳だし、PWT(ポケモンワールドトーナメント)なんかも知ってるでしょ」

――――「なんかー、ああいう感じでカントーリーグとアローラとの交流って名目でアンタらが代表として送られるらしいよ。最近各地方同士の競争激しいからね」

「な、なるほど……? って!!良いんですか?俺みたいな新参者がカントーの代表なんかで!?」

カントーでの生活には慣れたとは言え、まだ数ヶ月近くしか経っていない。
そんな彼が代表に選ばれるというのは裏がありそうではあるが、果たして……。

「ま、まあ………選ばれたなら仕方ないですね、うんうん、仕方ない」

しかしこの男、満更でもない様子だった。

ヒメの話も一通り終わり、リュウトのアローラ行きに嘆くルカを宥めながら帰り支度の準備をする。


――――その刹那、再びマサラに訪れた脅威を直感する。


「あぁ……行くか」

リュウトだけでなく、レッドとグリームもそれに気づくや否や窓を突き破り二人は外へと飛び出して行った。
腰にかけてあったボールに手をかけ、ファイアローを繰り出そうとするが――――

リュウトの背後から感じられる並ならぬ殺気が、彼の動きをピタリと止めた。

――――「…………アンタも行くんなら勝手だけどさ」

――――「きちんと玄関から出なさいよ」

冷や汗をだらだらとかきながら恐る恐る後ろを振り向き、コホンとわざとらしく咳払いをすると、ロボットのようにガチガチな動きで教室を出ようとする。

「お、俺はあの二人と違って、そ、そんな野蛮な事はし、しませんよ、ええ、決して……はい……」

「…………で、では行ってきます!!!!」

教室から出ると、全速力で逃げるように玄関へと向かい、そこからファイアローに乗り、空へと駆け上がった。

目的地は、マサラ南方の海岸。
再びこの街に忍び寄る脅威なる存在『戦慄の白き翼』、そしてそれに仇なすかつて共に闘った仲間の1匹であるヴァドックの元へとリュウトは急いだ――――

>>ヒメ

4ヶ月前 No.460

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

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4ヶ月前 No.461

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★YrZX7O8yn2_mgE

【ソラ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】

 ――――「なんだか邪魔しちゃったかしら。ごめんね」

『いやいや、邪魔だなんてそんなこと。トレーナーは草むらや洞窟、山、海、空や深海に行くもんだろ?』

 降り立った先に居たトレーナーの一人に、両手を挙げられ一歩下がられてしまった。どうやら戦う気はないらしい。
 そしてもう一人のトレーナーは彼女の手持ちらしいピィと共に岩陰に隠れてこちらの様子を伺っているようだった。何故そんなにも逃げ腰なのかが分からない。

 ――――「フリーザーと友達になりたいんじゃなかったの?」

 ――――「も、ももももちろんです! ですが、フリーザーさんの意向も考慮してですね」

 ――――「はぁ。あの子も悪い子じゃないから、多目に見てあげて」

 どうやら、もう一人は己と友達になりたいらしい。けれども、岩陰に隠れたままでは相手の様子が見えにくいのではないだろうか、と思う。
 そろり、と隠れているトレーナーに近付こうとすれば、後ろから声が掛かった。
 その声は、画家の声だった。どうやら、自分が動いてしまったからか、後を付いてきたらしい。

『ごめんごめん。あまり動かないように――?』

 画家にぺこり、と頭を下げながら謝るが……画家は山を登ってきたトレーナーと知り合いだったらしい。
 何かの会合をほっぽり出して絵を描きに来ていたようだ。いやいや、流石にそれは駄目だろう。どんな会合なのか知らないけれど。
 このまま画家が自分を描いていたら、その会合に参加できないのではないだろうか、と思っていると――岩陰に隠れていた筈のトレーナーがロコンに追い掛け回されていた。

『僕を触りたいの?触っても良いよ!』

 ロコンの言葉を聞くに、ピィと一緒に居るトレーナーはロコンを触ろうとしていたらしい。
 相手が触っても良い、と言って行動を起こしているのならば、触れば良いのだが、何故か逃げ回っている。
 画家は絵を描く事を再開しているし、もう一人のトレーナーはピカチュウ…?のようなポケモンに対して呆れている様子だった。


 ――さて、どうしようか?

 流石に好意的なポケモンを追い払う、なんてことはしたくない。敵対している奴は確実に叩きのめしたいところだけれど。
 今は、ピィのトレーナーが追い掛け回されないようにすれば良い訳で。

        フ リ ー フ ォ ー ル
『――――――“空を舞え、そして落とされよ”! でも、攻撃じゃなくて……っ!』

 ばさっ、と翼を動かしてロコンに狙いを定めればをガシッ、とロコンを足で捕まえ、空を飛ぶ。
 そこから、『フリーフォール』そのままに叩き落としたり叩きつけたりせず、ゆっくり地面に着地した。
 ロコンは飛び上がった衝撃で若干目を回しているが、すぐに容態は良くなる……はず。たぶん。きっと。
 ロコンを足で捕まえたまま、ピィのトレーナーを見つめる。

「これで触れるだろ?こいつも触って良いって言ってたし、存分に触れば良いんじゃないかな」

 蒼い鳥はそこでミスをした。
 久々に人間(トレーナー)と触れ合う時間を持った故に――うっかり、野生(ポケモン)の言葉ではなく、人間(トレーナー)の言葉で話してしまうという、ミスを。

>>リーリエ、ムーン、マツリカ

4ヶ月前 No.462

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

《ユウ/ホウエン地方/ホロン》

「ありがとうガイさん。ハヤト達も気をつけてね」

「ミライとハヤトはこっちか」

「ユウ、ガイ。また後でな。よし、行くぞ皆!」

ゼロの合図に氷結がいると思われる始まりの湖の方角へ走り出した。

「僕達も行こう!サトシを助ける為に!」

ユウもまたホロンの研究塔へむけて走り出した

《ツカサ/ホウエン地方/始まりの森》


「しかし、ご丁寧に始まりの湖まで案内するんですね」

「何が?」

「氷結です。思い切り罠がありますよって言ってるようなものですから」

「確かにな。だが、行かねばなるまいて…」

「なぁ、なんか吹雪いてきてないか?」

「始まりの湖は近いはずだ…。氷結が近いとか…そのせいか?」

「見えました!」

始まりの湖…レオと戦ったあの場所に再びたどり着く。その湖の中心に奴はいた。

ー待ってたよ。君達の到着をー

「お前が氷結の執行者…」

氷結の執行者は仮面を付けており素顔は分からなかった。だが混沌のように実体を持つか否か。注意すべき点は彼の持つ凍った杖のようなものだ。アレで氷を操るのか、それともただの鈍器か。ツカサは一気に思考を巡らせた。

ーでも、此処で戦うのは少し『彼』に迷惑だからね。おいらの結界に招待するよ!ー

パチンと指を鳴らすと世界が鏡のように割れ、氷結の結界へと姿を変える。

氷結の結界はその名の通り結界の果てには氷のような結晶の壁があった。そして足元は走っても影響がないほどの水たまりが出来ていた…。

ーそれにしてもこっちは一人なのに君達は少し数が多いね…ー

ー少し、分断させてもらうよ!ー

ズガガガガガガッ!!

突如ゼロ達の正面に襲いかかる氷の柱。迎撃は間に合わない。右か左か、どちらかに避けるしかない!

「ケンタ!お前は左いけ!俺は右だ!」

「おう!リオ!左だ!」

「私は右に!」

氷結の攻撃をかわす。ゼロとケンタの間には大きな氷の柱で壁が出来ている。乗り越えるのは不可能であろう。とはいえ、互いの姿は見えるし声も通りそうだった。

「無事か!?」

「ああ、こっちはな!そっちは!?」

「見りゃわかるだろ?」

「そうみたいだな!」

互いに無事だとわかり安心する二人

しかし、ゼロはこの後…『あの時に連れ去られた彼女』と戦う運命にある事を彼は…誰もが想像していなかった。


>>ハヤト、ミライ





《ユウ/ホウエン地方/ホロンの研究塔》

「此処だね…」

≪待ってたぞ。ユウ、そしてガイ≫

仮面をはずし姿を見せる。人を見下すような目つきと威圧以外の顔はサトシそっくりだった。だが、ユウは断罪とサトシ…完全に区切りを付けていた。

「親友を迎えに来たんだ。そろそろショーが始まるからね」

≪ほう、この俺か?≫

「君じゃない。君の中にいる…僕が知るサトシを迎えに来た!」

自分の決意を断罪に伝えるユウ。

その目は静かに熱く燃えていた。

>>ガイ

4ヶ月前 No.463

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_gu9

【ハヤト/ホウエン地方/始まりの森】

 ガイとユウ、そしてゼロ達やハヤトの二手にわかれ、彼らは別々の道を進みだした。
 凍り付き、森としての機能は停止しているであろう、始まりの森の奥へと一行は歩く。

「しっかしどんどん寒くなっていくな・・・ツカサ嬢の言う通り、罠の可能性も捨てきれないよな」

「でも…今更退けない・・・・」

「・・・・まあな」

 例え罠だろうが、どうにかして対処しなければこちら側に活路はない。
 しかしまあ、彼我の戦力を鑑みるに相手は1人、こちらは複数であろう。それならば問題はあるまい。
 ・・・・・・と、その時までは考えていた。

 一行は巨大な湖畔へとたどり着く。
 以前、彼らがレオとの激戦を繰り広げた"始まりの湖"である。


「へっ、待たせたな。テメーをぶっ倒す為に参上仕った」


 一行の目の前に現れた執行者の1人である、氷結の執行者。
 眼前の敵を挑発するかのように不敵に笑うと、懐から銃を取り出し、ハヤトは戦闘体勢に入る。

 その刹那、周りを取り囲む景色は、結界に包まれたかのように不穏な光景へと姿を変える。
 以前戦った混沌の執行者の行った空間転移に似ているのは偶然か・・・・・・果たして。

「分断……!?くそが・・・・!!!」

 彼らの目の前に襲い掛かる氷の柱、傍で茫然と立ち尽くすミライを右側へと突き倒し、ハヤト自身は左側へと逃げ込む。

「!?・・・・ハヤト」

「そっちも無事か!?なんだってんだ・・・この壁は!!」

 ドンッと拳を握り、氷の壁を殴りつける。
 ・・・・・・無論、壁に何の傷もつくことなく、自分達がまんまと分断されてしまったことを実感する。

>>氷結の執行者、ゼロ達




【ガイ/ホウエン地方/ホロンの研究塔】

―――≪待ってたぞ。ユウ、そしてガイ≫

 一方、ホロンの研究塔へとたどり着いた2人は、サトシ・・・・・・もとい、断罪の執行者と対峙していた。

「ふん・・・・・・わざわざ迎えに来たと言うのにな」

 ユウの隣で腕を組みながら、断罪の執行者を見据える。

「・・・・・・忘れるな、貴様には多くの仲間いるということ、そしてその一人一人が貴様の帰りを待っているというこを」


「共に行くぞ・・・・・・ユウ!!」


「究極護式(アルティメットスキル)」



「―――"極光解放(アウロラ)"!!」



 ガイは繰り出したヒトツキをその手に握る。
 そして、彼の究極護式により、ヒトツキの形状は巨大な翠色に輝く剣と化す。


 ―――今こそ、仲間を奪還するとき。


>>断罪の執行者、ユウ

3ヶ月前 No.464

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【氷結の執行者/???/氷結の結界】

ーふふ…綺麗に分かれたねー

「こちらはミライさんですか」

「オラァ!」

ガンッ!

「ちっ…ぶん殴ってもこの壁は壊せねぇか」

「しかし、分断するっつうことは俺たち五人と一匹じゃあキツイってことだろう」

ーさて、俺様は野郎の方を始末しよう。そっちの始末は、君に任せよう。なぁに君の大切な人と戦うんだ。嬉しいだろう?ー

「な…に…!?」

ピキ…ピキ…

ゼロ達の正面から何かが凍る音が近づいて来る。そこにいたのは…

「………ゼロ君」

断罪に連れていかれたアオイであった。

「アオイさん!」

アオイを見て、思わず近づくゼロ

「来ちゃダメ!ゼロ君!」

突如、アオイの周囲に頭くらいの大きさの氷の塊が作られ、ゼロに襲いかかる!

「な…!」

「危ない!」

ツカサは瞬時にゼロを抱き跳躍し、攻撃をかわす

「すまないツカサ、アオイさん…何故…!?」

「違うのゼロ君…コレは私の意思じゃない!」

「なに…これは!?」

アオイの姿をよく見る

アオイは歩けなかった。それ故に立つことすらできない。だが彼女は直立していた。支えがあれば立つことは出来たのだ。だが、その支えになるものは…彼女の下半身を埋め尽くす氷の塊だったのだ…

>>ミライ、ハヤト




【ユウ/ホウエン地方/ホロンの研究塔】


「ああ、返してもらうよ!僕たちの友を!」

カードを持ちガイの前に出る

『もう遅い。やつはもう消えた。だが…貴様らの懐かしき友はまだご存命だがな』

「サクラギの事か!?」

『そうだ。奴は別空間に氷漬けになっている…』

「それはどうかな?」

『なに…?』

「その声…?」

突如響く男の声。そして断罪とユウの間に一つの空間が出現する

『その空間は…!』

「まさか…」

「エントリィイイイイイイイ!!!!」

「うわ、あぶな!」

空間から飛び出た男の蹴りが突如、ユウを襲う。ユウは咄嗟に身体を動かし避けたが、後ろには…
なんてこった!ガイがいた!

どげしっ!!

「あぁ!蹴りがガイの顔面に!」

「へーんしん!とう!」

ガイを踏み台にして高く飛び上がる男!

「説明しよう!サクラギサトシがへーんしんというといつもの和服から黒いコートを身に纏い、腰あたりになんかじゃらじゃらと赤いひし形の宝石を付けており、さーらーに!黒い魔法使いの帽子を被り!戦闘モードになるのだ!ちなみにここだけの話!別にへーんしんって言わなくても変身できるし、帽子はアクセサリーです。これマメな。来週のテストに出ません!着地!」

「全部自分で言った上にテストに出ないのかい!?」

「ふぅ…ようやく出られたぜ…久しぶりだなユウ!…なんかお前さん雰囲気変わってね?」

「あ、えと僕は君が知るユウとは並行世界の人間だよ。君の知るユウとは統合してるけど」

「あーなるほどね。ってあら、そこの前が見えねぇ状態になってるのは…なんか懐かしい感じがするがどちら様?誰にやられた!?そんなことしたやつを俺は許さないぞ!」

明らかに自分がやったのに怒りに燃えるサクラギだった…

>>ガイ

3ヶ月前 No.465

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

「端的に言うとだな」

「少しっぱかり "やらかし" ちまった」

「ウチのボスと……あァ、まあ俺もな」

「 "理想郷(ポケトピア)" の連中との交渉は白紙だ」

「 "M(エム)" の奴、大したご立腹だったぜ」



「戦争になるかもな」



【時間軸:現代】

【世界線: "ポケモン" が、古代戦争を制した世界】



【ジャック・フレイム/旧イッシュ地方 現地名ローリング・ロックアイランド】



【中央都市 "ミリーズ・ネイバーフッド" 外れ 救助隊の酒場】



 蔦と錆に覆われた、「かつて」の人間達の遺産たる旧都の街並み。寂れたその最中を、革のジャンパーを纏ったピカチュウが往く。きこきこ、と乾いた音を立てる黄色い三輪車。揃い並ぶ大樹の遥か頂上からは、疎らに鳥ポケモンの鳴き声が微かに聞こえるのみである。やがて、太い蔦の隙間に見える扉へ辿り着くと、三輪車を降り、身体を捩じ込むようにして中へと入る。

「ジャックちゃん」

「顔も見てねェのに、よく俺だと判ったな」

「ンな寂れたバーに来んのはアンタだけよ」

 ムーディな照明の灯る木製の店内にて、後ろ向きのままこちらへと手を振るカウンターの美女。その化粧強い外見はヒトそのものであるが、各所にポケモン、イルミーゼの特徴を有するこの女。

「シャロン。少しばかり、この街を長く空けるかもしれねェ」

 ピカチュウ、ジャック・フレイムの思い詰めたような物言いにも、然程動じていない様子でグラスの中身を空ける。

「あっ、そ」

「連れねェな。こういう時、イイ女ってのは泣いて引き留めるモンだぜ」

「泣いて引き留めるぅ? キザな勘違い野郎が出てって清々するってのに」

 バーのマスター、シャロンから受け取った酒瓶から直接飲みつつ、カウンターに肘を掛けるジャック。

「端的に言うとだな」

「少しっぱかり "やらかし" ちまった」






【時間軸:現代】

【世界線: "白き翼の脅威" が襲う、我々のよく知るところ】

【アスレイ・ローズマリー/カントー地方 マサラタウン/南海岸】

 詳しい素性。重要である。
 双方の関係性。信頼へと直結するこれもまた然り。

 ならば、その両を知らぬ少年とピカチュウはどうか。不思議な事に、しかし二人は誂えであった。

 その理由の程は如何に。



 "……どこからでもどうぞ"



 赤光の双眸が有するは余裕。
 まるでこちらの力量を測るかの如き白き翼に対し、スパークする指先を向けるアスレイ。

「 "護式(トレーナースキル)" 」

「―――― "天雷剣(アメノイカヅチ)"」

 瞬間、ヴァドックの右掌に顕現する、巨大な雷状の刃。ただの武器化されたエネルギーではない。全身の筋肉、骨、果てには腑、ヴァドックの「全て」に迸るあまりにも莫大な電量が、右腕という四肢の先端にて、謂わばそこから「飛び出る」かの如く刃を為しているのだ。

 ばちばち、と乱れ舞う、凄まじい火花(スパーク)の群れ。脳の回路すらをも焼き切りそうな程に圧倒的な力の付与。どうやらこの少年、白き翼は勿論――――ヴァドックに対する手心すらないらしい。それは彼の、少々Sの入った性格に依るものなのか、パートナーに対する信頼の為せる技なのかは不明だが。

 その時、後方で砂を踏み締める音。
 彼らもまた――――この戦場へと間に合ったらしい。

「ヴァドックに……お前、あの時の!」

「知り合いか?」

「あァ、ちょっと前にな……」

 少年がレッドを襲撃したのは記憶に新しいものの、この眼前から発せられる凄まじい冷気に妖気。半ば本能的に構えるレッドと、ニドキングを繰り出すグリーン。

「どうでもいいが、足を引っ張るなよ」

 背を向けたまま、三人の戦士へ事も無げに言い放つアスレイ。ふん、と鼻を鳴らすと、両の掌をポケットに押し込んだまま、グリーンとニドキングの『キズナバースト』たる翡翠色のオーラが拡がる。

「そういうお前もな、チビスケ」

 めらめらと立ち昇る炎が如く、その熱量はあの脅威を融解せし狼煙となるか。ざッ、と地を踏み、レッドが白き翼へと対峙する。

「ヴァドックとポッチャマから聞いてるぜ」

「――――強ェんだってな」

 嗚呼――――マサラ防衛軍として、これ程頼もしい面子も他にあるまい。
 揃いし役者、今、決戦の刻!

