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怪しい日記帳

 ( 日記投稿城2世(大人風味) )
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山人@himesayuri ★wz6MGOsTZFk

怪しい男の怪しい行動を綴っていきます。
ですが、特に怪しいモノではありません。
人間になりたいと思っています。
・・・と、釣り竿を投げてみます。

2010/04/27 15:48 No.0
メモ2014/03/23 17:41 : 山人 @ookumo13★dUuGjM86oQ_iSO

とくになし

切替: メイン記事(495) サブ記事 (165) ページ: 1 2 3 4 5 6

 
 
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山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

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3年前 No.446

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

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2年前 No.447

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

久しぶりの雨で
そう日記に書きはじめてからふと外を眺める
激しく季節はずれの陽光に照らされ、疲弊した草たちは
むせぶように雨に濡れている
雨粒の音が、幾重にも重なった何処かに針のように入り込む
その奥で、カエルのつぶやくような声が聞こえている

季節は時をすべり
一つまみの夢を冬鳥がさらい
いくつかの諦めの氷片が砕けて冬となる
かすかに踏み跡をたどれば
そこにまた春があった
ずっと止まることなどなかった、あらゆる事柄は
終わることのない物語のように
幾冊ものノートに記帳されている

外の作業所の向こうは霧に包まれている
雨になりきれなかった微細な雨粒が
すべての物物に湿気を与えている
あらかじめ知っていたかのように
大杉はそれを受け止めている

葉の裏で雨をやり過ごす蜘蛛が居るのだろう
少しばかりの湿気をとりこみ
頷くように外を眺める
生き物たちは、ただ黙って
雨とともにたたずんで居る

物語はまだおわらない
人は物語をつくるため生まれ
そのなかで生きている
雨の日曜日はどことなく
生きる香りが漂い
乾いた何かを湿らせてくれる

2年前 No.448

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

とある海の一角に島があった。
波は泡とともに、幾何学的に浸食された岸に打ちつけている。
海水特有の生臭い香りが岸を押し込み、それぞれが計ったように黙っている。
島はすでに長い年月を過ごし、果たして海の底の島の土台すらもあるものかどうかさえ知れない。
>>続く

2年前 No.449

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

階段のおどり場で 五つのはなし

朝よ

罪深い朝よ
おまえはそんなにはりきってどこへ行くというのか
時空を超えて宇宙の滝まで行くというのか
俺を待ってはくれないだろうが
朝よ、おまえは嫌いじゃない

おまえが夜に吐き散らかした叫びが
結露してまばゆく光っている
おまえにも夜があり
泣き崩れた時があったのだろう
でも、朝よ
おまえは暗さを剥ぎとって透明な色を手に入れたのだな
朝よ、おまえが光ると人が喜ぶ
おまえが産んだ卵が孵る時だ
朝だ朝だよ
太陽をつかまえてこいよ





種よ

種よ
虫に食われた かんらからに乾いた親などの
真似をするんじゃないぞ
お前は一個の種として生きてゆけ
カラスに食われたのなら
黙って硬くなって糞から根を張れ
太陽の光が遠かったら、黙って眠っていろ
お前は種だ
やがてお前の時代が来る
でも種よ
万が一
腐れ掛かったら
俺の枯れた葉っぱの影で
ひとしきり皮膚を乾かせ
それまで俺は
からからに乾ききった体で
突っ立っているよ




巨人

座椅子に座り
スコッチのロックを飲る
僕は巨人になって
そこらへんの杉の木を二本折り
小枝を歯磨きして削ぎ落とし
流星をひとつつかまえて
グラスに入れる
星のカタチした流星
グラスの中で
かちりかちりと泳いでいる
満月のクレーターに顔を近づけると
酒臭いぞと雲に隠れた
宇宙の外側に顔を出すと
またそこは宇宙だった
果てしないんだなぁ
宇宙って
僕はそう言って
息を吐き出すと
きらきらと
流星雲となって
空へ伸びていった





校舎

午後の重みに しなだれた校舎から
飛び出したキャンディのようにチャイムが鳴る
太陽は後ろ向きになり
角ばった校舎は
ためいきとともに丸くなる

砂山が崩れると
ハンドスコップがことりと倒れ
ひかりは赤く染まり
川となって
町を流れてゆく




老人

老人がベンチシートに並んでいるのだ
昔はたぶん女だった
男だった
今は老人だ
人生なんて そんなもの
皺皺に閉じ込めて
ホッチキスでとめている
そんなもんがあったんかい
それでも老人
剣を持ち
戦車を引き
戦いを挑んでいる
この世で一番相手にされないのに
それを苦にするでもなく
悟りきった戦士のように
今日も
乾いた脳で思考し
味の無い舌でまくし立てる
皺皺の老人
殺されても生きろ
燃やされる前に何か叫べ!
目の前の医者に噛みつけ!

