Google
    
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▼レス(35) >>

紫蘇色の硝子(静止室より。

 ( 詩投稿城2世(大人風味) )
- アクセス(450) - いいね!(10)

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI


いま
残骸を背に
暮れてゆく砂浜をかけていく

美しかったと海底のあたりに目を入れて
遊びたかったと緑の泡を口に入れた

淋しかったと抑えつけ
簡単だったと 沈んだ

なにもかもが夢のように積み重なる
残骸だらけの思想は夜にも白にもなれずただ

消えることだけ

簡単だった

メモ2018/11/27 04:58 : 金河南☆.SsexIS0/ro @kinkanan★e290A54w3J_0GX

・紫蘇・硝子・静止・標本・明るいとあくる日は似ている・透明・

ページ: 1


 
 

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

いつか言おうと54年。
孤独死したとはラジオで知った。
返事がないから何でも言える。
ワタシはずっとあなたが      でした。

3ヶ月前 No.1

金河南☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

「心憧複写機」


埃をかぶった硝子製の複写機
室内の無音を破らぬように
壜から油布を取り出した

夕闇滲みる複写機の手前には
古びた時代のタイプライターが
打ち込まれるのを待っている


 オトトイ ノ アシ゛サイ
 ハ゛ステイ ゴゴ ノ アリ

 セキウン フウリヨク ゼロ
 ヤマバト ロツカイハン テ゛ ナキヤム


専用の青い硝子板を後ろに置き
真横の舵を慎重に回す
右のレバーを下へ押した一瞬
悲鳴のように削れた硝子の粉が降る

これから先の青い埃
心の底にいつからか鎮座する心像を
失う 夜がはじまる前に
焼却炉へ向かう

3ヶ月前 No.2

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

つむじ風
バララカ花弁が散り降る平らな庭園に

僕らはいた


明日の午後の用意をしておこう。凍らした水菓子、濡らした手拭き、テロテロとしたむらさきの敷物、ナイフ、月雲の運行地図、乾電池式ラジオ、そして君。
それから君。あとは君。あえての君。もうひとつおまけに、君。


きっと来てくれないだろう
そんなことなど知っている

けれど用意をしておこう
つむじ風

頭に
肩に
テーブルに
膝に
靴に
床に
草に
フラハカ花弁が積もり眠る

僕らは無言で空を見続けている


3ヶ月前 No.3

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

※(1:49〜)



昨日は揺り籠の中で空を見上げ
明日は棺桶にて微睡の底へ逝く

鳥も
草木も
泣くフリをしては
   高く飛び
   または枯れ落ちて
今日(という思想//SISOU//)は何処へ 零時の鐘鳴る


 失くす音
 静止室
 無垢の果て
硝子盤

「あ ふれていく」

指を絡めて詰め込む欠片たち(あれは紫蘇//SISO*//)
何故かも解らずに 無機質の戸棚へ仕舞う


昨日は 揺り籠だった人形は古い綿に包み
明日も知らせずに
    火をつけ道ばたに捨ておく
    または
    朽ちて咲くまで
目隠しを

旅人よ!
    (あの異装//*ISOU//)
外套は羽根のように軽く 時を視てひるがえす風のよう
足音は影を追うように遠のいていきました


明日使用予定である棺桶を
なぞる
指に降る
硝子色の氷が
染み込みもせずに今日を終える


3ヶ月前 No.4

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

いつかは問われる

そのときまで眠るつもりなのか

3ヶ月前 No.5

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

あの夜に夢を見ることさえも叶わずと瞼を閉じては嘆く、いつか花咲くほとりに湛えるかの鳥の名を呼べば、ひうと風が運ぶ昼の星雲たどる水と、清きその名、始まり、………

3ヶ月前 No.6

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

秋の火に
撃たれて散る葉
やまびこは
青の遠くへ揺れ消へて
枯れいろ日取り
歩く人
まぶたに良く似た谷底で
束ねた鍵を
掲げて唄へば方丈庵
冷えゆく指を狙う鳥
啼き立つ