>>白き翼、ヴァドック、リュウト




【マツリカ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】

 伝説の三鳥の一角として数えられるポケモン、フリーザー。
 荘厳たる尾羽を連れ、霜を伴い飛翔するその姿は麗美そのものであり、雪山にて凍え迷う人間を救ったという記録もある。中には島を丸ごと本拠とし、世に仇為す脅威となる個体もいるものの……少なくとも我々ヒトからすれば、畏怖すべき存在には違いあるまい。しかしこのラナキラマウンテンで発見された個体は、なんというか、こう……割りと庶民派らしい。律儀にマツリカへと頭を下げたり、ロコンへの対処に四苦八苦するリーリエへと文字通り彼を「差し出して」あげたり、どうやらかなり人間慣れしているらしく、神格の類はあまり感じられない。微妙に脱力するモネ。

「あー、リーリエの為に捕まえてくれたのかな? 良かったね、リーリエ」

「あ、あああああありがとうございます! でも私だって出来ないわけではないのですよ、ちょっとその気になれないだけで……」

 "これで触れるだろ?こいつも触って良いって言ってたし、存分に触れば良いんじゃないかな"






 瞬間、ぴたりと固まるモネ。
 するりとソラの足から抜け出し、リーリエの腕に収まるロコン。外的要因により同じように固まってしまうリーリエ。

「えっ、あっ、……え?」

 思わずブンブンと頭を振り、目を丸くしてフリーザー……もといソラを、モネが見る。

「キェェェェエエエエアアアアア!!!!! シャベッタアアアアアアア」

 頭上のミミッキュがからかうように叫ぶ。何気にコイツも喋れるらしい。聞き間違いかな、と目を丸くしたままのモネ。ロコンに頬を舐められた状態で固まっているリーリエ。その時、ぶれずに絵を描き続けていたマツリカが、ふと立ち上がる。

「ここまで出来たけどさ、なーんか足りないなぁ」

 スケッチブックに描かれていたのは、ラナキラマウンテンの白に佇む写実的なソラの絵である。それを彼女へと見せながら、しかし不満そうに眉を八の字にする。

「そうだなー。キミの事気になるし、あれだ」

「ちょっと見せて貰おうかな、 "ソラ" 」

 グランブルをボールへと戻し、ゆらりと構えるマツリカ。まさか、という面持ちでソラに再び視線を移すモネ。どうやら、既に「こちら」は察しているらしい。ソラからすれば混乱するばかりであろうこの場だが、にやりと笑みを浮かべたマツリカの一言が、更に彼女の混乱を呼ぶ。

「 "紅蓮" の大事なトモダチなんだってね」

「私に勝ったら、イイこと教えてあげるよ」

 腰を落として構えたマツリカの頭上、或いは背後、左右――――いつの間に繰り出したのか、「何か」が目にも止まらぬ程に高速で飛び回っているらしい。黄色い残像を残しながら、ソラを牽制するように舞うそれと、極彩色の『キズナオーラ』を共有するマツリカ。気紛れな彼女であるが、どうやらソラを逃がしてくれるつもりはないらしい。

「ま、まさかとは思ったけど……!?」

「そうだ。私が勝ったら、代わりにキミが会合に出てよ」

 何なのだ、その滅茶苦茶な条件は。
 あわあわと慌てるモネを余所に、核心めいた呟きを残す『キャプテン』は、依然としてやる気満々なのであった。



【戦闘区間:アローラ地方 ラナキラマウンテン】

【 "意外なポケモン" ソラ】

VS

【 "意外なヒトを知るヒト" マツリカ】



 "一足お先のアローラ旅行"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=NWLWVERtSbk)

>>ソラ

2ヶ月前 No.466

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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2ヶ月前 No.467

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方 マサラタウン/南海岸】

数ヶ月にマサラを救った英雄達、その内の三人はマサラ南方の海岸から漂う邪悪なる気配に勘付き、再び彼等は戦地へと赴いた。
……とてもメタ的な話になるが、筆者も数ヶ月ぶりに文章を書くというある意味で闘いに赴いているという事もあり、かなり手探りな状態である。

「…………あれはッ……!?」

赤き炎鳥、ファイアローに乗りながら海岸へと現れたリュウトは、その光景に思わず目を見開く。

相対するは氷の鳥……即ち、伝説のポケモン『フリーザー』
しかし、その姿は通常の個体には程遠く、白く輝きを放っている。
あまにも美しく、そして邪悪な輝きにその場にいる者達を圧倒しいた。

「ヴァドック……お前もここに!!それに、あいつは……?」

かつてマサラを襲った脅威を相手に共に戦った仲間であるヴァドックの姿も確認できた。
そして、たった今ヴァドックのパートナーとての役割を担う少年。
リュウトはその少年ことアスレイとの面識は一切無い、だが今この場に立っているという事は、考えられる事はただ一つ。

「あんたもよっぽどの猛者ってことだ……!」

右手でベルトに掛けられたボールを掴み、それを宙に投げ出す。
ボールから放たれた眩い閃光と共に、彼のポケモンの一匹であるブラッキーがその姿を現わす。

「仲間達が暮らすこのマサラの地を傷付けさせはしない……!!」

白き翼の前に踊り出たレッドの隣りにリュウトも並び立ち、そう宣言する。
再びマサラを襲った脅威に立ち向かう戦士達、その戦いの行方は果たして――――

>>マサラ海岸一同


【side:ミライ、ハヤト/氷結の結界】

「そんな……この壁は……!!なんなの……!!」

壁を壊そうと試みるゼロを横目に、彼女達は見事に分断されてしまった事を悟る。
大人数を相手にする際の戦法としては理に適っているが、まんまと罠に掛かってしまったと思うと不服である。

「……?なんの音……?」

直後、辺り一面に響く音。
何かが割れる音か?いや、それともこれは………。

「………アオイ!?そんな……その凍りは!!!」

彼女らの目の前には、氷結の執行者に連れ去られたアオイの姿が確認出来た。
そして、アオイの周りで生成された氷の塊がゼロに襲いかかる……!!

「くそっ………!!!何がどうなってやがるってんだよ!!壊れやがれ……この壁は!!!」

一方、壁の反対側でその一部始終を見ていたハヤトは銃を懐から取り出し、弾丸を込めると何発もの銃弾を氷の壁へと打ち続ける。
壁へ直撃した弾は見事に弾かれ、傷一つ作ることすら叶わずパラパラと地へ落ちていく。

「ダメか……!!しょうがねえ!そっちは任せたぞ!!!」

「うん……わかってる……ラン、お願い……!!」

ミライは、自身のパートナーであるランクルスをボールから呼び出し、戦闘態勢に入る。
このまま立ち尽くしていてはこちらがやられる……しかし、相手はあのアオイだ。
とは言えミライにとって大事な仲間の1人であるアオイに、彼女は弓を引くことは出来るのだろうか。
今、彼女の葛藤が心を蝕む。

>>ゼロ、ツカサ、アオイ


【side:ガイ/ホロン地方/ホロンの研究塔】

断罪の執行者と対峙する、ガイとユウの2人。
彼等の立つ戦場に、突如として1人の男の声が響く。

「………この声は!?」

それと同時に現れた空間から、男が飛び出してくる。
飛び出しきた人影を、目の前にいたユウはひょいと避けるが、その背後にいたガイは……顔面で受け止める!!!

「なっ――――」

ガイの顔を踏み台に、謎の人物は高く飛び上がり口上を高らかに叫び出す。

「お前という奴は……!!」

その男の名を、彼は知っていた。
いや、知って然るべき存在であった。

「いや、そうか……何でもない」

だが、今の自身の姿を見たところで、彼が気づく余地は無いはずだ。
ならばこそ、今はその事は黙っておくべきか。

――――「あーなるほどね。ってあら、そこの前が見えねぇ状態になってるのは…なんか懐かしい感じがするがどちら様?誰にやられた!?そんなことしたやつを俺は許さないぞ!」

「ふむ………私はそこにいるユウの仲間の1人だが……そうだな、こんな事をやらかしてくれたのはこの様な顔の人物だが、心当たりはないだろうか?」

懐からカロス王家の紋様が象られた小さな手鏡を取り出すと、サクラギへと向けてその顔を映し出す。
目の前には断罪の執行者という敵が存在するのにも関わらず、ガイの怒りも何故だがすっかり明後日の方向へと向かっていた。

>>ユウ、サクラギ

2ヶ月前 No.468

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【氷結の執行者/???/氷結の結界】

ー彼女はいまや僕の手駒…彼女に私の力を与えた…けど俺の能力は特殊だったようだね…。彼女に近づくと防衛しようとして力を使うらしい。けど力を使うたび身体が凍るみたいだねぇ…このままだと全身が凍っちゃうねー

「………貴様!」

「ゼロ!抑えてください!」

「く…!くぅうううううう!!」

ゼロの感情は憎しみと怒り、悲しみと何もかもがグチャグチャになっていた。そして彼は葛藤していた。アオイを救いたい。だがそれはアオイを傷つける事。だが何もしないのは助けない事と同じだ。ならば答えは…



「………。アオイさん」

アオイを見るゼロ。その表情は穏やかだった

「ゼロ君…」

「泣かないでください。…そんな顔をされたら決意が鈍りますから」

拳を握りアオイに突き出す

「俺は今から貴女を攻撃します」

「…ゼロ!?それはダメです!彼女を殺す気ですか!?」

「いや、そんなことはしない!」

「アオイさんを助け、共に帰るために。また貴女と笑う為に。そして…貴女と生きる為に。俺の拳はその為にある…。すまないアオイさん。少しばかり…耐えてください」

「…ゼロ君。………。分かったわ、信じてるからね」

「はい!ツカサ!ミライ!手を貸してくれ!!」

「はぁ、仕方ないですね。彼女の攻撃はできる限り私が防ぎます。ゼロ、ミライさん。彼女の攻撃は一種の防衛機能と考えたらいいと思います。なので眠らせるか気絶させましょう!」

「ああ、了解だ!」

ーふふ…面白い…やはりイレギュラーはこうでないとね…さてアオイ!君は彼らの相手だ…そして…ー

「ハヤト!来るぞ!」

ーさぁ、あたしと遊ぼうじゃあないか!?彼女の全身が凍る前に!まずは小手調べさ!ー

氷の塊を適当に生み出しハヤト達に向けて発射した。

>>ハヤト、ミライ



【サクラギ/ホウエン地方/ホロンの研究塔】

「ほう、この顔がその犯人か。誰だこの素敵イケメンは?」

「…サクラギ?ガイの顔面蹴ったの君だから」

「え?俺?」

「うん」

「アイ?」

「うん」

「マイ?」

「うん」

「ミー?」

「うん」

「マイン?」

「ノー」

「あー。うん。それはつまり…ガイがこんな顔になったのは…断罪!あいつが全部悪いってことだな!」

「全面的に君な気がするんだけど!?」

「な…!ちょっといいか!」

「え?何?肩に手を掴まないでよ…!」

「なんという…なんという的確なナイスゥツッコミィ…。ユウ…ヒロシが復活するまでの間、俺と漫才のスターダストを目指さないか?」

「目指さないよ!?というか星屑になってどうするの!?星になろうよ!」

「え!?死ぬ気なのか!?」

「そんな気ないよ!」

「やはり俺が見込んだ通りだ!お前には才能あるぞ!さぁ、行こう!俺たちの登り始める激しい漫才坂を!」

「わー!すっごく嬉しくないんだけど!?後それ確実に打ち切りフラグだから!」

断罪がいるというのにふざけるサクラギ。しかしご丁寧に漫才が終わるまで断罪は口を閉じていた。キリがいいところで断罪は口を開く。

『やはり貴様か…しかし…いったいどうやって抜け出した…?』

断罪に質問され、ニヤリと笑い断罪の方を振り向く

「簡単だ。お前言ったじゃないか?あの氷は『凶悪』な力程度では簡単に抜け出せないと。なら『論外』の魔力を持つ俺の空間術があればあんなの余裕で切り抜けられるぜ。いやーバレずに仕込むのは苦労したぜ」

『だが…俺はお前の全盛期の力を持って作り出された…それに、お前は監視者様に力を消失されたはずだが?』

「全盛期?ならお前は勝てねぇな」

「何…?」

「何故なら俺は…今も全盛期絶賛更新中だからな!さあてお前でリハビリさせてもらうかね!」

『ほうなら見せてみるがいい!』

「んじゃ、見せてやるぜ…本物の力って奴を…!よっしゃ!今度こそ構えな!」

「うん!」

「せっかく二つの異世界の友人との共闘だ…」

サクラギは空間から二つの銃を取り出す。それはヒロシが開発したサクラギ用に開発された銃。

その名はコンビクション

その意味は信念、確信、不退転

そして断罪

二つの銃を断罪に突き出す!

「さぁ、ショータイムだ!!」

その同時にサクラギはいきなりに断罪に目掛けて弾丸をぶっ放した!

>>ガイ

2ヶ月前 No.469

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【時間軸: "黒き氷の羅刹" の襲撃から、数週間が経過】

【未だ "白き翼" の脅威はなく、しかし――――不気味な静けさは拭い切れぬ、曇掛かった安息】



【レッド/カントー地方 ヤマブキシティ】

【ヤマブキ総合病院 203号室】

【イエローの病室】



 夕刻の茜射す病室にて、シャリシャリと軽妙に刃物を扱う音。

「見てみろコレ。コラッタだ」

「知ってる」

 かのマサラタウンでの騒動を解決した一人たる少年、レッド。そんな彼の掌に乗るのは、器用にも剥いたナナシの実でこしらえたコラッタのモチーフである。見事な出来映えであるが、今までに散々それを見せられた少女――――イエローこと黄花(オウカ)にとっては、特に感嘆すべき物でもないらしく、ぼふっと枕に後頭部を埋める。

「ソラさんは見つかったの?」

「いや。ヒメちんもわかんねェってよ。つーかアイツ、ポケギアとか連絡手段持ってんのか?」

「多分持ってないと思う。なんとなく」

「気にしすぎなんだよなぁ、アイツはよォ。パールの奴に勝ったんだからもっとこうさ、パーッといきゃあいいのによ。パーッと」

「あのさ、君はもうちょっと怪我人を労るべきだと思うんだけど」

「だからこうして見舞いに来てんじゃん?」

「じゃあレッドも気にしすぎなんじゃないの」

「ああ言えばこう言う奴だなオメーも」

 先程切ったナナシの実を食いつつ、ベッドに腰掛けているレッドがふと別の話題を振る。

「グリーンとかブルーは見舞いに来たのか? ルカとエマは?」

「手ぶらな誰かさんと違って、かなり豪華なお見舞いまで貰っちゃったよ」

「俺も持ってきただろ、ナナシの実」

「自分で消費してるじゃん」

「地産地消、自給自足ってヤツだ」

「絶対意味判ってないよね」

「へへ……まぁな」

「褒めてないし」

 結局自分で剥いたのを全部食ってしまったアホ。
 あの動乱から既に数週間が経過したが、どうやら「当事者」達は、あれからある程度顔を合わせているらしい。しっしっとイエローにベッドの端から追い払われるレッド。

「んだよ、何処行く気だ」

「売店」

「ついてこ」

 よろよろと緩慢に歩くイエローの後をちょこちょことついていくアホ。イエローがわざとらしく溜め息を吐いてみせる。

「おい、レイジは見舞いに何持ってきたんだよ? つーかアイツは見舞いに来たのか?」

「大体判るでしょ」

 彼女の指差す方向。
 売店近くのホールにて談笑しているのは、未だに傷跡痛々しく両脚に包帯を巻いたモモカ。そして噂をすればなんとやら、ブルーに……これはまた珍客。ニビシティの首領(ジムリーダー)にして「かたいいし」の男、タケシである。

「よォ、何なんだよこの烏合の衆は」

「うげげ、レッド先輩だ」

「うげげじゃねェよ」

 うげげ先輩でなくとも、この顔振れには随分な珍しさを感じる事だろう。ブルーへと視線を移すレッドだが、肩を竦めてみせる彼女。

「アンタの方は何ともなさそうじゃん」

「まぁな。つーか、タケシはどうしたんだよ?」

 よく見てみると、何やら物々しいというか、深刻そうというか。俯き、両掌を合わせたまま、ニビのジムリーダーはまるで懺悔でもするかの如く……

「レッド……俺は最低だ」

「ジムリーダーとしてマサラを襲う脅威に対し、出遅れた挙句――――無為な怪我人を出しちまった」

「駆けつけてみれば、事は全て終わっていた。笑っちまうな。何が規範たるジムリーダーだ。なぁ、そうだろう」

 ぽたぽたと涙の雫が彼の膝に落ち、普段の威厳は何処へやら。その逞しい肩は震え、男泣きに咽び泣くタケシ。ジト目のブルーが溜め息を吐き、イエローが額を押さえて首を振り、モモカが頬杖をつく。

 ……。

 …………。

 ……………………。

 レッドは……
 レッドは、ふと己を省みていた。

「(あ……あのさぁ……)」

「(なんつーか、俺が呑気すぎるだけなのか!?)」

 ニビジムリーダーのタケシとは、高潔な男である。それも高潔過ぎる程だ。その石の如き堅牢な精神性は誰もが評価し、彼のバトルスタイルにも如実に顕れている。現状、マサラ防衛に手を貸せなかった事を悔やみ、こうして心の底から涙を絞り出してしまう誠実、男の中の男。当の本人であるイエローやモモカは「気にしすぎだ」と言わんばかりに呆れるがままであるのだが、流石のレッドも彼の姿を目の当たりにし、何か思う所があったらしい。

「イエロー……痛いとことかないか?」

「えっ、何いきなり」

「モモカは?」

「レッド先輩がイタいです」

「ブルー」

「アンタ、自分の怪我の心配でもしたら?」

 あまりにも現金すぎる。
 やはりコイツは底なしのアホなのだろう。

「タケシさんもソラさんも気にしすぎなんだってば。死人が出たわけでもなし、私達ピンピンしてるもの。ね、モモカ」

「明日にも退院したいです」

 しかし、と言いかけ、再び俯くタケシ。
 終始暗い彼だが、よっこらせとブルーに腕を引かれて立ち上がる。

「アンタもさージムリーダーでしょ? しっかりなさいよ。済んだ事は済んだ事! ほら、挑戦者だって待ってるかもしれないし」

 マサラを代表するお節介焼きに引かれるがまま、院内を後にするタケシ。心配事の杞憂もいいところである。女性というのはかくも強かった。例え話ではあるが、仮に平行世界のタケシが年上の女性好みなナンパ男であれば、今回の件でああも悩まなかったのだろうか。全く、ヒトの心を知るというのは、時にポケモンを相手取るよりも難しくもあり。

「ところで、リュウトはまだ戻んねェのかよ」

「迷ってるんじゃないの」

 ふと、半ば引っ張り出すようにして無理矢理見舞いに付き合わせた級友の事を思い出すレッド。リュウトである。

「アイツ抜けてるからな。案外マジで迷ってんじゃねェか」

「君に言われたらおしまいだよ」



 病室に戻ってきた二人。結局リュウトは何処へやら。彼を待ちつつポケッチを弄っていたレッドであるが、うつらうつらと船を漕ぎ始めるイエロー。

「とっとと寝ろよ、怪我人」

「誰かさんが邪魔しなきゃ今頃寝てたんですけど」

「あー、わーったよ。少ししたら帰るからよ。つーかリュウト来ねェし」



 陽は更に傾き、夕雲に混じり始める闇の黒。



 静かに寝息を立てるイエローの傍ら、レッドが静かに立ち上がる。



「よォ」

「久し振りじゃねェか」

 囁くようなその声は、開いた窓の方向へと。
 静寂の渦中に走る緊張。レッドの身を貫いていたのは、紛れもない殺気であった。

「なーんか、大変だったみたいだね。マサラも」

「スゴいじゃん、君達。私も負けてらんないなぁ」

 サッシの部分に腰掛けるは、『起源』を狙う存在にして、かつて自身へと襲撃を掛けた者。謎多き少女、ヒガナは緩慢に窓際から降りると、レッドへと笑い掛ける。



 数瞬の静寂の後、ざッ、と構える両者。
 手の甲を見せ付けるようにして、少女の五指に挟まれた3つのモンスターボール。



「此処ではやらねェぞ。ダチ待ってんだ」

「その子」



 くい、と顎で指し示すは、安らかに寝息を立てているイエロー。



「君にとって、大事なヒトなんだね」



 貼り付けたような、満面の笑み。
 対象的に、少年の表情は険しさを増し。



 ふと、彼女の殺気がイエローへと向けられた瞬間――――



 半ば本能的に瞬発したレッドが、オンバーンを繰り出したヒガナへと飛び掛かっていた。



「テメェ――――」

「何のつもりだ」



 ばさりと翼が風に晒され、開いた窓から宙へと投げ出された二人。高度凡そ50m、しかしそれでも尚――――夕闇の渦中にて激突する両者。



【戦闘区間/カントー地方 ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園】

【マサラタウンのレッド】

 VS

【襲撃者 ヒガナ】



 "化物(モンスター)"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=k9yQ_8aQs4I)



 ひゅう、と風が嘶いた後、刃よりも鋭いレッドの蹴り。それを紙一重で避け、オンバーンによる指向性の音の爆撃が少年へと炸裂――――するよりも速く、空中での躯体制御。くるりと前転でそれを避け、迎撃の右拳。

「護式(トレーナースキル)」

「―――― "同調(シンクロ)" 」

 瞬間。ヤマブキシティ上空にて、極光が奔った
 直後に響き渡ったのは、地よりの轟音。総合病院の傍らに位置するヤマブキ都市公園、人も疎らな噴水広場にて――――襲撃者とされる側の両者が、再び対峙する。

