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ひ と り か く れ ん ぼ の 呪 い

 ( ホラー小説投稿城 )
- アクセス(1644) - ●メイン記事(62) / サブ記事 (78) - いいね!(20)

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_yKu

ハァ… ハァ…

「ねぇ、…

 怖いよォ…」


「ちょっと、黙ってなさいよ…

 でないと、

 死ぬよ…」

私“達”がこんな状況に陥った理由…

それは約1ヶ月前に溯る…

―――――――――――――――――――――――

はい、

こんにちわ^^

桜姫です♪

えー、まぁ、これから

「ひ と り か く れ ん ぼ の 呪 い」を

書いて行くのでよろしくお願いします♪


えとまぁ自己紹介しますね^^

っていっても超適当で簡単なんですが…

はい

まぁ、ホラー小説を書くのは多分初めてだと思います

ホラーっぽいけどなんかそんなにホラーじゃないのは書いたことありますけど♪

ちなみにすごい怖いかもわからないし、長続きするかも問題です(・_・;)

ちなみに「ひとりかくれんぼ」のルールもなんとなくしか分かってなくて

一応勉強しますが、誰か教えてください(・_・;)>人<

まぁそんな人ですが、よろしくお願いします^^



では、本編どうぞ♪

4年前 No.0
メモ2014/05/25 15:05 : (♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai★eDsRYCAZzi_Gsy

登場人物@


@主人公@


@佐藤 南(さとう みなみ)


6年4組の穏やかな女の子

都市伝説やホラーなどに少ししか興味がない

でも最近ハマっているのは「ひとりかくれんぼ」

いつかやりたいと思っていたりする


親友の“赤沢 麗”とは

幼いころからの付き合い


“白龍 達也”のコトが好き


@赤沢 麗(あかざわ れい)


6年4組の活発な女の子

都市伝説やホラーが大好き

“南”が最近「ひとりかくれんぼ」にハマりそれを聞いて興奮気味

南とならひとりかくれんぼをやる勇気があるらしい


親友の“佐藤 南”とは

幼いころからの付き合い


@白龍 竜夜(はくりゅう たつや)


6年4組の南が好きな人物

だが南が想像しているよりカッコ良かったり

…続きを読む(124行)

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(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_XXe

「え、お、おぉ〜!」

麗は微妙な反応をしながら掛け声をしてくれた


「じゃぁ、まず、ひとりかくれんぼのルール確認ね^^」

そう言い、私は自分の部屋からパソコンを持ってきて

ルールなどのページを開いた

「あー、…

 やっぱし怖そーだよねー…w」

「ちょ、最後の方嗤ってるって、南不気味(・_・;)」

「あ、まぁ、まぁ、w」

そんな雑談をして私達は計画を立てた…

4年前 No.13

(♪´ω`%艸【桜姫】 ★NieD7WPy4l_yKu

「んー…

 予定では明日どっちかの家でひとりかくれんぼをやる…

 準備も一応今からできるし…」

「あッ!?」

「ん〜?

 何?」

「あ、いやぁ、…

 南とうちのお母さんって同じ仕事の日だよね?」

「そうだけど… あ、…」

「明日ダメじゃんw」

「ぶ〜… ちょっと連絡してみよ」

「え〜!? ちょっとぉ?

 明日ひとりかくれんぼやるから出てってくれとか言わないでしょうね!?」

「あ〜、大丈夫大丈夫

 明日予定ないか聞いてみるだけだし…」

「ふ〜ん…」

私はそう言い、母親に電話をかけた

4年前 No.14

(♪´ω`%艸【桜姫】 ★NieD7WPy4l_yKu

プルルルル… プルルルル…

接続音が私の耳で虚しく響く

しばらくすると、母親が出た

「何?」

「あー、明日お母さん、予定ある?」

「もう、いきなりなんなのよ!

 … 明日は予定あるわよ

 梨紗…、じゃなくて、麗ちゃんのお母さんと

 一緒に食事して、一晩ぐらい遊ぶって言うか

 まぁ、そんな感じだからいないけど…

 それがどうしたの?」

「あ、明日、麗とうちで遊びたいなーって思って…

 ついでにお泊まりも含めて…」

「あら、じゃぁ、予定は明日じゃなくてm」

「あぁあぁあぁあぁ…

 べ、別に明日で良いよ良いよ!

 ご飯とか作れるしー!」

「あら、そう?

 じゃぁ、麗ちゃんのお母さんにちゃんと連絡しておくのよ!

 あ、そうそう、あと1時間ぐらいで帰るから」

「あ、うん

 じゃねー」

「じゃぁねー」

そう言って電話を切り

私は麗の方を向いてグッジョブのポーズをして見せた

4年前 No.15

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_XXe

「お母さん、良いって?」

「あー、うん

 結構無理矢理って感じだったけどw(・_・;)」

「ふーん、じゃぁ明日やるの?」

麗が少し沈んだ声で聞いた

「え、まぁ、許可っていうか

 丁度親2人共いないし

 好都合、っていうか…

 明日しかないじゃん!」

「う、うん…」

私はそんな麗を見て

「うちより怖いの好きなくせに何怖気づいてんの!」

と怒鳴ってしまった

「あ、ご、ごめん…」

「あ、こっちこそ、ごめん…

 怒るつもりは無かったんだけど…

 なんか元気ない麗見てたら急に…

 ごめん…」

「うぅん…

 こっちこそ、あたしらしくなかった…

 ごめんね?」

「あぁ、大丈夫^^

 あ、さっきお母さんが1時間後ぐらいに帰ってくるって言ってたから

 早く計画立てよう!」

「うん!」


―――――私達は恐怖の階段を1歩1歩登って行った―――――

4年前 No.16

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_XXe

「んとまぁ、荷物とかはこんぐらいで良いよね?」

私は麗と持ち物の確認をした

「うん!

 じゃぁ、あたしは明日これ持ってくるから」

「うん! 了解^^」

その後麗は私の家を出て行った

「フー…

 いよいよ明日かぁ…」

私がそう呟いた時、お母さんが帰ってきた

「ただいまー」

「あ、おかえりー」

「あれ、さっきまで誰かいた?」

お母さんがテーブルの上に2つのコップを見ながら私に問いかけた

「え、あ、あぁ、…

 さっきまで麗がいたんだ」

「へー、何で?」

「あ、いや、学校の帰り道すごい盛り上がちゃって

 家に帰る時は、「続きはまた明日ねー^^」

 って言ってたんだけど、どうしても話したかったから

 私が呼んでさっきまで話してたんだ^^」

勿論、これはだいたいがウソ

本当のことなんか言ったら絶対に

「明日のお母さんの予定キャンセルする」

とか

「そんなのやめなさい! 危ないから…」

とか絶対に言うだろうから

こう言うしかなかったのだ

「あぁ、そう

 じゃぁ、もうお母さん

 夕ご飯の支度するから、宿題でもしてらっしゃい」

「はーい」

私はそう言い、2階の自分の部屋へと向かった

4年前 No.17

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_XXe

―――episode南


私は宿題を終わらせ夕食も済ませ

入浴も済ませた

後は自由時間だけ…

「一応最終確認しておくか…」

私はそう言い、自室のパソコンで確認をした

「うん、大丈夫…

 だいたい覚えたし^^」

私はそう言い、パソコンの電源を落とした

その後歯磨きをしてトイレに入って

ベットに入り眠りについた


―――明日はいよいよ、、、


















   ひとりかくれんぼだ…―――

4年前 No.18

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_XXe

―――episode麗

「ただいまー」

家に帰るとお母さんがいた

「あ、おかえりー^^」

「あ、今日の晩ご飯何?」

「んー、今日は麗の好きなハンバーグにする予定だよ」

「やったぁぁぁぁぁぁぁ!

 ありがとう、お母さん!」

「いいのよ、今日お仕事でボーナス入ったから^^」

「ありがとう^^」

あたしがそう言い自分の部屋に行こうとすると

「あ、お母さん、明日南ちゃんのお母さんと出かけてて

 翌日とかまで帰って来ないんだけど…」

「あ、あぁ、その件は大丈夫

 明日は南のうちでお泊まりするから」

「そう、ちゃんと良い子にしてるのよ」

「別に南のお母さんがいるわけじゃないんだから

 良い子じゃなくても良いでしょ!」

「それでも!

 女の子としてもそうだし、礼儀正しくしなきゃ」

「はーい…」

あたしはそう言い、部屋に戻った

その後夕食などを済ませ、自由時間…

「明日の最終確認でもしよう…」

そしてサイトを開いて最終確認

「よしッ!