2年前 No.450

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

島はあらためて見ると豊かではなく
偶然、海面から突き出ているだけの地形であり、すべての図られた計画によるものではなかった
いくぶん高く盛られた山があり、そこに幾本の大木が形成されている
かつて子らの声や、はしゃぎまわる喧噪も見られたが
今では幾人かの花曇りの視線を持つ者だけが何人か残るのみである
朽ち果てた小さな公園には錆臭い遊具がわずかに残り
夕暮れの残照の中をカラスが蚯蚓を採りに降りてくる
蚯蚓の体液はまるで膿となってさらにむず痒く島のところどころを侵食している

続く

2年前 No.451

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

荒れた天候が幾日か続き、島そのものが何かにおびえるように彷徨し、島民たちは乾いた皮膚を震わせながら、長い悪天をやり過ごした。
時間はやがて緩み始め、息をひそめていた多くの生き物たちは、少しづつ手探りをするかのように這い出してきていた。
ふたたび島は、生き物たちの活動が始まった。

島に何十年ぶりに移民が来るらしい、そう島民主が伝えた日、薄曇りの続く、秋の日だった。
わずか数世帯の老人の寄り集まりのなかに、一人の大きな体躯をした青年があらわれた。
少しだけひげを蓄え、大きな荷物を背中に背負いこみ、それをおろすでもなく、奇妙な挨拶をし始めた。
何を言っているのか、島民は呆然と死んだような目でそれを眺めていた。

続く

2年前 No.452

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

青年は「この島はすでに病に侵されている、病は自然発生的に蔓延するものではなく、かなり因がある・・・」。
島民の顔は皺で、本来どのような顔をしていたのかわからぬほど憔悴し、老化していた。
もう、表情を変える筋肉さえも退化し、ひたすら重力に身を任せた弛んだ皮膚が皺のひとすじを微かに動かしていた。
 不思議な光景だった。論じ、説得するでもなく、青年はまるで独り言のように、ただ大きい声出すでもなく、とつとつとわかりやすく話をしている。もちろん、身振り手振りを加えることになく、手を前に組み、少し腹部に持ち上げている。

続く

2年前 No.453

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

病に限らず、あらゆる負の状態。これらの現象は一つの負の生命体を形成し、それぞれが社会性を保つようになる。負の生命体は宿主の呪詛のような負の言葉を摂取し、さらにコロニーを拡大させてゆく。そしてこれら負の生命体は空間をつたい、あらゆる無機物をも侵し、やがてこの島全体がそれに侵されることになってしまう。今後、負の言葉を発してはならない。すでに各各に営巣し始めた負の生命体は栄養となる負の言葉を求めている。それに少なくとも栄養を与えてはならない。

2年前 No.454

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

青年は手を前に組み、島民たちの前で語った。

やがて島の集落のはずれの木立の近くに煙が上がり始めた。
湾曲した根曲がりの木を六本立て棟とし、その間に算木を加えただけの炭焼き小屋のような建物であった。
中には薪ストーブが置かれ、突き出たブリキ製の煙突から白い煙が出ている。
入口らしい場所に、手書きで書かれた「ご自由にお入りください」との文字。

2年前 No.455

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

青年の所作はひたすら淡々としたものだった。早朝に起床し、岬に出ては遠い海を前に小さな声で五分位祈りをささげることから始まる。一心不乱いというでもなく、むしろ事務的な呟きのようでもあった。一旦岸辺におり、波の押し寄せる高い場所から排便を済ませ、その近くの海水に浸かり体や歯を磨く。排便に寄ってくる魚たちを釣り上げて小屋に持ち帰り火をおこす。大きな木を縦割にした粗末なまな板で魚を三枚に下ろし、網の上であぶる。となりには鍋が置かれ生米と水を混ぜたものが沸騰しはじめている。
起床から2時間、ようやく青年はあふあふと粥と炙った魚で朝飯を食うことができるのだ。
青年は思考しなかった。思考よりも行動した。言葉を発した。ただただ時間のために生き、時間を消化するために行動し、そして疲れては眠る、その生活をひたすら継続した。

2年前 No.456

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

島民たちは青年の所作を不思議なまなざしで見るようになり、次第に指を差すようになった。
青年は起きると大地にキスをした。ありがとう大地よ。そういうと唇に付いた土を舌で舐め取り飲み込んだ。
歩きながら足もとに伸びた雑草に言葉を投げかける。
やぁ、おはよう、昨日はよく眠れたかい?
大木に手のひらをあて、頬ずりをする。

青年が昼休みをし、まどろんでいると島でたった一人の少年が訪ねてきた。
おにいさんはとても不思議がられているよ。
そういうと体育座りをしながらうつむいてしまった。
大丈夫だよ、ぼくは全然不思議なんかじゃないんだ。ただぼくは、思ったことを口にし、思ったことをしているだけなんだよ。
君もこんどそうしてごらん。

2年前 No.457

山人 @ookumo1310 ★z80q9lxKhR_jwI

少年は少年でありながらすでに老いていた。
薄日が差すといっそう少年の髪は白く目立ち、頸の皮は重力に逆らうことなく垂れていた。
瞳は濁り、ぼんやりと遠くを見つめるようであった。
「風はどこから吹いてくるの?」
しわがれてはいるが、まだ変声していない幼い声で尋ねる。
青年は、少年の視点のそのまた向こうを見つめつぶやくように言い放った。
風はすべてを一掃する、風の根源はあらゆる滞りが蓄積し、次第に熱を帯びてくる、自らが変わろうとするのではなく自然と変わってくる。それが風だ。風は吹くべくして吹いているし、風の命を感ずればいい。
そのことばを聞いた時、少年の瞳の奥から一筋のひかりが煌めくのを青年は見た。

時々それから青年の家を訪れる少年だった。
訪問するごとに少年は水気が飽和するように、幼い魂を取り戻しはじめていた。

2年前 No.458

asitanoakari @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

少年はその後、青年の家を一日に一度は訪問し、一緒に食料を求めて海に行ったり、森に入り木の実や果実を採ったりした。
喜々とした感情は次第に少年の老いた細胞を死滅させ、新しい細胞が体を満たし始めた。
しわがれた少年の声は、野鳥のさえずりとハーモニーを奏で、朝露のようなみずみずしさを花々に与えた。
青年の小屋からは紫色のたおやかな煙が上がり、香ばしい食事のにおいが漂っていた。

