Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(2) >>

全裸系魔法少女

 ( ライトノベル・ファンタジー小説投稿城 )
- アクセス(102) - ●メイン記事(2) / サブ記事 - いいね!(1)

和子 ★ijNrrqYZ6s_DCd

 どんな風に死にたいか。
 人間なら誰しもが考えるであろうこのテーマに対して、冴えない青年の俺はこう思う。楽に死にたい。痛いのは嫌だ。一瞬で痛くなくて楽に死にたい。消えて無になってもいい。そう思っている。
 多分大半の人間が楽に死にたいと思っている筈だ。これから働いて生きる為に金を稼がなければならない。それだけの辛い人生なら無くてもいい。そう思っている筈だ。生きたいなんてリアルが充実してるヤツだけだろ。
 それでも臆病な俺は、大衆の意見が楽に死ぬ事に批判的になったら俺も必死に働いて今日を生きようとするだろう。
 だからその程度なんだ。空想とか妄想とか夢想とかそんな部類の話なんだよ。楽に死にたい。本心ではそう思っているが、大衆がハッキリと死ぬのは駄目だと唱えれば、俺もそう唱えるだろうし、実際に死ぬ勇気もない。だからこれは夢物語。リアリティなんて無いんだ。
 普通に死ぬとしたら病死か事故死か寿命を全うして死にたい。まぁ、これも理想とかその程度のことなんだけど、決して叶う事はなかった。
 普通に死ねなかったらなんだ? 苦しんで死んだ? 楽に死んだ? 事故かなんかに巻き込まれて死んだ? どれも違う。俺は……。

2年前 No.0
ページ: 1

 
 

和子 ★ijNrrqYZ6s_DCd

 ある晴れた日の事、俺は死にました。
 人気の無い道を歩いていた時のことだった。道の脇から声がした。その声はキャピキャピした少年っぽい声。簡単に説明するとアニメ声。この声を現実で聞くと相当な吐き気に襲われる俺は、つい立ち止まってしまったんだ。
 なんでこんな人気の無い場所でこんな変な声のヤツに話しかけられなきゃいけないんだと。俺を呼ぶ声を無視して歩き出そうとしたのだが、踏み出した足が地面に触れる事は無く、地面に倒れてしまった。
 何かに躓いたのだと思って、足元を見てみたところ、俺の足が無くなっていた。踝から下が無くなっている。足の消失を認識すると同時に、足元に青色の兎を発見。
 なんて食欲が無くなりそうな色をしているんだ……。青と言っても綺麗な青じゃない。濃い青なんだ。とてもじゃないが見てられない。でも売ったら金になりそうだ。そんなことを考えていたら、兎は俺の消えた足に跳びついてきた。片足は無事なので這って逃げようとしたのだが、無事な片足も無事じゃなくなってしまった。
 両足が消えた。なのに痛みは無いから冷静に考えていられる。なんで痛みが無いのか。なんで俺の足が消えたのか。兎が食べたのか。いや、兎は草食だった筈。
 兎の動きを観察していると、もごもごと口を動かして俺の下半身を食べている。しかもその食べる速さが尋常じゃない。あっという間に下半身が食われた。でも痛みは無い。普通に生きていられる気もする。
 まだ逃げられる。この食欲減退兎から逃げられる。何か方法はないのか? 腕を使って追い払うか、何か拾って武器にするか……。小学生の頃、隣の席の竹内のランドセルに俺の残した給食のパンを入れたのを思い出した。あれ? 走馬灯始まった?
 数々と俺のショボイ20数年の思い出が流れて行く。あれは中学生の頃、竹内にドロップキックをぶちかました時。あれは高校生の頃、竹内にバックドロップホールドを決めた時の思い出だ。どれもこれもいい思い出。今思えば楽しかったなぁ。もう思い残すことは無いだろう。