うつくしと
啼き立つ

3ヶ月前 No.7

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

オカマバー 王子に戻れずカエル泣く

3ヶ月前 No.8

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

雪が、ふっています。
きのうもたくさん、雪がふりました。
きょうもたくさん、雪が、ふっています。

夜になっても、しーんしん。
雪がふるふる、しーんしん。

しーちゃん歯みがき、しーんしん。
あわが、雪みたいだね。
しーちゃんお布団、しーんしん。
ふかふか、雪みたいだね。

でも……、しーちゃんは中々ねむれません。
どうしようかなぁと思っていると、窓のそとから歌がきこえてきました。

 しーんしんしん、すいすいぴょん。
 およいでいこう、すいすいぴょん。
 ゆめのくにまで、そろそろだ。
 およいでいこう、すいすいぴょん。
 しーんしんしん、すいすいぴょん。

しーちゃんはびっくりしました。
窓をみると、窓の上まで雪がつもっています。
雪のなかを、お魚さんが泳いでいます。
すいすい。光る、お魚さんです。

しーちゃんは、お魚さんに「こんばんは」と言いました。
お魚さんも「こんばんは」と言いました。

「どこに行くんですか?」
と、しーちゃんが聞くと、お魚さんは
「ゆめのくにまでいきますよ」
と、言いました。

「いっしょに行きたい!」
と、しーちゃんが言うと、お魚さんは
「いいですよ!」
と、ぴかぴか光りました。

しーちゃんは窓をあけて、お魚さんの背中にのりました。

雪のなかを、すーいすい。
お魚さんが、ぴょんと飛ぶと、雪もふるふる、しーんしん。
ゆめのくにまで、すーいすい。
雪もふるふる、しーんしん。

ふわふわ雪の、うみをこえ。
よるのとおくへ、すーいすい。

ぴかぴか星の、お魚さん。
しーちゃんにこにこ、すーやすや。

雪もふるふる、しーんしん。

すーいすいすい。
すーやすや。

3ヶ月前 No.9

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

※(2008/02/17 21:02)




僕はやはり違った。

僕が求めるほどに皆は、僕のことを垂直に見てはくれなかった。


足首をひさびさに指の腹でさわった。ここをカッターで切ればもしかしたらもしかしたら死ねるんじゃないかと一瞬希望にも笑いにも似た、ため息が出た。

僕は弱い。遺伝子の脆弱性。幾千とこえて配色されてきた色合いが、たまたまぶつかってできた結果がこれだ。あぁそうダメだったよね。自殺しちゃいなよ。もうどうでもいい。

皆、ただの人間だったというわけだ。

僕じゃなくても、ほかにたくさん居た。好いてくれる人、会いたい人、会おうとする人。
僕のどこかかしらがほかにもたくさん痛んだ。
誰も僕のことを必要としてくれなかった。
世界中で、誰か、一人くらいは僕に、僕だけに会いたいって言ってくれる人が居るんじゃないかって期待していた。特別なマシマロを手に入れたような気分の期待はそのまま途切れた。
落ちた。
落としたように見せかけて、勝手に手から落ちた。

おかしな話だ。
僕がそうして一人を選んだのに、誰もそうしていない。僕は必要とされていない。うわべ、どっか行ってしまえ。違うよなんていい訳にしか聞こえない。


だ っ て 実 際 そ う じ ゃ な い か 。


僕は今日、自転車にのりながら夜、死ぬとき、誰かのためじゃなくて自分のために死のうと思った。
自分の、ただ一人僕が僕にだけ向けたベクトルで、汚い、欲望。まっすぐ向けた、拡散した目。

いつもそうしてきたじゃないか。
どうして忘れていたんだ。

期待しない。
僕はいくらマネしても、正常な人間じゃない。


本当、おかしな話だった。やっぱり「フリ」はできなかった。何千回リトライしても、できない。
しまいには叫んで泣き出している心臓と、
唇に、手を当てて薄っぺらい笑みをうかべているようにも見える無表情の僕の顔があるだけで、棒読みの標準語が口から淀みなくながれた。