青年は、島の人々を集め提案した。
それぞれ島民自体の墓を作ろうという。
声にもならない、奇怪な罵声が飛び交う中、青年は穏やかに言った。
人の死は、すべてが失われ、意思も失われ、やがて別世界へと旅立って行くのである。
私たちは今生きている。がしかし、魂はしなだれ、生を豊かに感じることがない。すべて負という巨大な悪夢に支配されている。
個の中の、その負を静かに、決別できるように埋葬しようではありませんか。

島民の先祖たちが眠る墓地には、日は陰り、泣きそうな空となった。
島民たちは、それぞれにシャベルを持ち、大きな石、小さな石、中くらいの石のそれぞれを土に上に置き、何かを言い始めた。
かすかに声を発するもの、何も言わないもの、はっきりとした口調で言う人。
様々の負を石の中に入り込むよう、念じている。
やがて石は発光し、橙色に染まりはじめた。
熱く熱し始めたその石を土の穴の中に放り込む。ぎしぎしと踏みつけ、銘々が墓碑銘を打ち立てる。
同時に空は雷鳴を轟かせ、激しい雨が降り始めた。
しかし、土の中の石は熱く、さらに橙色を強め、やがて闇のような雨の中、激しくそれぞれの負の墓から炎が上がり始めた。
島民は、立ちすくんでいた。おもくくすんだものが今燃えている。
激しく降る雨は、島民を濡らした。頭の頭皮を雨脚がなぞり、やがて指先や股を通り、足の袂から落下していく。
どれだけの雨にも石は光燃え続け、やがて雨は上がった。
激しい雨によって、墓はかすかに隆起するのみで、平坦な土に戻っていた。
雨が上がったと同時に、海鳥は回遊をはじめ島民たちは互いの目を見ていた。

1年前 No.459

asitanoakari @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

私は気弱な動物にさえなれず
眠ることも許されない魚だ
潮の重さに鱗をはがれながら
私は泳ぐ
瞼は閉じられることなく見開き
形はいつも同一の流線形
立ち止まって考えることもなく
私は泳ぐ
海水の中にも比喩はある
でもこの鱗を擦る海水と
時折さす海面のまなざし
口から肛門へと流される思考
私は魚だ
魚以外に生きていられなかっただろう

1年前 No.460

asitanoakari @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

わたしは旅の真ん中でたたずんでいるのでしょうか
どこか骨の奥底に黙って居座る黒い眠りのような小雨の朝
歯ぎしりする歯がもうないのです
そう伝えたいけれどそこには誰もいなく
部屋の中には少年のまま老いた私が一人

狂った季節に体節をもがれ丸い目を見開いた生き物
だったら蛞蝓のように這わせてください
湿気た空間を好み、枯れた木の液を舐めこそぎ
脳はどこかに忘れましたとつぶやきたい


1年前 No.461

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

私たちに頭上には白い太陽があった。白くゆがんで見える陽炎と巨大な太陽の下、私たちは急な斜面にへばりつき、一心不乱に作業をしていたのだった。足場を確保し、機械を操り、熱疲労で頭痛のする中、私たちはきっと永遠の旅へと向かうように荒く、しかし、眠るように作業をしていたのでした。
醜悪な赤ら顔の同僚の頬には、おびただしい汗粒が付き、暑さで声は枯れ、自虐の詩をひとことふたこと放てば、ふたたび狂ったセミが脳をひらいて叫んでいるのだった。
ここはいったいどこなんだろう?誰もがそう思い、自虐にむせび、ふふふと己をせせら笑い、その生き物としての存在を確かめていたのでしょう。

1年前 No.462

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

雨色の空気、それは六月
雨足は強くもなく
やがて上がるという雰囲気を感じてか
野鳥は声を出し始めた
きっと命の波動が疼きはじめ
あらゆる生き物が雨上がりを待っている

雨の金曜はどこかむず痒く
少し恥じらうようにうつむいている
週の終わりの雨
それが六月という事が
雨の憂鬱をまぬがれている

どこにもいけない魂は
ふと視線の置き場所にとどまっている
どこにだって私は居た
農業作業所の古びた屋根に
眠りをむさぼる除雪機の傍らに
いつか見た希望に満ちた透明なしずくのように
雑草の葉先に
そこに私が居る

時計を見る
また雨の音がしている
いつのまにか私はまた
飛び散った分身を手繰り寄せ
再び腕時計を見る

雨か
体中の溜息を吐きだすと
黙って立ち上がった

1年前 No.463

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

巨木に棲むのは武骨な形をした大男だった。
髪はゴワゴワとして肩まで伸びている。
髭の真ん中に口があり、いつも少しだけ笑っている。
深夜になると男は洞を抜け出して森の中に分け入るのだった。
たいていは、月の出た明るい夜だ。
梟の声に招かれるように、男は大きな錫杖を持ち外に出る。
丸い大きな月がいかにも白々と闇夜に立ち上がり、黒い海に浮かんでいるかのようだった。
下腹を突くように夜鷹が鳴けば、呼応するようにホホウと鳴くのは梟だった。
草むらにはおびただしい虫が翅をすり合わせ夜風を楽しんでいる。
夜の粒が虫たちの翅に吸い付いて接吻しているのだ。
木々の葉がさざなみ風を生む。
男の髪がふわりをし、汗臭い獣のようなにおいがした。
なにかに急かされるでもなく、男は錫杖で蜘蛛の巣を払いながら峰を目指した。
男の皮膚に葉が触れる。
サリッ。
続く