 ヒガナとオンバーンの共有する、蒼き奔流の『キズナオーラ』。

「やっぱり、あの時より遥かに強くなってる」

 その顔には、未だ底の窺えない笑みが貼り付けられたまま。
 目線を鋭く絞ったレッドは、立ち昇る炎を背負い構えた。

>>リュウト、(ワボン)

1ヶ月前 No.470

ゼロ @0xxx0jienx ★iPhone=DfXrsFFGsv

【ワボン/カントー地方 ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園】

夕闇、夕暮れ、薄暮時ーー日が沈み夜の空が顔を出すこの時の呼び名は様々だが、ある少年は決まって“黄昏時”と呼んでいた。黄昏ーーそれは光と闇が交錯する不思議な時間帯。その時に見たもの全てがまるで魔法でもかかったかのような、そんな雰囲気を放つ。ある時はオツキミ山、ある時はトキワの森。様々な場所を旅してきた少年は、今目の前の光景も新たに不思議な記憶として刻むのだろう。

少年ーー名はワボン。

132cmという見かけは幼い子どものようだが、こうみえて16歳。彼の傍らには常に彼を守るように一匹のオコリザルがいる。そのオコリザルも少年を後少しで抜きそうなほど普通より大きく、身体中に古傷があり、瞳は紅蓮色と通常のオコリザルとは違い異様な風貌だった。そんな1人と一匹の組み合わせはお互いに目を見合わせ、今眼前の光景について各々のリアクションをとる。

「……水と炎のお祭りみたいだね。ね、アイラ」

“アイラ”と呼ばれたオコリザルはコクンと頷き、ワボンに退がるように右手を彼の前に出す。その動作にワボンも頷き、少し退がって様子を見ることにした。戦いはまだ始まったばかりなのだろう。どちらもやる気満々というのが見て取れた。

「いやー、でも今日はこの公園で野宿しようと思ったのにね」

困ったなーと呟きながら、噴水広場からそう遠くない、それでも様子が見える位置にあるベンチにワボンは腰をおろした。そんなワボンにアイラは指を公園の外に向けながら「早く立て」と言わんばかりに鳴く。アイラはワボンが怪我をしないように言っているのだが、当の本人はそんなのお構いなしにへらへらと笑っている。

「大丈夫だよー。あの2人は2人でバトルしてるんだし、関係ないオレ達には危険はないよ。もし危なかったら、アイラが守ってくれるでしょ?」

ね?とにこりと笑うワボンにアイラも何を言っても仕方ないなと肩を落とした。アイラもいざという時はワボンを背に担いでこの場を去るくらいの技量は持っている。この能天気な相棒に付き合ってやるかというばかりに、アイラもワボンの隣へ腰かけた。「それにしても、あの人たち強いねーー」など、まるでスポーツ観戦をするようなコメントには脱力したが。


≫レッド、リュウト

1ヶ月前 No.471

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【リュウト/カントー地方/ヤマブキ総合病院】

時は『黒き氷の羅刹』襲撃事件より数週間後の出来事に遡る。

「な、何階だここ……?」

友人たるレッドに(半ば強引に)連れられ、件の戦いで負傷したイエローの見舞いの為にヤマブキシティ総合病院へと訪れていたわけだが……。
カントー随一の大都市の病院である為か、院内はこれでもかという程に広い、広すぎる。
リュウトは軽く自販機でジュースでも買うつもりでレッド達と別れたのだが、自販機を探しているうちに迷って廊下の片隅で立往生しているという次第だ。

「無駄に広いんだよここ……俺がこうやって迷ってること、ぜってぇあいつらには知られたくねえ……」

いやもうバレてるがな。

頭を掻きながら院内を散策する。
リュウト自身もパールとの戦いの末、機能不全に陥った右腕のリハビリの為に数回この病院に訪れたことがあるのだが、それでもまだこの広さには慣れないものである。

途方に暮れる中、リュウトの視界に白のルームウェアを着た少女の姿が映る。
恐らく、入院中の患者だろうか。髪は長く目は隠れており、肌も血行不良なのか真っ白である。

「(な、なんか不気味だなぁおい……)」

その少女の傍を何事もなく通り過ぎようとした瞬間、袖を掴まれ動きを止められ、恐る恐る後ろの方を振り向く。
少女はくいっくいっと指を指すジェスチャーをしており、まるで"こっちこっち"と言いたげな雰囲気であった。

「ま、まさかレッド達の所に連れてってくれるのか……!?」

アホである。

その少女に連れられるがまま廊下を歩いていく。
それにしても、不気味な程に人が周りにいないが何故だろうか?そう疑問に思いつつもそこまで深くは考えなかった。

目的の部屋に着いたのか、少女は立ち止まって部屋の扉を指差す。

「ここがイエローの病室か、いや〜わりぃな!案内してもらっ………」

ふと目に入った扉に書かれた表記を見て、リュウトの顔はみるみると青ざめていく。
慌てて少女の方を見るが、既にその姿はなく、人がいたという形跡すらなかった。

「こ、ここここ…………!!!霊安室じゃねえかチクショーー!!!!!!」

まさか自分の身に降りかかった心霊現象にリュウトは恐怖しながら、全力疾走でその場から逃げ去る。病院内で走ってはいけません。
無我夢中で走っているうちに、いつの間にやらエントランスへと辿り着く。
人がごった返す場所に着て安心したリュウトはふぅっと息を吐き柱に寄りかかる。

「はぁ………素直に受付で場所聞くかね………」

そう思い、よっこらせと柱から離れる……その瞬間、外から轟音が鳴り響く。
突然響いた轟音にエントランスにいた人々はガラス張りの壁越しになんだなんだ?と野次馬の様に外を見ていた。

「な、なんだぁ?一体……」

恐る恐る外へと飛び出る。
病院のすぐ近くにあるヤマブキ都市公園、恐らくそこが音の発生源だろう、というのも公園の周りには土煙が少々立ち込めていたからだ。

そして、公園の噴水広場の前に来たリュウト、その目に広がっていた光景は………。

「レ、レッド!?お前こんなとこで何やってんだ!?それに向かいのあいつは……」

オンバーンを傍らに携え、不敵に笑う褐色の少女。
彼女は一体何者なんだ?それに何故レッドと対峙している……?疑問は尽きないが、ともかく並々ならぬ様子であることはわかった。

そんな2人の激突を見て、公園にいた人々は既に避難をしている様子であったが、逃げようとする事も無く2人を見ている背の低い少年の姿が目に映る。
傍らにいるのはオコリザルだろうか……?遠目でよく見えないが、とにかくここから離れる様促した方が良さそうだが……。

「お、おーい!君達もここから離れた方が……」

ワボンの元へと駆け寄り、避難をする様促す……が、どうにもスポーツ観戦でもしてるかの様に呑気に2人の激突を見ている1人と1匹に呆然とする。
彼のパートナーであろうオコリザルの身体には古傷が至る所にあり、歴戦の猛者と言った雰囲気が見られた。

「いや……まあ、そのなんだ……程々にな」

この様子なら心配は無用だっただろうか。
リュウトはワボンの隣に立ち、対峙するレッドと謎の襲撃者を見つめると、これはまた何か厄介なことが起こりそうだぞと思いながら溜息漏らすのだった。

>>レッド、ワボン


【ミライ/???/氷結の結界】

目前に聳え立つのはミライにとっても大切な人であるアオイだ。
そして、ミライの隣で怒りと憎しみと言った憎悪の感情に囚われているのは……。

「ゼロ……」

ミライにとっても更に大切な仲間である、ゼロだ。
正直なところ彼女にはどうすればいいのか分からなかった。
ハヤトに言われ、なんとかする旨は伝えてたが、具体的な方法は無く手詰まりな状態である。
気概を加えるなんてもっての外である故、それ以外の方法を何とか模索する必要があるが……。

そんな考えを巡らせる中、ツカサの提案に一筋の光を見出す。

「気絶……眠らせる……なるほど……。わかった、私も出来る限りの事をやる。だから……アオイ、もうしばらく待ってて」

「直ぐに助けるから………!!行くよ……ラン!!」

――――――――

一方、視点は壁の向こうのハヤトへと移る。

――――「ハヤト!来るぞ!」

「あぁ……わーってるよ!!」

ハヤト達へと向けられる氷塊による"槍"
恐らく当たればただでは済まないであろう大きさであるが、先ほど壁へとぶっ放した銃にモンスターボールを装填し、氷塊へと向ける。

「こっちは任せろっつったんだ、今更後に退けるかよ!!!」

その叫びと共に、引き金を引く。
銃身から弾丸の様に飛び出したボールは、見事に氷塊の中心を捉えており、直撃する前にボールからピジョットが飛び出す。

「そのクソッタレに……"ブレイブバード"をお見舞いしてやれ!!!!」

弾丸としての勢いを殺さないまま放たれたブレイブバードは見事に巨大な氷塊を打ち砕きそのまま貫通し、氷結の執行者の目前へと迫る――――

>>氷結の執行者



【ガイ/ホウエン地方/ホロンの研究塔】

「現実から逃げようとするな、証言者もいる以上お前がやったのは明白だ」

身の潔白を証明(出来てはいないが)しようとてしいるサクラギに対し、ガイは厳しい一言を浴びせる。

「だがまあ……そうだな。確かに"広い意味で考えれば"断罪のせいである、とも言えるな」

なんとも強引なあてつけである。
断罪の執行者と対峙してる最中に、サクラギは突如として現れた。
断罪の力のせいなのか、それともサクラギ自身なのかはガイには分からないが、要はそもそも断罪と相対していなければ顔面キックをお見舞いされる事は無かった、という途方も無いトンデモ理論である。

「さて……この落とし前は、貴様につけさせてもらう」

再び、矛先を断罪へと向ける。

「折角の友の帰還だ、私も暴れさせてもらうぞ。ユウ、サクラギ、共に行くぞ!!」

サクラギが銃から弾丸を放つと共に、ガイもそれな続くかのようの地を蹴り、まさしく彼自信も弾丸のように断罪の懐へと距離を詰めて行く。

「極光解放(アウロラ)!!!!!!」

まぶゆい光を纏いしヒトツキは、ガイの一言により更に巨大な剣へと変貌を遂げる。
そして、サクラギの放った弾丸が断罪へと直撃すると共に追い打ちをかけるかのように、ガイの一閃が振るわれた――――

>>断罪の執行者、サクラギ、ユウ

1ヶ月前 No.472

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【ヴァドック/カントー地方/マサラタウン】

決戦の場に現れた謎の少年・アスレイ。
でんきタイプの使い手である彼が、ヴァドックに齎す力は凄まじいものであった。
全身に駆け巡る電流が、ヴァドックの右腕から迸り、雷(いかずち)の刃と化す。

「ぐっ……!!」

でんきタイプのポケモンであるヴァドックとでんきタイプのエキスパートであるアスレイ。
彼らのシンクロ率はかつてのグリーンすら上回る数値を叩き出し、ヴァドックの体内に流れ込んでくる“ピカチュウ”という器の許容量を遥かに凌駕した電気エネルギーに彼の小さな身体が悲鳴を上げる。

「へっ、“諸刃の剣”ってわけか……!」

「面白え、どんな力だろうと手懐けてやるぜ!」

膨大な電気エネルギーが身体を蝕む中、ヴァドックは眼前に佇む『宿敵』を睨みつけながら不敵な笑みを浮かべた。
たとえピカチュウの扱える限界を超えた量の電気エネルギーであろうと、ピカチュウの壁を超えたヴァドックはその限りではないのだ。
少年から与えられし、“諸刃の剣”を見事に手懐けたヴァドックは宣戦布告と言わんばかりに右腕から伸びたソレを白いフリーザーへと向ける。

「……」

『……』

文字通り火花を散らす両者の間に緊迫した空気が流れる。
そんな中、その沈黙はソニックブームとともに破られた。

 ド ン ッ ! ! ! !

轟音とともに砂が舞い上がり、“我々”の視点から一瞬にしてヴァドックの姿が消え去る。
黄金の弾丸と化したヴァドックは稲妻を彷彿させるギザギザの軌道を描きながら超スピードで白いフリーザーとの距離を詰めていく。

『!』

そして、白いフリーザーの懐に飛び込んだヴァドックは更なる加速とともに迎え撃とうとする相手の視界から姿を掻き消した。

「受けてみろ!!」

その身軽さを活かし、瞬時に相手の背後に回り込んだヴァドックは無防備な相手の首筋に狙いを定めると右腕から伸びた稲妻の剣で一気に斬り掛かる。
首筋――即ち、“頸椎”は人体の中でも急所と言われる場所のひとつであり、頭と身体を繋ぐ、様々な神経が集中した重要な部位である。
これはあくまで人間の話だが、ポケモンといえど生物である以上、伝説の鳥ポケモンたる白いフリーザーとて例外ではないだろう。

『フッ……』

そんな思惑を知ってか知らずか不気味な笑みをこぼす白いフリーザー。
次の瞬間、紅い瞳をギラリと光らせながら振り向き様に背後から攻撃を仕掛けるヴァドックを睨みつけた。

「!?」

背筋が凍るような感覚がヴァドックを襲う中、白いフリーザーはその白い翼を瞬間的に凍結させることで氷の刃を作り出し、彼の攻撃を受け止めてしまう。

「くっ……!」

あっさりと動きを見切られた挙句、渾身の一撃を容易く受け止められてしまったヴァドック。

――これでもまだヤツに届かないのか?

戦慄の表情を浮かべるヴァドックに対し、白いフリーザーが不敵な笑みを返す。

『ふふふふ……!!』

「うおおおおっ!!」

そのまま鍔迫り合いとなり、両者の刃が火花を散らす。
勝負はお互いに拮抗しているかに思えたが、徐々に形勢が傾き、ヴァドックが押され始める。

『あはははは!貴方の力はそんなものですか?』

「黙れっ!!」

『所詮、貴方も他のピカチュウと何も変わらない下等なポケモンに過ぎないのですよ!』

「黙れぇーっ!!」

怒りのままに叫ぶヴァドックに対し、それを嘲笑うかのように冷笑する白いフリーザー。

『はあっ!!』

「……がはっ!?」

競り合いの末、雷の剣を叩き折られ、吹き飛ばされたヴァドックが凍てつく砂浜に沈む。

「か、雷の剣が……!?」

白いフリーザーが振るう氷の刃の前に打ち砕かれた雷の剣を見やり、ヴァドックは思わず言葉を失ってしまう。

『フン、これがヒトとポケモンのキズナというヤツですか』

『トレーナーの力に頼っておきながら、この程度でしかないとは心底ガッカリです』

変身が解除され、地面に倒れ込むヴァドックを見下ろしながら、白いフリーザーが呆れたように溜め息をつく。

「ちくしょう!!」

「なぜ勝てねえ……!パワーは互角のはずなのに……!!」

一方、ヴァドックは悔しそうに砂浜を殴りつけると怒りに満ちた眼で白いフリーザーを見上げながら睨みつけた。

『貴方が私に勝てない理由を教えてあげましょうか?』

「オレが……てめえに勝てない理由だと……?」

『それは“恐怖心”です』

「恐怖心だと……?デタラメを言いやがって!」

『いいえ、顔を見ればすぐに分かりますよ』

『貴方は私が怖くて仕方がないのでしょう?』

「!」

その言葉を聞いたヴァドックは自分の身体が意思とは関係なく、震えていることに気づく。

「……怯えているのか……?このオレが……?」

『そうです、貴方は最初から私に負けていたのですよ』

『初めて会ったあの日からね……』

まるで心を見透かすかのような眼差しでこちらを見据える白いフリーザー。
その紅く冷たい瞳の奥には怯え切った自分の姿が映し出されていた。

「……!!」

その瞬間、ヴァドックは初めて“恐怖”を自覚した。

生まれて初めて心の底から震え上がるヴァドック。
真の恐怖と決定的な挫折、恐ろしさと絶望、あらゆる感情が渦巻く中、行き場を失った気持ちが、その鋭い両眼から涙となって溢れ出た。

ただ、単純に悔しかったのだ。

復讐に燃え、果てしないトレーニングを重ねてきたヴァドック。
ついには仲間たちとともにマサラを救うまでに至り、今まさに万全な状態で宿敵と対峙している彼。

――正直、勝てると思っていた。

しかし、実際はどうだ?
最強の姿である超ピカチュウ3でも歯が立たず、いきなり現れた謎の少年の力を借りてなお、この始末である。

結局、どんなに強くなろうと自分はあの頃から何も成長していなかったのだ。

「……」

『どうやら、完全に闘う気がなくなってしまったようですね』

戦意を失って俯くヴァドックを飽きてしまったオモチャを見るような眼差しで見据えながら白いフリーザーがそう吐き捨てる。

『恐怖に怯えた哀れなピカチュウよ……』

『安心なさい、この私がすぐに仲間のもとへと送り届けてあげましょう』

白いフリーザーが一歩ずつ、一歩ずつ、ゆっくりとヴァドックのもとに歩を進める。

『さようなら、超ピカチュウ』

俯いたまま動かないヴァドックの前まで辿り着くと白いフリーザーは氷の刃に包まれた白い翼を振り上げる。

『やめろっ!!』

そんな中、ヴァドックを守るように両手を広げながらポッチャマが白いフリーザーの前に立ち塞がった。

『……何のつもりですか?』

『見て分かるだろ!ヴァドックを守るつもりだ!』

ガタガタと恐怖に震えながら、懸命に白いフリーザーからヴァドックを守ろうとするポッチャマ。

『守る?闘う力もない貴方に何ができるというのです?』

『う、うるさい!オレは誇り高きエンペルトの血を引く王子だ!友達のピンチを黙って見過ごせるか!』

彼とて白いフリーザーの恐ろしさを知らないわけではない。
無論、自分ではヴァドックを守るどころか勝負にすらならないことも分かっていた。
それでもポッチャマは勇気を振り絞り、その小さな身体で果敢に立ち向かう。

『……御父上にそっくりですね』

『勝てるはずもないのに仲間を守るためこの私に立ち向かう』

『理解に苦しみます』

彼の父であるエンペルトもそうだった。
仲間を守るために彼らの盾となり、儚くも散っていった勇敢なる王。
友を守ろうとするポッチャマの姿にその父であるエンペルトの姿が重なり、白いフリーザーは彼らの行動を理解できないと呟いた。

『そこを退きなさい』

『絶対に退くもんか!!』

『そうですか』

一歩も退かないポッチャマに対し、無慈悲な一撃が振り下ろされる。
そして、彼はそのまま無残にも真っ二つにされてしまう


――はずだった。


白いフリーザーが振り下ろした氷の刃がポッチャマの身体を切り裂くよりも早くそれを受け止めた者がいた。

『ヴァドック……!?』

折れたはずの“剣”は刀身を取り戻し、燃え盛る黄金のオーラがヴァドックの身体を再び金色に染め上げる。

「てめえのおかげで目が覚めたぜ、ポッチャマ……!!」

「ガキのてめえが目の前の“恐怖”に立ち向かってるってのに……このオレがいつまでも怯えてられっか!!」

再び『超ピカチュウ3』へと姿を変えたヴァドックの左腕からもう一太刀の“剣”が伸びていき――

「……喰らいやがれっ!!!!」

そして、白いフリーザーの身体を斬り裂いた。

『おのれ!よくもこの私の身体に傷を……!!』

純白の身体を傷つけられ、怒り狂った白いフリーザーがその巨大な翼から突風を巻き起こす。

『「うわああああっ!!」』

その圧倒的な力に吹っ飛ばされてしまうヴァドックたち。

「へっ、ようやく来やがったか……」

砂浜に沈む彼らの背後から近づく足音。
それを聞いたヴァドックが不敵な笑みを浮かべる。

『みんな……!!』

戦場に到着した戦友たちの姿を見やり、ポッチャマが歓喜の声を上げる。

『また妙なニンゲンどもが現れたようですね……』

『しかし、誰が来ようと無駄なこと……!何も変わりはしません!』

「そいつはどうかな……?」

「てめえに見せてやるよ!ポケモンとヒトの底力ってヤツをな!」

マサラの地に訪れし、白き翼の脅威に対抗すべき、続々と集結する人とポケモンたち。
完全復活を遂げたヴァドックが白いフリーザーと対峙する時、本当の闘いが幕を開ける。

さあ、第二ラウンドの始まりだ!

>>マサラ防衛メンバー

1ヶ月前 No.473

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【氷結の執行者/???/氷結の結界】

ーうわー、やられるー

パリン!と氷結の身体が氷のように砕け散る。だがその砕け散る破片が集合し氷結の身体へと再構築される。

ーなんてねー

「ならば…リオ!はどうだん!」

(ああ!)