 大丈夫

 もう寝るか…」

あたしはパソコンの電源を落とし眠りについた

4年前 No.19

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★NieD7WPy4l_XXe

「南、じゃぁお母さん行くからね

 いってきまーす」

「行ってらっしゃーい」

ガチャリ

鍵がしまったのを確認して電話をした

「麗、お母さん今出て行ったよ」

「了解、じゃぁ今から行くね」

電話を切った

心臓が少しバクバクしている


しばらくするとチャイムが鳴った

「はーい」

「あたし、あたし」

「あ、うん…」

私は麗を家にあげた

そして麗をソファーに案内し

ジュースを注いでミニテーブルの上に置いた

しばらくの沈黙の後、麗が

「ゲ、ゲーム、しようか…?」

「う、うん…」

2人が少し暗い気がするのは、2人共感じていた

そしてゲームをやったり喋ってたりしていたら

いつの間にか夜になっていた

「もう… 夜だね…」

私はそう言い、8時より少し前の時間になっている時計を見た

麗は

「うん… もう、すぐだね…」

と答えた

夜ご飯はさっき済ませてお風呂も済ませた

もう後は待つだけとなった…


もう麗が来た時のようなゲームをするとか、そういうのはやりずらくなった

でもそんなコトをしないと恐怖を隠しきれない

私達は渋々… というよりも仕方がなくゲームをやるコトにした


ピコピコ…―――――

ゲームの音が虚しく響く

ゲームの中の音は楽しげなのに心は全然楽しくなかった


気が付いたら、2時30分…―――――

眠気をふっ飛ばして時間を待った

ゲームもやめて…


私達は準備に取り掛かった…

―――恐怖の階段を上って行くのを噛み締めながら…―――


時間はあっという間に過ぎた…

もう59分…


後、、、


















―――1分だ―――


















チク…


タク…






チク…



タク…


4年前 No.20

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★xv6KLJpDyr_XXe

「よし、じゃぁ始めるよ?」

麗がそう言った

「じゃぁ…

 最初の鬼は麗

 最初の鬼は麗

 最初の鬼は麗…」

麗はそう言い、家中の照明を消し、砂嵐の画面のテレビを付け、目を瞑り10秒数えた


「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10…

 探しに行くよ?」


ちなみに私も勿論隠れている

麗とは最初から隠れる場所を打ち合わせしてあった

「南、見つけた…」

とりあえず刺さなきゃいけないから、利き手じゃない左手の人差し指に少し包丁を刺した

微妙に注射された感じであまり痛くなかった…

「じゃぁ、次はお人形の“うさぎ”ね?」

そう、人形の名前は「うさぎ」

もうそのまんまだった

人形はうさぎの人形だったから深く考えずシンプルにした


人形は進行通り浴室の水の張った風呂桶の中にある

その場所に行った…

「良かった…

 ちゃんとあるよ、南…」

「じゃぁ、…

 ヨロシク…」

「うん…

 うさぎ見つけた…」

麗はそう言い包丁を刺した

「じゃぁ…」

麗はそう言い私に包丁を渡した

「ヨロシクね…」

「うん、…

 次は南が鬼

 次は南が鬼

 次は南が鬼…」

その後私は目を瞑って10秒数えた

「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10…

 さ、探しに行くよ?」

そう言い、私も麗と同じく、打ち合わせしてあった場所に直行した

「麗、見つけた…」

私はそう言い、私と同じ場所を刺した

「あんまし、痛くないね…」

「うん、とりあえず行こう…」

「そうだね」

私達は浴室に向かった

「あ、いたいた…

 うさぎ、見つけた…」

私はそう言って包丁を突き刺した

「じゃ、じゃぁ…

 次はうさぎが鬼…」

私はそう告げ、麗と2人で打ち合わせした場所に隠れた…

4年前 No.21

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★xv6KLJpDyr_XXe

私達は押し入れの中に隠れた

しばらく時が経った

そして猫の声がした

――ヤバッ!

麗はそう思ったそうだ

でも私はそんなコト気にしてる状態じゃなかった

――行くよ、南!

麗がそう合図した時にはすでに手遅れ


私は恐怖のあまり、何もできなくなっていた…

そこで麗が私の方を揺さぶる

――南、南!!??

もちろん、声に出すとヤバいので心の中で叫びながら

麗は私に声をかける

麗はしばらく私を揺さぶった

すると私は口を開いた…


ハァ… ハァ…

「ねぇ、…

 怖いよォ…」

麗はビックリしたようだ

声を発するなんて…

と…

そして麗は少し考えてこう答えた

「ちょっと、黙ってなさいよ…

 でないと、

 死ぬよ…」


私はそれを聞いて目を見開いた

そして少し元に戻ったな、と自分でも実感した


しばらくすると私の調子も戻ってきた

すると麗が私の方をツンツンと2回ほど叩き合図した

――南、大丈夫?

  大丈夫なら行こう、時間、ヤバいよ

そう言って麗は4時45分になろうとしている腕時計を私に見せた

私は少し焦りを感じ

――うん、急がないと、じゃぁ行こう

そう合図した

4年前 No.22

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★xv6KLJpDyr_yKu

私達は抜き足差し足忍び足で浴室に向かった

―――えーっと、どこに置いたっけ…

私はそう思いながら浴室をウロウロしていた

そして人形が入っているはずの浴槽を見た

探ってみた

一生懸命探した…






―――麗… いないんだけど…

私は目で麗に訴えた

―――いないって… どういうコトよ…

―――分かんないよ… 消えてるんだよ!

もう私も麗もパニック

口に含んだ塩水を吐き出してしまいそうだ

―――とりあえず、探そう

私は麗をユサユサ揺さぶりながらそう目で言った

―――うん。。。分かった…

麗は了解してくれた


とりあえず私達は浴室から米が落ちていないか見た

でも落ちていない

周辺にも何もない

―――どうしよう…

そんな感情だけが私の中を彷徨う


麗がチラッと腕時計の時間を見ると4時48分…

完全にヤバい…

麗はそう感じていた


後12分で終わらせないと…


















死んじゃうのかな?

4年前 No.23

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★xv6KLJpDyr_yKu

私達は2人で手分けして人形を探すことにした

見つけたら終わらせ方通りに残りの塩水

口に含んだ塩水の順番にかけ

3回宣言する

麗が見つけたらそれを終わらせた後私を大声で呼ぶ

そして終了させる…

―――これで…

   良いんだ…―――


私達は手分けして、急いで探した


お風呂場は勿論

洗面所、キッチン、リビング、テレビの裏

棚の上、トイレ、押し入れの中…

隠れられそうな場所はすべて探した…


















なのに…


















なんでないの…


















とりあえず腕時計を見た…


















残り時間…


















3分…

4年前 No.24

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★nSkWHUr7oG_XXe

私と麗は次第に汗っていった

放って置くと、手汗がすごそうだ


「ねぇ、本当にどこにいるの!?」

私が叫んで麗が何かを言った

「そ……の、私に……る…………じゃ………」

―――え、何で…

   何にも聞こえない…

   麗、何を言ってるの…―――

「みな……大丈……」

私の意識はココで途絶えた…







4年前 No.25

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★nSkWHUr7oG_yKu

目が覚めると、私は自分の部屋のベットで寝ていた

―――麗が、連れて来てくれたのかな…

そんな呑気なコトを考えていた


「…」


バッ!!!!!!!!!!!


私はベットから上半身を起こした

―――そうだ、人形を探してないじゃん

   麗はどうなったの!?

   人形は!?










   ひとりかくれんぼは!?




そんなコトを一気に考えたせいか、頭がクラクラする

すると、部屋のドアが開いた

「れ、、、、い…」

そこには麗が冷えぴたを持って立っていた


「あ、起きたんだね…

 良かった…」

そう言って麗は、ベットの横に腰かけた

そして私は、“ひとりかくれんぼ”の結末を聞こうと思った

でも…







麗を気遣ってなのか、違う言葉しか出なかったんだ



「ねぇ、麗…

 麗の方が私より軽いのに、良く運べたね…」

「いやいや、南の方が絶対に軽いから…^^」

「えー、でも…

 麗、スタイル良いし…

 絶対に私より軽いよ…」

「…」


麗からの返事がない



何かがおかしい



何なの、この胸騒ぎは…



私は、この部屋にいる時から、違和感を覚えていたのかもしれない…




私が麗の返事を待っていると、麗はそれを察したのか、返事をした


















「そうだね、あたしの方が絶対に軽いよ


















 だって…


















 お人形なんだから…」

4年前 No.26

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★nSkWHUr7oG_yKu

―――麗がお人形?

私は目の前の現実と、今聞いた言葉で頭がおかしくなりそうだった


「ネェ、イッショニアソンデ

 イママデ、ズーーーーット、ミナミチャンガ

 ワタシヲアソンデタヨネ?

 ダカラ、コンドハ、


















 ワタシガ、アソンデアゲル」








「いや、いや、…

 いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」















―――何で、何でなの…

   もう、誰も信じられない


















   信じたくもない!






「ネェ、アソバセテ

 ホラ、コッチニオイデ

 オイシイ、オイシイ、クッキー、ヤイタンダ

 ホラ、タベテヨ」

「嫌だ… 嫌だ…

 こっち来ないでよ!」

「ナンデ?

 アソバセテクレルンジャ、ナカッタノ?」

「私は、そんなコト、一言も言ってない…

 お願い、来ないで…

 誰か、


















 助けて…」


















「南!」





「ッ!?」


私は声のした方を振り向いた

そこには麗が立っていた

「れ、麗…」


私がフラフラッと麗に近づく

「ねぇ、お願い…

 助けて…」





「ワカッタ、タスケルネ^^」








―――やっぱり、私はもう…


















   誰も信じたくない…








私は、目の前の現実から逃げたかった

4年前 No.27

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★nSkWHUr7oG_yKu

「ネェ、マッテ、アソボウ?」

2つの人形が私に迫る

「嫌だ…

 ねぇ、誰か…


















 助けてよ…」





そう思った瞬間、部屋の窓に麗が張り付いていた

「南!」

「れ…!

 嫌だ、来ないで…!」

「南?

 あたしはあたしだよ?