「う、うあ……」

 いや、違う。こんな訳の分からない死に方を俺は望んでない。痛みが無いのはありがたいが、こんなオカルト染みた死に方は嫌だ。よく考えればHDの中身も消してねえじゃないか。
 生きるんだ。足は無くても生きてればそれでいい。逃げろ!! 走馬灯なんか流してないで、俺の脳よ働け。走馬灯を打ち消す為に出した叫び声は、掠れてしまってうめき声の様なものになっていたが、これで十分。脳は走馬灯上映会を中止した。
 現状を把握する為に、兎がどれだけ俺の身体を食い散らかしたか確認したが無駄だった。俺が兎を目視する頃には、俺の両手は無くなり、何か声を出そうとしたところ、頭をいただかれたからだ。

2年前 No.1

和子 ★ijNrrqYZ6s_XaU

 寝てて眼が覚める時って大体パッと目覚めるよな。今もそんな感じで目が覚めた。
 仰臥していたので上半身を勢い良く起こす。寝ている間に汗をかいたのか、身体が熱い。額の汗を手の甲で拭った所で気がつく。
 生きてる。手ある、足ある。身体は無事。
 でも着ている服が違う。裾の長い水色のタンクトップみたいなものを着ている。ワンピースっぽいけどなんか違う。
 変な箇所は、簡素な服だけじゃない。良く見ると腕も細くなっている。
 なんなんだ。俺は兎に食われて死んだ筈。それなのにどうして生きているのだろうか。この疑問が頭から離れない。が、俺はHDを消すために家に帰ろうと立ち上がった。そんな時にまたあのアニメ声が聞こえた。足元からだ。足元を見てみると、あの兎がいた。あの兎が口を動かすと、あのアニメ声が聞こえる。どうやら兎が声の正体みたいだ。とれも信じられないが。

「こんにちは、僕はうさぎのプライ。よろしくね」
「は、はぁ」

 あれ? 今喋ったのは誰だ? 俺だろ? でも俺の声じゃない。少し高い女の子っぽい声がした。しかも俺が言おうとした内容と同じ事を言っているみたい。
 うさぎの名前、その意――。

「僕は君を食べたよ。でも痛くなかったろう? それは僕が君を君の魂ごと食べてしまったからだよ!! それで君の存在を僕が貰ったんだ。分かりやすく言うと、君の存在を支配したってところかな。君を消すのも元に戻すのも、全て僕次第ってことだよ!! 元に戻す。そう、君は今少女になっている。それは君の存在を弄って少女にしたからね。君には魔法少女として他の魔法少女を叩き潰して欲しいんだ!! 頑張ってくれたら僕は君を元に戻すよ!!」

 急に兎が説明し始めた。英単語を少し知っていた俺は、プライという英語を知っている。それが何か思い出そうとしていたところで、兎が喋り出したのだ。兎に質問をする隙はあったが、俺の頭が追いついていない。ナニヲイッテイルンダ。

「で、出鱈目だ」
 自分から少女特有の声がする。もやし体型からおさらばして、手だけじゃなくて身長も縮んでいることだろう。なんで俺なんだ。俺が何かしたのか? この兎は何を言った? 存在がどうのこうの? 少女から元に戻る。戻る為には戦う?

「君はこの後『戦うなんて酷い事出来ないよ』なんて事を言うよね? それならそれでいいんだ。君の存在をこの世から消すだけだから。僕は、君の代わりをいくらでも作れるんだ。それに君は魔力が少ないみたいだし。なんなら今、この場で消してしまってもいいんだよ?」

 可愛い声して言っている内容は滅茶苦茶だ。魔法少女がこんなにブラックだなんて知らなかった。存在を消すって? 馬鹿じゃないのか。いつもならそう言っているだろうが、相手は俺の身体を魂ごと一瞬で喰らい尽くし、俺の身体を少女にした兎。言える筈がない。
 俺には選択肢が無い。生きたければ戦うしかないじゃないか。

「分かった。戦う、戦うから消さないでくれ」
「……ふぅん。分かったよ、消さないであげる。でも君には魔力を溜める為に早速行動して欲しいんだ」

 少しの間を置いて兎は喋り出す。兎は俺がそう答えると予想していた様子だった。だから指示もできたのだろうか? 分からないが今は兎の言うとおりに動くしかない。

2年前 No.2
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる
注…感想・コメントはこの記事ではなく、サブ記事に書き込んでください。(小説カテゴリでは必須です)