わかりきったことをもう一回言われただけのこと。僕は一番じゃなかった。皆の一番じゃないんだ。なら一人になりたい。皆という単語が僕一人をさせば、僕は皆の一番になれる。ひとりになりたい。どうしようもなく。

愛情というナイフが空から、白い糸につられて垂直に、落ちてくれば良いのに。


きいてくれ。


僕は、孤独が好きだ。そしてどうしようもなく今、さみしい。

3ヶ月前 No.10

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

雨の終わりはいつの日も
硝子一枚向こうの室内にて

季節の終わりは 時々に
室外が多いように思われる

1
「あれは雁だよ。鳴き声をきけばわかる、聞いてごらん。ほら、」
次の沈黙で季節の終わりを知る。雁は、鳴き声をもらさずに川向うへ消えていく。
雲の動きでしか風を感じられない、頭がどうかしているほどの重装備の中で、雁の声など到底耳に入るわけはなかった。

2
花の死骸を大量に拾ってくる猫。丁寧に並べられた、薄っぺらい茶色で季節の終わりを知る。
タイルに落ちるまだらの光、玄関先に以前からあるすずかけの木を通したからとわかる。汗の出し方を忘れてしまった。


また書き足す

あの時
本当にそこにいたのは生身の彼女だったのか
それとも
紫色の培養液の中で夢見た幻だったのか
隔てられ
室内で倒れたまま静止している彼だったのか
それとも
硝子一枚向こうの室内にて開かれたままのノオトだったのか



耳鳴りがやまない
下を向くときだけ

3ヶ月前 No.11

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

やさしい沈黙だった
そんな目で 見つめられる
困ったような笑顔を
作った目で 見つめかえすと

トリカゴの造鳥はもう
ネジ切れている

朝はフィクションの中で悩み
夜は 皮がはがれるのを怖がって
午前四時半に醒めたりする

あくる日と明るひは似ていた

どちらも動きはじめていて
独りきり とりのこされて
床に放り出されている図書

じっと見つめている
何も含まない硝子 そんな目で

3ヶ月前 No.12

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

すかさず卵を割ったりするんだ。そのあとの静止を見越した顔で。

五月、ゆるやかに笑ったそれが契約だったと誰が知るのだろう。いつのまにかに束縛されて、いつのまにかにそれが平常運営状態と考える思想、もろもろ死にそうだといつ知ったか、誰も知らないに違いない。
すかさず鎖を締めあげて、
悦楽の気絶をさせてくれるんだ。まいったな。

3ヶ月前 No.13

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI


彼は六時前に起きた。
カーテンの無い、はめ殺し窓の外では
霧雨が鉄塔を鈍く染め上げている。

ベッド横のテーブル。その上の、旧世界に繋がる黒電話が鳴った。
地下二階で寝ている妹からの
モーニングコールに違いないと彼は確信している。

彼の部屋は小さく、三畳ほどしかなかった。
その中にベッドとテーブルが置かれ、
テーブルの向こうの空間は床ごと切り取られていた。

ふちから少し顔を出した
下へ降りる梯子の手すりを、彼は心底嫌っている。

鉄塔は相変わらず濡れそぼり、ぼんやり見ているうちに光が四回またたいた。
妹からの神託に違いなかったが、
彼は指を耳穴の限界まで入れこみ、五秒ほど大声を出し続けた。

