Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(7) >>
★この記事には「性的な内容」「ショッキングな内容」が含まれます。もし記事に問題がある場合は違反報告してください。

月の森の城

 ( ホラー小説投稿城 )
- アクセス(103) - ●メイン記事(7) / サブ記事 - いいね!(2)

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi



深い森の奥に、月明かりがその道を示す城があった。

その城に住む者に人間はおらず、時おり招かれ迷い込んだ子どもはみな、同じような異形の姿に変えられて、

たった一人の魔女王のために仕えさせられるというーー

1年前 No.0
メモ2016/05/24 01:13 : ひろり @hikali★iPhone-x4owUsHfVi

○この作品はショッキングな描写、特に性的表現が多く含まれます。

○その表現があるレスには文頭にも注意書きさせて頂きます。

ページ: 1

 
 

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

1.

棒のような足、すり切れた衣服、乱れた呼吸。

森の中、もうどれほど歩いたのか、どこへ向かっているのかもわからないまま、一人の子どもが月明かりだけを頼りに歩いていた。

白い光が一筋に照らすその道の途中、ついに子どもはその場に倒れる。
"ひゅうひゅう"とささやかに繰り返される呼吸の音、"どくどく"と必死に繰り返される鼓動の音が、澄み切った森のどこまでも響くようだったーーしかしそれも、やがて弱まってゆくようだ。
ーー子どももそれを感じ取り、ひっそりとまぶたを閉じた。


月明かりの道の向こうから、黒いマントを身につけた者が現れた。
その視線の先に、ぼろぼろになって倒れた子どもが月明かりに照らし出されているのを見つけ、歩み寄る。
呼吸はまだ、幼い背を波打たせて、細く浅く続いていた。黒いマントの者が屈む。フードの差す影によって、唯一見える唇がささやいた。

「帰る場所がなかったのかい」

力尽きた子どもは答えることがなかった。
黒いマントの者はうつ伏せになったその子どもの体を起こすと、抱きかかえ、月の方へ向いた。

そこには、城がそびえたっていた。門はなく、大きく重たそうな扉は既に開いて、真っ暗な穴のような暗闇が招き入れようとしていた。


ーー帰る場所がないのなら、ここへおいで。

眠る子どもを胸に、黒いマントの者はそう囁き、城の暗闇へと入っていったーー。

1年前 No.1

NIE @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

2. Inside of the castle(城の中)


視覚の奥まで差し込んでくるような真っ暗闇。音も何も聞こえてこない。子どもは永遠の眠りの続きかと思ったが、その意識の確かさに気付き、ハッとする。

ーー子どもは再び目を覚ました。

漆黒ともいえるような深く重い暗闇のなか、子どもは最後に見た景色に心を寄せる。
不気味な手のような、暗い森の枝。それを両わきに、照らし出されていた白い月明かりの道。
その記憶の最後では、手元には冷たい砂の感触があった。

ここで子どもは疑問を覚える。
今、指先で確認しているそこは、砂ではないからだ。むしろ、暖かく柔らかい感触がしているのだ。

ーーここはどこ?

子どもは不安を覚えた。
目を凝らせば凝らせるほど頭の奥まで浸透してゆくような濃い暗闇、風が吹いたり、葉がこすれ合ったり、獣がひそんでいるような音も一切しない静寂。

このままでいれば永遠にそのままのような気に急かされた子どもは、手を頼りに動き始めた。

1年前 No.2

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

ーー突然、それを中断させるように、子どもの背筋に、なにか不思議な"感覚"が走った。
過敏になっていた子どもの神経は、瞬間的に反応し、自身の動きを停止させる。
再び"感覚"が背に走った。それは弱い電気のようで、2秒ほどの間隔をあけて、規則的に繰り返される。
<信号>。子どもはそう知覚する。同時に、<自分でない者の存在>から、なにか話しかけられていることを覚った。

じっと"感覚"に集中してみる。
ーーそれは、首筋のあたりの神経に、一文字、一文字を送り込んでいる"テレパシー"のようなものだった。


"…えます か"

"きこえますか"

"きこえたのね"