はどうだんを構えて放つリオ

「はどうだんなら氷タイプのお前でも厳しかろうて!」

敵はどう見ても氷タイプだ。氷タイプは格闘タイプに弱い、この正攻法なら問題はないはず。はどうだんは氷結に命中する。しかし…

ーふふ…ー

「何!?」

ー効かないよ!ー

瞬時にリオの眼前に移動する氷結。驚くリオを掴みケンタへと投げ飛ばす

ーそぅら!ー

「ぐあっ!」

なんとかキャッチするが吹き飛ばされてしまう。

「く…どういう事だ!?こうかばつぐんしゃないのか!?」

ケンタはかつてトレーナーやポケモンは相性が感覚でわかると教わったことがあった。実際、ポケモンに技を当てた時こうかばつぐんかいまひとつかふつうかは分かるようになってきた。だが氷結はそんな手応えがなかった。奴はこおりタイプのポケモンではないのか。それとも混沌のようにそもそもポケモンという概念ではないのか、ケンタはそれを確かめる必要がある。

「ハヤト!試したいことがある!タイプが違う技を何発か放ってみよう!!」

>>ハヤト



【アオイ/???/氷結の結界】

「ミライちゃん…ええ、私も頑張るわ」

「行くぞ!」

ゼロはアオイめがけて突撃すると同時にギアが発動する。今の色は赤いが自分が発したあの紫色のオーラは、いろいろな奇跡が起きた。ならば、その状態になれば希望はある。時間は短いがやるしかなかった。

キィイイイ!!

「させない…!っく、ダメ!止められない!」

アオイに近づくと氷の塊は先ほどより増えている。それらは全てゼロに集中していく。アオイは必死に抑えようとするが無意味であった

「ふっ!」

動きは単調だ。なら見切りやすい。万が一当たりそうになっても…

ゴウン!

空間から獣の爪のようなものがゼロを守る。自分はこれを見たことがある。以前ミライと共にツカサから力をくれるきっかけをくれた爪だ。

「すまない!アオイさん!」

ゴウンッ!

「あぁっ!」

幾ら何でも彼女をぶん殴る殴ることはできなかった。
なら、軽い衝撃波を当てて、意識を軽く飛ばすしかない

ビュオオオオ!!

「うおあ!」

アオイに攻撃した瞬間ゼロは吹雪で吹き飛ばされる。幸い、凍らされる事はなかった。だが、彼女の意識はまだあった。

「くっ、ミライ。俺が囮になる。なんか技を頼むぜ!!」

「ゼロ!援護します!ミライさんお願いします」

そういってゼロは再びアオイに向けて突撃した。オーラは緑色となり、身体能力も向上する。アオイの攻撃は全てゼロに向けられた。

>>ミライ




【断罪の執行者/ホウエン地方/ホロンの研究塔】

キィン!!

二人の攻撃が断罪に触れる瞬間、断罪が生み出したひかりのかべで相殺される。

『この弾丸返すぞ』

その同時にサクラギの後ろから弾丸が飛んでくる。先ほどサクラギが撃った弾だった。

「いらねえな」

パチンと空間を開き弾丸は空間の中に飲み込まれて消えた。

『貴様らとの戦闘にここは狭かろう!』

断罪は跳躍し空中へと移動する

「ガイ!ユウ!飛ぶぞ!」

「へ!?飛ぶって!?うわァ!」

ユウを掴み空へ飛ぶサクラギ

「ほれ、なんか飛べるポケモン呼びな」

「え、ええとレックウザ!僕を乗せて」

急いでカードでレックウザを呼び、ユウは乗る

「レックウザか…なら…」

『盛り上げてやろう!』

二人はニヤリと笑い、右手を天に掲げ詠唱する!

「『太古に眠りし力の象徴よ!今、原初の力解き放ち!我が目の前の敵を穿て!』」

「紅き地に君臨せよ!大地の神!!」

『蒼き海に浮上せよ!大海の神!!』

「『ゲンシカイキ!』」

「グラードン!!!」

『カイオーガ!!!』

二人はそれぞれ伝説のポケモンを呼び出す。

サクラギはゲンシカイキグラードンを

断罪はゲンシカイキカイオーガを

魔力により本来より更に巨大化したその姿はまさにモンスターと呼ぶにふさわしかった。

大地は裂け、その裂け目からマグマが噴出し新たな大地を生み出す。

海は荒れ、その大雨から大地を削りとり、新たな大海を生み出す。

まさに天変地異と呼ぶにふさわしい状況だった。

『さぁ、第二幕の幕開けだ…我がムゲンの力受けるがいい!!『闘争終えるまで終わりなき攻撃』をとくと味わえ!』

突如断罪の周囲に大量の空間が開く。その空間から強いエネルギーを持つレーザーが一気に発射された!!


>>ガイ

1ヶ月前 No.474

ソラ @renn723027☆MkgukgQOBCo ★WsvsboeHRl_mgE

【ソラ/アローラ地方 ウラウラ島/ラナキラマウンテン】

 ――なんだこのカオスは。

 思っていることがバレれば、『それはお前が引き起こしたことだろう!』と十中八九ツッコミを入れられそうなことを思いながら。
 蒼い鳥は(自分の言葉によって)引き起こされた状況(カオス)を見つめていた。


 ――――固まる二人のトレーナー。

 普通のポケモンは喋らないから、いきなり言葉が発声されれば驚くのも無理はない。とどうにか自分を納得させようとして。

 ――――「キェェェェエエエエアアアアア!!!!! シャベッタアアアアアアア」

 お前も喋れたのか、ピカチュウもどき。とようやっとピカチュウでないことをはっきりと把握したように思える。タイプは何タイプなのかがまだイマイチ把握できていないけれど。

 ――――「ここまで出来たけどさ、なーんか足りないなぁ」

 不満そうにそう言いながら立ち上がる画家。描かれた絵は、蒼い鳥の目からすると、綺麗に描かれていて。一体何が、それとも何処かが気に入らないというのだろうか?
 そう思っていたが――画家の言葉と行動に、蒼い鳥は動かざるおえなくなった。



 ――――「そうだなー。キミの事気になるし、あれだ」「ちょっと見せて貰おうかな、 "ソラ" 」


 ――何故、その名を知っている?


 ――――「 "紅蓮" の大事なトモダチなんだってね」「私に勝ったら、イイこと教えてあげるよ」


 ――何故、紅蓮の名が今此処で出てくる?


 自分の周りを飛び回る気配と、それから画家がポケモンと繋げた“キズナ”のオーラの力。
 どうやら相手はやる気らしい。カオスを眺めていた頭を、瞬時に戦闘モードに切り替えることにするとして。

 ――どうしてソラというこちらではまだ名乗ってない名前を知っているのか。どうして紅蓮のことを知っているのか。


 気になることもあるけれど。一度それらは脇に置いておいて。相手の思惑に乗るのはあまり好きではない、と思いながらバサリ、と大きく翼を広げ一度空を舞う。
 もし此処で逃げ出して、もし紅蓮に何かあったら嫌だな、という仲間(とも)を想う気持ちがあって。
 今此処で逃げ出すのは、何だか惜しい、とも何処か心の奥でそう思ってしまえば。


       ふ ぶ き
『――――“荒ぶれ、雪の風”ッ!!』


 画家の思惑に乗って、蒼い鳥は『ふぶき』を放つ。
 有利な状況を作り出す為の布石であり、自分の周りを飛び回るポケモンへの牽制として、自分の周辺に『ふぶき』を放った。

 バトルのゴングは鳴り響く。さて、どちらが会合に出ることになるやら――?

>>マツリカ

1ヶ月前 No.475

シャーロット・A・ウォーターロード @renn723027☆MkgukgQOBCo ★WsvsboeHRl_mgE

 起源という存在を求め、荒れる砂の海を再び走ろうとする者達が居て。
 しかし、起源という存在よりも、ひたすら遠い場所へ逃げるためにこの船に乗ろうとしたお嬢様(みのほどしらず)が居た。

 ――何の運命か。それともただの偶然か。それとも――?


【シャーロット・A(アクアリング)・ウォーターロード/オーレ地方 ウエスト・コースト/"帰らずの港" スーサイダー・ドック】


「……ねぇ、アルジェ。ちょっと逃げるには、遠すぎる場所を選んでしまったかな?」

『んー?ボクはそんなことないと思うよ。だって流石に、シャロがこんな所まで来てるって思わないだろうし!』


 船長であるアリスガワの演説に、どんどんと下がってきているだろうクルー達の士気(一部を除く)。
 自分達以外にも乗り込む人員を眺めるように見ながら――その中に見たことがある顔があるのをきっと気のせいだと思いながら――少女は、ぎゅーっと自分のポケモンである色違いのニンフィアを抱えながらそんな言葉を呟いていた。

 少女は、水色のワンピースに青色のスニーカー。紺色のリュックサックにオレンジ色のサングラスを掛けているという少し変わった、けれど場違いな格好をしていた。
 知らない者が今のドック内を見れば、10人に20人が『この船は誘拐を行っているのか?』と思われそうな人員と言えるだろう。
 しかし、決して誘拐されてきたとかと言う訳ではなく、少女自ら志願したのだった。



 ――――『水は、大事な資源ではありませんか?私はその水を生成できますよ』

 確か、志願するときにはそんな売り込みを船長さんにしていたような気がする。でも、一日にどれくらい生成できるだとか、そういった事はなるべくひた隠しにしていて。
 よくクルーとして通ったな、と少女は思う。ああでも、目の前で一つの樽に水を溜めたっけ。

 ――ねむい、なぁ。あとで、休ませてもらえる、かなぁ…?

 バトルの時はとても調子が良いのか、水の生成も苦ではないのだけれど。普通にしている時に、水をいっぱい作り出すのは、苦手で。
 うとうとしだしそうになりながら、色違いのニンフィアであるアルジェを抱えていた。

『こーらっ!シャロ!おきろー!』

「ふぁっ…!あ、えっと、ありがとう、アルジェ」

 アルジェはまるで『起きろ!』とでも言うようにリボンのような部分を動かし、ペシペシと腕を叩いて己の主(トレーナー)を起こして。
 びくっ、とさせながらも少女は眠たそうな瞼を開いていた。


「――あ。見てみて、アルジェ。あそこに女性の人がいるよ。仲良くなれるかな?」

 眠たい状態をどうにかする為に、意識を別の何かに集中させようとして。ふと、女性――カガリ――に目が行く少女だった。
 決して、その傍に居る少年に目が行った訳ではない。サロンで見たことある気がするのはきっと気のせいだと思いたい。

『さぁ、どうだか?だーって、この船に居る人達は、“起源”っていうものを求めてるんでしょ?
あの人もそうなんじゃないかなぁ』

 アルジェの呟きは、ポケモンにしか分からないだろう。

>>ALL

1ヶ月前 No.476

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC



 "この世は、なんて美しいのだろう"

 "自由であるという事は、なんて輝かしいのだろう"



 (Donald Fagen - I.G.Y.)






 或るコラッタの夫妻は、この都市でも噂される程に仲睦まじい「二人」であった。堅実な公務員である夫と、週末には創作料理の教室を開いている妻。ジュニアスクールに通う一人息子は健康に育ち、富や栄光とは無縁ながらも、一家は確かに幸福の中に居た。

「と、いう訳でもうお休み」

 息子のベッドへと寄り添っていた母親が、彼の額を慈しむように撫でる。テーブルランプの橙に照らされた、紫色の頭髪とぴょこんと飛び出たヒゲ、そして特徴的な前歯。

「ねぇ、ママ。お話の続き、また明日も聞かせてくれる?」

「ええ、勿論よ。 "かみさまのマギー" のお話は、とっても大切なお話なのよ」

 はにかむ母親。笑顔を見せる子供。
 リビングにてロッキングチェアに揺られ、冒険小説を読んでいた一家の父が、ふとコラッタ特有の利く鼻を鳴らす。

「……明日は雨かもなぁ」

 古めかしい蓄音機に針が降り、奏でられるのはノイズ混じりの「かつての」音。夜景を映す窓のガラス、マンションの外壁を縦横無尽に駆け巡る配管。勢い良く蒸気を吹くブラスの下は、今宵も都市の喧騒で彩られ。

「シャロンちゃーん!! 明日も来るからねー!!」

「あぁ、全く。これだから "ネイバー" には帰りたくなかったのよ」

 巨大な歓楽街の片隅、イルミーゼの特徴を有した女へと手を振る、酷く酔った二足歩行のスリープ。グラエナを模した機械犬に無理矢理引かれ、よろよろと帰路を歩む彼であるが、壁際の配管から吹き出た蒸気を顔から被り、慌ててぶるぶると頭を振る。どうやら酔いは醒めたらしい。

 100万の夜景の灯火に、星もなく鎮まり返った黒い空には、巨大な電光掲示板を貼り付けた気球の群れ。天を衝く巨大なビル群の合間を、縫うように飛行するそれらの一つを前に、オニスズメの特徴を有した「人間型」の青年が、両腕の翼をはためかせて文字を読む。

「モモカちゃんの次の "新作" は、来週かぁ……」

 溜め息を吐き、去りゆく青年。
 街を覆う配管と、超近代のテクノロジーの奇妙な同居。入っては不思議な郷の宮。

 此処は、我々の住む場所とは違う交錯世界(アナザー・ワールド)。



【時間軸: "ポケモン" が、機械仕掛けの神により古代戦争を制した世界線】

【大集落、もしくはポケモンの街 改め】



【新興理想都市 ミリーズ・ネイバーフッド】



(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=sogYgHlNnqo)



「君さ、なんで今歯磨いてるの?」

 夜風の吹き荒ぶ都市の外壁上にて、ポケモン、ピカチュウの特徴を有する金髪の少女が、呆れたように男へと聞く。

「白い歯ってのはイイ男の資本なんだよ。一日に5回は磨くぜ、俺ァ」

 しゃこしゃこ、とマイペースに歯を磨いているのは、革ジャンを纏ったピカチュウことジャック・フレイムである。ぺっ、と口の中の水を吐き出すと、それは目下の街へ降り注ぎ、車を弄っていたリオルの尻に直撃した。

「なんでもエエけどよ、準備はエエんロトか? 失敗は許されへんでマジで」

 次は口を洗浄液でゆすぐジャックの頭上を飛び回るのは、コガネ弁でまくし立てるポケモン、ロトム……のような何らかの機械である。再び口の中の物をぺっと吐き出すジャック。やはり目下のリオルの尻に直撃する。

「トムもイエローも、オメェら黙ってな。いずれにせよ、俺らはもうこの街にゃ居られねェ」

「最後のミッションは――――ボスと "マギー" の救出だ」






【時間軸:現在】

【世界線:本編物語】

【アザレア・ドラグノフ/時空の大瀑布/世界統一協会(ワールド・アソシエーション) 本部】



「うん、うん、うん」

「 "ポケモンが古代戦争を制した" 世界線もまた――――面白くなりそうだ」

 まるで幼子の如き濁りのない瞳で、モニターを見つめる白衣の男。鼻唄混じりに彼、アクロマが目にしているのは、今現在『新興理想都市』にて派手な殺陣で立ち回っているジャック・フレイムと、彼の仲間達の姿である。

「バタフリー・エフェクトの顕著な例だッ。私が少しばかりつついた水面の波紋が、これ程までに著しい近代的発展を彼らに与えるだなんて」

「いや、いや、いや。嗚呼、凄いなぁ。凄いよ、本当に。テラキオン達 "三獣士" 、そしてマギアナの介入。いやはや、言葉を持たぬ彼らとはいえその知能の高さはエスパータイプの例を見ても」

「お楽しみの最中だったかしら」

 鈴の鳴るような女の声に、はっと我に返り振り向くアクロマ。モニターの電光だけが頼りの部屋の灯り、佇んでいたのは幽鬼の類ではない。『カロス古代貴族』の一角であるドラグノフ家の長女ことアザレアが、鋭利な鋸状の歯を見せて笑う。

「創造の美学とやらかしらね。ミスター」

「創造だなんておこがましいよ。私は小さな波紋を起こしただけ、後は彼らのチカラさッ。ポケモンという生物は本当に、本当に素晴らしい。嗚呼、言葉では表現出来ない程さ。例えヒトと "引き離されようとも" ――――」

「ミスター」

 熱の入るアクロマの唇に、す、と添えられるアザレアの人差し指。

「そう興奮しては、冴える頭も茹で上がりますわ」

 細められた目、蠱惑的な囁き。
 数瞬の間、最中――――ぬぅ、と二人の背後にて聳える巨漢の存在。

「アローラに眠る起源は、カプ・カナロア王朝時代まで遡る代物だ」

「介入は容易とは言い難い」

 科学者と淑女を見下ろした後、巨漢――――導師アザーゼルが、室内のモニターへと視線を移す。

「時に、科学者(アクロマ)よ」

「 "大戦獣" の呼応は」

「あぁ、まだまだですね。しかし、高位のAnotherの観測に従い、確実に――――」

「お待ちなさい」

 アクロマの言葉を遮り、口元には笑みを携え、しかしその眼は凍て付くが如く。アザレアが、アザーゼルを緩やかに見上げる。

「 "星の使徒" 。あてくしがアローラを担当する件について、異を唱えるつもりかしら」

「足元を掬われるな、という警告である」

「それなら無粋な口ネェ、デカブツ」

 暫しの殺伐とした間、交差する互いの眼光。瞬間――――ふと半身を「通り抜けた」殺気に、アザーゼルが弾き出されたかの如く女との距離を取る。

「イイ反射神経ですこと」

「――――貴様、何を?」

「別に何も。ただ――――」

 す、とハイパーボールを掲げ、開閉スイッチを押すアザレア。繰り出されたのは、一体のエルレイドである。俯いた彼へと構えるアザーゼルであるが、くす、と乾いた笑い声を残し、アザレアがパートナーと共に背を向ける。

「あてくしの "刃" を受けようとしなかった、その判断」

「存外――――賢いようね」

 エルレイドと共に、窓から身を投げるアザレア。中空にて展開されたのは、錆を思わせる赫色の『キズナオーラ』である。極まったサイコパワーの発動により、その身はふわりと世界統一協会の敷地を踏み――――

「兄上達も向かっている頃合いですし、あてくしもそろそろ参りましょうか」

「――――騒乱の血潮香るアローラへと」

 鋸状の歯を見せ、女が嗤った瞬間。
 どぱんッ、と圧倒的水量を湛えた瀑布が斬り裂かれ、滝が空中にて「停止」した。流水、否――――この地を満たす水とは、交錯の弊害に際し、さらさらと液状と化した「時空間」そのものである。流水、改め「概念」すらをも斬るという絶技。

 その凶器が向けられしは――――

1ヶ月前 No.477

なんか @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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1ヶ月前 No.478

ゼロ @0xxx0jienx ★iPhone=BQaiHd9cPJ

【ワボン/カントー地方 ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園】


心配そうに声をかけてきた人物に目を奪われた隙に、迫り来る弾丸。メラメラとーーその魂までも焼き尽くすような紅蓮の炎を目の前に、それを見て瞬時に腕を振り上げようとするアイラの背に隠れながら成り行きに身を任せれば、突如ーー声と共に消え落ちる灯火。見れば、闇に消えそうな紫色の髪の少年。その手に持つ錫杖と傍を漂うチリーンの組み合わせは、“和”を感じさせる旅の僧侶だ。その人物は隣の人を見て肩を落としたかと思うと、こちらの事も気にせず去っていってしまった。目で追えば、先程不意にチリーンに驚かされて少しびっくりしていたアイラと目が合う。そしてそのまま、首を横に振られた。

ーーわかってるよ、アイラ。


自分の思惑を読みとられたワボンは、了承の意味を込めてニコっと微笑む。言葉を交わさずとも分かり合えるーー“同調”という人もいるだろう。訓練したわけではない。ただ長い年月を共に過ごしたお互いだからできる信頼という名の技。今もワボンがあの少年を追いかけようとしたことをアイラは見越して無言で止めたのだ。余計なことに首を突っ込むなとその鋭い目つきが物語っている。それは心配からか、はたまた面倒事を避けたいからかーー。

そんな折に、またもや来客が声をかけてきた。どうやら、隣の人の知り合いらしい。その間にも火炎の弾丸は容赦なしに向かってくる。それに今度対応したのは来客だった。否、彼がいつの間にか出した彼のルカリオが、空中にて華麗に処理したのだ。素早いプレーに「おぉ」と感嘆の声をあげ顔を見れば、ご丁寧なご忠告が降ってきた。それに対して、困ったように眉を下げる。

 「ん〜でも、今日はここで野宿するからなぁ」

話を聞いていたのか?否、聞いた上での返答。別にこのベンチでなくてもいいのだが、素直に言葉を返してしまった。それに対してアイラは呆れた顔をしていたが、ワボンは気づかない。そうこうしてる間に再び現れる火炎弾。先程からこうもワボン達の方へ飛んでくるのは何故なのだろうか?嫌がらせなのか、本当に偶然なのか。わかりきってることは、それが当たれば危ないということ。ただ一番被害にあいそうなワボンは全然慌てていなく、彼の代わりに傍らにいたアイラがその片腕を大きく振るってはたき落とす。はたき落とした衝撃で鎮火された火炎弾だったものをみて、ワボンに怪我がなかったことに安堵するアイラ。そんなアイラのことを知ってか知らずか、今の今まで唸って頭を悩ませていたワボンはそうだ!と何か閃いたように言葉を発した。

「お兄さん、強いんでしょ?オレたちの寝床を守って?」

お願い!と両手を合わせて、おまけに悪戯っ子のように小首を傾げるワボン。ここが危険ならば守ってもらおう、この現状から。そんなシンプルな答え。もといワボンにとっては名案。最初に自分たちを心配してくれて隣の少年も援護してくれないかと期待を込めて事の成り行きを待つ。

ーーなんで、そうなる!