妹を心底嫌っているためである。

すなわち、
地下には降りないし電話にも出ない。
雷の音など聞こえなかったし雨がやまないのは自分のせいじゃない。


彼はまた、六時に眠る。

境界線を潰して。

2ヶ月前 No.14

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

好き

一日10回言うことで

きみ

好きになると思ってた

今年

十年つづけてきたのに

きみ

好きになれない
何故

分からない

本当

2ヶ月前 No.15

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

僕たちは
海と空しか見えない空間にひとつだけ伸びる
錆びた線路を歩いていた。

海は凪いで、
空は快晴。

海底と宇宙はわからない。

見えないものはいつだってわからない。声を出さないのは死んでいるのと同じだ。無言のそぶりでわかった気になっているのは加害妄想者だけだ。

線路は延々と続いていた。
隣には誰もいなかった。

僕たちは歩いている。
けれど隣には誰もいなかった。

歩きながら、右も左も前も後ろも確認した。


誰もいなかった。

そして
その間、僕たちは無言だった。

2ヶ月前 No.16

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

目の奥にある鍵穴に
遠い日の写真を差し込む
あけ放たれた記憶の中で
笑った声が鮮明に響く

2ヶ月前 No.17

金河南☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_gaI

アジサイ泥棒だ
アジサイ泥棒が出たよ

 紫陽花泥棒?
 どこに

どろの靴跡があるだろう
千の目玉が消えたろう
酔える食事のせいでなければ
見張りの猫が 鳴けないせいだ

 それで?
 警察に行くのかい

アジサイ泥棒だ!
アジサイ泥棒が出たよ!

 それで?

アジサイ泥棒だ!!
アジサイ泥棒が出たよ!!
本当だよ……

 可哀そうな硝子人
 誰もいない白い廃屋のなか
 妄想ばかりを愛してやまない

むらさき色の可憐な花を
むせかえるような葉をかえせ!
疎まれて逝った子猫の群れは
雨のふるなか泥に埋めた

追憶……

 紫陽花泥棒だね きっと
 あたまがいたいのは

 泣いているせい

ウソつき

 本当だよ……

2ヶ月前 No.18

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

この投稿はフィルタされています。表示するにはアカウントにログインして下さい。

2ヶ月前 No.19

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

ラクダは歩き出す
塩色の
とおりすぎた何もかもを
月の谷において

かれらは歌いだす
砂色の子守唄

きのう
いっとう絶えた

眼のおくに夜を沈めながら
風のゆめを追いかけながら

月の谷を背に

静かに

2ヶ月前 No.20

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

つきをたべよう あのよるはにせもの
うつくしくふる あめいろもにせもの

このたびはうたはいつだってほんもの

あくるひをみる あのひとはにせもの
そらをのみほす うずまきはせともの

ゆく ひとしくおとずれるはる ゆく

くさをとびかう ぎんがみはにせもの
かわとこいする さざおともにせもの

せいししつより
うたわれるもの

        うごけないほんもの

2ヶ月前 No.21

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

二分後に生き返って。          お願いね。

2ヶ月前 No.22

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

硝子の欠片たち じっと観察する
いつか降る 別れの雪を待ちわびているのだ

何も怖くはないさと歩く後ろ姿が
遠く錆びた記憶の檻 見続けてる
飽きるまで笑いあった日々

明日は雪が降る 淡くてやさしい糸
硝子の欠片食べ 出口に積み上げていた

2ヶ月前 No.23

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

※( >>11 追加)




雨のおこりはいつも
硝子いちまい向うの室内にて

季節のおわりはいつも
室外が多いようにおもわれて

沈む






 冬
「――あれは雁だよ。鳴き声をきけばわかる、聞いてごらん。ほら、」
次の沈黙で季節の終わりを知る。雁は、鳴き声をもらさずに川向うへ消えていく。
雲の動きでしか風を感じられない、頭がどうかしているほどの重装備の中で、雁の声など到底耳に入るわけはなかった。


 春
花の死骸を大量に拾ってくる猫。丁寧に並べられた、薄っぺらい茶色で季節の終わりを知る。
タイルに落ちるまだらの光、玄関先に以前からあるすずかけの木を通したからとわかる。汗の出し方を忘れてしまった。
「蝉が鳴きはじめたね。聞いてごらん、ほら。まだ、種類はわからないけれど」


 夏
積んだ団子で季節の終わりを知る。籠に落ち葉を敷き詰めたうえに桃と葡萄と栗と林檎、ススキ。
「聞いてごらん。ほら、コオロギが鳴いているよ。あれ、マツムシだったっけ」


