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宝物夏休み

 ( 中級者 小説投稿城 )
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立花英莉 @kzrena ★3DS=vHFbLYAaM0

私があの子と出逢ったのは、
忘れもしない、中学1年生の夏休み。

私達が出逢ったのは
もしかしたら、ただの偶然じゃなかったのかもしれない。

ちょっと不思議なお話。
聞いてくれませんか?

1年前 No.0
メモ2015/02/23 16:18 : 立花英莉 @kzrena★3DS-vHFbLYAaM0

こんにちは、立花英莉です。

この「宝物夏休み」は他で連載していた原作の「ふたりの夏休み」を書き改めた作品です。

まだまだ未熟な作品ですが、どうか暖かい目で見守ってやって下さい。


〜登場人物〜

・羽田鈴(はねだすず)

この物語の主人公、中学一年生。

天真爛漫で好奇心旺盛な女の子。

・水野花(みずのはな)

クォーターでお金持ちのご令嬢。

鈴と同じく、中学一年生。

切替: メイン記事(5) サブ記事 (3) ページ: 1


 
 

立花英莉 @kzrena ★3DS=vHFbLYAaM0

「鈴、まだなの〜??」
階下からお母さんの声がした。
時計を見れば、バスの発車時刻までもう3分も無い。
「あ"ー、も、分かってるってば。」
私は思いっきり旅行カバンのファスナーを引っ張った。
……やっと閉まった!
「鈴、いい加減にしなさい!」
ひゃ〜、怖いっ!
「今行きます!!」
私は急いで階段をかけ降り、玄関のドアを閉めるのも忘れて一目散にバス停を目指して走り出した。
「いってきまーーーす!」
その時、後ろから誰かが追いかけてきた。
「おねぇちゃーん、お財布忘れてるよーー!」
…しまった!!

私、羽田鈴(はねだすず)。
4月っから元気に中学生やってます。
何で私がこんなにバタバタしてるのかって?
事の発端は夏休み初日のお母さんと私の会話にあったんだ。

1年前 No.1

立花英莉 @kzrena ★3DS=vHFbLYAaM0

***

待ちに待った夏休み!
友達と遊んだり、旅行へ出掛けたり、楽しい予定でいっぱい!
そのはずだった。
だけど、お父さんは出張に行ってしまってどこにも行けないし、友達だって家族と旅行へ出掛けてしまって楽しい計画は全部消されてしまったの。
その為、私は部活が停止して3週間程の長期休みに入ってから初めの1週間は、だらだら生活を送っていた。
すると当然、お母さんは
「宿題やったの?休み明けにテストあるんでしょ?柚(ゆず)はしっかりしてるのに鈴はなんでこんなにだらしないのかしら。」
妹の柚と比べて文句ばっかり。
だから言ってやったんだ。
「お母さんだって夏休みなのにどこにも連れていってくれないじゃない。」
ってね。そしたらこう言い出したんだ。
「お母さんも忙しいのよ。そんなにどこか行きたいなら、一人でどこか行ってくれば?……おばあちゃん家なら一人でもいけるでしょう?」
私は最初あんまり乗り気じゃなかった。
でも、よーくかんがえたら、良いことを思い付いたんだ。
(おばあちゃんに逢えばお小遣いが貰えるかも!)
そして思わず
「行く!」
って言ってしまったんだ。

***

ようやくバス停に着いた。
私がバス停に着くのと同時にバスがやって来た。
ぎりぎりセーフ!
それからバスで一時間ほど。
気が付けば、窓の外は雑木林だった。
車内には私以外に乗客の姿は見えなかった。
夏なのにも関わらず、とてもひんやりした空気が流れていた。
““次は〜終点〜白沢堤〜””
終点のアナウンスが流れ、私はバスから降りた。