そのツッコミは隣の少年か、強い少年か。否、どちらでもない。ワボンのことをよく知るアイラの心の叫びである。



≫レッド、リュウト、グリーン

1ヶ月前 No.479

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_76W

【シルバ/オーレ地方 ウエスト・コースト/スーサイダー・ドック】

 『砂漠の狩人』一味は、結局のところアリスガワの企画したラストフロンティア攻略に乗ったのである、いや乗らざるを得なかった。
 シルバ自身も腑に落ちないが、そもそも彼らだけであの怪物を攻略出来るとは思っていなかった。
例え仲が絶望的に悪くても彼女やその船員達の実力はそれなりに認めている為、協力関係を結ぶのは致し方ないことであった。

「聞いたかよ、さっきの演説。どえらい下手くそだったぜ」

 柱に腕を組みながら柱に寄りかかり、この場にいないのをいいことにアリスガワの演説に相変わらずの態度で苦言を呈する。
 船員たちが慌ただしく船への資材搬入や整備作業を行う中、仕事が一段落したシルバ達『砂漠の狩人』一味は少しの間休憩に入っていた。

「まあ、なんというか彼女なりには頑張った方だろうよ」

 一方、木箱を椅子代わりに腰かけ煙草を吸いながら一息つくレオン。
 彼はアリスガワをフォローするような返事をする。

「どうだかな。あ、おやっさん俺にもそれ一本頼む」

 レオンの吸う煙草を顎でしゃくる。
 主にカントー地方で製造されている『ラッキーカイロス』という銘柄の煙草であるが、オーレ地方でもそこそこ出回っており人気のある銘柄である。
 木箱の上に置いてあったラッキーとカイロスの何だかお洒落なイラストが描かれたボックスタイプのパッケージを手に取り、中身を確認する。
 中には残り1本しかなく、名残惜しいがその最後の1本をしぶしぶとシルバに渡す。

「大事に吸えよ」

「サンキュ」

 煙草を受け取ったシルバは、早速懐からジッポライターを取り出し、口に咥え火をつける。

「ところでエコウの奴はどこ行ったんだ?さっきから全然見当たらないが」

「あいつのことなら船内で昼寝でもしてんだろうよ」

「どんだけマイペースなんだお前さん達は・・・」

 レオンはやれやれと呆れるが、こんな勝手な連中だからこそオーレで盗賊をやれてるのだろうとポジティブに捉える。

 そんな中、キャロルの乗組員が作業をしている隣のドックでは何やら賑やかな声が聞こえてくる。
 賑やかと言うよりか騒がしいぐらいである。

「あっちの方は色んな連中が集まってるみたいだな」

「大方、あの砂漠の海に眠る財宝狙いなんじゃねえのか?それにしても命知らずもここまで来ると勇敢に見えるな」

「アイツらの目的なんざどうでもいいさ、財宝なんて二の次だ。俺はただあのクソッタレなデカブツをぶっ倒す・・・・それだけだ」

 先程までとは打って変わってドスの効いた声色で"白鯨"に対する敵意を剥き出しにするシルバ。
 シルバを始めとした『砂漠の狩人』を砂漠の大海原へと駆り立てる原動力。それはラストフロンティアに眠る怪物に向けた並ならぬ"憎悪"であった。

「・・・『マチルダ』」

「なんだよ、急に」

 突然意味の解らない単語を言うシルバに、レオンは尋ねる。

「船の名前だ。これからこいつが俺たちの怒りを乗せて砂漠の大海原を渡るんだ。せめてもっともらしい名前をつけてやらねえとなって思っただけだ」

 こうして、彼らの目の前にある名もなき船に1つの名前が与えられた。
 様々な思惑を乗せた機帆船『キャロル』、そして対称的に盗賊達の怒りを乗せた機帆船『マチルダ』
 二隻の船の航海の果てに待つ結末は、果たして――――

>>アリスガワ、シャーロット


【時間軸:過去】

【リュウト/カントー地方/ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園】

ワボンと共にレッドとヒガナの戦いを見守るリュウト。
周りの人々が一様に避難してしまったこの状況でポツンと立つ様は危機感という言葉とは程遠いわけだが。
そんな2人の目前に、レッドの放った火炎弾が迫り…………

彼らの目の前で"掻き消えた"

のだ。

「なっ………なんだよ一体!?」

身構えていたリュウトだが、迫り来る火炎弾が消えたや否やその緊張を解く。
一部始終を全て目撃したわけではないが、なにやら空間が歪むと共にその火炎弾は跡形も無く消え去ったのだ。
そして、静寂と共に現れたその少年の姿に目を見開く。

その目前に見えるは、チリーンを携えた紫髮の少年。

――――「ルカに聞いたけどよぉ、やっぱ男だったか……」

すると、リュウトの身体をジロジロと観察し始めると思いきや、何やら勝手に落ち込み勝手に去って言ってしまった。
もはや会話を挟む隙間すらなかったその素早さにリュウトは目を丸くするしかなかった。

「(今………あいつ、ルカって言ったよな?同級生でもなさそうだし……ルカ達と同じカロス貴族の人間か?)」

いや、無い無い。
自分で推理しておいて否定する。あんな奔放そうな少年がカロス貴族だなんて到底思えるか?いや、断じてない。
まあそれを言ってしまうとルカ自身にも当てはまってしまうのだが、それはまた別の話だ。
しかし、事実とは小説よりも奇なり。リュウトもこの推理が実は正しかったとは思いもしなかっただろう。

素性のよくわからない少年が去った後、今度は彼のよく知った間柄の人物が姿を現わす。

「なんだ、お前も来てたのか」

マサラに来てから出会った仲間(とも)、グリーンである。

――――「お前、弟がいたのか?」

「それ本気で言ってんのか?」

ワボンとリュウトの2人を交互に見て、強烈な冗談をかますグリーンに半笑いで言葉を返す。
普段は堅物なイメージであるグリーンの放つ冗談はあまりにも堪えるものであった。
もっとも、確かに並び的には兄弟に見えない事はないのかもしれないが。

そしてまたしても飛来する火炎弾に今度はグリーンのルカリオがそれに対応する。
てか、あいつこっちの方狙ってんだろ。

―――― 「お兄さん、強いんでしょ?オレたちの寝床を守って?」

隣にいる名も知らぬ少年(ワボン)はどうやら旅の者らしく、この公園で野宿をするつもりだったらしいのだが、目の前で繰り広げられる戦いに阻害されているようだ。
………その1人が自分の友人だというのだから、少しばかりの責任を感じるのは彼なりの性であろうか。

「まあ……なんというか、ごめんな。あいつ加減を知らねえからさ、まあなんとかするさ」

「出てこい!マッスグマ!」

軽い詫びと共に、ベルトのボールホルダーに手をかけ自身のポケモンを繰り出す。

「とにかく、あの2人を止めるぞ」

レッドとヒガナの元へと突進していくマッスグマ。
リュウトの選択は、『2人の仲裁をすること』

>>ワボン、レッド


【時間軸:現在】

【リュウト/カントー地方/マサラタウン】

仲間達や繰り出したブラッキーと共に"白き翼"と対峙するリュウト。
一足早く動きを見せたアスレイに続き、彼もまた攻撃へと打って出る。

「護式(トレーナースキル)」

「"魂の昇華(ソウルアセンション)"」

パートナーと五感を繋げる能力により、リュウトの視界は一変しブラッキーの瞳に映る世界へと移り変わる。
ブラッキーは縦横無尽に白いフリーザーの周囲を駆け回り、攻撃の隙を狙う。

「"あくのはどう"!!」

シンクロする二人の意識により、指示してからコンマ1秒の誤差もない素早く放たれたブラッキーによる"あくのはどう"
その一撃が白き翼の元へ牙を剥く――――

>>マサラ防衛メンバー


【ミライ/???/氷結の結界】

ギア能力を発動させ、アオイの懐に迫るゼロ。
それを見ながらミライも自身の出方を伺う。

「(どう……動く……!?)」

ゼロは攻撃を加えようと試みるが、それは叶わず反撃を食らう。
今の彼女は、恐ろしく強い。
自分の意思ではないとは言え、その的確な動きは戦い慣れてきたミライやゼロにすら隙を与えず攻撃を仕掛けてくる。

それが、ミライの最も懸念している事項だ。予測もつかぬ動きに、対応する術があるというのか?

――――「くっ、ミライ。俺が囮になる。なんか技を頼むぜ!!」

「…………ゼロ。わかった」

自身を囮として差し出すことを決意したゼロと、それを援護するツカサ。
その背後に立つミライの策は……。

「………ツカサから貰った、この腕輪………これならッ……」

彼女の腕に装着されたZリングが光り輝くと共に、ミライは"無意識のうちに"自分でもよくわからないポーズを決める。

「行くよ……!!ラン………!!私達の全力技…………」

「"マキシマムザブレイカー"!!!!!」

意図せずして放たれた2人のZワザ。
エスパータイプ最強クラスの念動波による攻撃ではあるが、アオイ本人を狙ってはいない。
彼女の下半部を埋める氷の塊の一掃を見据えての一撃であった――――

>>アオイ、ゼロ、ツカサ


【ハヤト/???/氷結の結界】

「チッ………こいつでもダメなのかよッ……!!」

空中で放たれたピジョットが氷結の執行者の身体をまんまと砕いたと思いきや、すぐさま元の姿へと再生させられてしまう。
そのままピジョットは宙を旋回し、ハヤトの肩へと戻ってくる。

隣で共に戦うケンタとリオも、相性的に考えれば申し分ない筈のはどうだんを打つが、それでもなお、執行者に対するダメージは無かった。

「なんなんだあいつァよぉ……!!相性の概念ってもんがねえのか……!!」

――――「ハヤト!試したいことがある!タイプが違う技を何発か放ってみよう!!

「おう任せな……どうにも、あいつを倒すには俺たち2人で力を合わせる必要があるみたいだ」

「見せてやるよ、俺の真骨頂をよ!!」


「護式(トレーナースキル)――――"幻影の弾丸(ミラージュ・バレット)"」


ピジョットをボールに戻し再び弾丸として装填した拳銃を真上に上げ、空中に向けてボールを打つ。
打たれたボールは宙高くで眩い輝きと共に開かれ、空中に本物のピジョットを中心に四散した光が作り出した無数のピジョットの幻影が取り囲んでいるといった光景が出来ていた。

「さっさと……沈みやがれぇぇ!!!」

ハヤトが氷結の執行者へと指を指す。
すると、幻影のピジョット達は氷結の元へと突撃していく。
"はがねのつばさ"や"たつまき"など……各々違うタイプの技を携え、憎き敵を屠らんと迫る――――

>>氷結の執行者、ケンタ


【ガイ/ホウエン地方/ホロンの研究塔】

「私の攻撃を防ぐとは……一筋縄ではいかない様だな」

ガイの斬撃がひかりのかべにより防がれると、そのまま地面へと落下し鮮やかに着地する。

――――「ガイ!ユウ!飛ぶぞ!」

「ああ、分かっている……!」

言葉と共にガイは地を蹴り、高く跳躍をする。
その後、ユウがカードで呼び出したレックウザの頭部へと飛び移り、混沌の執行者の方を眺める。

更にはサクラギと断罪の執行者が呼び出したグラードンとカイオーガの『ゲンシカイキ」による姿を見て、かつてホウエン地方で起きた一連の事件を連想させる。

「伝説のポケモンが揃い踏みと言ったところか……いやはや、相手にとっては不足ないな」

巻き起こる天変地異、現れた3匹の"怪物"
その光景は心なしか、ガイの飽くなき強きへの探究心へと揺さぶりをかけていた。

「アウロラ!!!」

ガイはヒトツキを覆う極光の輝きの形状を変化させると、自身やユウの乗るレックウザ全体を纏うオーロラの盾として再構築し、断罪の執行者によるレーザーの一撃を防ぐ。

「くっ・・・・・・!!サクラギ!!奴の動きを止めてくれ!」

今のガイには、あの膨大な量のレーザーを受け止めるだけで精いっぱいであった。
一度断罪の執行者の動きを止め、隙を狙い超獣護式で突破口を作り出す。それがガイの狙いである。

>>断罪の執行者、サクラギ、ユウ

20日前 No.480

\イヌだー!/ @chii4423☆vtiKCoMifTQx ★Android=YVGMnapvMQ

【リスリ・アツバフキ/オーレ地方 ウェスト・コースト/スーサイダードック】

天気良好。湿度低下傾向。
吸い込んだ熱が、喉を、肺を焼き、全身を巡って再び外へと排出される。一呼吸の間に含まれる緊張、いつもの岩肌に囲まれる高揚とは違った胸の高鳴りを、すでに二周した名簿に目を落とす事で逸らそうとする。

事の発端はべろんべろんに酔った我らがアリスガワ社長がお前はがねタイプ好きだったよなあと話しかけてきた事からである。仕事は内容こそ言われなかったものの、オーレ地方で、しかも自分にとっては聖地のような場所でとのこと。誰も巻き込みたくないんだけどと繰り返す社長にすでに行く気満々の自分。翌日に忘れろと言われるもそれは無理だし仕事の邪魔もしない、でもはがねタイプの調査をしたいという名目でほとんど無理矢理着いてきた。その代わり死ぬかもしれないんだぞなんて安い報酬だ。常に死の危険と隣り合わせなところに飛ばされることもままある中、好きなものに囲まれて死ぬのだからむしろご褒美だ。
しかしこんな危険な環境にさえおおよそ一般人のような様相もちらほら見かける。大人しそうな少女、落ち着きのない少年、果ては妊婦とその夫らしき人物……大丈夫なのだろうかこの旅。

2度目のため息を吐いた直後、自身に被さる影に気が付き顔を上げる。鉄鋼を頬張り満足げにこちらを見下ろすボスゴドラがいた。……トープだ。荷物を積み込む手伝いをしていたはずだが、と疑問の視線を送ると先程までいたであろう場所を指さされる。メタグロス、フォッグがそこにいた。交代したらしい。まあ確かにご褒美もらうくらい頑張っちゃったえへへ、なんて言ったら、あの意地っ張りのことだ、ものすごく張り切るに違いない。
状況を把握したと一旦トープをボールに戻し、ついでに空を見上げる。ドータクンが左に3回転、安全の意味を示したのを確認し、「ミストー!! そろそろ降りてきて欲しいっスよー!!」と声をかける。遊び心か、ぐるぐると回転しながら降りてくるミストに指示を出そうとした途端、足元の地面も盛り上がり赤い目が覗く。ついでだ。グレイにも伝えてしまおう。

「こんだけ警戒してなんもいないんスから上空は待機不要と判断するっス。ミストはボール内待機、グレイは引き続き地下で待機で。何かあったら即報告で頼むっスよ。以上っ」

最後のスを言い切る前に、グレイが思い切り伸びをしてくる。咄嗟に左手でミストに触れ、右手を拳状にして突き出す。鋭い熱さと人にぶつかったにしてはあまりにも金属質なごつりという音とちょっとの衝撃。突き出た拳に額を合わせ、満足したのか持ち場に戻るグレイと、瞬間的に『同調』を使用され、文句を言わんばかりに目を閉じて呆れたようにボールに戻るミスト。「今のは事故じゃないっスかよぉ……」という小さな抗議は砂塵に紛れて消えた。熱した鋼に押し当てた左手が痛い、おそらく皮が剥けている。
しょんぼりと肩を落としたそばから件の夫婦の、旦那の方に通りすがりに左手を掴まれ悲鳴を上げるより早く手を離される。驚くべきことに爛れているはずの手のひらは、傷はおろか痛みすらなくなっていた。あの夫婦がどんな手品で船に乗ろうとしたのか、少し分かった気がする。礼を言おうとした時にはすでに背中しか見えず、それとなく辻プリーストという単語が脳裏を走った。

さて。手持ちのメンバーだけが必死に働いて自分は何もしないというのも割に合わない。名簿の最後にもう1度目を通し、まだチェックの済んでいない隣のドックの同行者……いわゆる『砂漠の狩人』のメンバーを見つめる。人数確認と挨拶だけでもしておくべきだろう。ああ、でも、社長のお知り合いと聞いたっけ。報告がてら社長が挨拶に向かわれるか確認した方がいいかもしれない。
よし、目標は決まった。軽く周りを見渡すと探していた人物はすぐに見つかった。少々頭の寂しい方……副官さんと言ったっけ、と談義しながら酒を煽っている。さっきまで声を張って扇動していた時も当然だが、やはりああいうガサツそうなところもかっこいい。美丈夫なんて男性を褒めるような言葉すら似合う。絵に描いたようなひとだ。話が一区切りつきそうなタイミングで「社長ぉー!!」と呼びかけながら走って近寄る。

「取り急ぎこっちの船に乗る人の名簿確認したっス。あとはお隣なんスけど、自分が挨拶に行った方が良いっスかね? それとも社長がお声がけされるっス?」

本当はもう少し雑談を混ぜたかったが、仕事のうちだ。極力手短に言葉を選び指示を待つ。

>>アリスガワ社長、『砂漠の狩人』メンバー




【おっそくなりました!! 詳細は日記に!! プロフィールお褒め頂いて嬉しいです。よろしくお願いします。
ところでモネちゃん17歳ということはハウ、リーリエ、グラジオはじめキャプテンや博士、スカル団エーテル財団メンバーも年齢層は上がってる感じでしょうか? ちょっとヨウくんを動かす上でちょっと必要になってくるかな、と……】

>>わんますさん

19日前 No.481

わんます @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

『たくさん背伸びの樅の木を』

『硝子や星で飾りましょう』

『うたたねシャルルは夢の中』

『抱えたものは、数え切れないプレゼント』

『リボンをすべて解いたなら』

『そのてのひらは、神様への祈りのかたちに』

(カロス地方の童謡 - イヴへとささげるいのりのうた)



【世界線:本編物語】

【時間軸:14年前】

【エカテリーナ・ドラグノフ/カロス地方 ミアレシティ】



『ヴェルガ兄様は、いつも私にこう言います』



(IMAGE: http://grade.upper.jp/imgup/upload/img20170703_190855_2.png)



『アザレア母様は、いつも私にこう言います』



『優しく』



『優しく、』

『掌に乗せてご覧なさい、エカテリーナ』

『小さきものの、鼓動が伝わるでしょう』

『如何に矮小な命とて、熱き血潮が巡っているのです』



『奪いなさい』

『その総てを』

『斬り拓きなさい』

『死を以って』

『私達が永らえるとは』

『即ち "殺す" 事にあるのです』






【時間軸:14年前 クリスマス・イヴの夜】

【ヴェルガ・ドラグノフ/クルブニーカ地方 樹氷の森上空】

【飛空要塞パビエーダ 司令室】



 幼き少女を平手で打つ、鋭い音。
 鎮まり返る一室にて、エカテリーナが自身の熱もった頬を撫ぜる。

「何故、加減した」

「ヴェルガ兄様」

「何故、加減したと聞いているのだ」

 その剣幕に圧され、少女のキルリアが彼女の足元を抱く。「血塗られた武家」、ドラグノフ・ファミリーの若獅子たる兄の眼光は依然突き刺すものの――――それに動じる事なく、エカテリーナはふるふると首を横に振った。