1年前 No.464

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_iye

峰筋の多くは岩稜で、腐葉土は少なくツツジ類が蔓延っている。
藪は失われ、多くの獣たちの通り道となっており、歩きやすい。
相変わらず月は丸く、天空から吊っているように浮かんでいる。
峰の一角は広くなり、そこに巨大なヒメコマツが立ち、各峰々から十人ほどの大男が集まり始めた。
互いに声を発するでもなく、視線すらも合わせることが無い。
かといって不自然さもなく、それぞれが他の存在を意識していないのだ。
巨大な月のまわりをひしめく星たちはその峰に向けて光を輝かせている。
アーーオーームーーと一人の大男が唱え始めると釣られてそれぞれが声を発する。
歌でもなく、呪文のようでもなく、静かな大地のうねりのように重低音が峰から生まれ出る。
ちかちかと光る星々のきらめきから閃光が走り出す。
男たちの呻く重低音が峰を下り、四方八方に鋭くさがりはじめ、やがて山岳の裾野を伝い人家のある街々まで光とともに覆っていった。

1年前 No.465

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

8/20
前日、猛暑の中の林業作業にて、1日ゆっくりしたいところであったが、登山道整備は待ってはくれない。
重い体を引きづり、ネズモチ平の旧駐車場まで車で入る。
草はさして多くなく、刈るにはものすごく中途半端であり、あまり仕上がりは良くない。
おおむね2時間弱で白崩沢手前まで刈り、昼食。
2つ目の沢を渡り、急になるあたりから雨となる。
ブナ曽根上部まで刈り、午後3時に作業を止める。
カッターおよび、そのほか不要な物品をツェルト覆い下山。
実労は4.5〜5.0時間。


8/21
カッターデポのため、ザックのみで旧ネズモチ駐車場を6時出発。6:55前日作業打ち止め場所に着く。
7:10から作業開始。8:25に浅草岳眺め到着。1時間15分作業。刃研磨休憩。
8:50作業開始。10:00まで作業。刃研磨。1時間10分作業。
10:15作業開始。分岐まで刈り、さらに鬼が面ルートの一部を写真撮りように作業、1時間05分作業。11:20より昼休憩。
12:05作業開始。13:55浅草岳。1時間.35分作業。計5時間05分作業。
2日間トータル、おおむね10時間。


知人2名と私の3名で布引道から作業を進める。途中1台の刈り払い機の部品が紛失し、2台刈りとなる。
かなり暑い日で、各自ペースが上がらず、午後4時で小烏帽子以遠までで終了とした。

2016年9月3日 守門岳除草

 前回3名で行ったが、その刈り残しを行うべく、一人で早朝より下部より刈り始める。
一気に約2時間刈り、滝の倉上部分岐まで至る。その後、カッターを担ぎ、激暑の中小烏帽子(1348先)まで登る。
かなり草が繁茂し、いつものように時間を要し、3時間20分作業し15:00山頂へ。
少し休み、15:30より下山。
17:45登山口着。

2016年9月4日 鬼が面山手前1455p

守門岳大白川登山道&布引登山道、浅草岳ネズモチ登山道の除草を終わらせ、本日より六十里登山口より鬼が面山山塊の除草に入った。
家を4:00に出、六十里登山口4:30発。吹き峠分岐には6:15着。6:25作業開始。
7:40まで刈り、第1ラウンド終了。
8:00から9:15第2ラウンド、9:45から11:05第3ラウンド終了。
第3ラウンドは南岳取り付きであった。
第4ラウンド、11:30から12:40、第5は13:00から14:30鬼が面山手前ピーク1455mであった。
だいぶ前から雷の音が気になっていたが、あちこちから雷鳴があり、目標まで行けなかったが撤退することとした。
14:50発16:30六十里着。
マイクロ中継局あたりから雨となり、強烈な雨に濡れながら帰路に着いた。

2016年9月10日 鬼が面山山塊除草

3:30、真っ暗な六十里登山口より、カッターや燃料・弁当など一式背負い歩きはじめる。
マイクロ中継局4:40着。吹き峠5:10着。
1455pには6:20に着いた。
6:30〜8:25(1:55)1回目刈り払いで鬼が面山に到達。
8:40〜10:10(1:30)2回目刈り払いで、村杉沢ガッチ手前馬の背ピーク到達。
10:30〜11:40(1:10)3回目刈り払いで村杉沢ガッチ到達。
12:00〜13:35(1:35)4回目刈り払いでムジナ沢手前ピーク郭公尾根到達。
13:55〜15:20(1:25)5回目刈り払いでムジナ沢ガッチ到達。
15:40〜16:30(0:50)6回目刈り払いで前岳最低鞍部手前到達。計、8:25実働。
刃を研磨、準備しカッターをデポ。16:50現場発17:20JC着、17:25JC発、18:45ネズモチ平着。
朝2時間、夕方1時間ほどヘッデン使用。

2016年9月11日 鬼が面山山塊除草

5:35旧ネズモチ登山口発、ブナ曽根6:25〜6:30、浅草岳眺め6:55、JC7:20、デポ地鞍部8:00。
8:15〜9:50(1:35)1回目刈り払い、岩場を過ぎた尾根筋到達。
10:10〜11:10(1:00)2回目刈り払い、軽傾斜地到達。
11:50〜13:00(1:10)3回目刈り払い、終了。
13:05JC発、ネズモチ登山口14:45着。
鬼が面山山塊総実動 19:45h