 ねぇ、一緒に逃げよう!」

私は目の前の麗の存在を信じたくなかった

ココは一軒家の2階

窓の下には屋根があるけれど、隣の部屋からしか渡れない…

そもそも、屋根のスペースも十分じゃないから下手をしたら死ぬ

それなのに麗はそこに存在する

「ほら、早く!」

「…」

「南!」

「…たくない」

「何!?」

「信じたくない!」

私はそう言うと人形を振り払って

部屋の扉を開け、駆け出して行った

何処に行くあてもなく

ただひたすらに走った

走り続けた


―――死にたくない!

そんな感情だけが私の中を廻る


後ろを振り返ると、部屋にいた時より多くなっていた

2倍以上にもなっていた…


道行く人々は分からないのだろうか

それとも見えていないのだろうか…

みんな普通に通って行く


―――私にだけ見える幻なの?


足を止めようとしたが、幻じゃなかったら死ぬ


私はただ、ひたすらに走り続けた…

4年前 No.28

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★nSkWHUr7oG_XXe

ただ、ひたすらに走り続けて、川の上にかかる橋にたどり着いた

―――もう、、、ダメ…

   息が… もう…

私は橋ので足をとめた…


「ネェ、アソボウ?

 マッテ・・・」


そんな声がだんだん近づいてくる…

もう恐怖心も何もかもMAX状態…

足もすくんで手も震えて…

氷で固まったかのようだった…

「南!」

後ろから1つの光と闇が走ってきた


その光と闇が私に触ろうとした

「やめてッ! 触らないで!」

「__ッ!?」

私は咄嗟に近づいて来ていた手を振り払った

「み、なみ?」

その光と闇の存在が少し弱い声で呟いた

「ねぇ?」

「…」

「ねぇ、みなm「もう、やめて!」

私は光と闇の存在の言葉を遮って叫んだ

その存在はビックリしたみたい…

いきなり私が叫ぶからさ…

「ねぇ…」

私はその言葉も聞えない振りして逆方向に叫んだ

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

正直自分でも何で叫んだのか良く分からない…

でも、無性に叫びたくなったから…

かな?

理由にならないけどさ、こんな感じのいいワケしかできないけどさ、本当…


















もう、どうなっちゃったんだろう…

4年前 No.29

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★nSkWHUr7oG_XXe

叫び終わってそのまま立ちすくんでいると

さっきよりも声が大きくなっている

「マッテ、マッテ、マッテッ!!!!!!!!」



―――もう嫌だ…

   何もかも…

   何も信じたくない…


そう思って私は振り向き、がむしゃらに人形にアタックしていった…

「マッテマッテマッテマッテマッテマッテマッテマッテマッテ・・・

 マッテマッテマッテマッテマッテマッテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ・・・

 ヤメテヤメテヤメテヤメテ・・・」

人形の言っているコトが変わった…

それは、私が人形を掴んで下の川に落とそうとしているからだ…


正直私が、自分が何をやっていて、何をしようとしているのか分からなかった

もう1人の自分が、自分を動かしているかのようだった…


「ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ、ヤ、、、、、メ、、、、、テ・・・・・・・・・・・」


気が付いたら人形の声が消えていた…

光と闇の存在が立ちすくんでいた…

私の足が震えていた…

光と闇の存在が橋の下を見ていた…




「ねぇ、南…」


しらばくの沈黙を破るように、光と闇の存在が話しかけてきた…

4年前 No.30

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_XXe

「…」

「ねぇ、ねぇってばッ!!

 南!?」

「え、あ、あぁ…

 ごめん…

 何?」

「何って…

 南…

 人形川に落としたよね?

 投げ捨てたよね!?」

「え、あ、…

 ごめん、そこらへんの記憶、覚えてないんだ…」

「覚えてないって…

 あの人形どうするの!?

 最終的には…

 燃やさなきゃいけないんじゃないの?

 ねぇ、あたしたち、どうなっちゃうの?」

「…」

「ねぇ、南、教えてよ

 ねぇ!」

「…」

「ねl「私にも分かんないよ!」

「!」

「私だって…

 麗の幻っていうか、分身みたいなのに追いかけられて…

 気が付いたら麗に攻められてて…

 もう何が何だか分かんないんだよ…」

「…」

私はやっと麗の名前を口にできた

麗の分身みたいなのが現れてから

“光と闇の存在”と思っていた

でも、今は普通の麗のような気がしてきた…

「とりあえず、帰ろう…」

麗がそう呟いた…

「そ、、、うだね…

 帰ろっか…」

そう私も呟いて、橋を後にした…

4年前 No.31

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★z1CeKhnIZc_BaX

私たちは無言で帰る…

「…」

「…」

ろくに目を合わせようともしない


そんな雰囲気を漂わせながら歩いていると、私の家の前に来た

「とりあえず… 入ろう…」

麗がそう言ってきた

「う…ん…」


家に入ると麗も私もソファーに腰掛けた

そして麗は、私の取り調べをするような感じで、少し前に倒れた

「ねぇ、さっき、何やったの?」

一番聞かれたくなかった質問だった…











―――でも答えなきゃ…

「さっき…

 多分…

 人形を川に、落とした…?」

「そう、、、、だよね…」

「…」

私は何も言えず、麗も何も言えず

ただ沈黙が流れていた…


そしてその沈黙を破る音が鳴る


―――ピンポーン、宅配でーす

私はとりあえずハンコを持って玄関に行き、荷物を受け取った…



そして荷物をテーブルの上に置き、再びソファーに座った…

またしばらく沈黙した後、私が口を開いた

「あ、あのさ…

 人形を川に捨てたのは私の責任…

 だけどさ、何が起こるか分からないじゃん…

 だから、その…

 一緒に探して欲しいんだ…」

「…」

「…」

また沈黙…

でもその沈黙は長続きしなかった…

「良いよ…」

「え!?」

予想外の回答が返ってきた…

そして麗は立ち上がり、叫んだ

「だってさ、あの人形、最終的には燃やさなきゃいけないんだよ?

 もし燃やさなかったらどうなるのかが気になるけど、変なことになったら嫌じゃん!

 だからさ、一緒に探すよ…」

「…  ありがとう…」

私は心の底からお礼し、感謝した…

さっきのコトがあったから、「自分で探して」とか言われるのかもしれないと思ったけど

こんな返事が来てくれて、嬉しかった…

「あ、それと…

 さっきはごめん…」

麗が私から視線をそらし、誤った

「あ、、あ、、こっちこそ、ごめん…」

そして麗は私の言葉を聞くと、右手を差し出した

私はそれに応え、右手を差し出した

これは仲直りの印…


握手だ…



そして、今から始まる


















―――――――――冒険のスタート合図だ…

4年前 No.32

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★1eJO4gZ5wW_pXS

しばらくの沈黙が流れた

すると、麗が口を開いた

「ねぇ、ところで、どうやって探すの?」

「え、あ、はははは…

 どうやって、探すんだろうね…」

よくある落ちっぽくなってしまった…

「と、とりあえずさ、さっきのところ行こうよ」

「う、うん…」

この少しの会話で私たちの行動は決まった

これから、あの人形を流した、川に行くんだ…




しばらく歩くと、川に着いた

「何処で、落としたんだっけ」

「確か、此処だった気がするんだけど…」

「うーん…

 じゃぁ、ここらの下らへんから探す?」

「え、でもさぁ…

 川だよ?」

「ま、まぁ、ちょっとした水遊びだと思えば((汗」

「うん、まぁ、良いよ」

麗は承諾してくれた

4年前 No.33

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_yKu

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4年前 No.34

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_yKu

翌日、私は麗の家に行った


今日は月曜日

私達が、お母さんに連絡を取ったのが金曜日の夕方

そして、ひとりかくれんぼを始めたのが、日曜日の夜中

(家で遊んだのが土曜日→その後夜中3時頃、開始)

その後、人形を川に落としたのが日曜日の午前中

捜索開始は日曜日の午後


そして、今に至る



昨日、私は家に帰ってすぐお風呂に入った

でも、麗は家に帰ってすぐにはお風呂に入らなかった


そのせいで、麗は風邪をひいた

そういう理由で、私は今麗の家にいる


連絡帳を届けるのと、様子見、といったところだ



「南ちゃん、ごめんね

 わざわざ来てもらって…」

私が麗の家のソファに腰掛けると、麗のお母さんがそう言った

「いえいえ、どうせ家も隣なので、別に遠くもないですし」

「そっか、でもごめんね」

「いえ、…

 そういえば、麗は大丈夫なんですか?」

私は、このやり取りが永遠に続きそうだった為、会話をそらした

「え、あぁ、

 麗はだいぶ落ち着いたみたいなんだけどね、熱が下がらなくて…

 だから、明日も学校に行けそうにないわ、ごめんね」

「あ、いや、麗ママが誤らなくても…

 むしろ、私が誤りたいです…

 昨日、私と一緒に川で探し物してくれたんです

 きっと、そのせいだと思いますから…」

「そうだったの、麗、昨日「喧嘩しちゃった」としか言わなかったから…

 でも、いいのよ

 あたしがお風呂にすぐ入れなかったせいもあるし…」

「いえいえ、私が麗に探し物を手伝わせたばっかりに…

 すいません…」

「いいのよ、それよr「ねぇ、何してるの?」」

麗ママの声を遮り、聞こえてきたのは麗の声だった

「ちょっと、麗、安静にしてなきゃダメでしょ!?」

「いいから、今はだいぶ良くなったし…」

「でも、今南ちゃんがいるのよ!?