「コルニちゃんは、とても強かった。彼女はきっと、優秀なトレーナーになります」

「故に制さなかったとでも? 痴れ者が――――理由にすらならんッ」

 容赦のない平手が再び飛び、エカテリーナの小柄な体躯が床へと転がる。鼻血の斑点が生まれ、自身を案じるパートナーが駆け寄ろうとも、その整った顔に表情はなく。よろりと立ち上がり、怒りの宿った兄の眼を真っ直ぐに見る。

「片時も忘れるな」

「我らがドラグノフの在り方、そして、貴様自身の有り余る天賦」

「常に、 "血" を噛み締めろ」

 血、という単語に反応し、ふと自らの垂れた鼻血を舐めてみるエカテリーナ。幼き少女は、ぼんやりとした思考の片隅で、取り留めもなく想像を膨らませる。

 (もし、あの時――――)

 (コルニちゃんと、仲良くなれていれば)

 (私にも友達が出来たのかな)

 ふと、掌を見つめる。
 僅か6つにして、数え切れない程にモンスターボールを扱い、パートナーへと支持を飛ばしてきた血豆だらけの手。そして、僅か6つにして既に汚れきった手。ヒトもポケモンも、善も悪もなく――――分け隔てなく「殺して」きた。単純な理由だ。

 (私が、私である為に)

 躊躇や自責を覚えるには、少女はあまりにも幼すぎた。

「ペパーズ。エカテリーナの降下準備をしろ。ポイントは間近だ」

「はッ、サー・ヴェルガ」

18日前 No.482

わんます @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

【ウォルフガング/クルブニーカ地方 樹氷の森】



「以上、弟とオーレで盗賊やってた頃の話だ」

「世間一般じゃあ御伽話だが、ところがどっこい現地の人間にすりゃ日常模様ですよ、ってな……。この紛争だってそうさ。カロスのお坊っちゃんなんかからすりゃ御伽話もいいところだぜ」

 スキットルのラムを飲み干し、焚き火に当たるこの剽軽な男が――――かの百戦錬磨の傭兵たるウォルフガングだとは俄に信じ難い。狂気の大海ラスト・フロンティアにて盗賊行為を繰り返した後、生まれ里であるカスケーダ地方にて兵役を経験。その「実践力」と「統率力」を駆使し、今では世の戦場を渡り歩く強者として……

「しかしよぉ、クマシュンの肉って初めて食ったけど美味ぇんだな! クルブニーカだと珍しくもねぇんだろ?」

 ……が、やはりどうにも眉唾ものである、と「政府側」の派閥の兵士達が首を傾げる。

「ところでウォルフガングさん、今回の見積もりは……?」

「30ってとこだ」

「思ったよりいいんですね」

「何にせよ、俺が一人いりゃ戦況は変わる」

「しかし、ここいらはあの "スノーゲリラ" の潜伏地ですよっ。我々も長い事煮え湯を飲まされてますがね、幾ら百戦錬磨の傭兵といえど一人では――――」

 瞬間、どッ、と地を蹴る力強い音。
 焚き火を囲む兵士達が腰を上げるよりも尚、疾く――――ウォルフガングの長銃(ライフル)が、永久凍土の闇へと向けられる。

「護式(トレーナースキル)」

「 "千里眼(ホークアイ)" 」

 装填されているモンスターボールから、蒼きオーラが「湧き立ち」、傭兵を包み込む。トレーナースキル、『千里眼(ホークアイ)』。その真価とは、視えざるを暴く事に在り。パートナーであるフカマルが「射出」された瞬間、同時にその牙は着弾。どてっ腹に風穴を空けられた、一体のツンベアーが氷原へと倒れ伏す。

「こ……これが、護式(トレーナースキル)……!」

「スノーゲリラ……クルブニーカの先住民族で構成された戦闘部隊(グループ)か」

「独特な風習だよ。喰らったポケモンの皮ァ被って、そのまま奇襲をかけるなんざ」

 ツンベアーの遺体を転がせば、顕になる「それ」の正体。彼の生皮を被った、先住民族スノーゲリラ……目を見開いたまま事切れている彼に対し、その瞼を伏せ、十字を切る傭兵。

「アーメン、戦士(ウォリアー)よ」

 直後、凍土を包む背景たる闇が、一斉に蠢く。

「ひッ、ひいッ!? 何だぁ!?」

「スノーゲリラの奴らがまだ此処らにッ!」

「落ち着きな」

 上半身に巻いた弾倉を直し、ウォルフガングが首を鳴らす。

「こちとら、こんなモン慣れっこなんだよ」

 くるくると両腕に構えた長銃を回し、自身のパートナーであるフカマルを足元にて控えさせる。物量にて圧倒すべく接近する「闇」を――――傭兵とパートナーの眼は、やはり捉えたまま。パートナーを「射出」、射殺、射出に次ぐ射殺、接近を許した相手は、フカマルがその牙を以って玉砕。ぬらぬらとした血液が霜の合間を流れて冷え、しかしその臭気はむせ返る程になった頃。

 戦場にて健在していたのは、傭兵ウォルフガングだった。

「ッ……す、すげぇ……!」

「スノーゲリラは一人では、何だって? ン?」

 ふぅ、と白い息を吐き、フカマルの頭を撫でるウォルフガング。剽軽な態度の裏には、常に光らせた観察眼と臆病が在る。故に、男は今もこうして存在している。

 故に、男は



 生涯最大級の「底冷え」を、何よりも速く感じ取った。



「逃げろ」

「え?」

「一人残らずだ。振り向くな。走れッッ!!」

 半ば絞り出すような怒声に、訳もわからぬままに駆け出す兵士達。人一倍の経験だからこそ、判る。ウルルと喉を唸らせ、狂ったように闇を覗くフカマルを制し、銜えた煙草に火を灯そうとマッチを擦るが――――震えた手では、何度繰り返そうとも熱は生まれず。

「参ったな」

「死神が視えた」

 彼の『千里眼(ホークアイ)』が可視化したのは、凍土の闇すら塗り潰す程にどす黒い「死」の気配。髭を蓄えた顎先から冷や汗が垂れ、血塗れの霜と混ざり合う。

「アーメン、神よ」

「どうか、……この私めに力を」



【戦闘区間/クルブニーカ地方 樹氷の森】

【百戦錬磨の傭兵 ウォルフガング】

 VS

【戦場の死神 エカテリーナ・ドラグノフ】



 "ともだち"
(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=VMVOwH2exHs)

18日前 No.483

わんます @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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18日前 No.484

ゼロ @0xxx0jienx ★iPhone=LVh58J0tGp

【世界線:本編物語 時間軸:過去】


【ワボン/カントー地方 ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園】

 謝罪と共に2人が手持ちのポケモンで応戦してくれる。すぐに対応し、またワボンの言葉を疑わずに助けてくれる2人に悪戯っ子の笑みは消え、ただただワボンは目を丸くさせた。息をつく間も無く飛んでくる火炎弾を華麗に弾き落とすルカリオと、決して攻撃はせずこの騒ぎの元凶である2人の戦意を喪失させるマッスグマ。無駄のない動きに息を呑む。ワボンの様子を感じ取ってかアイラも視線をワボンから前へ移し、静かに……ニヤリと笑った。

ーーおもしろい奴らだ。

そんな風な心情なのだろう。一時は変な面倒事に巻き込まれたが、お互いに収穫のある体験だったに違いない。まぁアイラはその後のトレーナー達の有り様に向かいにいるボーマンダと同じく再び呆れ顔になったのだが。

 ワボンはというと、アイラとは反対に目の前で繰り広げられるトレーナー達の醜態を見て「あはははっ」とケラケラ笑っていた。本人達はゲンコツ喰らって笑えないのだろうが見物してる側からは、まるで漫才を見てるかのようであるから仕方がない。そうこうしてる内に収拾がついたのか、ルカリオのパートナーが改めて詫びを入れてきた。それに対しワボンも大笑いをやめ、にこにこと喜びを表す。

「んーん、こちらこそありがとうお兄さん。ルカリオがバンバン炎の弾を弾き落とすのかっこよかった!そっちのお兄さんはリュウトっていうの?リュウトもありがとう、マッスグマすごかったね〜ビュンビュンっていっぱい回ってさ。コーヒーカップみたいだったね!背中に乗って一緒に回ったら面白そーだろうなぁ」

お礼を述べつつ賞賛しつつ呑気なコメントをするワボンの横で、アイラがガシッとワボンの後頭部に手を置き、ぐぐっと下げさせた。やられらたワボンは「あわわ」と言いつつも流されるまま。ポケモンに教育される人間とは、これまた珍しいがワボンたちにとっては至って普通。のほほんとお気楽なワボンとしっかり者のアイラ、お互いがいて成り立つ外部とのコミュニケーション。その証拠に、1人と一匹はしっかりと感謝の意を込めてお辞儀をする姿となった。

数秒して、頭を上げた後のアイラの視線。向けられたその目は、早く名乗れ!礼儀だろう!と言わんばかりの睨み。まるで母親である。意思の疎通ができるもの同士だからすんなり解決するが、わからなけらばただただ睨まれて怖いだけ。慣れたものだとワボンも心の中で吐き、しっかりと恩人たちの方を見た。

「えーと、改めて助けてくれてありがとう。オレ、ワボン。こっちはパートナーのオコリザルのアイラ。2人で人探しの旅をしてるとこなんだ。そっちのお兄さんとお姉さんのバトルが水と炎のお祭りみたいで思わず魅入っちゃってたんだ。それで危なかったんだけど、助けてもらえてよかったよかった」

あはははっとあっけらかんと笑う自己紹介とはなんだっとアイラは叱りたくなったが、もう何を言っても呑気に躱されるのが目に見えてるし、疲れるので黙っておいた。


≫その場All

18日前 No.485

\イヌだー!/ @chii4423☆vtiKCoMifTQx ★Android=YVGMnapvMQ

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※警告に同意して書きこまれました (性的な表現)
16日前 No.486

\イヌだー!/ @chii4423☆vtiKCoMifTQx ★Android=YVGMnapvMQ

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14日前 No.487

aki @asynchro73 ★iPhone=WAXDwGGy0d

【シルバ/オーレ地方 ウエスト・コースト/スーサイダー・ドック】

「さてと・・・・・・休憩は終いだ。おやっさん、作業再開と行こうぜ」

「だな、ちゃっちゃと終わらせるか」

 煙草も吸い終わり、一通りの休息を取ることの出来たシルバとレオンは船の元へと戻り整備作業を開始する。
 見かけによらずこういう細かな作業が得意なレオンは、テキパキと整備を進める。
 シルバは他の船員達と同様に資材の搬入をしたり、レオンに整備用の備品を持ってきたりと力仕事が主であった。

 そんな彼らの元へと迫る人影が1つ・・・・・・

――――「レーオーンちゃーん! ちょっとさぁ、ウチのキャロルも見てってよ! ホントセクシーだからさぁ」

――――「シルバちゃんも美味しそうよねぇ……特に上腕二頭筋の辺り……むしゃぶり付きたいくらいよっ」

「ちょっと待て!!おい!おやっさん!!なんなんだころカマ野郎は!」

 シルバに後ろをべたべたと付きまとうようにひっつき歩く巨漢、ニキータ。
 如何にもシルバの苦手そうな相手であるが、案の定しっしっと虫を払いのける様な扱いをする。

「おう、ニキータじゃねーか!お前さんも相変わらずだな」

 そんな彼になんの抵抗もないレオンは、普段通りの調子でニキータに対して振る舞う。

「シルバ、大丈夫だ。そいつは悪い奴じゃねえ。・・・・・まあ、見てのとおりの"カマ"ではあるが」

「……そうかい。しかしまあ、こいつもアリスガワのお仲間ってわけか・・・・・ヘンテコナな奴もいるもんだな……」

 べたべたと暑苦しく触ってくるニキータに諦めが付いたのか、一変して無抵抗になるシルバ。

 そんな中、続々とキャロルの乗組員たちが彼らの前に姿を現していき、正式に両者の顔合わせが始まる。
 くたびれたオッサンという第一印象を与えて来るウォルフガングに、喋るパッチールのパッチ。
 ……そしていつも通りシルバに対して挑発をかましてくる我らが社長、アリスガワである。

 挑発には挑発で返すかの如く、中指を突き立て鬼の様な形相でアリスガワを威嚇するシルバ。

「……大変なのはお互い様だな」

やれやれと呆れたように両船の船長を交互に見て、ウォルフガングと共に溜息を吐く。
なんとも先が思いやられる2人である。

――――「自分が有限会社ナナシ派遣の社員、アツバフキリスリ……あっと、リスリ・アツバフキっス。至らない部分もあるとは思うっスけど、何卒よろしくお願いします」

そして、アリスガワの隣に潜む巨パイ……もといリスリを見て鼻を伸ばすレオンだが、こほんと咳払いをして、気を取りなし挨拶を返す。

「お前さんは見かけない顔だと思ったら、ふむふむなるほどな……ナナシの社員だったわけか。俺はレオン。んでもって、こっちの阿呆がシルバだ、よろしく頼むぜ」

「誰が阿呆だ」

これから死線を潜る『キャロル』の船員達との無事(とは言い難いが)顔合わせを終えた砂漠の狩人一味。
お互い頼りに……なるのかどうかはわからないが、個性豊かな面々であることは間違いなさそうだ。

>>ドック一同


【世界線:本編物語 時間軸:過去】

【リュウト/カントー地方 ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園】

争う2人の元へと投入されたリュウトのマッスグマ。
ヒガナとレッドを取り囲むようにぐるぐると翻弄し、戦いはようやく終わりを迎えたのだった。

「ふぅ、助かったマッスグマ!……全く、やるならもうちょっと場所を考えろっての」

グリーンのゲンコツが炸裂する中、マッスグマをボールへとしまいゆったりとした足取りで3人の元へと歩み寄るリュウト。
そして、その1人は彼も見知った人物であり……。

――――「あー、リュウトじゃん。てっきり社長とラスト・フロンティアに行ったかと思いきや」

「ヒガナ!?お、お前だったんか……こんなところで一体全体なにやってんだよ」

オーレ地方アゲトビレッジ以来、実に数ヶ月振りの邂逅である。
先ほどは遠目で目視することはできなかったが、どうやらレッドの喧嘩あいては彼女で間違いなさそうである。

「ま、無事解決だな……連れが迷惑かけてすまなかったな。えっと……」

名も知らぬ少年に話を振るが、そういえば名前を聞いていなかったことを思い出す。
何やら先程の現場での一部始終を見て興奮したのか、あれやこれやと感想を述べていくワボン少年だが、彼のパートナーであるオコリザルに一瞥されようやくその名前を名乗り始める。

「なるほど、ワボンって言うのか。いやなに、こっちこそ寝床を脅かす様な真似してすまなかったな」

ワボンの隣にたたずむオコリザルを興味深そうに見つめる。
どうやらこちらはアイラと言うらしい。いい相棒に恵まれているみたいだ。

「そうか、人探しの旅を……。ここであったのも何かの縁だ、何かあったらいつでも話は聞くぜ」

グッと親指を突き立てワボンに向ける。
新たな友人との出会いにより、少々リュウトも気分が乗ってる様子であった。

>>公園一同

14日前 No.488

わんます @onemass ★Android=Os5V5CdCuC

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※警告に同意して書きこまれました (性的な表現)
10日前 No.489

ツバサ @th0md ★iPhone=4oP04sFbTa

【ゼロ/???/氷結の結界】

「なんだあの構えは…?」

「分かりません!ですが!」

ノーマークだったミライ達のマキシマムザブレイカーの念動波は彼女の下半部の氷の塊へと向かい…

バリィイイイイン!!!

「きゃあ!!」

氷は砕け散りアオイは空中へと放り出される。

「今だ!!」

ギアはいつも奇跡を起こした。ミライが道を開いたなら自分も前に進むしかない!ゼロの右手は紫色のオーラを纏う!

「これでどうだ!!」

右手から再び衝撃波をアオイにぶつける。

「あっ!」

紫色の衝撃波を受けてさらに吹き飛ばされるアオイ

「ツカサ!キャッチしてくれ!」

「はい!」

ツカサは瞬時に移動し地面に叩きつけられる前に受け止める

「アオイさん!」

少し目が虚ろになっている。が、命に別状はなかった。

「安心してください。無事です」

「ゼ……ロ…君。……ミ…ライちゃ…ん…」

アオイは震えた手でゼロとミライの手に触れる。その手はとても冷たかった。

「あり…が…」

感謝の言葉を伝えたかったが…全て言い切れずアオイは静かに目を閉じた。

「気を失っただけです。ですがこれで彼女は安定するはずです」

「そうか…ありがとうミライ。お前のおかげでアオイを助けられた」

素直に礼を言うゼロ。アオイさんの件は片付いた。あとは氷結を倒すのみ。

「問題はあの氷の壁だな。ミライ。さっきの技もう一度できるか?」

>>ミライ


【ケンタ/???/氷結の結界】

先ほどのはどうだんにブレイブバード…おそらく効いてないという事はない。ブレイブバードとはどうだんにより相手のタイプを一気に絞り込めた。かくとうタイプは攻撃側にとって相性の差が一番激しい。通常の威力であたるのは全部で7タイプある。そしてブレイブバードが当たったと仮定しても4タイプに絞られた。

ハヤトの攻撃に続きリオに技の指示を出す

「リオ!いわなだれに、みずのはどうだ!」

(わかった!)

リオは波動により作られたみずのはどうと生み出された岩を氷結にぶつける

ーはっはっは!やけになったかい?ちょっと避けてあげようかな?ー

そんなこと言いながらなにもせずただ食らう氷結。余裕をかましている様だった。ただ、ハヤトが放ったはがねのつばさとみずのはどうはかわした。

ケンタは疑問を抱いた。もし、奴がポケモンでないなら先ほどの攻撃を受けてもなんともないのはわかる。

だが二つの技だけをかわしたのか。もし、奴の正体がポケモンで今までの攻撃の相性が普通で、かわした技に相性が悪いのであれば…答えはひとつ!

「わかったぞ…氷結!一つ聞くぞ!」

ーなにかな?ー

「あんたはポケモンなのか?」

ーさぁどうかな?ー

どうやら答える気はない様だ。しかし、それは想定内だ。
そして、その慢心こそが奴の敗因でもある

「俺は一つの答えにたどり着いた。もしあんたのその人の姿が仮初めでほんとはポケモンだったとしたらあんたのタイプは…

水タイプなんだ!!!」


>>ハヤト



【サクラギ/ホウエン地方/ホロン上空】

「突破口があるってぇの?ユウ!ちょっと危ないから回避に専念してな」

「え?いきなりなにを?」

「こちらも『終わりなき攻撃』をしてやるのさ!」

サクラギも空間を開く。開いた場所は全て、断罪が開いた空間の目の前である。

お互いの威力は互角で二人のビーム攻撃は爆発により相殺される。

『ならば、これはどうだ?』

指をクイッと動かし大地からホロンの研究塔を抜き取り、サトシ達に向けて投げつける

「おやおや…」

パシッと塔を片手で受け止める

「塔を投げるなんて…ご近所迷惑でしょうが!」

身体を一回転させて断罪に投げ返す。

「ついでに俺からのサービスだ!受け取れぇ!!ヘル・バースト!!!」

投げ返された塔へと暗黒のエネルギー波を放つ!

ドガアァアアアアン!!

激しい煙の中からとてつもない力を感じる!断罪が力を溜めていたのだ!!