 秋





もう。また、時間がない。

1ヶ月前 No.24

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_sxd

「……これは?」

  「年をとった鯨です」


「…これは?」

  「…海外の奇形種です」

「これは?」

  「……花弁です。……桜の」


ぼくはもう、「これは?」としか言えない機械のようで、
ひるがえる白衣の裾に足を追いつかせながら、
静止室へむかう沢山の戸棚。

すべてが硝子瓶につめられた無言の標本で、
これから入る扉の向こうにはどんな標本が待っているのか、
後ろめたい好奇心はふくらむばかりの靴音に。

人影のない白い建物に毎日出勤し、
物音ひとつしない白い個室で

1ヶ月前 No.25

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_iGf

ボイラー室

扉をあけると
鈍色の機械 音をたて
熱に気を取られ気づかない

にかげる
奥の
ドア

このごろ教授は変わられた
 あなたの仕事は学会で
 ステージに座した権威の人形
ところが教授は変わられた
 人目をしのんで薄笑い
 休憩時間に立ち寄るはずの
 いつものカフェへもご無沙汰で

ボイラー室

奥の
ドアには
   南京錠
       南京錠

このごろニュースは物騒で
 切り裂き犯の行動ばかり
 専門家たちは口ばかり
ところがニュースは続いてる
 切り裂き犯は次の犯行
 手指ばかりを持ち去っていく

このごろ教授は変わられた
 良いことばかりの笑顔つけ
 鼻歌なんぞを歌ってる
ところが教授は変わられた
 学生たちをじっと見る
 獲物を狙う そんな目で

教授の鍵

引き出しに
南京錠

右廻し
ボイラー室

奥のドア
山積みされた

   芸術品


       芸術品

「君だけはこの価値をわかってくれると思ったよ。ワタシの一番の気に入りはなんといってもこれだ……。美しいだろう。君なんかはこっちの方が気に入るかも知れない。なに、君とは4年の付き合いだ。少しは嗜好を理解しているつもりだよ。珍しいもので、途中偶然手に入ったのだよ……」


このごろニュースは物騒で
 切り裂き犯の模倣犯
 各地で犯行すること数回
ところがニュースは続いてる
 切り裂き犯は次の犯行
 耳たぶばかりを持ち去っていく

1ヶ月前 No.26

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_iGf

藍の召されたり 白の訃にしづみ または

1ヶ月前 No.27

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_iGf

(※読み直し十選しようと思ったら 言葉遊びばかりが入る)


靄よモヤ!よもや靄とはもうヤァね

花火散り私の恋も秘密裏に

「もう知らない」フイッとうそぶく鳥と君

明日におびえるのも飽いた椿と死す

白魚を踊らせ続ける我が子かな

冬めくざわめく歳末セール行く

兎もふっもっふもふもふもふもっふ

マグも君も冷たし何故恋は冷めぬ

咳すれば三人ともインフル

1ヶ月前 No.28

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_iGf

お元気ですかと息を封した手紙を焼いた
鳥が鳴き始めました
こちらは最近と指折り破き捨てる
季節が過ぎ去る気配
交わることに臆病になった
おとといの夕飯から
人形たちのせい
今朝の未来の焼き魚
失礼
起き出してくる前に
かたちをうしなった
これを記すのが日課
あなたがたなどもういない 僕の中ではね
今日は仕事があって
たまに見かける懐かしい影
明日も仕事があって
ひとりしずかにふける
不思議と充実もあり
明け方
毎日楽しくしている
夢の中で会いました
小さく完結した世界
驚かずにきいてください
それなのに心の中は
文字が
ふるえているのです
どうやらまだ僕を放してくれないのです
二重にゆらいでいく
これを記すのが日課