 風邪でも移したらどうするの!?」

「…

 でも、今伝えなきゃいけないコトがあるから…」

「…」

「…」

麗のその言葉に、私と麗ママは沈黙した


そして、麗はその沈黙を気にせず、私が座っている真正面のソファに腰掛けると

お母さんに、「どこかにちょっと行ってて」と口パクとジェスチャーでお願いした

すると麗ママはそれを理解し、「お買いもの行ってくるね」と家を出て行った




それを麗は確認すると、話を始めた

4年前 No.35

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_yKu

「よし、お母さん行ったみたい…」

麗はそう呟くと、私の方に顔を近づけ、小声で話を始めた



「あのね、昨日探してた人形…

 昨日とかにも言ったと思うけど、探して燃やさなきゃいけない…

 それで、一応昨日帰って来てから調べてみたの

 “燃やさなかったら”って…」

「えっ、」

麗から思いがけない言葉が出てきたことに驚いた

私は、麗が「熱が直ったら一緒に探そう」と言うかと思ったのに…


麗は、複雑な私の顔をチラリと見てからまた続けた

「でね、検索結果が…」

私と麗はゴクリと唾を呑んだ

そして、麗が重い口調で続ける


















「死ぬ」


















「!?」


私はあまりの衝撃の言葉に声にならない叫び声を上げ、

口を手で覆った




「ねぇ、お願い、あたしたちが死なないためにも、探して」

「え、」

「あたしは今熱が出てるし、お母さんが外出許してくれないだろうから…」

「そんな、」

「ごめん、直ったら一緒に探すから…」




私はしばらく考え込んだ




そして


















「分かった、絶対、、、、、、、、、だよ?」

4年前 No.36

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_JlB

私は麗の家を出て、家に帰り

宿題を終わらせ、外に飛び出した


―――私の為にも、麗の為にも、あの人形を見つけなきゃッ!

そんな思いで家を飛び出した





―――とりあえず、何処を探せばいいんだろう…

悩んだ末に、昨日の橋の上に足を進めた

「ハァ、やっぱりココじゃないよね…

 昨日一生懸命探したのに無かったし…

 でも一応探しておくか」

そう独りで呟き、少し冷たくなった川に足を踏み入れた

「ヒャッ、つっめた〜い、

 昨日は温かかったのに…」

その後頭をブンブン横に振り、一歩踏み出す

―――こんなコトで弱音はいてたらダメだ!

   絶対に見つけなきゃッ!



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




かなり時間が経ち、もう東の空から月が出てきていた

鴉の鳴く声も止み、「夕焼け小焼け」の歌もとっくに流れ終わって

あたりは暗くなっていた



「何で、何で無いのッ!?

 昨日私が川に落として…

 ココの川は流れも早くなくて穏やかだから、ココから半径100メートル以内にあるはずなのに…

 ちゃんと端から端まで慎重に探して…

 石とかどかしたり、見にくいところ、手を入れにくいところ

 全部探したのに…

 何で何処にも無いの!?」


私は怒り任せに川の底に転がっていた

少し大きめの石を川の水面に向けて投げた


石はジャブン、と音がするくらい沈むかと思ったのに

水の音一つしない



―――?

私は不思議に思い、投げた石が落ちた所に行ってみた


すると、神様からのプレゼントが落ちていた

3年前 No.37

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_JlB

その神様からのプレゼントとは

「人形の腕」だった

「や、やったぁ…

 後はもう片方の腕とそれ以外…

 でも、もう無理…

 明日にでも探そうかな…」


私はそう呟き、川から足を上げた

人形の腕を持って…



――――――――――――――――――――

家に帰るとお母さんが怒鳴った

「何処まで行ってたの!?

 もう、心配したんだからね!?

 とりあえず、明日は外出禁止!」

お母さんはそう怒鳴ってどこかへと行ってしまった


「どうしよう…

 外出禁止なんて…

 人形を早く探さなきゃいけないのに…」


私はそう呟いて頭を抱えた


そうしていると、「ある物」が目に飛び込んできた


そう、この前届いた宅配だ

お母さんは気付いていないのか、それとも何なのか

空けた形跡もない…


私が近づいて箱を見てみると、

「佐藤 南様」

となっていた


「わ、私の!?」

そう、紛れもなく私の名前…

お母さんはきっと、私の名前が書いてあるから開けなかったんだろうな…



そう思ってガムテープを剥がし


















ダンボールの蓋を開けた

3年前 No.38

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★3hXzfNN9V3_JlB

蓋を開けると、人形のその他の部品が入っていた


―――え、嘘…



私はそう思いながらも半信半疑で

川で拾った腕とダンボールから出てきた人形を見比べた



―――嘘じゃない、本当に、本当に本物だ…


私はそう思うと胸がドキドキした


見つかった事への喜びと

これからこの人形を燃やすという、恐怖…


どちらかといえば恐怖の方が大きいかもしれない

でも、


















これで「ひとりかくれんぼ」が終わるなら、そんな恐怖も一瞬にして消えて行った…


















「よし、じゃぁ燃やさなきゃだね…

 えーっと、外出禁止だからお庭でやるか…」


そう独り呟いて庭に出て、マッチと水を持ってきた



「よし、準備オーケー

 じゃぁ燃やしますか…」

そもまた呟いてマッチに火を付けた…




すると


「ちょっと、何やってんの!?」


先ほどと同じ怒鳴り声がした



ビクッ!

私は肩を揺らし、恐る恐る振り返る…


そこには、顔を真っ赤にしたお母さんが立っていた



「ちょっと、何やってんのよ

 もうこんなに夜遅いし、ご近所にも迷惑でしょ?

 それに放火犯とかと見間違えられたらどうするの!?


 まったくもう…

 変なことばっかりしないでよね!?」


そう言ってお母さんはマッチと水、人形を取り上げて家の中に入ってしまった





―――あぁぁ…

   どうしよう…

   人形取られちゃった…



私は庭で頭を抱え、悩んだ


















この時の私は、先ほどの違和感と恐怖を忘れていた

3年前 No.39

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★v6T0mn2gdI_JlB

とりあえず、お母さんに酷く怒られたため

自室に入り頭を抱え悩んだ



「んー、どうしよう…

 人形取られちゃったし…

 お母さんがあのまま捨ててくれればいいんだけどなー

 でもお母さんだからきっと、捨てないでしばらくしたら返してくれるかな…」


そんな風に色々な考えを巡らせていた

でもそんな考えは今のところ不必要な訳で…


というコトでPCの電源を入れ、ひとりかくれんぼについて調べてみた

そして、このワードを入れた


















「ひ と り か く れ ん ぼ     燃 や さ な か っ た ら …」


















結局ネットの情報だから信用できるものがあるとは言えない

でも、ひとりかくれんぼの人形を燃やさなかった人の実体験

その後どうなったかなど、嘘でも何でもいいから知りたかった




「あ、出た出た…


 えーっと…


















 死ぬ…       か…」





麗と同じ検索結果だった…



「何か、他に死ぬ以外とかでないの!?」


私はそう声を張り上げた


すると当然のように声が聞こえる

「南!

 何回言ったらわかるの!?

 静かにしなさいッ!!!!!」


そう言って大きなため息が聞こえる


「は、はーい…」


また怒られてしまった…


そう思いながらPCを再びいじり始める



だが、どんなに探しても、検索結果は「死ぬ」しかなかった…

3年前 No.40

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★v6T0mn2gdI_JlB

―――翌日…


麗ママが言っていた通り、麗は今日も学校に来なかった…


正直、来ても何か報告できることもなく

空気が重くなるだけだと思うから、ちょっぴり嬉しい気もした…





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


学校が終わって、家に帰り、外に飛び出した…



でも…


「あ、そうだ…

 昨日お母さんに人形“全部”取り上げられちゃったんだっけ…


 どうしよう…

 どうやって返してもらおう…」


頭を抱えて悩んだ…

そのまま悩みながら家に戻る



「あら、外に遊びに行ったんじゃないの?」

お母さんが声をかける

「あ、いや…

 ちょっとした勘違いというか…」

「そう…

 あ、おやつ食べる?

 親戚のおじさんからお高いチョコ貰ったのよ♪

 せっかくだから食べない?」

「あー、うん…

 食べる♪」

私は笑顔でそう答えた

他のお菓子なら暗い感じかもしれないが、チョコだから…

チョコは私の大好物だから♪

だから笑顔でこたえられたのだ


まぁ、それに

おやつを食べながら人形の話をすれば良いかも…

と思ったからだ




ダイニングテーブルでチョコを待っていると

お母さんがチョコを持ってきた

「はい、じゃぁこれ南の分…

 んで、これはお母さんの分…」

「ありがとう♪」

「はい、じゃぁいただきまーす♪」

「いただきます♪」


しばらくモグモグ食べていた


何も会話をしていなかったため、会話を始めるのは

何となく難しく思えたが、勇気を振り絞って会話を始めた



「あ、あのさ…」

「ん?」

お母さんはチョコを食べるのを辞めずに返事をした


「あのね…

 昨日の…


 人形の事なんだけど…」


するとお母さんは、顔を険しくして、

チョコを食べるのを辞め、私と向き合った

3年前 No.41

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_yKu

「そのー、昨日の人形、返してほしいなー…

 とか思ったりして…」


そう私が重く呟くと

お母さんの顔がさらに険しくなり

その顔の中には、どこか悲しげで、寂しそうな顔があり…


小さくポツリと呟いた


「昨日、縫って直してたら…


















 突然、どこかに消えちゃったのよね…

 一瞬目を離したすきに…」










心臓が大きく鳴りだした

ドクン、ドクンと

聞えて来そうなほど…

それが音が大きくなると共に

鼓動も早くなり始めた



そして私は耳を疑った




「え、ちょっと待って

 消えちゃったって…

 そんなん、お母さんが足で蹴っちゃってどっか行っちゃったとか

 そんな感じじゃないのッ!?