『馬鹿め!!直撃だぁあああああああ!!!』

「あ、ダークネスブレードか。マズイなこれ」

ダークネスブレード。サクラギが開発していた技でかつての神滅斬をめっっっちゃ強化した技であり。あのままではこの『切り離された』世界ごと真っ二つにされかねない。

「どうするんだよサクラギ!?」

「知ら管」

「ええ?!」

『消え去…!!』

ドクン…

『馬鹿な…!?体に力が入らん!?』

「久しいっすね…ユウ先輩!」

「サトシか!?」

『貴様!?消えてなかったのか!?』

「今だ行ってこい!あの時みたいに力を貸してやるぜ!遠慮なくやれ!ガイ!」

ガイの背中をパシッと叩く!ガイの力を向上させる魔法をかけたのだ。

>>ガイ

8日前 No.490

ゼロ @0xxx0jienx ★iPhone=bEdv7LuluY

【世界線:本編物語 時間軸:過去】


【ワボン/カントー地方 ヤマブキシティ/ヤマブキ都市公園→喫茶店】

ボーマンダと少女が颯爽と飛び去るのを眺め、ばいばーいとつられて返したワボン。見た目通り幼い印象を与える要因の一つといっていい、彼の素直さはこの夜でも健在だ。素直とは、疑ぐることをせずそのままを受け止めること。そして意のままに動くこと。その姿は時には天使に、そして時には悪魔にもなりうる危うさがありーーーー。

“だから、こいつは目が離せない”

そう思っているのはワボンのパートナーであるアイラだ。今も、ワボンの動作一つ一つを静かに見守る。そんな風に見られてるとは知らない本人は、リュウトに哀れみとは違う優しさからくる言葉をもらい、彼と同じくグッと親指を突き立てニコリと笑っていた。

「え、オーキドって有名なポケモン博士の?グリーンはオーキド博士と同じ名字なんだ!ジムリーダーで博士と同じ名前なんて、なんかすごいね!」

グリーンの話に驚きつつも感心して、先ほどのバトル時と同じように目をキラキラさせるワボン。そしてグリーンに3発目のゲンコツをくらい倒れ伏したままで片腕を挙げるレッドに近づいて、「レッドもよろしくねー」とその手にタッチした。そのまま流れは解散という風に思えたが、足を進めたグリーンが立ち止まり“飯を奢る発言”をしたかと思うと、いつ起き上がったのかレッドが調子のいいことを言いながら、それにグリーンがキッパリ返す掛け合いをする。

やりとりを聞きつつ、奢る発言が確実なことだとわかったワボン。もう目だけでなく、全身で喜びを表し「やったー!」とぴょんっと飛び跳ねた。低い身長故に飛び跳ねても小さいままなのだが。

「ありがとーー!グリーン……グリーンお兄ちゃん!」

名を名乗られてからは呼び捨てをしていたが、レッドのお茶目な発言を聞きそれに従うようにグリーンに“お兄ちゃん”をつけたワボン。アイラはというと、嬉しさ半分心配半分というなんともいえない顔つきでグリーンを見る。アイラは一体何を心配しているのだろうかーーそれは、この後に嫌でもグリーンが目の当たりにする現実であった。

ーーーー…………


「えとねー、メニューにあるもの全部食べたいな」

ところ場所は変わりーーグリーンの行きつけの喫茶店についた一行。席に案内をされ、メニューを開くと同時のワボンの発言にアイラは額を押さえ、申し訳なささで、あーーと項垂れた。

「いつもお金も全然なくて、少ししか食べれないからお腹すいてたんだけど、嬉しいなー!今日はグリーンお兄ちゃんの奢りだから、オレお腹いっぱい食べれる!よかったねアイラ」

奢りとは言われたが、そんな額を出すとはグリーンは言ってないぞとアイラは思ったが、このキラキラした嬉しそうな顔を見ると普段我慢させている分何もいえなくなってしまった。


≫その場All

【流れ的に喫茶店に場面転換しました。確定ロル申し訳ないです。】

8日前 No.491

ユウキ @yuuki777 ★ALBZQvbWQp_yoD

【白いフリーザー/カントー地方/マサラタウン】

マサラを守る若人たちが襲撃者たる白いフリーザーへと一斉に飛び掛かる。

正面から迫るレッドの燃え盛る灼熱の拳。
次に頭上から襲い来るグリーンのニドキングから放たれし王者の槍。
そして、リュウトのブラッキーによる素早い動きから驚異的な精度でこちらを狙い撃つ『あくのはどう』。

更にアスレイから与えられた雷の剣によって背後から斬り掛かるヴァドックも加え、四方八方から攻撃が迫り来る。
その完璧な布陣に逃げ場はなく、白いフリーザーとて直撃は免れないと思われたが――

『プットオン』

白いフリーザーは自分の周りに小規模の猛吹雪を発生させ、自らの身体を凍り付かせることによって巨大な氷の繭を作り出し、皆の攻撃を防いでしまう。

『キャストオフ』

更に殻を破るかのごとく、内部から勢いよく氷を砕くことにより、その破片を飛ばし、攻撃を仕掛けてきた若人たちにカウンターを仕掛けた。

「ちっ、味な真似をしやがるぜ!」

持ち前の素早さによって直撃は免れたものの、かすり傷を負ってしまったヴァドックが苦悶の表情を浮かべ、舌打ちをする。

『貴方たちは地上戦がお得意のようですね』

『しかし、空中戦はどうでしょう?』

一瞬のうちに空高く移動した白いフリーザーが、その大きな翼を広げるとそこから凍てつく羽を大量に撃ち出し、地上にいる皆に向かって攻撃を仕掛けた。

>>マサラ防衛メンバー

5日前 No.492

\イヌだー!/ @chii4423☆vtiKCoMifTQx ★Android=YVGMnapvMQ

【リスリ・アツバフキ/オーレ地方 ウェスト・コースト
スーサイダードック】

やっぱり挑発だった。
おっそろしい顔でこちらを睨んでくる暑そうな格好の人にやや腰を抜かすも所詮安い挑発と割り切り、毅然とした態度を崩さない。しかし背後からかちり、かちりという音が聞こえ、違和感を覚えつつ相手の……ごつい人もといレオンの挨拶に一礼する。暑そうな人はシルバという名前らしい。直後背後の音がより一層激しくなり絶え間なくガチガチと鳴り続け始めた。
今度こそ振り向くとエクリュが尋常ではない様子で鞘から剣を抜かんばかりに震えていた。……恐れ? 違う、これは明確に怒っている。

おそらく最初の挑発がすでに癪に障っていたのだろう。その音の時点で止めるべきとやや背後を向いたのだが、すぐに挨拶し返されてしまい制止には至らなかった。その、少し背後を向いたが故に気づけなかったのだ。その一瞬の間に起こったエクリュを怒らせたレオンの所業に。
ふた振りを上から押さえつけ「ステイ!! ステイっスよ!!」と必死に声がけしている間に社長はすたすたと歩いて行ってしまう。ああ、読めないその言動がクールだ。最高だ。未だ血眼(血が通っているかは分からないが)だが幾分落ち着いたエクリュと共に慌てて社長を追いかける。覚えてろ、と言わんばかりに後ろを向いて一瞥した2本をこら、とそろそろ窘めた。

子供のようなやりとりを横目に見ていささか不安は覚えるが、いずれにせよ賽は投げられたのだ。砂地なら彼らの方がずっと詳しい。黙ってついて行った方が身のためだ。というかパッチさんは何か罰当たりなことでもしたのだろうか。そっちのが気になる。
ちょうど積み込みが終わったらしいフォッグがやりきった表情でこちらに来た。咥えている鉄塊はトープの目測1.25倍ほどの大きさである。……本人が満足ならいいだろう。勝手にボールのスイッチを押して中に入るフォッグにもはやツッコミを放棄し、そういえば、と地面を見定める。

「グレイ、そろそろ浮上っス。あとは船の速度を見ながら追いかけるかどうか判断するんで、とりあえずボールに入ってて欲しいっス」

声をかければどこからともなく引きずるような音とやはり盛り上がる足元。赤い目が覗き、その長い体がゆっくりと自身を中心にとぐろを巻く。
砂の海がよほど気に入ったのだろう。窺うような眼差しはもう少しとどこか駄々をこねているようにも見える。首をゆるゆると振って否定すれば仕方なさそうに手に持ったボールに口元が近づき、それが触れるか触れないかの部分で巨体が収まる。

これでもう自分に有利なことはなくなった。溢れるくらいの期待に首をもたげた不安を隠し、劈く程の大音量と先が見えぬことを暗示するような黒い煙を、エクリュを撫でながらただただ眺めていた。

>>メンバー


【出航了解です!】

5日前 No.493

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_76W

【ミライ/???/氷結の結界】

 ミライの放った全力の一撃"Zワザ"
 それはアオイ本人を攻撃するのではなく、彼女を捕えていた氷の破壊を目的として放たれたのだが。

 氷の割れる音と共に宙へと放りだされるアオイ。

 彼女の繋いだバトンは、確かにゼロ達へと受け継がれていた。
 ゼロのギア能力による衝撃波によってアオイは吹き飛ばされ、それをツカサが受け止める。

「アオイ……!!!」

 助ける為とはいえ、彼女に攻撃をくわえてしまったことに責任を負いながらも、アオイの元へと駆け寄る。
 途切れかけた感謝の言葉と共に、気を失うアオイに対してミライはうんうん、と頷く。

――――「そうか…ありがとうミライ。お前のおかげでアオイを助けられた」

「私だけじゃない・・・・・2人がいたから、アオイを助けられた」

 アオイの救出は完了した。しかしまだ問題は山積みだ。

「あいつを・・・・・倒そう」

 彼女をこんな目に遭わせた憎き相手、その討滅。
 それが今の3人のやることである。

――――「問題はあの氷の壁だな。ミライ。さっきの技もう一度できるか?」

「任せて・・・・・やってみる」

 再び、Zワザ特有のポーズを決める。
 そして光輝くZリングと共に繰り出されし全力技。

「"マキシマムザブレイカー"!!!!!!」

 それは彼を隔てる氷の壁を破壊せんと放たれた!!

>>ゼロ、ツカサ、アオイ


【ハヤト/???/氷結の結界】

 ピジョット達の幻影により繰り出される様々な技の数々。
 そしてケンタのリオの放つ技により氷結の執行者を追い詰めていく。

 ・・・・・と、思いきや氷結の執行者は余裕といった様子で放たれた技を交わしていく。

 そんな中で、ケンタが行きついた答え。


――――「俺は一つの答えにたどり着いた。もしあんたのその人の姿が仮初めでほんとはポケモンだったとしたらあんたのタイプは…水タイプなんだ!!!」

 「あいつが・・・・・・水タイプだってのか!?」

 今まで氷による攻撃を加えられてきたハヤト達にとっては俄かには信じがたい事実である。
 だが、相手の相性を考えると辻褄があっている。

 そして、その直後。
 彼らをわけ隔てていた氷の壁が轟音と共に砕け散る。

「・・・・・・・待ってたぜ、お前達」

 そこから現れたのは、ハヤト達のよく知った人物たち。
 ゼロとミライ、そしてアオイを抱えたツカサの姿であった――――

>>氷結の執行者



【ガイ/ホウエン地方/ホロン上空】

 上空にてビームによる一撃を耐え凌ぐガイ。
 サクラギがそれをなんとか相殺するが、それでも攻撃は止まない。

 だが、断罪の執行者は唐突にして動きを止める。

「サトシか・・・・・・いいタイミングで"現れてくれた"」

 バシっと背中を押され、ガイはその力を遺憾なく"発揮"する。

「(破界護式を使えば、恐らくアイツを仕留めるには充分すぎる程の威力だろう、だが昨日のフレアとの戦いで連発する程の力は残っていない・・・・・・)」

「ならばこそ、力を貸して貰うぞ!!"UB(ウルトラビースト)"よ!!!」


「超獣護式(ビーストスキル)」



「英雄の武具庫(アーマリオン・カロス)!!!――――」



 ガイの背後より生み出された巨大な空間の裂け目が3つ現れる。
 その空間の裂け目に繋がるウルトラスペースには、彼がイメージするありとあらゆる武器を具現化し、内包している。
 そして、その中の1つである巨大な砲身が、3つの裂け目より姿を表す。


「これで・・・・・終わりにしてやろう」


「目標捕捉――――全弾発射!!!」


 ドンッ!!!という音ともに3つの砲身より放たれた巨大なレーザーによる一撃。
 それは断罪の執行者と、彼の呼び出したゲンシカイキカイオーガへと向けて放たれた――――!!

>>断罪の執行者、サクラギ、ユウ

2日前 No.494

aki @asynchro73 ★SDuZ9bwcdx_76W

【シルバ/オーレ地方 ウエスト・コースト/スーサイダー・ドック】

 ――――かくして、命知らず・・・・もとい、個性豊かな面々との顔合わせを終え、砂漠の狩人一行は拠点となる船の元へと戻っていた。

「よう、エコウ。熱心だな」

 整備作業も一通り終わり、船内の雰囲気は後は出航を待つだけと言った感じになっている中、シルバはエコウの部屋を訪れる。
 昼寝をしていたと思われていたエコウは自室にてひたすら筋トレを繰り返しており、部屋中には彼が流した汗でムッとした空気が漂っていた。

「うん。あの砂漠の海は一筋縄じゃいかないだろうから」

 部屋に訪れたシルバに気付き、額で汗を拭う。

「後悔してないの?これから行く先で、俺達も死ぬかもしれないのに」

 そして、エコウは問う。
 シルバ達の選んだ"復讐" その先で自分達の命も尽き果てるという可能性。
 その道が正しいか間違いかなど、今の彼らに知る由もない、だが――――

「馬鹿野郎、するわけねえだろ。こいつァ俺たちが選んだ道だ、テメェで決めた事を貫かなくてどうすんだよ」


「・・・・・それを聞きたかった」

 不敵に笑うエコウ。
 自分達の行く末を再確認した2人は、拳を合わせ、向かい合う。

「頼りにしてるぜ、エコウ」

「こっちこそ」

 絶対的な信頼関係を築いているこの2人だからこそ、互いに命を預けられる。
 この剣は誰が為に、両者のその想いは果てしなく揺るぎない物であった。

 ――――さあ、今こそ船出の時だ

>>ドック一同



【世界線:本編物語 時間軸:過去】



【リュウト/カントー地方 ヤマブキシティ/喫茶店】

 ヒガナとの感動(?)の再会と別れもひとしおに、グリーンの提案で喫茶店でメシを食べる事になった一同。
 これから始まる食戦士達(フードファイター)の熱き戦いは如何に、そして彼らは果たしてグリーンにメシを奢って貰えるのか!?
 さあ、今闘いのゴングが鳴り響く!!!―――

―――「えとねー、メニューにあるもの全部食べたいな」

「は?」

 眺めていたメニュー表をすっと落とす。
 彼はいまなんと言った?メニュー全部?マジで?

「……ご愁傷さま、グリーン。俺、自分の分は自分で払うよ」

 憐れむような眼でグリーンを見るリュウト。
 というか、こいつも奢って貰う気でいたのか。

「いやしかし、随分と食うんだな・・・・・・」

 小柄な体型からは想像もできない大食らいであることが判明したワボン。
 このメニュー全てを平らげようとするとは一体どんな鋼の胃袋の持ち主なのか。

「そうだな・・・・・・俺は・・・・・・・」

「・・・・・適当にパスタでも食ってくかな」

 そして、この落差である(正常ではあるが)

>>喫茶店一同



【世界線:本編物語 時間軸:現在】


【リュウト/カントー地方/マサラタウン】

 ブラッキーによる"あくのはどう"による一撃。
 それは間違いなく正確に、白きフリーザー屠る程の威力があった。しかし―――

「厄介な氷だなっ……!!」

 フリーザーを包み隠しように発生した吹雪による厚い守りの壁。
 それにより戦士たちの攻撃を防ぎ、砕かれた氷の破片が一同を襲う。

 その鋭利な氷を避けるも、破片の1つがブラッキーの頬をかすめる。
 そのため、護式"魂の昇華"により痛覚といった諸々の感覚を共有しているリュウトの頬にも軽く切り傷ができ、血がしたたる。

「みんな、無事か!?」

 リュウトも致命傷は免れたとは言え、傷を負ってしまった。
 周りを見回すとヴァドックも深手とは言えないまでも氷の破片を食らってしまったみたいだ。

 腕で血を拭いながら、次の一手を考える。
 闇雲に攻撃を仕掛けても先程の様な反撃をされる恐れがある、慎重な選択をしなければかえって命取りになってしまう。


―――『貴方たちは地上戦がお得意のようですね』

―――『しかし、空中戦はどうでしょう?』

「上からの攻撃なんて冗談じゃねえ……!!」

 上空へと羽ばたき凍てつく羽根を地上へと振り下ろす白きフリーザー。
 こんな攻撃を避けるというのは、地に振る雨を避けろというのと同じようなものだ。

「・・・・・力が必要だ」

 この状況を打開する程の力が―――

「意識を極限まで高めろ……!!」


 ぐっと拳を握りしめると共に、緑の光がリュウトから溢れる。

―――否、その光は紛れもない極光(オーロラ)であった。


「究極護式(アルティメットスキル)」



「極光解放(アウロラ)!!!――――――」



 正常に動く方の腕を天に掲げる。
 するとどうか、凍てつく氷の羽根は地上に落ちる前にリュウトが空中に生み出した"極光の盾"により砕け散って行ったのだ。

「ハァっ・・・・・・・ハァッ・・・・・」

 バチバチと火花がリュウトの周りを巡る。

 この能力の発現は、如何にして行われたのか。この時のリュウトにはまだ知る由もないことだ。
 だがしかし、極限状態が訪れた時、人は何者にでもなれる。彼は今それを体現していた。


「今は・・・・・・俺がお前達の"盾"になる!!!」


 相手が構わず攻撃や反撃(カウンター)をくわえて来るなら、その反撃から守る盾となる。
 リュウトにとっての負担は大きくなるが、それを覚悟の上で彼の編み出した"攻略法"であった。

 さて、依然として空中で見下ろす白きフリーザーに対して、他のメンバーは一体どう攻勢を仕掛けるのか――――――

>>マサラ防衛メンバー

2日前 No.495

わんます @onemass ★Android=Os5V5CdCuC


 ――――では、まず訊こう。

 "一体何を拝んだ?"
 砂漠よりの英雄達よ。

(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=48PJGVf4xqk)

 (シスター・スターバックの述懐)

「印象的でしたねー」

「最初は私も皆さんも、ほんの小さなつむじ風を見たんです」

「見た、というか、なんというか」

「 "なんとなく、あれから目を離せませんでした" 」

 予測したのは強い耳鳴り、そして口内の強い渇き。強く訴える六感に勝る不快感、砂煙。流砂の海は、ゆっくりと、しかし確実に「すり鉢状」に沈んでいった、と彼女は語った。



 (segue:マルコシアス・ガーランドの述懐)

「焦ったな、流石の俺もよぉ」

「焦ったっつーか、死を覚悟したっつーか」

「走馬灯が視えたね。デカパイのねーちゃんに囲まれる」

「それは単なる妄想だって? うるせぇよ!」

 地形そのものをすり鉢へと変えた後、「悪魔」は姿を顕した。地中という名の煉獄より巨体が唸り、吼え――――否。まるで我々を大勢で囲み、始めはぼそぼそと囁くかのように。

『愚かな風(イディオット・ウィンド)』。
 この惑星にて観測される、超超大規模の竜巻(ハリケーン)である。いよいよ想像が出来ないまま、我々は首を捻るがまま。

 (segue:ユキジ・アリスガワの述懐)

「そんなに "アレ" が気になるならよ」

「お前さん方も行ってみりゃいいさ。ラスト・フロンティアに」

「あっこは保険の類は全面適用外の土地だけど、まぁ上手くやれるんじゃねーか?」

 椅子に脚を掛け、不機嫌そうに腕を組んだまま。
『砂漠の国のアリス』の皮肉には、とても言い表せない生還の重みが含まれていた。



【世界線:本編物語 時間軸:???】

【ユキジ・アリスガワ/オーレ地方 ラスト・フロンティア/???】



『駄目だ駄目だ駄目だッッ!! 一歩も動けねぇっ!!』

『なん、だ……あれ……』

『 "起こり" を一切観測出来ない竜巻……それが "愚かな風(イディオット・ウィンド)" よ!!』

『前方に、いや、前方が――――景色そのものが荒れ狂ってるッッ』

『きゃっほーい!! すごい、すごいです!!』

『ウヒョオオオオオオ!! 神様仏様リーダーマツブサ、どうかお助けをををををを!!』

『サブリーダー、しっかりしてッ!! ……軌道を……風の軌道を読むよ!!』

『船長!! "船の質量を奪う" 準備完了だッ!!』



『飛ぶぞ』

『飛ぶんだよ……』

『あのイカレ竜巻が届かねぇ場所までだッッ!!』



【世界線:本編物語 時間軸:???】

【マオ/アローラ地方 メレメレ島/ポケモンスクール 屋上】

「うわ、すごいねアレ」

 定期的に巻き起こり、各地方にて観測される「それ」だが、風物詩と呼ぶにはあまりにも酔狂が過ぎる。アローラの快晴、海の向こう側を指差し、思わずスイレンへと目を剥くマオ。――――オーレ地方、「砂の大洋ラスト・フロンティア」。時代錯誤も甚だしい盗賊達の楽園、もとい地獄たる地とは訊いているが、それにしても、である。