"よかった"


"テレパシー"からは感情は感じ取れず、言葉そのものだけが伝わってくるようだったが、女性のようだった。


"うごかないで しんぱいしないで"


言われるまま、子どもは再び手を頼りにして、柔らかな感触のなかに戻り、身を収めた。


"そうよ いいこね"


テレパシーはそのまま続けて、子どもに言葉を送った。


"あなたは いま おしろのなか"

"でも そのままでは おしろの なにもみえないし なにもきこえない"


テレパシーはここで、子どもがある疑問を抱いたのを感じ取ったのか、それに受け答えるように続けた。


"そうよ わたしは いま あなたの めのまえにいて"

"ここには ランプが ついている"

"ひとの め には なにもみえず"

"ひとのみみには なにもきこえない"

"だけど ふしぎね あなたは"

"<かんじる>ことはできるのね"


ーーなにかが、子どもの手に触れた。
爬虫類のような硬く、つめたいものが、子どもの手を包んでいる。


"これが わたしの て"


子どもはその"手"を反射的に振り払った。
そこに一切の音はなく、同時に子どもは気付く。
ーー自分の呼吸、心臓がひどく落ち着かず高ぶっていることを感じているのに、自分の息も、鼓動も、全く聞こえないことに。


ーー"あなたの おめめと おみみは"


手を振り払われたことに構わず、テレパシーは再び子どもに言葉を投げかけた。


"<じょおうさま>がつけてくださる"

"いいえ おめめと おみみだけでなく"

"からだの すべてを"

1年前 No.3

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

○性的表現があります。ご注意ください。



ーーそこから、"テレパシー"はしばらく途絶える。
自分を包んでいる柔らかな感触は一定だったが、たとえ得体の知れない者でも、なんの前触れもない他者との途絶えは、子どもの<感じる>ことも、その目と耳を奪い去ってしまった暗黒に呑み込まれてしまったも同然であった。
やがて子どもの意識も、そこに染まっては、その確かさによって再び浮き上がることを繰り返していた。一瞬一瞬のことなのか、それともどちらも長いのか。そこに時間はなかった。ーー子どもが再び<感じる>まで。

また前触れもなく、子どもの腹に、手が乗せられた。
その手は不気味に冷たく、蜘蛛のように細長い指先を広げて、子どもの腹に触れていた。

次に、まるでその指先から子どもの体内へ、とてつもなく重く響くような"テレパシー"が訪れたのだ。


ーー"いらっしゃい 私の城へ"


そして、子どもの腹に乗せられた"手"が、ゆっくりと動き始める。
子どもは闇の中、一瞬で全身を絡み取られていた。先ほどとは全く違う強い"テレパシー"に、そして子どもの胴体を撫で回す、その手つきに。


"<感じる>ことの できる子ども"

"どんな名前にしてあげましょうか"

"いいえ それよりも"

"男にしましょうか 女にしましょうか"


胴体を撫で回す"手"が、少しずつ子どもの下半身へ移ってゆく。
子どもがその手が向かっているところを<感じた>その瞬間、ーー"手"は子どもの股間へと滑り込んだ。


"あなたの目も 耳も 鼻も"

"私の闇に とじこめられた"

"だから"

"あなたの<感じる>ことも"

"私が 目覚めさせてあげましょう"


"手"が子どもの股間をまさぐり、絡み取ったその子どもの<感じる>ことを容赦なく刺激していた。
子どもは恐ろしく鮮烈なその感覚に、からだをよじったり、腰を浮かせたりするが、"手"が止まることはなく、次第に子どもは恐ろしさよりも、<感じる>ことに支配され、そこに自分のすべてを委ねてしまっている、何とも言えないなにかを抱き始めたのだった。