 人形が消えるなんてさ、あり得ないじゃん」

ハハ、と苦笑いする


でもお母さんは言い返した

「そうよ、お母さんもそう思ったわ…

 もちろん、棚の下やベランダ、いろいろなところをくまなく探したわ…


 でも、でも…

 見つからなかったのよ


 どこか、殺人犯が海外に高跳びしてしまったかのように…」



お母さんはゾッとするような例えをした

そのせいか、背筋が少しばかり寒くなる


「ハハ、そんなの…

 そんなのある訳ないよッ!」




私はそう怒鳴って、家を飛び出した

3年前 No.42

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

―――はぁぁ…

私は今、かなり後悔している…



そう、先ほどチョコを食べている最中

あの人形の話をして、私が怒鳴って出てきてしまったからだ…


そして現在、公園のブランコにて後悔中…


私はブランコを少し揺らしながら

お母さんに怒られるんじゃないか、とか

人形どうしよう、という考えを頭の中で巡らせていた


「どうしよう…

 もう、、、、、最悪だよ…」



ブランコがギギッと年期の入った不気味な音を立てた

一瞬背筋に寒気がする

そのせいで肩がビクリと動く


「さ、寒いなぁ…

 何でだろ…」


そう呟くと、




―――ポツリ




足が見えた



―――誰、、、、の足?


足から体、体から頭へと顔を上げると


人形がそこにいた



「こんにちは^^」


人形の笑顔が夕日を浴びて不気味な笑顔になる


「え、」


私が驚いて瞬きをした瞬間


















―――その人形は消えてしまっていた…

3年前 No.43

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_yKu

私は必死に探した

必死に…


もう、字そのままのように

死んでしまうのではないか、そう思うくらい必死に探した


けれど、見つからなかった…






「仕方がない…

 今日は帰ろっか…」


私は、誰に話すでもなくそう呟いた




そして、誰もいない右側に手を差し出し

誰もいない空間を掴んで、「夕焼け小焼け」を歌いながら帰路に付いた









しばらく歩いていると、ふと、自分の行動のおかしさ

そして、先ほどの人形の事を思い出す



「な、何で…

 何で私…

 誰もいないのに空間を…

 手を繋いでるの?」


自分のとった行動がおかしすぎて、奇妙すぎて、怖すぎて

冷や汗が背中と頬をつたる



そして、人形のあの不気味な笑顔

あの声、あの瞳…


瞳には光が無かった

きっとあの時、私は、目に涙を浮かべていたかもしれない


多分、精神不安定のせいだと思う

最近人形のことばっかり考えて、学校で勉強に置いて行かれ

麗が休んでいて、ほとんど遊ぶ人がいなかったため、学校で1人ボッチで…

しばらくそうしていると、ストレスが溜まり、精神が不安定になっていた

自分自身でも分かっていた

そこで、人形に会って…



私のストレスはもう許容量を超えていた

「きっと、そのせいでおかしくなったんだろうな…」

そう呟き、あの声と笑顔の人形を再び思い出す…



私は、自分が虚しくて、悔しくて、愚かで…

自分が醜いほどに嫌に感じた




私は、帰路の途中にある電柱にもたれかかり、1人泣いていた…

3年前 No.44

(♪´ω`%艸【桜姫】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

しばらくして、ふと視線を上げると

誰の足だろう

足が見えた


それは、人形の足とは違い、生身の人間の足のようだった


「南、帰るよ?」

その人物はそう言い、私の目の前に手を差し出した

私は、その人物を見ようと視線を上げると

そこにが麗が立っていた


「れ、麗!?

 麗、どうしたの?

 熱はもう治ったの?」

「うん、もうすっごく楽になった…

 ねぇ、一緒に、私達の行くべき場所へ、戻ろう?」

「え、」

麗がそう呟いた瞬間、麗の瞳が真っ黒になり

差し出していた手がドロドロに溶け、その後

頭、体、手、足と順番に溶けて行く

「いや、いや、いやあああああああああああああああ」

私は、崩れゆく麗を見ていたくなくて、叫んだ

叫んだ後、視界がグニャリと歪み、真っ暗になる

そこに一筋の光が入る


「此処は一体どこだろう?」

そう呟くと、その世界が吸い込まれ、先ほどの電柱の所にいた


「あれ?」

ふと視線を上げると、太陽が西の空に傾いている

「えーっと…

 麗?」

私は、とりあえずさっきまで目の前にいた麗の名を呼んだ


でも、返事は無かった…



私は立ち上がり、そのまま帰路に着いた



そのまま帰路を歩いていると

頬がカピカピになっているのに気が付く

「アレ? これ、どうしたんだろう?」

そう呟き、頬を触ると、少し湿った感触があった

それを見てみると、透明できれいな滴がそこにはあった

「いつの間に…」

いつ涙を流したのだろうと思った

「きっと、夢でも見ている間かな…

 麗が、崩れちゃうから…

 きっと、そのせいだな…

 今度麗に会ったら、責任取ってもらわなきゃ」

私はそう呟くと、歩いていた速度を少し早めた

3年前 No.45

(♪´ω`%艸【マリー】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

「ただい、、、ま…」

私は控えめな声で帰った事を告げる

「えと、ただいま…」

返事が無かったため、もう一度言ってみる

「…

 えと…

 その…

 ごめんなさい…」

きっと怒っているんだろうな、帰る時間も凄く遅くなっちゃったし…

そう思って謝罪もした

でも返事がない


私はとりあえず玄関にいても意味がないと思い、リビングに向かう

その進む足は、ゆっくりとしていて、足音が無かった


そして、リビングに続くドアを開けて、部屋の中を見回す

誰もいない

和室を覗いてみても誰もいない

家中をしばらく探していると、どこからか泣き声が聞こえてきた

それは、必死に声を抑えているかのようだった


私は、その声のする方向へ足を進めてみた

すると、そこには母親の姿があった

キッチンの一角に設置されている電話の子機を置く所の前で、涙を流していた


「お母、、さん?」

私がそう呟くと、お母さんは私に気が付き、涙を拭き、少し怖い顔をした

「南ッ!

 こんな時間まで何処行ってたの!?

 もう、心配したんだからね!」

お母さんの目は、涙を拭ったのに真っ赤に腫れており

また涙が出て来そうだった

「ごめんなさい…」

私はそう呟くと、お母さんに釣られてか、涙が出てきた

すると、お母さんは私を抱きしめ、頭をなでてくれた

「いいのよ、お母さんも、少し混乱してただけ…

 ごめんね…」

お母さんはそう呟くと、抱きしめる力を強くした




この時私は、お母さんが泣いていた理由が分からなかった

3年前 No.46

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

その後、お母さんは無言で食事を作り

私達は無言で夕食を終えた


そして、明日の学校の準備が終わり

リビングでテレビを見ていると

「今日はもう寝なさい」そう言われた


私は、まだ9時30分を指している時計を見て

その後口を開きかけたが、その口を静かに閉じた

「分かった、今日はもう疲れたから寝るね」

私はお母さんにそう呟き、リビングを後にした



部屋につき、私は考えていた

―――何でお母さん、今日は早く寝ろ、なんて言ったんだろう…

   しかも、私が家に帰って来た時、泣いてたよね?

   しかも電話の前で…

   誰かから、悲しい連絡でもあったのかな?


そんな事を考えていると、遠くから泣き声が聞こえてきた

「う、、、うっ…」

きっとお母さんの泣き声だろう…


今でも泣いている、という事は、それほど精神的なショックが大きいのだろう

私はそっとしておいてあげようと思い、そのままベットに入り、眠りについた…

3年前 No.47

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

ジリリリリ、ジリリリリ…

目覚まし時計が鳴る頃には、今日は珍しく私は起きていた

「いっつもこんなに煩く鳴ってたんだ…」

そう呟きながら、私は蝉のように鳴く目覚まし時計を止めた


そして、私は自室で着替え、リビングに向かった



「おはよう」

私は少し眠そうな表情で言う

「おはよう」

お母さんがニッコリ笑顔で返してくれる

まるで、昨日の泣いていたのが嘘のように…


そんな事を考えていると、お母さんが問いかけてきた

「南、今日は早いわね

 いつもなら、目覚まし時計をかけてても全然起きてこないのに…」

お母さんは、少し嬉しそうな表情をした


私は、少し考えてみた

―――何で今日は早く起きたんだろう…

   ホント、いつもなら目覚まし時計鳴ってても全然気づかないのに…

そう思っていると、胸の中に妙な違和感を覚えた

それは、きっと違和感、というより、胸騒ぎ、というのだろうか…

そんなものを私は覚えた


「なんか…」

気が付くと、私は喋り始めていた

「なんか、妙な胸騒ぎがして…

 何でだろうね…」

私が少し控えめな声で言うと、お母さんの顔が少し曇ったように見えた

でも、ほんの一瞬だったせいか、それとも、お母さんの顔は少しも曇らなかったのか定かではないが

お母さんはすぐに笑顔になった

「そっか…

 胸騒ぎか…

 でもまぁ、胸騒ぎがしても、何もない事もあるからね…

 多分今日の胸騒ぎは、たまたまだよ…」

お母さんは、言葉を紡ぎながらそう言った

お母さんの表情…

笑っているのに、何故か寂しさが、悲しさが隠れているような気がした…




「じゃぁ、ご飯食べちゃおうか」

そう言ったお母さんに私はコクリと頷く



―――この時、きっと神様は私への最後の合図をくれたのかもしれない

3年前 No.48

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

「それじゃぁ、行ってきます♪」

「いってらっしゃい」

いつも通りの日常、いつも通りの言葉、挨拶…

何でだろう、やっぱりお母さんが少し違う気がする

何て言うか…


―――悲しみが混じってる…


―――でもまぁ、そんな事を考えてもしょうがない訳で…



―――――――――――――――――――――――

教室のドアを開けると、みんなが一斉に私の方を見る

「え、あ、どしたの?」

少し詰まったが、みんなに問いかけた

すると、みんなは

―――何も知らないのか、お前は…

―――可哀そうに…

そんな目線で私の事を見てきた


「え、?」

私が戸惑っていると担任の先生、たけごうが教室に入って来た

―――アレ、何か今日はたけごう来るの早くない?