2016年9月17日 木の根峠田代平除草

 8時20分田代林道ゲート発。穴清水(旧林道入り口)9:00 芳ヶ沢9:50 八十里ショートカット道入口10:35
10:45木の根分岐から刈り払い開始。11:50木の根峠まで刈る。実働1:05
木の根分岐まで20分かけて戻る。
12:45、2ラウンド開始。田代平木道手前で便意をもよおし13:30でいったん中止。実働0:45
3ラウンド13:40から湿原分岐まで刈る。14:30  実働0:50
14:45から4ラウンド目一つ目の沢まで刈る。15:50  実働1:05  計実働3:45
刈り払い機の熱を冷まし、16:15発。18:20ゲート着。

2016年9月18日 小松横手〜鞍掛峠除草  一部田代湿原含む

5:15発。途中で知人に乗せてもらい大幅短縮できた。しかし、現場着は7:20
7:25〜9:30 小松横手着 実働2:05
9:40〜12:20 鞍掛峠着 実働2:40
12:30鞍掛峠発13:25湿原分岐着。
13:25〜14:10 実働0:45 湿原内軽く除草。
計実働5:30  2日間計実働9:15
林道終点14:10、ゲート16:10


上記の記録を詩にしたいと考えています。

1年前 No.466

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

8/20
土を舐める、ミミズの肌に頬を寄せる、獣の残した糞を触る。
如何にも現実とは、そのようなものなのだよ、そういいたげに八月の二十日はやってきた。
希望は確かにある。廃道の石ころの隙間にひっそりと生をはぐくむ草たちのそよぎだ。
ゴールの見えない迷宮の入り口で、私はこれから作業をするのだと天頂の山に言う。
カビ臭く、廃れた空間に現実のあかりが煌々と灯り始める。
作業は発育を繰り返し、やがて鋼鉄にまで確変し、やがて私の皮膚をつたうものが流れ始める。
雨。くぐもった気が結露し、水を降らす。赤く爛れた鉄は水によって冷やされ、やがてしぼんでいく。
その日、私は踵を返した。

1年前 No.467

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

8/21
すでに物語づくりを始めてしまった翌日、空は青く澄み、夏はまだ照りつける光を存分にさらしている。
吐く息と吸う息が人体をオブラートのように包み、一個の不完全な生命体が生を主張する。
作業のための準備に勤しんでいる私は、それに従うただの下僕のようだった。
作業は再び開始された。
脳内には小人の群れが散乱し、あっちこっちで走り回ったり、忙しい。
作業の合間の休息が、苔むすまで私は静かに呼吸を整える。
午後二時、作業は頂きを最後に終わった。
眼下に人造湖が横たわり、微風だが風もある、静かな初秋だ。
確かに頂きは私のためだけにあったのだった。

1年前 No.468

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr


9/3
作業を行うための用具は重い。さらに作業を行うべく人体に注入すべく液体とその食物。何よりも作業はひとりでに出来様も無くすべて私という生き物が行うのだ。
人体の中を巨大な道が走り、大きく迫り出した建造物や、下水、その中をすべて体液が流れ、あらゆる場所に充填されている。
私の中の体内都市は密かに、確実に動き出していたのだ。
時折吹く風は確かに新しい季節のものである、そう岩はつぶやく。
鼓動は狂い、息はあらゆる空気を吸い込もうとあえぐ。
初秋の頂きには誰もいない。二つ目の頂きに着き、穏やかな鎮静が私を、作業を包む。

1年前 No.469

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr


9/4
三つめの頂きに向けて、まだ明けない朝を歩く。
作業場は遠い。用具は執拗に重く、それを受け止めるべく私の人体は悲鳴を上げている。
なるべく悲鳴を上げぬよう、私は穏やかに話しかけ、まるでカタツムリのように足を動かす。
希望や夢、期待、あらゆる明るい要素は皆無だ。自らを死体置き場に向けて歩を進めているかのように、ありあわせの生を貪っている。
おびただしい汗と、渇いた疲労の後、ようやく作業場に到達。
湿気た森の空間を機械のエンジン音が薄青い煙を吐いて起動する。
ここは迷宮、昔から迷宮のために私は生きて来たのだろうか。

1年前 No.470

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr



9/10
峠のトンネルは橙色の明かりをともし、広場には漆黒の闇が繰り広げられている。
闇と霧が山道にあふれ、荒ぶる作業場へと私は向かう。
入念に歩を進め、やがて闇は徐々に薄くなり、遠くに人造湖が霧の薄い膜とともに眼下に現れる。
日が昇り始めるとともに、作業は開始された。
果たしてこの作業に、終わりはあるのだろうか。
頂きはまだ遠く見える。
このまま終わることにない作業が続いたとしても、それがどうだというのだ。
その日、私は作業そのものになっていた。
作業が雇い主であり、私は一回の作業を行う生体にすぎなかった。
激しい一日は終わりを迎え、夕暮れ近くなった鞍部の山道に腰を下ろす。
作業用具を藪に仕舞い、やり遂げた作業の道筋を背負い、作業場を後にした。

1年前 No.471

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr


9/11
一夜を明かした機械類は朝露をかぶり、起動に備えていた。
数万年前の爆裂口は霧を生み、作業の最終日の狼煙を上げているかのようであった。
頂きへの作業は終わりを迎え、やがて最後のエンジン音とともに見晴らしの良い峰に着く。
作業機械の心臓を撫でてやる、その熱い魂は何を思ったのだろう。
分岐道の山道にはイワショウブが揺れていた。