1ヶ月前 No.29

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_iGf

昨日は
終わりました


静止室にて



明日の葬儀は五時から

硝子葬にて

27日前 No.30

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

浸けられている


彼らは旅人
または鳥

紫蘇の色をした液体は万有を保存し
硝子の色をした眼球は
見透かれている


僕らは腐り人
または
空気に冒されたAの銀魚

紫蘇の色をした口唇は
痙攣している


浸けて

濡れている中指をつけて
硝子にいれて
しずかに


鳥にして



名前は静止室
または果ての分室とも呼ばれ

万有を保存し

硝子に浸けた紫色の鳥は
規則正しく右から


透明になる

24日前 No.31

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★e290A54w3J_0GX

君は夢を見ていた。
君は実験室のなかで紫蘇になり
液体にひたされ
葉脈をさらけ出し
喘ぐこともせず





明かるヰと明くる日は似ている
遠い海は夢
実際の君は実験室のなかで紫蘇になり
メスで刻まれ
両手で持ち上げられ
まるで慈悲もなく捨てられる
涙もせず




一部分は標本になり一部分は捨てられ
また
一部分は茎にしがみついたまま
怯えもせず

君の夢を見ていた





夢のなかで君は裸体になり
無機質なテーブルの上で静止する
液体をかけられ
喘ぐこともせず











君は夢を見ている。
夢を見ている最中は
動けず夢を見ている





海はどこ?

15日前 No.32

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_TJc

白い薔薇の花弁7:3葉片の暗い紫蘇

雪の涙で溶かしたインク 2g
卵(解凍したあとのもの) 4g
切取線が三本入った白紙の栞 5枚(切り取らずに入れる)

孵化器 ひとつ
密室  ひとつ
私   ひとつ


温度 よし
湿度 よし
匂い なし


 院長のメモ(※Q日誌8194年21月0日)
「最初の撹拌は、三角フラスコより丸底フラスコの方が成功率が高い。
 統計は次ページ。左廻しか右廻しかは重要ではないと感じる。
 また、インクの色についても次ページに記す。
 189−Bはインクではなく私の血で実験。失敗に終わる」

12日前 No.33

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_TJc

(※みた夢の話)


発展途上の王国は、そのほとんどが深い森林に覆われていた。
濃い緑がまだらに途切れた、茶色いシミのような場所場所にちいさな村が点在する。

そのような王国の様を見渡すことができる山の上に、寺院があった。
王国の宗教的寺院は建物のほとんどに木が使用され、屋根の部分は赤く塗った焼き土が使われていた。
修行僧たちは白い服を来て日々修練に励んでいた。魔の嵐を退ける術を学ぶのだ。

或る日、旅人がやってきた。
大柄な男で、シャツからはみ出るほどの強靭な筋肉が目立つ。おおきなリュックを背負い、髪など数日洗っておらずのびていたが、その顔は新年が明けた日のように輝いていた。
男は寺院の長と面会し、この王国の野生――原生の森や最低限の暮らしに見える精神――を褒めたたえたあと、各地を旅していて一宿一飯の恩義にあずかりたいと願った。
長はいつまででも居るが良いと了承したが、長のとなりに座っていた長の妻は浮かない顔であった。


この国の、春の嵐には二種類ある。

物理的な風の嵐と、感覚的な魔の嵐だ。

魔の嵐は遠い魔の国からやってくると信じられていた。魔の嵐と同時にやってくるのは野生の魔物たち。狂暴化した狼が魔物のほとんどを占める。
寺院が目立つ場所にあり村よりも開けているのは、魔物たちと戦い、国の平和を守るためであった。

今年の魔の嵐は強大である、とは、既にわかっていることだった。
過去の資料を照らし合わせて、皆がいっそう修練に励んでいた中、ポッとやってきた旅人を引き留めるという事はすなわち、魔の嵐を鎮める人身御供に違いなかった。
こうしてやってきた魔の嵐は、「黒い竜巻」という建国以来見たことも聞いた事もない姿でやってきた。
同時に寺院には大量の狼がおしよせ、修練者たちは殺されていく。

寺院の中央にわけもわからず取り残された旅人は、建物をすり抜けて入ってきた黒い竜巻……魔の嵐に飲み込まれた。

その身の中に魔の嵐をすべて取り込んだ旅人は叫び、のたうちまわり、寺院の生き残りたちの手によって離れに隔離された。
旅人は拘束されたまま、飲まず食わずでも一カ月ほど叫び声をあげてのたうちまわった。


一カ月が過ぎた頃、叫び声がピタッと止まったため、旅人は死んだのだと皆が思った。
しかし、離れの扉を開けた時、そこにいたのは静かな瞳で長を見上げる、生きた旅人であった。