そう思っていると、たけごうがおもむろに口を開いた


「えー、みんなそろってるな…

 今日はみんなに報告する事がある」

たけごうがそう呟くと、みんなが涙をこらえ

たけごうが息をのんだ

―――何? 何かあったの?

   それに… それに…

















 “麗がいない”のに、“全員揃ってる?”












私は全く話題に付いて行けずおろおろしていると、意を決したかのようにたけごうが口を開いた


「実は…」

たけごうが一言発しただけで教室にいる生徒はザワついた

ある者は泣きだし、ある者は両手で目を塞ぎ


たけごうは、その生徒たちを少し見て

口を開き、続きを話し始めた





「実はな…」

たけごうが、言葉を紡ぎながら小さく言い放った


















「赤沢麗が…」


















―――ドクン

心臓の鼓動が速くなる







―――何でだろう…


















「死んだ」

3年前 No.49

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

その3文字の言葉が私の頭の中でリピートされる

―――死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、しんだ、シンダ、シンダ


―――何? “シンダ”って何?

私の思考回路はすっかり停止していた


「死んだ原因は…」

たけごうが続きを話す


何も聞こえない

―――“何も聞きたくない…”

―――死んだ? しんだ? シンダ? 何それ、美味しいの?


「高熱によって身体が弱くなって…」


―――そんな、麗が死んだなんて嘘だよ

   きっと何かの冗談…


―――きっと、電話したら明るい声で出てくれる


―――きっと、チャイムを押したら太陽みたいな笑顔で出て来てくれる


―――きっと、授業終了のチャイムが鳴ったら私の席に飛ぶように来てくれる


―――絶対… 絶対… 絶対… ぜったい?



「抵抗力が弱くなった所に今までに見た事のない細菌が入り込んで…」


―――今となっては絶対? 絶対? ぜったい?

   “はず”?

   何それ、知らないよ


「それから赤沢の体を蝕んでいって…」

たけごうが下を向く

きっとこれ以上は言いたくないのだろう

みんなも分かっているから…



―――麗が熱のせいで死んだ?

   誰のせい?

   誰のせい?














   誰のせい?


















   私のせい?


















―――私が“ひとりかくれんぼ”をやろうって、誘わなければ?

   そうすれば麗は助かった?

   助かった? たすかった? タスカッタ?









あぁ、きっと私の思考回路はもうズタズタなんだろうな…




―――麗…

3年前 No.50

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★lQ5j7qmPxe_Gsy

しばらくの沈黙が教室を包む


すると、それを打ち砕くかのようにチャイムが鳴る

―――キーンコーンカーンコーン

   キーンコーンカーンコーン


―――あぁ…


「それでは、授業を終わりにする」


―――あの日と同じチャイムの音だ…


「とりあえず、今の状態じゃ何にも出来ないだろうから、今日は自習だ」

そう言ってたけごうは教室を出て行く


―――きっと、あの時に運命は狂いだしたんだ


―――私が誘わなければ…

   きっとこんなことにはならなかったはず…


「ねぇ、南…」


―――私が誘わなければ…

   え? 誘わなければ?

   そんなの、知らないよ


「ねぇってば!!」


―――だって、だって…

   麗が熱を出したのは、麗のせいでしょ?


   でも、でも…

   あの日、私が人形を川に落とさなければ…


   きっと、、、きっと麗はッ!!!!


「ねぇってばッ!!!!!」


肩を思い切りゆすられ、私は自分の世界から抜け出す


「え、あぁ… ごめん…

 ど、どうしたの?」

私が返事をすると、私を読んでいた人物

飯島 陽夜美(いいじま ひよみ)が心配そうな目で、でも鋭く問いただすような目で

私に問いかけてきた


「ねぇ、南は何にも知らなかったの?」

「え?」

「だってさ、麗が死んだって聞いた時も、朝、登校してきた時も…

 南はさ、何にも知らないような顔してたじゃん…

 何で知らなかったの?」

「何でって…



 誰にも教えられてないからだよ…」

「そんなのって…」


そう独り呟くと、陽夜美は泣きだした


「何で泣いてるの?」

私が聞くと、陽夜美は走って行ってしまった


―――そういえば、陽夜美は麗とは結構仲が良かったなぁ…


私は、ふとそんな事を思った


―――きっと、麗の親友だったんなら、麗と結構仲よくしてた私にも教えてくれてもよかったのに、っていう文句だったんだろうな…


私は、そんな事を思いながら、机に突っ伏した


そんな私の背中には、冷たい視線が注がれていた

3年前 No.51

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★eDsRYCAZzi_Gsy

キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン


気が付くと、授業開始のチャイムが鳴り響いていた


―――嗚呼、“本当なら”今日も“平凡”な日常が始まるのに…

私はそんな事を思いながらも机から顔を上げる


そして、視線を周りに向けると、みな話しているようだった

まぁ、それもそうだろう

先生は「自習だ」とは言っていたけど、「これをやれ」とは言ってないんだから…

要するに、自主勉強と同じような感じ…

でもまぁ、みんな自主勉強なんかより話をすることの方が良いようで…


私がそんな事を考えていると、ふと声がした

「おい、佐藤」

声のする方を振り向くと、杏屋 優(あんや ゆう)と安藤 岳楼(あんどう たける)がそこに立っていた

どうやら私に話しかけてきたのは、安藤岳楼だったようだ


安藤は、私が振り向いてボーっとしているのを無視して話し始めた

「お前さ、本当に赤沢が死んだって知らなかったのか?」

安藤は私を問い詰めるような口調で話しかけてきた

杏屋も私を問い詰めるような目をしている

「わ、私は… 何も聞いてない…」

私は、消え入りそうな声でそう答えた

すると、杏屋が私をさらに追い詰めるように言った

「んなわけねーだろ?

 お前、赤沢とすごく仲が良かったじゃないか

 それなのに、お前が知らないなんて…」


私は、杏屋のこの言葉を聞いて何かが切れたような気がした

―――何だろう…


気が付いた時には、もう遅かった…



「わ、私は知らなかったって言ってんじゃん!!

 仲が良かろうが、親友だろうが、知らない事は知らないんだよ!!

 親友なら全部知ってるだろ?、みたいな感じで言わないでよ!!