ーー"手"が触れるそこが、湿っぽくなり、そして痙攣したことを<感じた>とき、子どもは意識を失った。



「ーーようこそ、"オリオン"」

"オリオン"と呼ばれたその子どもは、"目"を覚ます。

ーーそこにあったのは、大鏡だった。
背景には大きく白い月が映り、そしてそれに照らされて座っているのは、ーー狼のような獣の姿になった少年、"オリオン"だった。

1年前 No.4

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

1年前 No.5

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

○この投稿は性的描写が主です。ご注意ください。



<彼女>ーーアルテを見ると、決してもう二度と目をそらすことはできない。その美しさに魅了され、目を奪われ、彼女の発する言葉はなんであろうと絶対だと認識する。そして自分をそうさせる"なにか"は、それだけでは許してくれないーー。


目を覚ました時から、衣服を取り付けていないオリオンの全身は、アルテの前ではすべてが明らかである。
アルテは、自分を前にして尻もちをついたままのオリオンの身体の、ある一部に着目していた。

ーーオリオン、すなわち小狼のような獣の体の、ーー雄の部分が、大きく昂ぶっている。
そう、<彼女>の姿は、オリオンをオスとして興奮させたのだった。

アルテは木彫りの人形のような微笑みを浮かべた。オリオンはアルテの笑みの表情にまた魅了され、昂りを隠すこともできずに、鼓動だけを鳴らせている。

ーーアルテの指先が、そこに触れた。はっ、はっと、オリオンの口から、浅ましく吐息が漏れている。


「"目覚めの儀式"を始めましょうか」


アルテがそう、言葉を告げた。"儀式"とはなんなのかわからないまま、オリオンが頷くと、アルテの美しく眩い顔が、オリオンの顔へと近付き……そのまま、唇が合わさった。



ーーオリオンはその後、昂りがほとばしる感覚を、アルテの美しい女体の中で覚える。
それは強烈な感覚であった。彼女の細くしなやかな指、からだ、肌の感触、全てがオリオンの雄を刺激し、吸い付いて絡みついて、全て飲み込んでしまうようだった。

情欲の泡沫が飛び散るさなか、オリオンは認識したーー僕の<見える>こと、<聞く>こと、<匂う>こと、そして<感じる>ことは、彼女のために存在するーー
しかし、その時だった。

ーーその時、オリオンの首筋から背筋にかけて、"感覚"が走った。それは<信号>のようなもので、声はない。
オリオンはその"感覚"を以前にも<感じた>ような気がしたが、詳しくは思い出せることがなかった。
ただ、オリオンは察知していたーーこれは、目の前のこの、美しいアルテ様の"心"だ。

オリオンはじっと、アルテの"心"を<感じ>ようと集中する。
ーー次の瞬間、自身を突き上げていた情欲が、まるで時間が止まったかのように、停止したのだ。


"とった"

"このこどもの イニシアチブ"


"とった"

"とった"

"とった"


1年前 No.6

ひろり @hikali ★iPhone=x4owUsHfVi

○性的表現があります。ご注意ください。



ーーオリオンは固まった。
その異変に気がついたアルテが、オリオンの顔色を見つめていた。

「どうしたの、オリオン? ーー"このこども なぜこんなかおを"」

アルテの唇から発される言葉に裏付けられるように、その<信号>はオリオンに伝わってくる。
美しいアルテの姿と言葉ととは裏腹に、重く響くような<信号>に、オリオンは背筋が凍ってゆくのを感じていた。

オリオンはついに、それを明らかにしてしまう。ーー先ほどまで何度迸っても、情欲によって突き上げられてやまなかった昂りが、すっと萎んでいったのである。

アルテはその始終を見ていた。やがてそれがシーツの上に横たわったのを見たとき、ーー彼女の目は鬼のように豹変した。

「どういうこと、オリオン? ーー"そんな"」

先ほどまで柔らかく自分を受け入れていた彼女の姿はどこにもなくなっていた。

彼女と"儀式"を行う者が、彼女を目の前にして昂りを失うことは、この上ないタブーなのだ、と、オリオンは瞬時に悟る。

気迫に呑まれ、言葉を失いながらも、オリオンにとってその沈黙には、絶えず、<信号>が発信されていた。


"そんな"

"そんなはずは"

"私がイニシアチブを とれないことなど"


やがてオリオンは、震えるその口を開く。


「ーー女王さま、"イニシアチブ"とは、なんなのですか?」


1年前 No.7
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)