1年前 No.2

立花英莉 @kzrena ★3DS=vHFbLYAaM0

***

バスから降りて約10分、雑木林の中を歩いていくと、その先にこぢんまりとしたおばあちゃんの家が見えた。そして、その隣にはいつの間にか古風の大きな館が建っていた。
「わぁ、大きな館!」
私は思わず感嘆の声をあげてしまった。
こんな館、前来た時には建っていなかったぞ??
しばらくおばあちゃんの家に入るのも忘れてその館を眺めていると、どこからか女の子が歩いてきた。
私と同い年位に見える。
その女の子は、私に気付いたようで
「こんにちは。」
声を掛けながらこちらに歩いてきた。
よく見ると、かなりの美少女だった。
左右に結んだ髪と澄んだ大きな瞳は綺麗な栗色。
鼻と口は小さく、唇と頬はほんのりと桜色をしている。
全体的に色白で、白いワンピースからは細長い手足がすらりと伸びている。
見かけは、ハーフの女の子らしかった。
「こ、こんにちは。」
人形のような女の子を前に、挨拶の声も微かに震えてしまった。
「どこから来たの?」
そう話した女の子の声は鈴の音のように綺麗だったものだったから、またもや緊張して上手く話せなかった。
「えっと…この隣の…おばあちゃんの家に、東京から来たの。」
すると女の子はクスッと笑った。
「私、水野花(みずのはな)。
フランス人のおじいちゃんと
日本人のおばあちゃんがいるクォーター
なんだ。13歳だよ。よろしくね。」
女の子はニコリと微笑んだ。
私も急いで自己紹介をした。
「私は羽田鈴。東京の中学校に通う中学一年生だよ。
 同い年で13歳。こちらこそよろしく!」
上手く笑えなかったけど、明るく振る舞ったつもり。
…でもなんでこの子はここにいるんだろう…。

1年前 No.3

立花英莉 @kzrena ★3DS=vHFbLYAaM0

***

「おばあちゃーん、久しぶり!!」
私は靴を揃えるのも忘れて家へ入っていった。
「鈴ちゃん、久しぶり。遠かったろう?」
おばあちゃんはにこにこしながら奥から出てきた。
ああ、やっぱり好きだなぁ。この感じ。
私はここで2週間の間、過ごすことになる。
居間へ上がると、早速おばあちゃんに例の“花ちゃん”の事を聞いてみた。
「あぁ、水野さんのとこのお嬢ちゃんだろう?? 何で知っているんだい?」
「さっき花ちゃんにそこの通りで会ったんだ。それで。」
自己紹介はしたものの、なんだか不思議な感じがして、どうしても私は気になっていた。
「水野さんは去年隣に引っ越してきてねぇ、別荘なんだって。花ちゃんのお父さんはどこだかのIT企業の社長さんだそうだよ。」
へぇぇ、すっごいお金持ちってことか!
確かに門構えから見て、結構凄そうだったし…。
「お嬢ちゃんがクォーターなのは知ってるかい?」
「うん、知ってるよ。」
「あのお嬢ちゃんは、フランスの名門校『ヨーロッパ国際女学院』の中等部に通っているみたいだねぇ。」
ふぅん。
じゃあ、そのヨーロッパ国立女子学園だかってところはそんなに凄いのかな。
「今は、夏期休暇ってことで、日本の別荘に遊びに来ているそうだよ。」
へぇぇぇ。
分かったような、分からないような…。
とにかく、凄いって事は分かったよ。

1年前 No.4

立花英莉 @kzrena ★3DS=vHFbLYAaM0

***

「鈴ちゃん、お隣の竹中さん家に荷物を届けて来てくれないかい?」
「いいよー。」
おばあちゃんにそう頼まれて玄関を出た。
竹中さんはおばあちゃんの幼馴染み。
私も昔よくお世話になったなぁ。
「すみませーん。」
そう言ってガラスの引き戸を開けようとした。
あれ?でも鍵がかかっているみたい。
私は帰ろうと、回れ右をしたその先に花ちゃんが立っていた。
「ひぃやあっ」
私は驚いて変な声を出してしまった。
花ちゃんは私がそんなに驚くとは思わなかったらしく、
「ご、ごめんなさいっ」
と、急いで謝ってきた。
「花ちゃん、どうしてここに?」
「え、私はこれを届けに。」
そうして、手に持っていた風呂敷を軽く上げて見せた。
「なぁんだ、花ちゃんもなんだ。もう、後ろにいるなら声掛けてよね〜。」
「ごめんなさい。」
花ちゃんは少し肩をすくめた。
私はさっきから謝ってばかりの花ちゃんがなんだかおかしくって、ついクスりと笑ってしまった。
「なんで笑うのよ〜?」
「や、別に。」
花ちゃんは、さっぱり分からないといった風に首をかしげた。
「ね、花ちゃん、今度一緒に遊ぼう。」
「う、うん。」
やっぱり何で笑っていたのか気になるようで、花ちゃんはあいまいな返事をくれた。
でも、(どさくさに紛れてだけど)遊ぶ約束できたし、これってちょっと仲良くなれたってことかな。
私はつい嬉しくなって
「じゃあ、またね〜」
と言いながら足取り軽くおばあちゃんの家へ帰っていった。

1年前 No.5
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