 私だって、本当に何も知らなかったんだから!!」



私は気が付くと、杏屋と安藤に大声で怒鳴っていた


「さ、佐藤…

 それでも…」

安藤がまだ私を問い詰めようとした所で、声がした


「おい、やめないか

 知らないって言ってるんなら知らないんだ

 知らないものを無理に聞こうとしたって知らないんだから仕方がない」

声がした方を向くと、そこには白龍 竜夜(はくりゅう たつや)がいた


私は、好意を寄せている白龍に助けられた事に感謝した

でも、私はその場にいる事が出来なかった

こんな狭い空気に、空間にいたくなくて…




気が付くと私は、椅子から立ち上がり駈け出していた



後ろの方で、

「佐藤!!」

「南!!」

と、いろんな人が私を呼ぶ声が聞こえる


でも、そんなの聞こえない

聞きたくない…



私は無我夢中で駆けだした

3年前 No.52

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

「ハァ、、ハァ…」

息が荒い、呼吸があまりできない


一体どこまで、どのくらい走ったんだろう

朝、私が教室を飛び出したのは…

1時間目の授業が始まるのは9時から

そこからしばらく杏屋と安藤と話して…

きっと、9時10分ぐらいに教室を飛び出したんだろうな…



空を見ると、さっきまで晴れていたはずの空が

どす黒い厚い雲に覆われ、雲と雲の間から、太陽が少しだけ顔を出していた

太陽の位置からすると、多分10時ぐらいだろうか


「かなり長い間走ったなぁ…」

私は苦笑いを浮かべながら独り、呟いた



ポツ


突然、水滴が顔に当たった


雨だ


雨が降って来たんだ


「あーあ、雨が降って来ちゃった…

 どうしよう、何も持ってないよ…」

私はそう、また独り呟いた

「どこか、雨宿りできる所ないかな…」

私はそう思って辺りを見回してみると、そこは公園で

遊具がいっぱいあった

その中の、滑り台に私は向かった

しかし、そこで何故か土管があるのに気が付き、私は方向転換をして

その土管に歩み寄り、その中に入った


―――結構窮屈だなぁ…

そう文句を思いながらも、雨がしのげるので、文句は言えないかなと思った





どれくらいの時間が経っただろう

なんだか眠くなってきた…


「ふぁぁ…」

私はひとつ、大きなアクビをした

「ヤバい、もう… ダメ…」

私はそう呟き、暗黒の世界に吸い込まれて行った

3年前 No.53

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

「ん、んん…」

目が覚めると、何処だろう…

見知らぬ丘、でも知っていそうな丘に私はいた

「ここ、どこ?」

私がそんな事を呟くと、背後から声がした

「青空丘だよ」

ビックリして振り返ると、そこには麗が立っていた

「れ、麗… なんで…

 死んだはずじゃ…」

「あぁ、そっか、南はまだここがどういう場所かわからないのか」

「?」

私が頭に疑問符を浮かべていると、麗が淡々と話し続けた

「ここはね、生きている人と死んでいる人を合せる場所なんだ」

「そ、そんな」

「ちなみに、今回は私が南を呼んだの

 伝えたい事があって、、、ね…」

麗は何故か最後を少し溜めた

そして、私がその伝えたい事を聞こうとすると、それを察したかのように麗がおもむろに口を開いた

「今南気になってるでしょ? 私が伝えたい事がなんなのかって…

 それはね…」

麗が次の言葉を躊躇っていると、私の後ろから光が溢れ出した

「え?」

私が戸惑っていると、麗が説明してくれた

「あぁ、きっと南のいる世界で、誰か呼んでるんだよ

 残念だけど、今回はここで終わり…

 さぁ、南

 早く、、早く」

麗はなぜか私を急かした

その急かされた理由を問いただそうとすると、麗が先に口を開いた

「そうだ、南…

 一応重要な事だから今言っておくけど…


 南は、もう生きていてはいけないの

 死ななきゃいけないの

 だから… 死んで

 死んで、私と一緒に楽しくやっていこうよ…

 そ、、、ば、み、、しあ、、になれ、、、、、…」


―――なんだろう、麗の声がノイズが入ったみたいに聞こえない…

―――どうして…





―――麗…



「さよなら」


最後の一言、その一言だけは、絶対に、確実に聞えた

3年前 No.54

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

「ん、んん…」

目が覚めると、何かが私の顔を覗き込んでいた

「あぁ、起きたか」

「うん、、、、え?」

私は、声の主を見て驚いた


その人は、私が好意をよせている人物

白龍竜夜だった


「お前さ、寝過ぎなんだよ

 さっさと帰るぞ」

白龍はそう言って私の手を握った

「へ、う、うえええええええええええええええ!?!?!?!?」

私は好きな人にいきなり手を握られて叫び声を上げた

「んだよ、いきなり叫ぶな」

「あ、ごめん…」

私は白龍に怒られて、反射的に誤ってしまった

個人的にはいきなり手を握った白龍が悪いと思うんだけど…


「うし、帰るぞ」

私が心の中で白龍に批判の声をあげていると、白龍が私に話しかけてきた

「え、でも雨が…」

私は雨が降っているのを確認してからそう言った

すると白龍は、

「傘1本だけどあるんだからこれで帰れるだろ?」

そう言って白龍は私の手を握って、私と一緒に1本の傘に入った

「え、え、え、」

私が戸惑いの声を上げていると、白龍がぼそりと呟いた

「男女で相合傘ってのはやっぱり恥ずかしいけど、帰る為なんだから仕方ねーだろ…」

私は白龍が何を呟いたのか聞えたようで、聞えなかった

激しく降る雨の音にかき消されて…

3年前 No.55

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

どれだけ歩いただろう

走って公園まで行ったから、そこまで長い距離を走ったとは思わなかったけど、

実はかなり離れたところまできていたらしい



―――というか、白龍君、なんで私の場所分かったのさ…


私が、そんな白龍君への疑問の声を心の中で呟いていると、

白龍君はそれを察したのか、おもむろに語り始めた


「いや、実はな…

 お前が教室出て行ったあとに、俺すぐ追いかけたんだよ

 俺があの場所でお前の事を庇った事で、何か気の触るような事を言って

 それで出て行ったんじゃないか心配になって…


 まぁ、もし違ったらそれはそれでいいんだけどよ

 お前、あの状態からみるに、どこかがむしゃらに走っていきそうでよ

 なんか心配になったから、一応付いてきたんだ


 で、お前があそこの公園にたどり着いて、俺が帰るよう促そうとしたら

 お前があそこで寝ててよ…」

「そ、そうだったんだ」

白龍は、私の疑問をすべてこの一瞬で解決してくれた


そして、その疑問解決の言葉に感謝しつつ、私は嬉しい気持ちもあった

なぜなら、白龍が私の事をここまで気にかけてくれていたからだ



私がそんな嬉しい余韻に浸っていると、白龍が思い出したように口を開いた


「あぁ、そうだ

 お前、寝ながら寝言言ってたぞ

 麗、、、とか呟いてたし、起きる直前なんか、なんか泣いてたぞ」

「え、うそ…」

私が余韻に浸って幸せになっているのに、白龍はそんな爆弾発言をした


ちなみに、爆弾発言っていうのは今の私にとってはいろんな意味があって…

一つは、大好きな白龍に寝言を聞かれてしまったこと

二つ目は…

二つ目は…


「おい、どうした」

私が二つ目を頭の中で出さないようにしていると

白龍が声をかけてきた

きっと、ボーッとしていたのだろう


「ううん、なんでもない」

私はそう呟くと、意を決して二つ目の答えを頭に表示させた



―――麗の事を呟いていた事

3年前 No.56

(♪´ω`%%【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

ああ、どれだけ歩いただろう…


白龍と一緒に歩いてたせいか、幸せな時間はあっという間、って感じで

ほんと数分だったような気もするし、

実はものすごく長い時間だったかもしれない


そんな事を考えながら私達は校門前に来ていた


昇降口で靴を履き替えていると、きっと探していたであろう、クラスの女の子に会った

その子は、飯島 陽夜美…

さっき私に話しかけてきた、麗と結構仲の良かった子だ

陽夜美は、きっと私に話しかけて泣いてしまって少し恥ずかしい、という気持ちからなのだろうか

そこら辺はよく分からないが、私から視線を少しそらした


私がなにか言おうと、口を少し開いた時、白龍が陽夜美に話しかけた

「おい、飯島

 お前はみんなに、こいつが見つかった、って話して来い

 俺らは、雨で少し濡れちまったから、少し乾かしてくるから

 じゃ、よろしくな」

そう言って、白龍は私の肩を引いて、保健室に向かった

その時、陽夜美の方をふと振り向くと、陽夜美は私達の方に手を伸ばし、

少し口を開けてなにかを言おうとしていた

でも、白龍はそれに気付かずどんどん歩いて行ってしまっていて、

陽夜美はその言葉を発する勇気がなかったのか…

伸ばしていた手を下におろし、口も閉じてしまって…

でも、その後に何か呟いた気がした…


口の動きから察するに…







「ごめんね…」って…

2年前 No.57

(♪´ω`%艸【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

2人でただなにも喋らず廊下を歩いていた

なんだか廊下が静かだ



そういやぁ、今は何時なんだろう

時計なんて見てないし、腹時計もよくわからない

そんな事を考えていると、どこかにたどり着いた



「えっと… ここは…」

私が悩んでいると、白龍は即答した

「俺たちの教室だ」

―――いや、言われなくても分かりますが…

そう思いながら2人で教室に入る


中は、、、誰もいない

きっと、皆私達を探しているのだろう

それを逆手にとって、戻ってきたー、みたいな感じなのかな?


そんな風に、また思考を巡らせていると、いきなり白龍に背中を押された

「ちょ、いった! なにすんの!?」

私がそう怒鳴ると、白龍は少し頬を赤らめて、視線をそらしながら呟いた

「俺と同じ場所で着替えていいのかよ…」

「は?」

一瞬思考が止まった

いっつもクールで頭がよくて、冷静で…

そんな白龍がこんな事を!?

「いやいやいや、ちょっと待って

 だって、体育のときだってみんな同じ場所で着替えてるじゃん

 い、今さらなにを…」

「それはそうだけど、今は2人きり…

 さ、流石に年頃の女子と同じ場所で着替えるのはどうかと思うんだが…」

―――あ、白龍君さっきよりほっぺた赤い…

―――というか、私もほっぺた熱い…

なんて、バリバリの恋愛小説チックな展開になってきたけど…

と、とりあえず、言われてみればそうだから遠慮なく1人で着替えさせてもらおうかな…

「わ、分かったよ…

 とりあえず、絶対に覗かないでね!」

私は、白龍の鼻先に人差し指を押しつけ、その後おでこに手を持って行き

『覗いたらでこぴんだからね!』という合図を送って教室に入った

2年前 No.58

(♪´ω`%艸【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

あぁぁ・・・

まだ頬が熱い、ヤバイ照れる

まさか白龍君があんなに可愛い一面を持っているなんて・・・

なんで私今まで気づかなかったんだろう・・・

・・・

って、何考えてんの私の馬鹿!