1年前 No.472

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr


9/17
関節の中に、血液の中に、重いものがいくつも蓄積されている。さらに荷を背負い、機械を背負い、別な古道への作業へと向かう。
作業場まで延々二時間半歩くことに徹する。
そういえばどのくらい歩いてきたのだろう。いつもいつも、昔から私はひたすら歩くことしかしていなかった。たとえば遠い血の奥にも何百年も前の私も歩いていたのだろうと、思うしかなかった。
幾百も、或いは幾千の小人たちが頭蓋の空間を遊び、動き回る。独りよがりな小人たちを止めることなどできやしない。
私が来ることを期待していたかのように、作業するべく仕事量は膨大だった。
機械を左右に振り分け、空間を選り分けながら作業を進める。
そんな時、作業と私はいつしか交わっていることを感じてしまう。
一つ目の沢を越えた頃、あたりはにわかに曇り始めて夕刻となった。
作業機械を藪に仕舞い野を後にした。

1年前 No.473

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

9/18
雨、時間が流れるとき、いつも雨はその区切りをつけにやってくる。
むしろ雨はやさしいのではないだろうか?あらゆるものを濡らし、平易に事柄をなじませて、また新たなる渇きに向けて一滴を与えるのだ。
雨の古道を作業する、作業は私の前に忽然と現れ、どんどんそれは成長を繰り返し、私を釣るように引いて行く。
大きく掘り割れた、峠の石標は苔をたくわえ、その隙間に雨を降らせ、少し光ってはいた。
脳内の小人たちはもうすっかり眠りについていた。
九日間の安堵を、蛞蝓の歩いた足跡のように引きづり、四方八方を目で追っていた。

1年前 No.474

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

夢の死骸を拾うこともなく
遠地で私はただの一言も発することも無く
黙って宣告を聴いていた
三月も末のことだった
トンネルの中にはライトが要らぬほどのオレンジ色が輝き
無駄にただ、失意を助長させるだけだった

私の血液中に漂う細胞が、長い年月を経過し
再び疼いている
可もなく不可もない景色の中で
叫びたいような欲求を押し殺し
私は今日も
明日も明後日も

朝は日の扉をいち早くこじ開けて
目をくらます現実の店を広げる
その中を私はただ
黙って虫のように翅を動かし
牛のように頑なに
荷を引く

1年前 No.475

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

日々は入念に繰り返され、多くの時間を積み上げていく。
ことのほか、季節はゆるぎなくそのように流れ、いきものたちは死へと誕生へと流れるように時間を旅している。
私もだ、さわやかな風を感じるでもなく、粘る加湿された粘性の空気を乾いた皮膚に感じ、このように行くあてのない旅をしている。
いくつもの思考を閉じながら、私は果てる先まで向かう事だろう。
いのちの原理を丸く胸に仕舞い込み、病原菌のような小さな存在の自我を積み上げていくのだろう。

11ヶ月前 No.476

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

窓越しに見える、まだ薄暗い朝
山にはまだ多くの雪が残っている

夜はよく眠れた
ただ、鈍痛は未だ引いていない

影だった部分
それが少しづつ染み出して
私から溶けだしてきている
体の中の悪癖たちの鼓動が高まり
私をどこかへ導きたいのだろうか





11ヶ月前 No.477

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

イカルが夜明けを突っ切るように
私の傍で鳴いている
絶妙なタイミングで
いくらも離れていないところで
その鳥は鳴いていた
古ぼけたザックを背中に背負い
私はイカルの声を模倣し揶揄う
まだ、岩山から崩れた雪が窪みに残り
ズシャ、ズシャと長靴で踏んでいく

久々だな
誰ともなしにそれぞれの風景に言葉を放つ
彼らの記憶は確かで手堅い
暦も日記も持たず
ただ、鋭敏に季節を探り
芽を出す

去年の胞子葉の枯れたところから
拳骨のような束の芽が
いたるところに突き出ている
まるでそれは土の出来物のようでもあり
地底からの呻きのようだ

命は何処にでもあった
いたるところにある命の群落
果てしなく続く生の行進
これからさらに森は
命の爆音を轟かせる

11ヶ月前 No.478

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

いきることのかなしみ
そう誰かが言った気がした
確かにそうだな、かなしいのだ
意識がある時間何万遍も思考し、
かなしみを生んでいく
日記帳をめくれば、その時々のかなしみが
幾重にも厚い層になってとじられている
曇り空ほどかなしい瞬間はない
切り取られた風景の片隅で
静香に樹皮を齧る大蛞蝓の涙をみんな知らない
計り知れない物語が平原に塗され
やがて白々と蒸気とともに蒸散されていく
かなしみはやがて来る冬をつたえる冬虫のようで
静かにふわりと舞い上がっていった

10ヶ月前 No.479

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

かぞえきれないブラックホールを超えて
僕の船は宇宙を漂っている
星はきらっと輝いたかと思えば
それは一瞬のきらめきであり
あとは黄銅色の鉱石が漂う空間だった
宇宙に風はないというが
少しだけ風はあって
それはこの宇宙の端の滝のしぶきから生まれるものだと思っていた
太陽や土星は激しく鈍い音で自転し
それがいろいろな天体に影響を及ぼしていた
僕の船は少しだけ流線型で
寂れた宇宙の片隅にいつも存在した
宇宙人の交信も途絶えた頃
僕はついに老いている
何処に行くのだろう?
結局どこにも行けず、僕は
宇宙の闇の中で
静かに言うだろう
闇は深いな、と。