旅人は魔の嵐に打ち勝ち、心の平静を取り戻していた。
のみならず、ほぼ魔物と同等……それ以上の力を得ていた。
飲まず食わずでも生活でき、歴戦の修練者たちのさらに上をいく身体能力を身につけ、なにより不老不死の肉体となっていた。

しかし失ったものは、旅人というアイデンティティ。

旅人は再び旅に出ようとは思わなくなっていた。
なぜなら次の年にも嵐がやってくるからだ。
そしてたくさんの修練者が死ぬだろう。
旅人はようやく、寺院の裏手にある墓標の意味を理解したのだった。

或る年の嵐では、群れの長である巨大な狼と盟友の契りを交わし、
或る年の嵐では、修練者たちの出番すらなく、
或る年の嵐では、雷電の魔獣を打ち倒した。

嵐に勝つうち、旅人は、寺院になくてはならない存在として、皆から尊敬されはじめた。
奉公人だった少年が寺院一の修練者となっても、旅人は一向に老けず、変わらない姿でそこにいた。


こうしてまた迎えた、何十度目かの魔の嵐。

しかし。

今回の嵐は違った。
直前に、旅人が寺院を訪ねてきたのだ。

それを出迎えた元・旅人は自身の再現かと一瞬目の前が暗くなったほどだった。
服装も、髪形も、背負っているリュックも、あの時の自分自身にソックリだったからだ。

同じ目にあわせるわけにはいかないと、元・旅人は旅人を自身の傍に置き、持ち場である寺院の中央に立った。
決して離れないでくださいと旅人に目を向けた時、旅人は笑顔で、リュックから拘束具を取り出した。


「この時を待っていました。魔の理を体内に取り込みし人間。私としてもこのような手段は不本意なのですが、魔王様がお待ちです。ご同行願います」


魔王――。

元・旅人は、やはり嵐を起こす存在があったのだと納得したのち、同行を断った。
が、言葉で断った位ではあきらめてはもらえず、大人しく拘束具で捕まったあとに筋肉で引きちぎり、直接的な攻撃はすべて避け、ついでに修練者たちが苦戦していた狼の群れも倒し、旅人のフリをした魔王の使者を殺さない程度に叩きのめした。

破壊された寺院の中央でへたり込み、戦う気力を失った魔王の使者に元・旅人は投げやりに言った。



「おれはもう旅をすることはない、会いたいなら向こうから来ればいい。平静なように見えるだろ? あの日から旅を奪われて、ずっと頭は痛いままだし、いつも体の奥から叫び声が湧き上がってくる。抑えつけて、今も話している……うんざりだ……」



直後、状況を見に来た修練者たち。その「大丈夫ですか」の声に、元・旅人はパッと表情を変えた。
魔王の使者が旅人として寺院を訪れた時に見せた、新年が明けたような晴れやかな笑顔であった。

さきほど呟いた一言には程遠く、快活で、精神的にも成熟しているように見える元・旅人を眺めながら、魔王の使者はしばらく寺院に残ることを考えている。


春の嵐は、来年もやってくる。

11日前 No.34

金河南 @kinkanan☆.SsexIS0/ro ★QRJbWtVEQc_TJc

「複数語」


山々 村々 人々
独立した神経がそれぞれのコミュニティを形成している様


花ばな 星ぼし 雪ゆき
単一名詞のものが目に届く限りの広範囲で点在している様


鳥たち 魚たち 虫たち
単一名詞の動く者たちがある狭い範囲にひしめいている様


あれら それら これら
存在する複数をすっかり言いたくないが一つにまとめた様


鉛筆たち 橋たち 飛行機たち
自己の意識が投影された無機物の物がその場に複数ある様


愛す 殺す 死す
日本語の単語に英語の複数形「s」を付けて複数にした様

10日前 No.35
ページ: 1

 
 
<< TOPページ 掲示板TOP 記事データ お知らせメール ▲ページ上 >>
★必ず ローカルルールメビウスリングのルール をご覧ください。
 ▼スタンプ▲スタンプ
※スタンプはいちどに 3個 まで使えます  ×閉じる