「はぁぁぁ・・・」

私は大きくため息を吐いた

なんだか疲れたなぁ・・・


そんな事を考えていると、後ろのドアがノックされた

「ふぁいっ!?」

あぁぁ、どうしよう、驚いて変な声出ちゃったよ・・・

「あっ、あぁ、俺だけど・・・

 もう着替え終わったか?」

「あ、うん」

私がそうつぶやくと、ドアが少し開き

しばらくするとドアがゆっくりと開いた

「よかった、ちゃんと着替え終わってた・・・」

白龍君はそうつぶやくと教室の中に入ってき、体育袋を自分の場所に戻した



「ねえっ」「おい」

私がそう声を発すると同時に白龍君も声を出した

白龍君は私の声に気づかなかったようで、自分の話を進めた

「この後どうするんだ?

 みんなに俺達が帰ってきたことを伝えてとりあえず教室に全員集まってもいいんだが・・・

 お前がもし、まだ落ち着かないっていうならしばらくこのままでもいいんだが・・・」

「え、えーっと・・・

 じゃぁ、しばらく休憩って事で・・・」

私はそういい、自分の席に座った

しかし、白龍君は座らない

きっと頭にハテナマークでも浮かべてるんだろう

私が、「休憩って事で」という先ほどの二択にない三択目の答えを出したから・・・

どちらで受け取ればいいのか少し迷っているのかもしれない

正直自分でも何を言ったのかよくわからない


しばらくすると、白龍君もなんとなくわかったようで、自分の席に着いた

そして座って数秒後、

「休憩しててもいいんだが、俺達が帰ってきたことがばれるのは、時間の問題だぞ」

と言った

今度は私がハテナマークを頭に浮かべていると、

「さっき廊下で飯島に会っただろ

 あいつが誰かに話せばそれがどんどん広がって、徐々にこの教室に人が戻ってくる

 だから休憩できるのは少しだ

 この少しの間で心ちゃんと落ち着かせておけ

 後でまた暴走して出て行かれちまっても困る

 俺にもみんなにも迷惑がかかるからな・・・」

そういうと白龍君は腕に顔を埋めた


そっか、長くは休憩できないのか・・・

なんか残念だなぁ・・・

そんなことを思っていると、白龍君が思い出したかのように

「そういや、お前さっきなんか言いかけてたよな

 なに言おうとしてたんだ?」

「え、」

まさか白龍君が私がなにか言おうとしてたのを知ってたなんて・・・

ていうか、知ってて無視したのはちょっと残念だけど・・・

「まぁ、なんとなく察しはつくし、どうせくだらない内容だろうからスルーしちまったけど」

あ、なんかやっぱり悔しい

「い、いや

 私が着替えてるときほんとに覗かなかったか聞こうと思って・・・」

私が少し照れながら言うと、白龍君は少し赤面しながら言い放った

「見てねーよ」

「ふーん、そっか」

あぁ、やっぱり照れてるときの白龍君って可愛い

なんて思いながら少し安心した、けどちょっぴり残念な気もした




それから数分

私達はなにも喋らなかった



すると、後方のドアが少し開いた

2年前 No.59

´ω`%艸【マリー】 @siruseirai ★nYRsEK91IZ_Gsy

―――ガララッ


「あ、誰か戻ってきたみたいだな

 お前全員集まったらちゃんと謝っとけよ」

顔を上げた白龍はそう言ってからまた顔を腕に埋めた

私は軽く返事をしてから誰が戻ってきたのか気になってドアのほうを見てみた




「えっ」

私はそこにいた人物を見て驚いた

いや、これは人物ではなくモノとして表現したほうがいいかもしれない、というかモノである

そこにはモノがあった

あの日、私たちが使ったあのモノが・・・

自力で立って、よたよたしながらも私のほうに確実に近づいてきていた

「えっ、待って、来ないで」

私は小さくそう呟き、そして椅子を勢いよく倒しながら立ち上がった

流石に椅子が勢いよく倒れる音にびっくりしたのか、白龍が顔を上げ私のほうを訝しげに見つめていた

そして、私が小刻みに震えながら後方に後ずさりしていくのを見て、私の視線の先に何かがいるのを察したらしい

白龍は私の視線の先を追った

そして白龍はそのモノを見て少し驚いていた


「いや、来ないでっ」

私はさっきよりも声を大きくして言った

「いや、ねぇ、来ないで」

私がそう叫ぶにもかかわらず、モノは歩いてくる

「ねぇ、ごめん、やだ、やめて

 麗、やだ、ごめんごめんごめんごめんっ

 私があんな話をしなければよかったんだよね、私が誘わなければよかったんだよね、そうすれば麗は死なずにすんだんだよね!

 だからごめん、ごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめん・・・」

「おいっ、佐藤!

 アレなんなんだよ、なんで人形がこっちに向かって歩いてきてるんだよ!」

そう、私のほうに向かってきているのはあの日私たちが使ったあの“人形”

どうしようもなく不安になった、あの日私が・・・私が・・・っ!

「それにどういうことだよ、お前が誘わなければ麗は死なずにすんだ、ってどういうことだよ!?

 ちゃんと説明してくれよ!」

いつも冷静な白龍が珍しく取り乱している

「おい!」

白龍は私の肩をもって揺さぶる

それでも私はなにも言わない、動かない

「おい!佐藤、目覚ませ!」

そこで私はポツリと呟いた



「そうだよね、燃やさなかったら死ぬんだよね・・・

 じゃぁ・・・















 あの日使った人形に殺される前に、死んじゃおうかな・・・」



「えっ」


そうだよね、きっと麗もそれを望んでる

ごめんね、天国で一人は寂しかったよね

大丈夫、今から私がそっちに行くから

あ、でも私は地獄に行くのかな?

だって麗を殺したじゃん、私のせいで・・・

でもまぁ、麗は私が死ねば喜んでくれるよね、当然の報いだって

それに、夢で麗は言ってたよね、「私は生きてちゃいけない、死ななきゃいけない」って・・・

それが麗の望むことでも、麗が望まずそうしなければならないことでも、私は麗の言葉通りにするよ


だから待っててね、




―――麗・・・



私はドアへ向かって走り、そのまま屋上への階段を上っていった


「佐藤!」

後ろで叫ぶ声がした、でも私はもう戻らない

2年前 No.60

´ω`%艸【マリー】 @siruseirai ★x7NT8kPvQ8_Gsy

私は階段を必死で駆け上った

白龍君が追いつく前に・・・

誰にも邪魔をする暇がないように・・・

早く、麗のところにいけるように・・・



私は無我夢中で走った

でも、なにかがおかしい

あれ、この学校って・・・


―――こんなに階数あったっけ?






「ヒサシブリダネ、ミナミ」

「え、?」


私の目の前には、あの日使った”人形”がいた


「なん、、、で」

「ミナミ、キミハ、シンジャ、イケナイン、ダヨ」

「やだ、私は・・・

 麗に償いをしなきゃいけないの

 死ななきゃいけないの!」

「ソンナコト、シテモ、ダレモヨロコバ、ナイ」

そういって”人形”は私の腕をつかんだ

「いや、離して!

 私は麗に謝らなきゃいけないの!

 死ななきゃだめなの!」

「ダメ、、、、、、、、、、ダヨ」

”人形”の力は強くなる

「やだ、やだやだやだ

 たとえ麗が望んでいなくても、私はそうしなきゃいけないの!

 そうしなきゃ・・・」

「オワカレノ、ジカンダ」

「え、?」

”人形”は私の腕を放し、すっと消えていった

と同時に、私の視界も真っ白に・・・















「お、、、とう」

声が聞こえる

「、とうっ、ば」

誰だろう

「起き、よ」

白龍君かな、声が似てる

「起きろ佐藤!」

「あ、」

「やっと起きたか、佐藤」

「わ、たしは・・・

 っ!

 そう、離して!

 私は、私は死ななきゃいけないの!

 ねぇ離して!」

「お前、なに言ってんだよ!

 そう簡単に死ぬなんていうな!」

「でも、、、」

「とりあえず、教室戻るぞ」

白龍は冷たい声でそう言い放った



「うん」




私はその白龍君の無言の圧力、というやつに気圧されて

その言葉に従うしかなかった

2年前 No.61

´ω`%艸【マリー】 @siruseirai ★x7NT8kPvQ8_Gsy

教室に戻ると、誰もいなかった


空はオレンジ色に染まっている

どうやら、とても長い間夢の中にいたようだ


「もう、放課後なんだね」

私はぽつりと呟いた


みんなはもう帰ったんだろうか

教室に戻っても私たちがいなかったからびっくりしたかな?

その後また探したりは・・・してないよね

放課後だしね


「はぁ、帰ろっか」

私は白龍君に話す、というよりは独り言を呟いたように言った

「そうだな」

白龍君も誰に言うでもなく呟いた




私たちは無言で帰りの準備を済ませ、昇降口に移動した

「じゃあ」

「おう」

靴を履きかえて昇降口を出たところで私たちはそう言った

そして、そのまま普通に帰った





なんだか、こんなに普通だとすべてが嘘のように思えてくる

麗が死んだことも、あの日の出来事も・・・全部、全部・・・



「でも、そうはいかないんだよな・・・」

空を見上げて呟いた


なんだか、泣きたくなってきた

オレンジ色の空が泣いていいよ、って言ってくれてるみたいだった


「そういえば、今日はいろいろありすぎて・・・

 泣いてないんだっけか」

思い出したら、涙がこみ上げてきた



私はその場にうずくまって一人嗚咽を漏らした

1年前 No.62
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