10ヶ月前 No.480

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_Xrr

夜半、雨は激しく降っていた
まったくひどく雨は
やたらに叩きのめすように
降りつくしていた
気がつくと又眠りに落ちた私は朝を迎え
上空の液体は出口を封印したのか
降ってはいない
まわりに乳白色の遠景がある

私の体内では
歴史の街並みがあり
髷を結った侍やら
荷車を引いた商人たちが行き交っている
長屋の奥では
いつもながらの徳利を並べた
ぐうたらな亭主が筵の上に寝そべっている

やがて夜が明けると
近代的なビルが立ち並び
勤め人の急ぎ足で満ち溢れ
山手線は無機質に人を吐き出しては飲み込んでいる

明けない夜はないというけれど
それは正解だ
幾多の夜が訪れては
すべての□が開示される朝が来る
朝はいつも現実しか連れては来ない
きっと希望や夢は
夜のどこかの漬物桶の中に又
眠っているのかもしれない

9ヶ月前 No.481

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

深い霧がうっすらと見えるまだ明けきれない朝
ニイニイゼミの海が広がり
その上をヒグラシがカナ・カナカナ、と
万遍ない怠惰が体を支配し
私はその中をぷかりぷかりと泳いでいる

上空には巨大なウミウが舞い
血だるまの現実がホバリングしているが
私の心は心細いマッチ棒のようで
ぶすりぶすりと煙い火をかすかに灯している

道なき道を歩いてきた私は
またこのように道を失い
いつ来るともしれない
風を待っている

八月はまたやってくる
夏の痛々しく残酷な暑さは
あらゆるものを溶かし崩してゆく

釈然とするものが何一つない真夏の炎
それはすべてを燃え上がらせ
骨も髄も溶かし
念じたものをも溶かしてゆく

また新たな物語の為に
八月は坩堝のように
卵を産み続ける

8ヶ月前 No.482

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

どこかに放り出されて、その存在すらも稀有なもの
それはどこにでもあるような九月
触れそうで触れない
あなたとの関係のように
ときめき半分とあきらめが半分

ぶんっと車が田舎道を走るタイミングは
私の心臓をまっすぐ突き刺す音源のようで
神経が震えてくるタイミング

気ままなエピローグが似合い過ぎるのはやはり九月
どこにでもいるような凡庸でいて
平易な日々が横たわる
まるで私が見るあなたのようなのです

7ヶ月前 No.483

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

空が重く垂れさがっている
泣きそうな重い空気が地面に着陸しそうになっていた
野鳥は口をつむぎ、葉は雨に怯えている
狂騒に塗れたTVの音源だけが白々しく仕事場に響く

悪臭を放つ越冬害虫が空を切る
その憎悪にあふれた重い羽音が気だるく内臓に湿潤するのだ
不快な長い季節の到来を喜々として表現している

こうして、悪は新しい産卵をし
悪の命を生み続ける
不快な空間はあらゆる場面でも途切れることがなく存在してゆく



6ヶ月前 No.484

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

十月はあきらめの序曲
乾いた皮膚をわずかに流れるねばい汗
かすかな望みを打ち消す冷たい風音

風景はさらに固まり続けるだろう
思考は気温と共に鬱屈し乾いてゆく
ひとつふたつと声にならない声を発し
ねじを巻くのだ

6ヶ月前 No.485

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

白湯

六時を回るとようやく明るくなる
山間の籾感想センターはまだ閑としている
さまざまは起伏を伴った棘を
静かに撫でれば幾分落ち着き
少しだけ私は私を取り戻すことが出来たようだ
どれだけの運を私から奪い
幸福を奪い去ったらいいのか
果てしなく続く未踏の鋭鋒を見たのだった

マグカップにじょぼじょぼと注ぎ込んだ白湯
カップの底が透明になって確り見える
湯気はやはり上がり
やはりすぐに消失する
ほどよく熱い湯が口の中に入り
舌に絡まりながら
私の内臓に落下していった

この透明な底のように
あるものは私で
底(そこ)には私だけしかいないのだった

6ヶ月前 No.486

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

労働がそこにあるから働くのだ
働いて働いて働きぬいて、そして死ぬだけだ
死ぬために働き、死ぬために食い
そしてただ、無を目指すという
それは、いわゆる究極であり
神の国へ行けるかもしれないという
淡い期待だけで生き抜いている
それにしても昨日と今日の
この土方のような、ミミズのような
土に塗れ、腰を曲げ続けたこの日々は
いったい何なんだ
労働は何様だ
俺らのこの萎れかかったこの体に
塩を塗るようなこの吐瀉物のような労働は
どこから生まれ出たものなのか
俺らにムチ振るうのは何だ
誠実さか真面目さか
単なる馬鹿か
福沢諭吉一枚にもならない
この、糞のような労働の為に
俺はもう寝る
ドクターXを見てからな

5ヶ月前 No.487

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

 朝、海に行きたいと思った。
また、厳しい冬に身を投じ、雪まみれにならなければならない。
もともと、すべての生き物は海から始まった。
いろんな独り言を言いながら、車を駆ろうと思ったが、車のBGMが脳内で攪拌され、何も思考することは無かった。
コンビニで食べ物を買い、シーサイドラインに入った。
やはり、水平線はごくわずかに曲がり、この星が球体であるという事を示してくれている。
清流の涼やかな水流ではなく、わずかに濁った冬の海は言う言葉が見つからないほど巨大だ。
波はうねうねと遠くまで続き、細かく刻まれた岩礁が奇怪な形をしている。