「オーレの盗賊……の、お伽話といえば」

「例の留学生」

「早口言葉の」

「あっはっはっは」

 まるで天を穿くかの如く、不規則に立ち昇る「景色」そのもの。アローラとオーレの地方間はそれ程離れていないとはいえ、水平線の遥か彼方に在りながら景色そのものを歪めてしまう竜巻とは。つくづく想像も出来ない。

 と、此処でスイレンがふと目を細める。

「マオ、あれさ」

「ん」

「あの竜巻、よく見て」



「なんか、浮かんでる船みたいなシルエットが見えない?」



「スイレン、視力なんぼだっけ?」

「両目6.0。漁師の娘ですから」

「あたしにはなんも見えね」

 ぽむ、と彼女のアマカジが肩に乗り、主人と一緒につぶらな瞳を細めるものの、はて、船とは。パートナーと互いに顔を見合わせた後、『キズナオーラ』を展開させ、よいしょと立ち上がるマオ。

「上位護式(エクストラスキル)――――」

「千里眼(ホークアイ) "スポッター" 」

 瞳孔が針の如く収縮すると共に、彼女とアマカジの「視る能力(チカラ)」はオーラにより増幅され、その遠景を鮮明に捉える。暫くパートナーとおんなじ顔で目を細めていたマオだが、突如噴き出して尻餅をつく。

「あっはっはっはっはっは!! あぁっはっはっは、うっ嘘、嘘でっしょー!!?」

「やっぱあれ船だよね?」

「あっはっはっは、あーっはっはっはっはっは!! ひーっ!!」

1日前 No.496

わんます @onemass ★Android=Os5V5CdCuC


 ――――時は暫く巻き戻り、その爆笑の種たる当地では。

【世界線:本編物語 時間軸:現代】

【ユキジ・アリスガワ/オーレ地方 ウェスト・コースト/スーサイダードック】

 一方ではニダンギル、改めリスリのパートナーたるエクリュ女史が、『砂漠の狩人』の幹部連中と悶着を起こしかけ、もう一方では転んで流砂に飛び込んだパッチが副官のハゲ頭に自身の頭を激突させてしまったりと、砂に描いたかのように前途多難な模様がそこらで繰り返されている当ドックである。が、しかし。そのようなどたばた具合も今やなりを潜め、どうだ。だだっ広い甲板上に集い、各々談笑しながらもしっかりと持ち場へ就き、その雰囲気を「非日常の迎合」の為に染め上げた屈強な船員達。至る所に設置された冷却装置は確実に我々の命を繋ぎ、狂気の直射日光を防ぐよう設計された白い帆は、拡げられ、風を纏うその時を今か今かと待ち構えている。

 旅立ちを迎えるのは、船員達や彼らのパートナーだけではない。機帆船キャロル――――我々の航海を一身に担う彼女もまた、数十年振りの出航に歓喜しているのだ。甲板最後尾に設置された巨大な煙突が黒煙を噴き出し、船員達と共に唸り歌う。

「ははッ。なんだかよぉ、キャロルちゃんも喜んでるみたいだぜ」

「フン! チャイルドらしい科学的根拠に乏しい見解ですな! 無機物が喜ぶなど」

「兄さん、ポーズっ」

「ウヒョッ!」

 反射的にカイリキーポーズをキメるホムラをスルーし、うろうろと甲板を彷徨くマッシュ改めタロウ少年。キャロルと併設するのは、これまた立派な機帆船マチルダの姿である。乗組員は揃い、今こそ船出の刻。……と、此処で我らが「船長」が、何やら漁網に入った大量のモンスターボールを引き摺って現れる。

「ベン、 "舵輪" の準備」

「アオッ!! 俺もネズミ共も完璧だぜええええロージー!!」

「ニキータ、風は?」

「うふふっ。濡れた尻も途端に乾くくらいよ」

「ハゲ、アタシから離れンなよ」

「ふ、く、か、ん、な?」

「リスリぃー、なるべく涼しいカッコしとけよ。セクハラじゃねぇかんな」

 パッチを傍らに控えながら、船の中央に立つ船長。ぶわり、と網を宙へ投げると――――大量のボールから現れたのは、ペラップとオンバットのかしましい群である。喧しい鳴き声と共に、キャロルの至る所を飛び回り、またはゴーリキー達の肩で羽根を休める「音響係」。様々な音を記憶出来る彼らの技能は、トランシーバーの如く広大な船内にて船員達の遣り取りを補助する役割を持つのだ。

 そして、一際異彩を放つキャロルの舵輪。
 船体の制御を担うそれは、まるで我々の知る「ネズミの滑車」が、歯車の如く複数並びあっているという代物である。モンスターボールを取り出し、パートナーを展開するベン。ずしりとした重量感と共に着地する『アローラリージョン』のラッタが数匹、そして同様に重量感を以って現れたのは――――全身を軽量のはがねで包んだ、『フロンティアリージョン』のラッタである。

「ネズミ共ッ、持ち場へ就きやがれエエエエエエエ!!」

「さっきから何度もうるっせぇよテメェは!!」

「ゴメンよロージー!!」

 解決。

「さて――――諸君」

「いよいよ狂気の大海への船出となるが!」

「ゴミは流砂へ棄てんなよ。環境第一だ」

 相変わらず締まらない船長の激に、渇いた空気が漂うものの。
 ごがん、と金属音を鳴らし、遂にキャロルの巨大な外輪――――もとい、運命の輪が廻り出す。

「シルバ達ぃー!! ウチらそろそろ出航するからねぇー!!」

 隣接するマチルダへと叫ぶパッチ。彼の声を拾った一羽のペラップが、同じくマチルダへと音を増幅させて放つ。軋みを上げる外輪。一杯に拡げられた帆が砂漠の風を孕み、やがて、その船は一瞬の暗転の後――――いよいよスーサイダー・ドックを後にする。

「野郎共ッッ!! 出航だあああああああああああああああ!!」



【機帆船キャロル/オーレ地方 ラスト・フロンティア】



【航路(ルート)0 フロンティアウォールへの路】



(THEME:https://m.youtube.com/watch?v=gqK2cBWimEg)



 疎らな岩山と、塗られたような快晴の空。
 パートナーのカゲボウズと共に、冷却装置の真ん前で涼んでいたシスター・スターバックの懐から、何やら軽妙な電子音が響く。がばッ、と身を起こす彼女の剣幕にひっくり返るタロウ少年であるが――――

「うわわわーっっ!! すごい、すごーい!!」

 どぱん、と流砂より現れた異形の存在。
 海蛇の如く唸るその鋼鉄の躯体を、彼女の持つ「フィールドワーク用ポケモン図鑑」が捉えた。

『きょうあくポケモン ギャラドス』

『フロンティアのすがた』

『タイプ:はがね、どく』

『砂漠の大洋の主なスカベンジャーであり、生態系の重要なポジションを担っている。悪食故に様々な毒素を全身に溜め込んでおり、はがねのヨロイの下には猛毒の鱗というヨロイも仕込まれている』

 はがね、どくタイプのギャラドス。
 従来を知る我々にとって、予想も出来ない怪生命体である。流砂を走るキャロルの傍らから現れ、再び砂に潜ってゆく彼らの姿に、シスターも少年も瞳を輝かせっぱなしである。

「あれって食えたっけ?」

「もう何十年も昔の話だ。覚えてねぇよ」

「オメェそうやってバカだからハゲんだよ、バーカ」

「うっせーな、アンタだってもうババアだろうよ」

「おーおー言い返してきやがったぞ」

「行き遅れ」

「ウゼー」

 甲板の後方では慌ただしくマストを制御している船員を余所に、チェストに腰掛け将棋を打っている船長と副官である。二人に駆け寄るパッチ。どうやらコイツはエンジン室の主に使いっぱしりにされているらしい。

「はりゃー? ねー船長、リスリ知らない?」

「さっきまでは居た」

「参考にならない情報どうもっ」

 憤りつつ去るぬいぐるみ。ふと飛車を掴む手を止めたアリスガワが、付近を飛び回るペラップに手招きし、ごしょごしょと何やら囁く。

「何だよ、何吹き込んだ?」

 怪訝そうな副官に対し、空を指差す船長。パタパタと付近を走るマチルダに近付いたペラップは、臆する事もなくひたすらに大声で

『おいコラァ!! シルバ、テメェー馬鹿野郎が!!』

 と、叫んだのであった。

「うっしゃっしゃっしゃっ……」

「わはははは、ま、マジかよ。俺もやろ」

 ……………………。
 視点を戻そう。先程のシスターと少年だが。

「え、ちょっ、これスゴ……数百万はするフィールドワーク用の図鑑……!?」

「私物じゃありませんよ」

「ちょ、貸して。ね、ちょっとだけでいいから……。……アハぁぁ……スッゴイ……おっきい……♪♪」

「こ、この人目が怖いです……!」

「学者にゃ溜まらねぇ代物らしいな」

 シスターの図鑑を弄り、完全に夢中になっているカガリである。相変わらずギャラドス達がそこらを跳ね回る中――――未だ、死出の旅は凪の模様であった。

>>ラスト・フロンティアALL

1日前 No.497

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【世界線:本編物語 時間軸:過去】

【グリーン/カントー地方 ヤマブキシティ/ジャズ喫茶「シャイン」】

 地元に根付く老舗のジャズ喫茶、「シャイン」。煉瓦造りの外装に、茶褐色の古びた木目が特徴的な店内。カウンターで頬杖を付き、常連と話し込んでいる店主――――そして、ステージで「Take Five」のセッションを行っているジャズマン達。コントラバスの醸す重厚な音色が壁掛けの絵画を震わせ、ハイハットの粒が店を訪れし客達の珈琲へと溶けてゆく、夕景に彩られた一場面。小洒落た卓に介する学生達、そしてワボンとアイラという顔触れ。最中、おしぼりで顔を拭いているレッドが、ふと思い出したように口を開いた。

「そういやさグリーン、此処のオムレツが美味ェのんな?」

「それもいいが、俺のオススメは」

「此処のオムレツが美味ェのんな?」

「だからそれも美味いけどよ、俺の」

「此処のオムレツが美味ェのんな?」

「テメェ……」

 ぎりぎり、とレッドの首を絞めるグリーン。相変わらずな様子の彼らであるが、此処でグリーン「兄ちゃん」の施しに甘えるワボン少年である。

 "えとねー、メニューにあるもの全部食べたいな"

「はっはっはっ……お前、そんな腹減ってたのか」

 あくまでも、少年の冗談だと捉え笑うばかりな番長。リュウトが渋い顔をして同情してくるが、子供の冗談だろ、とばかりに笑い返す。

 "俺、自分の分は自分で払うよ"

「あぁ? なんか言ったか?」

 しかし友人には厳しい。

「ワボン、オムレツが美味ェのんな? オムレツ100個頼も?」

「お前はマジで黙ってろ」

「マジな話よォ、グリーンのオススメは?」

「だから、此処のオススメはな」

「オムレツ美味ェのんな? ちむちむ」

 ガラッと窓を開け放ち、レッドの首根っこを掴むや否や外へとブン投げて放り出すグリーン。結局此処のオススメとは何なのか。

 ところで……。

 "いつもお金も全然なくて、少ししか食べれないからお腹すいてたんだけど、嬉しいなー!今日はグリーンお兄ちゃんの奢りだから、オレお腹いっぱい食べれる!よかったねアイラ"

「はっはっはっ、マジか。まぁだったら腹いっぱ……うん……、……ウン……?」

 いや、何やら雲行きが怪しくなってきたぞ?
 笑顔のままダラダラと冷や汗を流すグリーン。ばッ、と縋るようにアイラを向くものの、彼の表情には一種の同情というか、申し訳なさが漂っており……。

「…………、マジで?」

 かの嫌な予感が、雷となり漢の脳天を突き刺す。
 成る程、成る程。そうきたか。オーライオーライ、オールライト……。

「……判った……男に二言はねぇさ」

「……アイラも……な……お前も遠慮しないで食ってけよ……ちなみに此処のオススメは」

「オムレツな」

 戻ってきたレッドに被せられ、テーブルに突っ伏し肩を震わせるグリーン。恐らく泣いてる。

「リュウト兄ちゃんは腕動かないから、俺が食べさせるから。オムレツを」

 コイツはオムレツに親でも救われたのだろうか。しかし、リュウトも散々身に沁みて判ってはいるだろうが、このマサラタウンのレッドという男。平常時では中々に「クズい」奴である。食べさせるといってもロクな事にはなるまい。イエローからも散々そう罵られている彼ではあるが、

「すいませーん。メニュー全部と、あとオムレツ100人前お願いします」

 もう情け容赦というものが欠片もない。
 嗚咽すら発し始めるグリーン、リュウトのパスタはいずこに。ともあれ、喫茶店の小さなテーブルに見合わない満漢全席が並ぶのに、意外にもそう時間は掛からないのであった。

>>ワボン、リュウト




【世界線:本編物語 時間軸:現代】

【レッド/カントー地方 マサラタウン/南海岸】

 回帰の如く、そのシルエットは冷たき鎧の球体へ。
 自身と仲間達の攻撃は本体を貫くには至らず、更に――――迎撃たる氷塊の発破。

 瞬間的に、熱(エネルギー)が燃え広がるイメージ。どひゅッ、とレッドのサマーソルトが一閃、鋭利なる氷の槍は直撃を免れ。

「護式(トレーナースキル)」

「―――― "八咫烏(ヤタガラス)" 」

 しゅぱッ、と掌で創る閃光。
 ピジョットを繰り出したグリーンが、『縮地法(ラピッドファイア)』を併せた回転と共に竜巻一陣、氷塊を粉末状と為す。

 直撃は免れた、ものの。
 両者、そしてピジョットの全身に紅い紋様として現れた創傷。

 ―――― "みんな、無事か!? "

「あァ」

「まだまだ」

 ――――まだだ。まだ、領域(レベル)を高きへと!

 "貴方たちは地上戦がお得意のようですね"

 "しかし、空中戦はどうでしょう? "

 白き羽根を疎らに残し、その躯体は瞬間的にマサラの大空へと。降り注ぐ死を孕む凶気の雹。

 最中――――彼らの友人に、異変が、否。
『領域の開花』が、今まさに起こった。



 "極光解放(アウロラ)!!!――――――"



 魔術を彷彿とさせる、極光の奇跡が降臨せり。
 ヴァドックと共に様子窺っていたアスレイが、頬の血を拭い、鼻を鳴らす。

「……へぇ」

 スパークする極光の盾、そして迸るはリュウトの強固なる意志。互いに『白き翼』を見据えたまま、友二人が応える。

「――――あァ、リュウト」

「よォ、フリーザー」

「 "面白ェモン見せてやるよ" 」

 どうッ、と熱量(エネルギー)が迸り、その頭髪は漂白を思わせる白へ。「臨界」へと達したレッドが地から空へと瞬発した瞬間――――マサラの地が大きく揺れ動く。

「合わせるぞッ、ピジョット!」

 自身が生み出した竜巻を通り、加速。流星と化したピジョットの背にて、グリーンの纏う『キズナオーラ』は更なる段階を踏み締める。

「――――究極護式(アルティメットスキル)」

「 "風林火山(ふうりんかざん)ッッ" !!」

 ちゅぴ、と指の血を舐め、その眼光は依然として鋭さを剥き出しに。ヴァドックへの目配せもなく

「行くぞ」

 小さく呟くアスレイと共に、高速で宙を駆け上がる二人の躯体。ヴァドックの持つ『ブクー・でんじふゆう』の効力はオーラにより累乗されるがまま――――ヴァドックの背後にて、ぴ、と人差し指をフリーザーへと差す。

「究極護式(アルティメットスキル)」

「 "グリーズド・ライトニング" 」

 鼓膜を劈く程のスパークと共に、ヴァドックの掌に顕現する圧倒的な雷力(らいりょく)。神槍と化したそれは、そのまま彼らが仇敵へと。

「―――― "荷炎粒子砲" ォォッッ!!」

 そして臨界の熱量により放たれし、直線上の巨大熱線。その熱線に巻き付くかの如く、ピジョットの生み出せし『風林火山』の「火」たる業火の渦がうねり。マサラ防衛軍最強たる彼らによる、一切の隙を失くした連携陣。無論、向かう先(ベクトル)は――――かの氷河を統べる帝王へと!

>>海岸ALL

1日前 No.498

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【世界線:本編物語 時間軸:過去】

【ワボン/カントー地方 ヤマブキシティ/ジャズ喫茶「シャイン」】

 老舗のジャズ喫茶の落ち着いた雰囲気の中のとある一席。メンバーの男4人のうち3人もこの喫茶店の客の中では若い方だが、一際幼さが目立っているのはワボンだった。それは、外見という目に見えてわかる情報からくるもの。はたから見ればパフェでも食べそうな、そんな愛くるしい姿を見せていたが、本人はパフェなどには留まらず逞しい胃袋を装備しているので……これからのテーブルの惨状を想像するのは容易い。そのことは、共に生きてきたアイラだけが知っている。

ワボンの“全メニュー食べたい”発言への反応は三者三様で、リュウトは呆けてしまい、グリーンは冗談だと思ってるのか笑って、レッドは何にも気にせずオムレツ推しをしていた。リュウトやレッドは代金を払わないからどんな反応でもいいのだが、奢ると言った張本人のグリーンがアイラは気になって気になって仕方がなかった。笑っている場合じゃない。早く現実だと気づけ!と叫びたいが言葉は通じるはずもなく、ただただ申し訳ない視線を送るしかなかった。

その間にも繰り広げられるレッドとグリーンのコント。ワボンは「オムレツ100個!」とレッドの言葉に嬉々としてグリーンの隣で彼を見てニコニコしている。ぶん投げられたレッドのことなどお構いなし。今は食べ物のことしか頭にない。リュウトの呆れながらでた「随分と食う」発言にも何の恥ずかしげもなく、また悪いとも思わず「うん!」と元気よく頷いた。

そこでグリーンも気づいたのだろう。ワボンが冗談ではなく本気で全メニュー食べたい発言をしたことに。高らかに笑っていた余裕ある男の顔が曇り、一変して冷や汗を流す余裕のない男の顔になった。ばッ、と縋るように向けられた視線をアイラは真正面から受け止められるほど図太くもない。それでも全てを察したのだろう。「…………、マジで?」とドッキリを仕掛けられた人のようなリアクションをとっている。ドッキリならどんなによかっただろうか。だが、男に二言はないという姿勢にアイラは感心した。そしてグリーンに遠慮するなと言われたが、自分は並みの量で事足りるので“大丈夫”の意を込めて片手を上げ頷いた。まぁ復活したレッドが席に戻り、勝手に注文をしたのでメニューを決めることなどできなかったのだが。


「おおぉーー!すっごい豪華だね!」

ぼとなくして、喫茶店の小さなテーブルに見合わない量の料理が運ばれた。喫茶店で満漢全席を体験することなど二度とないだろう。それもあってかワボンは普段目にしない量の食べ物に感嘆の声を上げ、隣で未だに突っ伏してるグリーンに「ありがとうグリーンお兄ちゃん!」と感謝の言葉をかけた。かけたらーースタートである。

「いただきまーーーーす!」

アイラの教育の賜物かしっかりと手を合わせて挨拶をし、目の前にあるメニューを次々口に運ぶワボン。 サンドイッチを鷲掴み、パスタを全て一巻きで口に入れ、熱々のグラタンすらも温度を感じないのかひょいひょい舌の上へ転がし、レッドおすすめのオムレツも一口で半分食べていた。そんなペースなのだから次々皿があくのは当たり前で、ワボンは何も考えずーー否、美味しいとしか考えておらずどんどん食べ物を消費していく。その姿はさながは掃除機の様で、アイラは長年一緒にいたが久々にみたワボンの快進撃に目を丸くして止めることもできずに唖然としていた。

「ううーん!おいしいねー。オムレツも本当、ケチャップの絵がそれぞれ違って可愛いね。何個でも食べれちゃうよー」

喜びを体を震わせて表現しながら、オムレツを絶賛したが、絵など瞬間しか見ずにどんどん口に入れるのだから意味はない。そうこうしているうちに、テーブルの上の皿が空になっていく。皆の分など気にしているわけがない。そう、これは戦いーーワボンから自身の取り分を守るためのバトルなのだ。ワボンが先に腹を満たすか、食べ物が無くなるか。勝敗の行方は如何に!!


≫喫茶店メンバー

1日前 No.499
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