登山道は参道の延長から入り、標高600mの信仰の山へと向かう山道が続いている。
行きかう人たちの挨拶に鬱陶しくもありながら、その言葉が身に染みる。
老若男女が自由に山頂を目指し、下山していた。

4ヶ月前 No.488

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

大量の汗に山頂の風は冷たく、枯れたススキがなびいている。
山頂にも鳥居が設けられ、そこでにこやかに拝む若いカップルが居た。
背中に汗がへばりつき、その不快さを合掌することで和らげようと銀貨を投げ入れる。
食べるでもなく、飲むでもなく、もう一つ向こう側の峰まで歩きだす。

山とは言っても、無雪期は山頂近くまでスカイラインが通り、たくさんの往来があったのだろう。
今は通行止めとなり、冬枯れの曇り空と、治癒が期待されないような、暗澹たる日本海が広がっている。
離れた峰まで行く人は稀で、歩くのを楽しむというより、そこに至らなければならないとする義務感のような意思を感じる。
峰の中央に、大きな木製の道標がたてられ、その文字は消えかかっていた。

登山口に戻ると、再び人のうねりがあった。
参道に沿って歩くと、本殿があり、多くの家族高齢者などが目を閉じ、合掌している。
賽銭箱のやや横で、一心不乱に手を合わせ、何かを祈願しているのだろうか、じっと動かずに立っていた。

神はきっといるのだろう。舌にころがる菓子の甘さが、瞼の隙間にしみてくる。
海はやはり広かった。
大勢の信仰登山者に遭い、挨拶を交わし、神に祈った。
むしろ、もう、そんなに、良いことは無いのかもしれない。

もう一度、シーサイドラインに立ち寄り、海を見たいと思った。

4ヶ月前 No.489

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

工夫は一膳の飯を食らい、黙って水槽の中に食器を沈める
新しい仕事に慣れることもなく一日が終わり飯を食い終えた
作業は外科医のような限られた者だけが就ける職種でもなく
単純な、誰にでもできる、誰にでもため息を吐けさせるに値する仕事だ
太陽は誰にでも熱を放射し、工夫にも注がれた
工夫の前にあるはずだった舞台は草に埋もれ
ギターは錆び、蔓が絡み、虫たちの棲み処となっている
汗臭いランニングシャツのまま小高い丘に来れば
見渡す限りの残照が小さな町を生めていた
息が上がり、小粒の汗が眉間からこぼれ工夫の足元に雫を落とした
工夫らしい夕刻はやがて終わり

4ヶ月前 No.490

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_KxC

 底冷えと言えばいいのだろうか。そんな日が続いている。
早朝、夜明け前に除雪車の轟音に目覚め、身支度を整えスコップ片手にドアを開ける。
階段のコンクリートの端をなぞるように雪を掻き落とし、スノーダンプという、雪を運ぶ道具を引っ張り出し人力除雪が始まる。
ずっともうこんなことをやっているのだ、とふと固く空気が微動するのを感じる時だ。
雪を運ぶスノーダンプにはバケツ5〜6杯しか入らず、小さく掬っては山にして、なるべく多くを運べるようにする。それを小さな池に捨て、やがて池がいっぱいになると道路の端まで雪を運ぶ。
寂れた湖は、波一つなく一隻の知らないボートが浮かんでいる。闇は深い。コトリとした音もなく、永遠と呼ぶにふさわしい水深がある。頭蓋の中はそのように淡々としている。
その無機質な湖に言葉を散らしていく。呪文のように、散らし、投げかけ、作業を進める。
道路の端には、何度も何度も雪を捨てに往復した足跡が、まるで、何十人が作業したようにその痕跡を残している。
かつて、その痕跡に達成感を見出したことがあった。しかし、今はもう、一刻も早くにその傷痕を打ち消すかのごとく、雪が降りつくしてほしいと願う。

3ヶ月前 No.491

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_gUY

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2ヶ月前 No.492

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_gUY

寒さというのは身を細らせる、そして寒さというのは味気ない。どこか、気持ちがふさぎ、布団の中へ中へともぐりこみたくなるのだ。
布団のトンネルを抜けると春だった、ということもない。布団の中はさしづめ雪山で遭難した雪洞のようなもので、トーチの少しばかりの温かさとシュラフのぬくもりが少しあるといった風な。明日まで生きていられるかな?とつぶやきながら眠りに落ちるかのようなのだ。

2ヶ月前 No.493

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_gUY

この繰り広げられた修羅は燃えている
人は悪魔というが、無機質で冷徹で無味だ
太陽ははるか彼方にしまい込まれ
あたりにはあおい狂気が覆われている
狂っているから俺たちも狂うしかない
さらに燃えてやる
ぶちまけれた現実に愛しくキスしよう
打ちのめされた殴打を抱きしめよう
青く沈んだ痣をなめれば塩辛い鉄の味がする
たしかに無偽に生きた年月だった
その代償は吐息の荒野だ
月を数えた
祈るように木を見つめ
花を瞼にしまい込み
過去はおびただしい死骸となり
俺たちはまさに
灰になるまで燃え続けよう

2ヶ月前 No.494

山人 @ookumo13 ★bDJoqEzcCB_gUY

散歩はいかが?
とアスファルトが誘っていたから
私は安いスニーカーを履いて外に出る
雪塊はすっかりしおれて
蛞蝓のようにしぼんでいる

あいかわらず次男からは何の音沙汰もない
せめて
夏鳥のさえずりみたいに
知らせてくれてもいいだろうと
崖の湿気のあるところに出ている
メノマンネングサに向かって話しかける

11時間前 No.495
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